利尻岳( りしりだけ) <利尻山> [北海道] 1721m |
(8月24日沓形岬公園から) 利尻に到着した日は、空港からは山頂が見えなかったものの、ホテルのある沓形からはきれいに全景を見ることができた。沓形からの利尻岳は整った三角錐ではなく、南に延びるノコギリ状の稜線が険しさを強調していた。さて、明日は天気予報が芳しくないが、どうなることか。
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宿の送迎バスで鴛泊コースの登山口まで送ってもらい、5時45分に出発。甘露泉までは舗装された緩やかな遊歩道が延びる。 甘露泉ではドラム缶のようなものを背負った5〜6人程の一行が水を汲んでいたが、そのまま通過。左に姫沼へのハイキングコースを分けてミズナラやホオノキの落葉樹林を進む。林床にはエゾゴマナやサラシナショウマの白い花が咲いている。 歩くのが速い野村君には先に行ってもらい、先ほどの一行と前後しながらマイペースで進む。 |
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鴛泊コース登山口の北麓野営場
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靴底の種子落とし
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甘露泉 |
4合目付近はエゾマツやトドマツの針葉樹の森で、進むにつれてだんだん周りの木々の樹高が低くなってくる。傾斜はまだ緩やかだ。 |
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4合目(下山時に撮影)
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ダケカンバの道 | クロツリバナの実
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周りの木々がだんだん低くなってきて、6合目の第一見晴台で一気に展望が開ける。
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礼文島遠望(海岸近くは利尻空港)
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第一見晴台からポン山越しに鴛泊港 |
第一見晴台からはハイマツの間を登る。少し登ったところに携帯トイレブースがあり、狭い道が混んでいる。
胸突き八丁の7合目を過ぎてなおも登ると第二見晴台。Nom君が待っていてくれたが、随分ここで休んでいたらしいので、先に行ってもらう。 |
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第二見晴台から長官山(左)を見上げる
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ノコギリソウ(シュムシュノコギリソウ?)
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イワギキョウ |
なおも登って8合目の長官山。今まで見えなかった利尻岳の山頂がここで姿を現したが、なんと山頂にはもうガスが掛かっている。ありゃ〜、今回もダメだったか。まあ、こんな天気なので予想はしていたが、やはり気力が萎える。それでもひょっとしたら山頂でガスが切れるかもしれないと、当てのない期待をして先に進む。 長官山からは隣りの小ピークまで少し尾根道を進み、左手に避難小屋が見えてきたら、それに向かってトラバース気味に下る。 |
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長官山の石碑
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利尻岳と避難小屋
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利尻山避難小屋 |
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沓形の市街地を見下ろす
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リシリブシ? |
避難小屋の周りにはベンチがあり、先行者が休んでいる。だんだん近くをガスが流れるようになってきたので、少し休んでパンを齧っただけで先に進む。
小屋から先は道の傾斜がきつくなる。山頂方向はガスで見えないが、下界はまだ視界が効き、沓形の市街地や岬が見える。 |
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9合目のトイレブース |
9合目を過ぎると広い斜面にお花畑が広がる。もう最盛期は過ぎているので、利尻固有のリシリヒナゲシなどは見られないが、ノコギリソウやウメバチソウなどが咲いている。少し葉っぱが色づいているようで、山上は既に秋の気配だ。 |
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斜面に広がるお花畑
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シコタンハコベ
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エゾヤマゼンコ?の実
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ジンヨウスイバ
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リシリトウウチソウ
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沓形コースの合流点を過ぎると、傾斜はさらにきつくなる。プラスチックのパイプや木枠の他、木段、鉄線の蛇かごなども使って階段や足場が作ってあり、崩れそうな斜面には土のうが積んである。 |
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修復された登山道 |
登り着いた山頂は全くのガス。待っていたNom君が、先ほどまではローソク岩が見えていたんですけどねえ、という。44年ぶりの利尻岳はまたしても展望が得られなかった。まあ、こんなもんでしょう。山頂の神社の祠に無事の登頂を感謝する。 山頂は風も激しく、ガスが体に当り濡れてくる。ここでもパンを齧っただけで、15分程で下山する。 |
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山頂の祠にて
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9合目を過ぎたあたりでガスが雨粒のようになり、雨っぽくなってきた。ウインドヤッケが濡れてきたが下れば雲の下になるだろうと雨具を出さずにそのまま下る。 |
甘露泉近くまで下ってきて、エゾゴマナにアサギマダラがとまって蜜を吸っているのに気が付いた。写真を撮りながらふと、何でこんなところにいるんだ?と思った。 結局44年ぶりの利尻岳も「ぐるりと海」の望みは叶わなかった。 |
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エゾゴマナにとまるアサギマダラ |
[山行日] | 2020/8/25(火) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[天気] | 曇りのち時々雨 2020年8月の天気図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アプローチ] | 8/24
中部国際空港 9:30 →(ANA)→ 11:20 新千歳空港 12:35
→(ANA)→ 13:25 利尻空港 →(ホテル送迎バス)→ ホテル利尻
8/25
ホテル利尻 5:25 →(ホテル送迎バス)→ 5:45
登山口 |
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[コースタイム] |
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[ガイドブック] | 「利尻島 登山ガイド」 利尻富士町・利尻町 |
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[宿] |
ホテル利尻 |
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[コマドリプロジェクト] |
・登山道崩壊という、利尻山のコマった問題をトリ除くことを目的に行われている活動。 |
【風景印】 | |||
沓形局 利尻富士と沓形岬に建つ詩人時雨音羽の碑 |
鬼脇局 利尻山、オタトマリ沼、湿原植物 |
鴛泊局 姫沼から利尻山を望む |