金剛山(こんごうさん) [奈良] 1125m |
世の中は新型コロナウイルスの感染拡大のために大騒ぎ。東京、大阪では外出自粛の要請がされ、愛知県でも名古屋市を中心に感染者が増加し、感染経路を辿れない感染者が増えてきている。 |
午後9時半頃に高天彦神社に到着。杉並木の参道前に駐車スペースがあるが、その横に10台以上は駐車可能な駐車場があり、その隅に車を止める。間違えて羽毛ではなく化繊のシュラフを持ってきてしまったので、寒くてあまり眠れなかった。明け方、寒くてぐずぐずシュラフの中にいたら、気が付いた時には駐車スペースの方に5台程車が止まっていた。ウィークデイなのに何ということだ。 駐車スペースのところに「迂回登山道 高天彦神社から高天ノ滝のルートは通行できません」と案内板が出ている。平成23年と平成29年の台風によって登山道が崩落してしまったようだが、ヤマレコの記録によれば簡易的に迂回路ができていて通れるらしいので、予定通り高天ノ滝経由で登る。 |
う回路の案内板
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高天彦神社
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登山道わきの桜
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まずは高天彦神社にお参りする。御祭神は高皇産霊神(たかみむすびのかみ)。なかなか偉い神様が祀ってある。この集落は高天(たかま)と言われるだけあって、高天原の伝承がある。 神社の前から始まる登山道は水車の横を抜け、ピンク色が濃い桜の脇を通り高天ノ滝に続く。滝までは狭い道ながらも舗装がされている。
高天ノ滝は見た瞬間、「意外に小さな滝だなあ。」と思ったが、どうやら台風の土砂崩れで埋まってしまったようで、かつては二段目の滝がもう少し下まであったらしい。一段目の滝の落差は5mくらいか。 |
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高天ノ滝
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滝の手前で沢を渡り、山腹に取り付く。急な道がしばらく続き、次第に尾根道になる。案内板で示された迂回路と合流したところに「い-2」と書かれた看板があった。
緊急時に位置を知らせるための看板で、ダイヤモンドトレイルに合流する所の「い-7」まであるらしい。 周りは一面の針葉樹の植林で桧と杉が植えられているようだ。まだ細い幹だが、手入れはまずまずといったところ。林床の植生はあまりないが、アオキの赤い実が目立つ。 |
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ヒノキの植林地を登る
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高天から登るこの道は高天道と呼ばれているが、郵便道とも言われるらしい。かつてはこの道を通って郵便が山上に運ばれたようだ。 |
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アオキの実
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とすると、金剛山は大阪府の最高峰ではないのか?家に帰ってから調べてみると、国土地理院のHPでは金剛山は大阪府の最高地点となっていて、その標高は1056m。金剛山の南東の尾根上にあるらしい。
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植林地の中の単調な道に飽きてきた頃、道は崩壊地に突き当たる。斜面が大きくえぐられているところが二ヶ所ある。どちらも崩壊地を避けて迂回路が造ってある。
崩壊地を過ぎると登山道の傾斜がきつくなり、丸太階段が現れる。この階段が植林地の中を延々と続き、それがやっと切れて尾根の上の道に出る。 |
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崩壊地から高見山を遠望
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丸太階段が続く
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一の鳥居
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鳥居くぐって登っていくと、右手に葛城山が見えてくる。葛城山の方が標高が低いので、見下ろすような感じになり、山頂部の枯れた草地がきつね色に見える。
仁王杉を過ぎると金剛山の山頂の葛木神社にたどり着く。もっとも高いところは神社の敷地の中らしく、そこに立つことはできない。御賽銭をあげて登頂を感謝する。
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葛城山 |
葛木神社
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金剛山の山頂に葛木神社があるというのは、少し変な感じがするが、もともと葛城山というのは金剛山や葛城山を含むこの山塊の総称とのこと。最高峰であるためにかつてはこちらが葛城山と呼ばれていたが、役小角が建立したお寺が一乗山金剛山寺(現在の金剛山転法輪寺)であることから、いつの間にか金剛山と呼ばれるようになったらしい。
役小角の開山ということからも分かるように金剛山はもともと修験道の山で、現在葛木神社が建っているところに金剛山寺があったのだが、明治維新の神仏分離令で廃寺となり、以後、葛城神社として存続してきた。戦後、現在の本堂が建てられ転法輪寺として復興したらしい。
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夫婦杉
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転法輪寺本堂
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転法輪寺にもお参りし、本堂前の階段を下りると右手の売店の横に人だかりのする建物がある。これが有名な?登山証明のハンコを押してくれる所らしい。「登山回数捺印所」とあるだけに、金剛山は回数登山で知られている。 |
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登山回数捺印所
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捺印所の先にあるのが、国見城跡の展望広場。大阪側の展望が開け、大阪湾沿いの果てしなく広がる市街地が眼下に見下ろせ、高層ビル群も右端に見える。市街地の向うには六甲の山並みも横たわっている。 |
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大阪の市街地を見下ろす
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金剛山山頂ライブカメラの画像(金剛山練成会のHPから)
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この広場は時計広場とも言われていて、ここも金剛山の名所のひとつ。NHKの「ドキュメント72時間」でも紹介されたライブカメラがあるところで、毎時00分と30分に静止画が撮影され、インターネットでその画像が公開されている。時計はその画像の時間を表示するためのもので、本来は山頂の気象状況を紹介するカメラであったが、だんだんそれに登山者がポーズを取るようになり、写真に写ることを目的に登る人が現れ人気になっていったらしい。
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マツバカケ尾根の下山路
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不動尊像
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下山はどうしようか迷ったが、迂回路に指定されていた尾根道を下ることにした。ダイヤモンドトレイルとの分岐から、登って来た丸太階段の道ではなく、右手の植林地のなかの踏み跡を下って行く。しばらくははっきりしない巻き道だが、尾根に出ると登山道らしくなってくる。しかし、郵便道ほど整備された感じではなく、登りはともかく下りに使うとトレースに迷うところもある。 い-2のポイントで一旦郵便道に合流し、高天ノ滝へは行かず右手の踏み跡を下る。少し下ると植林地を抜け、急に明るく開けた段々畑に出る。獣除け柵が設置されているが、ほとんどは休耕地のようだ。
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段々畑のヤマナシ |
ヤマナシの花
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ふと目の前に真っ白い花を枝一杯に付けた樹が現れた。その白さから桜ではないことは分かるが、何の樹だろう。瓦屋根の民家をバックに緑の段々畑に立つその樹は、いかにも穏やかな山里を表しているようで一幅の絵のようでもある。
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段々畑を下りて一軒家の民家の前を左折し、庚申さんの前を通って登山口の駐車場に戻る。まだ10台程車が残っている。 金剛山は登山途中が植林地ばかりで面白くはないが、山頂と山麓が魅力的な山だった。 |
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高天の里
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[山行日] | 2020/4/3( 金) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[天気] | うす曇り 2020年4月の天気図(気象庁) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アプローチ] |
2日 京奈和道・御所南IC → (R309号、県道30号)→
高天彦神社参道前駐車場 [約6km] ・20台ほど駐車可能。高天彦神社にトイレがある。 |
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[コースタイム] |
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[地図] | 御所、五條(1/25000) |
[温 泉] |
かもきみの湯 <御所市大字五百家333> |