蓮華岳(れんげだけ、2799m)、針ノ木岳( はりのきだけ、2821m) [北アルプス] |
今年は白山開山1300年ということで、知り合いの宮司さんの神社の白山講に混ぜていただいて、白山登拝を予定していた。ここの白山講は毎年白山に登り、室堂の奥宮で餅撒きをしているそうで、今年は1300年祭で、たくさん餅を運び上げるのでちょうどいいとの事だった。 |
|
|
大町山岳博物館からの蓮華岳
|
針ノ木岳と内蔵助小屋 |
8月9日 |
|
|
ソバナ
|
ウド |
大沢小屋の手前の赤沢はどこを渡っていいか分からないくらい増水していて、少し上流に登って流れにポールを差し、それを頼りに岩から岩へ飛び渡る。 |
|
増水した赤沢
|
針ノ木雪渓
|
ニッコウキスゲとオオバギボウシ |
大沢小屋で今夜の針ノ木小屋の宿泊予約を無線でしてもらい、一安心。なおも樹林を進むとやっと雪渓が見えてきた。
|
チェーンスパイクを履き、ヘルメットを被り雪渓に踏み出す。まあ、ヘルメットまでは要らないだろうと思うが、穂高用に買ったものの一度も使ってないので、試しに持ってきた。意外に風通しが良く快適である。 両側から岩壁が迫って雪渓が狭くなっているところはノドと呼ばれ、傾斜がきつくなっている。雪面に割れ目が幾つか入っていて、少々緊張する。 |
|
ノドのところのクレバス
|
ノドを過ぎると雪渓は再び広くなり、傾斜も緩くなってじきに雪渓歩きは終わりになる。 |
|
通り過ぎたノドを見下ろす
|
|
|
ミヤマダイコンソウ
|
モミジカラマツ |
増水した沢を赤旗に導かれてちょっと苦労して渡り、草地の登りに取り付く。ミヤマキンポウゲ、ダイモンジソウ、モミジカラマツ、ミヤマダイコンソウなど花が多い。 |
|
最後のザレ場
|
針ノ木小屋でまず宿泊手続きをして、余分な荷物をデポ。ただし天候不安定なので、着替えやヘルメット以外はほとんど持っていく。予定では今日は針ノ木岳をピストンするつもりだったが、展望が望めないのでコマクサ群落のある蓮華岳に変更する。 |
コマクサ
|
コマクサ群落
|
|
|
タカネシオガマ
|
イタドリ
|
ガスの中に祠が見えたのでやっと山頂かと思ったが、若一王子神社の奥宮(おそらく大町の)で、山頂はもう一つ先のピークだった。蓮華岳と書かれた標識は北葛岳への分岐に立っていて、三角点はなお10mほど東にあった。 山頂はガスに覆われていて何も見えなかったが、プリンを食べて休んでいたら、急にガスが晴れて北葛岳やその南に続く峰々が見え始めた。一瞬、尖った針ノ木岳の山頂もガスの切れ間に覗いた。大町は雲の下で、これまで大町から見上げていた眺めの逆の展望は叶わなかったが、まあこれは仕方ない。 |
|
蓮華の大下りを登ってくる登山者
|
|
|
三角点から峠へ戻る稜線、 向こうのピークの方が高く見える。
|
蓮華岳を振り返る
|
小屋まで戻るとだんだんガスが晴れてきて、南の方角の展望が開けてきた。部屋の窓からも高瀬湖の向うに槍穂まで見え、外に出ると北側の鹿島槍も雲の上に顔を出してきた。日没までの間、夕日に染まる北アルプスの峰々と雲の競演を楽しむ。 |
|
|
北葛岳
|
遠く大天井から槍穂の稜線、近景左は七倉岳。
|
|
|
北葛岳を越える雲
|
雲海の上に左から前穂、奥穂、槍
|
8月10日 |
蓮華岳はシルエットに沈んでいるが槍穂のあたりが明るくなり始めていて、北葛岳の東の雲海の果てに富士が覗いている。薬師の上には月が出ている。 |
|
雲海に浮かぶ富士
|
|
|
水晶岳と手前左の烏帽子岳
|
スバリ岳
|
5時半からの朝食をそそくさと済ませ、要らない荷物を乾燥室に置かせてもらって、針ノ木岳へ向かう。 |
|
一番右が針ノ木岳山頂
|
|
|
スバリ岳から赤沢岳への稜線
|
稜線から覗いた剱岳
|
針ノ木岳山頂からの展望は何とも言いようがない。北は白馬岳から南は槍ヶ岳の右肩に覗く乗鞍岳まで北アの名立たる山は全て見える。後立山の爺ヶ岳から北、烏帽子岳から南は歩いたことがあるが、この間の区域は空白になっていて、今まで登った山々が初めて見る角度から眺められ感動してしまう。立山の山頂に薄く雲が懸っている以外は全てクリアに見える。
|
|
|
高瀬湖の向うに大天井から槍穂の稜線が連なる
|
薬師岳のカール
|
|
|
立山三山と剱岳。眼下は黒部湖。
|
最奥は白馬岳方面その右手前に五竜、鹿島槍
|
小屋に戻り荷物をパッキングして出発。ザレ場のジグザグ道を下ると、既に登山者が急登を登ってくる。 |
巻き道はまだ整備が進んでいなくて、ザレ場を横切るヶ所などは注意がいる。 |
|
クレバスが開いたノドを登る登山者
|
巻き道は意外に花が多くて、クルマユリ、タテヤマウツボグサ、ミヤマママコナ、コバノコゴメグサなどいろいろ咲いている。 |
|
クルマユリ
|
|
|
下からノドを見上げてもクレバスが見える
|
巻き道は右の岩壁の鎖を登る |
再びチェーンスパイクを履いて雪渓を下る。チェーンスパイクの歯は小さいので下りは滑りやすいが、傾斜の急なノドのところは過ぎているので、危ない感じは全くない。喘ぎながら登る登山者の横を、快調に下って雪渓尻まで降りる。
大沢小屋まで来ると小屋の前に「コーヒーあります」と出ていて、それに誘われて一休み。美味しいコーヒーを飲みながらパンをかじり早い昼食にする。視線を窓に向けると、正面には爺ヶ岳が窓枠に切り取られて絵のように見える。 小屋には針ノ木小屋で同室だった人が既に下ってきていて、雪渓を下ろうとした時に下から「来るな〜。」と声がかかったが、何だかわからずに下って行ったところ、亀裂が凄かったので慌てて引き返したとのこと。やはり判断が難しいところだ。 |
|
雪渓の上に広がる雲
|
小屋でゆっくり休んで、再び下山。勧められたとおり、苔沢で水を汲む。 車で少し行った葛温泉の仙人閣で温泉に入る。昼時だったためか、湯船には他に誰も居らず、のんびり汗を流した。 |
|
苔沢の流れ
|
[山行日] | 2017/8/9(水)〜8/10(木) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[天気] |
9日(水) 曇り時々晴れのちガス、一時雨 2017年8月の天気図(気象庁) 10日(木) 快晴のち晴れ |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アプローチ] |
8日 安曇野IC
→ 大町 → 扇沢無料駐車場 [約41km] |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[コースタイム] |
|
|
||
[山小屋] | 針ノ木小屋 ・100名収容。1泊2食9,500円。 ・宿泊者は水1ℓ無料。 ・食事はあまりうまくない。冷凍食品中心。 ・乾燥室あり。 ・トイレが臭う。 ・当日は定員の半分くらいの宿泊者。 |
|
[温泉] | 葛温泉、仙人閣 <日本秘湯を守る会会員の温泉> ・入浴料700円。 ・室内に湯船が2つ。外に露天風呂あり。 ・かけ流しなのか、どの湯船もとても熱い。 ・石鹸、シャンプー、ドライヤーあり。 ・コインリターン式の貴重品入れあり。 ・昼時だったためか、他に誰も入っていなかった。快適! |