釈迦ヶ岳(しゃかがたけ) [大峰] 1800m |
長い林道を走り、登山口の駐車場に着いたら消防車両が4台も止まっていた。車両の間には催事用テントも張られていて、5〜6人の消防署員が集まっている。こりゃ遭難だな、と直感。車を降り尋ねてみると
、けが人を救助中とのこと。こんな山中で他の車中泊登山者と一緒だと少し身構えてしまうが、消防隊員ならかえって安心。
小雨も降り出し、あたりがすっかり暗くなった7時半頃に10数人の消防隊員に付き添われて遭難者が下りてきた。自力で歩けているので大事にはなっていないようだ。遭難者は後から登ってきた救急車で搬送され、消防隊員達の引き上げが終わったのは8時頃だった。 |
夜半から風が吹き始めて、時々車が横に揺れて目が覚める。明け方にはかなり強い風が峠を吹き抜けていた。台風14号はまだ九州の南の海上にあるが、大きな台風なのでもう影響が出始めたようだ。大峰の主稜線には雲がかかっている。
簡単な食事をして6時少し前に登り始める。あたりは明るくなってきたが風が強く、心がザワザワする。風に吹かれるのは体温が奪われるし、木々のざわめく音で
耳からの情報が入りにくい。昨日の遭難騒ぎもあり、気分が落ち着かない。
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明るい尾根に出る
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ブナの森を行く
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1434mのピークまで登ると日が差し始め、明るい尾根道になった。一気に気分が軽くなる。風は強いままだが、明るい森と低い笹原の中の踏み跡のような登山道を進んでいくのは気持ちがいい。 |
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大日岳
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旧道の分岐を過ぎ、小さなアップダウンを繰り返しながら少しずつ高度を上げる。どこまでも笹原の道が続く。傾斜が緩くて歩きやすい。 斜面に突き出た露岩から尾根を振り返ると、紀伊山地の山並みが続いている。主稜線を越えてきた雲が頭上をすごい早さで通り過ぎていくが、風下側の山々は日に照らされて明るい。
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露岩から尾根を振り返る
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古田の森が近づくと笹原の向こうに釈迦ヶ岳が見えてくるが、山頂部は雲がかかったまま。先ほどよりも雲底が高くなった気がするので、もう少しすれば雲が取れるかもしれない。
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古田の森へ |
八経ヶ岳を越える滝雲
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古田の森を越え、少し下って登り返すと左手に小さな池が現れた。千丈平の池のようだ。平坦地で水はけが悪いのか、笹に替わって苔が地面を覆っている。 |
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千丈平の池
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苔の絨毯に張ったブナの根
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大日岳への分岐
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千丈平からは山頂に向けて最後の登りになる。稜線の雲の中に入ってしまったようで、周りのトウヒの森は霧に煙って幻想的だ。
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山頂には石積みの上に有名な青銅製の釈迦如来像が立っている。伝説の強力が一人で担ぎ上げたと言われるものだが、光背まで含めれば3mくらいありそうで、こんなものが人の力で担げるとはとても信じられない。台座くらいは別になっているのだろうか?
山頂は時々青空がみえるものの、雲がかかったままで、強い風にあおられた雲が頭上を踊るように流れていく。たまに雲が切れると、北の八経ヶ岳や南へ続く奥駆道の稜線がチラリと見える。
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釈迦如来像
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ゼリーを食べながら30分ほど山頂にいたが、雲が取れそうにないので下山することにする。展望が利かないのなら行くまでもないか、と大日岳はパス。来た道をそのまま下っていく。
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千丈平のトリカブト |
倒木
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古田の森の登り返しでふと振り返ると釈迦ヶ岳の山頂が見えている。稜線の雲が取れていた。気温が上昇して雲の底が上がったのだろうか。山頂からの展望は残念だったが、まあ、山容が眺められただけでも良かったことにしよう。 |
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釈迦ヶ岳(左)と大日岳(右)
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枯れ木 |
マムシグサの実
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古田の森でパンを食べてノンビリし。あとは下るだけ。風も少し収まってきてだんだん暑くなり、ウインドブレーカーを脱ぎ、フリースを脱ぎ、山シャツも脱いでTシャツとベストだけになって駐車場に降り立つ。 |
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峠の登山口駐車場とトイレ
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[山行日] | 2022/9/16(金) 2022年9月の天気図(気象庁) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[天気] | 曇りのち晴れ時々ガス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アプローチ] |
15日
京奈和道
五條IC → (R168号)→
十津川村、旭 → (林道)→ 峠の登山口駐車場 [約61km] *旭からの林道は奥吉野発電所を過ぎると幅員が狭くなり、崖沿いの道になり落石注意。登山口に近くなると再び広くなる。全線舗装。 *登山口の駐車場は10数台くらい駐車可能。水洗ではないが新しいトイレあり。天水の手洗いのみで水場なし。 |
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[コースタイム] |
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[温泉] 天川薬湯センター「みずはの湯」(吉野郡天川村山西298-3) ・おんせんではないらしい。 ・木曜定休、入浴料700円。(ボイラー故障で露天風呂に入れない ということで500円にまけてもらう。) ・石けん、シャンプーあり、露天風呂あり。 ・休憩室あり。レストランなし。 |
[ヤマスタスタンプ] |