南沢山( みなみさわやま)1564m、横川山(よこかわやま)1620m                     [中ア・南部] 

 

 南沢山、横川山に登るのは2回目。前回は2003年の9月だったので、20年ぶりだ。前回は天気は良かったものの、展望が利かず、御岳も見えないくらいだった。
 最近この山は霧氷と展望の山として人気があるらしく、たくさんの記録がWebに上がっている。3週間前の猪臥山に味を占めて天気のいい日を見計らい、今回も展望を期待して出かける。

 ふるさと村自然園の管理事務所の前に登山者用駐車場の小さな看板があったので、そこに車を止める。名古屋、浜松などのナンバーの車が数台止まっている。
 身支度をし、管理事務所で入山の記帳をして駐車料200円を箱に入れて舗装道路を歩き出す。
 尾根コースの標識に導かれて左折すると広い駐車場があり、その奥が登山口だった。

南沢山登山口

 

 前回は登山口が分からずにうろうろしたが、今は立派な標識が立っている。ちなみに前回下山に使った沢コースは今は道が荒れて通行止めになっている。

 

 登山道はヒノキの植林地を登っていく。林内にはあまり雪は見られないが、登山道の上には帯のように白く雪が残っている。雪は固く締まって氷になっていて、アイゼンで削られるために粉状に 砕けて表面を覆っている。
 中間地点の標識あたりまではそこそこ傾斜がきついが、そこを越え、沢コースの分岐を過ぎると緩やかな巻き道になる。

 

 

根上がりヒノキ

 

 ところどころ日当たりのいいところは登山道の雪が溶けて地面が出ているが、巻き道が谷間に差し掛かると一面の雪景色になる。
 しかし今日は日射しが暖かいので春山のような感じだ。暑くて上着も脱いで歩く。右手には中央アルプス、左手には恵那山が木立の間からちらちら見える。
 

春山の雰囲気

 

 幾つか尾根を巻き、谷間を越えると南沢山の山頂に到着。今まで巻いてきた尾根の行き止まりのような感じで、あまり山頂らしくない。
 西側の展望が開けて白山がよく見え、濃尾平野の先に伊吹山も霞んで見えるが360度の展望は得られない。展望を期待して先に進む。

 

 

南沢山山頂

 

白山

 

能郷白山

 

 横川山へは広い尾根を進む。以前は笹原だったと思うが、背の低いカラマツが(おそらく)植林されている。
 進むにつれて展望が利いてきて御岳がよく見えるようになり、背後には乗鞍、穂高も並んでいる。
 中央アルプスも普段は見られない縦方向で南沢山の上に現れ、一方南アルプスは屏風のようにずらりと横並びに立ち上がって壮観だ。
 

横川山(左端がピーク)

 

御岳

 

中央アルプス

 

 最低鞍部からひと登りで横川山の山頂。既に10人ほどの登山者が休んでいる。
 ここからは360度の大展望。暖かい陽気で少し霞んではいるものの、これで文句を言ったら罰が当たる。

 

 

横川山山頂(背後は御岳、乗鞍、穂高)

 

 カップヌードルを食べながら、周りの眺望を楽しむ。
 白山の左に尖った白い山が見えるので、スマホアプリで調べてみたら荒島岳だった。まさか荒島岳が見えるとは思わなかったので、ちょっと感動する。こちらから見ると、ずいぶん均整の取れた美しい三角形にみえるのだな。
 

荒島岳遠望

 

 家から見えるのとは格段に大きな御岳の右には乗鞍岳に続き穂高連峰が輝いている。吊り尾根で結ばれた奥穂と前穂の姿はおなじみだが、左側に普段は目立たない西穂が見えるのは珍しい。
 その左に小さく見える白い山はアプリで調べるとなんと水晶岳あたりが見えているらしい。

 

 

穂高連峰(左から西穂、奥穂、前穂)

 

 中央アルプスも近いだけあってよく見えている。木曽駒、宝剣、三ノ沢岳あたりの白い峰々も美しいが、空木、南駒、仙涯嶺と並んでいる姿は見応えがある。特に南駒ヶ岳は双耳峰のようで迫力があり、格好良さを再認識させられた。

 

木曽駒ヶ岳、三ノ沢岳、宝剣岳

左から空木岳、南駒ヶ岳、仙涯嶺

 

南アルプスのパノラマ (左端の鋸岳から右端の池口岳までずらりと)

 

 南アルプスのパノラマは素晴らしいとしか言いようがない。全て見えていると言ってもいいくらいだ。左右の広がりは角度として90度くらいありそうだ。白根三山も塩見もかっこいいが、赤石岳のボリューム感には驚かされる。赤石山脈と名付けられたのも納得できる。

 

 

 

 

白根三山

荒川前岳、赤石岳

 

 近くの恵那山はもともと山頂まで樹木に覆われていているし、最近雪が降っていないので黒々としている。一方、手前の富士見台はこちらの横川山と比べてもかなり白く見える。こちらより笹の丈が低くて、雪に覆われやすいのかもしれない。

 前回の猪臥山に続き、今回も充分展望を楽しんで下山する。
 

富士見台(左)と恵那山(右奥)

 


 南沢山、横川山ルートマップ


[山行日]   2023/2/27(月)    
[天気] 快晴        2023年2月の天気図(気象庁)
[アプローチ]

中央道 園原I.C. →(県道89号、R256)→ ふるさと村自然園    [約14km]

・ふるさと村自然園の管理事務所の前に登山者用駐車場あり。(園路が凍結していなければ、登山口近くの駐車場まで入ることができる。)
・利用協力金200円。
・冬期はトイレ使用不可。

[コースタイム]  
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
2:20 8:55 ふるさと村自然園駐車場発    
9:05 登山口   5℃
10:05 中間点    
10:45 南沢山(1564m)    
11:15 横川山(1620.3m) 1:20 10℃
1:40 12:35  
12:55 南沢山(1564m)    
13:25 中間点    
14:15 ふるさと村自然園駐車場着   全行動時間 
4:00     1:20 5:20
登り 2:20        
下り 1:40        
 
[装備] チェーンスパイク、ダブルストック