北沢山(きたざわやま)1969m、コイノコ 2035m [中央アルプス] |
梅雨も明け夏本番なので、老母と老犬の介護を女房に頼んで久々の車中泊登山。行き先は中央アルプスの経ヶ岳。これも久々の2000m越えで、久々の二百名山。 |
権兵衛峠近くの駐車場 (奥がトイレ)
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国道19号沿いの道の駅「日義木曽駒高原」で車中泊。経ヶ岳登山口の駐車場に着いたのは5時10分。既に3台車が止まっているが人はいない。身支度をして出発。予定よりも30分近く早く歩き始めることができた。 まずはカラマツの植林地を登っていく。道の両脇の笹がきれいに刈り払われていてとても歩きやすい。ホタルブクロやミヤマオダマキなどが刈り払いから残されていて、細かい配慮がされているのがよく分かる。
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ホタルブクロ
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右手から資材運搬用のモノレールが上がってきて、登山道に沿って上に延びている。尾根上のアンテナ施設のためのモノレールだろう。
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アンテナ施設
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傾斜が少し緩くなった尾根道を北に進む。途中小坊主岩とか観音岩、まっくん岩など名前の付いた岩が登山道沿いに立っている。岳見岩というのもあり、おそらく御嶽が見えるのだろうが、木曽谷の方は雲に埋め尽くされている。
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小坊主岩
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ミヤマオダマキ |
1884mのピークを過ぎたあたりからガスが出始めた。今年は梅雨明け後も大気が不安定な状態が続いていて、下界でも毎日のように夕立や雷がある。今日は午後の方が天気はいい予報ではあるが、午前中からこんなに ガスるとは思わなかった。
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北沢山直下のお花畑のゲート
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北沢山山頂近くに分岐があり、右がお花畑経由で登り専用とある。当然右に進み、ゲートを抜けるとお花畑が広がっていた。鹿除け柵が周囲に設置されていて、保護されているようだ。ガスのかかる斜面にシシウド、チダケサシ、ヤナギランなどが咲いている。噂のササユリもチラホラ咲いているがそんなに多くは無い。
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北沢山お花畑
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チダケサシ |
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シシウド
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ウド |
お花畑の斜面をジグザグを切って登り、ゲートから出るとすぐに北沢山の山頂だった。山頂周辺もお花畑でこの辺りはヤナギランが多い。
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ヤナギラン
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北沢山からコイノコにかけでがまさにササユリロードだった。盛りは過ぎた感じで花びらが傷み始めたものも多いが、それでも見事なものだ。濃いピンクのものから真っ白なものまでいろいろあり、一株に5〜6輪も花を付けているものもある。ガスのおかげで直射日光が遮られ、一段と色鮮やかに見える。いや〜、まだこんなところがあったのかと感動する。
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ササユリ群落
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ピンクのササユリ |
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白いササユリ
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鹿避け? |
ササユリの咲く草原は登山道沿いにロープが張られ、人が入らないようにしてあるが、そのロープに何か入ったネットが結びつけられている。鹿避け?イノシシ避け?オオカミの糞には害獣避けの効果があると聞いたことがあるが、まさかオオカミの糞は簡単には手に入らないだろう。何だか不明のままだ。 |
さて、まだ先は長い。経ヶ岳まではコースタイムで1時間20分ある。 下り坂の手前まで戻り、ザックを下ろし、とりあえず水筒を出して頭の痛い辺りに水をかけ血を洗い流した。しかし、すぐに水は無くなり、まだ血は流れ落ちてくるので、傷と思われるところにハンカチを当てた。ザックのポケットに差し込んであったペットボトルの麦茶を傷に掛けようと思ったが、転倒の際にペットボトルはどこかに飛んでしまっていた。 幸いなことに出血はだんだん収まってきた。エマージェンシーポーチを引っ張り出し、大判のバンドエイドを傷口に当てようと思ったが場所がよく分からない。ちょうどその時、後を歩いていたハイカーが追いついてきて、その人に傷の場所にバンドエイドを貼ってもらった。その人は私を見たときに一瞬ぎょっとした感じだった。
バンドエイドが落ちないように帽子を被り、すぐに引き返すことにした。 今日は樹林の登りで日射しも無かったので、帽子を被っていなかったのも怪我がひどくなった要因でもあった。幸いにも頭以外に怪我はなく、歩くのに全く支障はなかった。ただ、頭はズキズキと痛かった。
北沢山山頂まで戻り、気持ちが乱れたまま下山してまた転倒してはいけないと、一旦ザックを下ろす。皮肉にもガスが晴れてきて、木曽駒方面の視界が開けてきた。ただ木曽駒自体はまだ雲の中。
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北沢山山頂
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クガイソウ |
再び下り始めたが、何であんなところで転んだのだろうと、情けなくなるばかりで、自己嫌悪に駆られていた。やはり、花に浮かれていたんだろうなあ。注意力が散漫になっていた。
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ナデシコ
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ノアザミとヒョウモンチョウ |
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甲斐駒、仙丈
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アンテナピークでもう一度休憩、駐車場まで下りられそうだ。天気はどんどん良くなってきて、伊那谷越しに霞んでいながらも甲斐駒や仙丈ヶ岳が見えてきた。 |
このまま家に帰ろうかとも思ったが、まだ時間はあるし頭の骨にひびが入っているかもしれず、それを気にしながら運転するのは気が散って危ないので、近くの病院に寄ることにした。スマホで調べてみると、一番近いのは宮ノ越の診療所だった。しかし行ってみると休み。毎日開いているわけではないようだった。そこで一番大きそうな木曽福島の県立木曽病院に行った。 全く初診なのだが親切に対応してもらい、早々にCTを撮ってもらえた。ただそこから治療まで随分待つことにはなった。
外科の治療は正午過ぎになり、傷口を消毒されるのも痛かったが、ステイプラーで7〜8カ所も針を打ち込まれたときは頭を打ったときよりも痛かった。気分が悪くなり少しベットで横になっていた。痛みのショックで血圧も90まで下がった。骨が見えているとも言われ、予想外に深い傷であった。 診察を受けられてホッと一息、痛みはあるが不安無く家に帰ることができた。 |
[山行日] | 2024/7/22(月) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[天気] | 曇りのち晴れ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アプローチ] |
21日 中央道・中津川IC →(R19)→ 道の駅・日義木曽駒高原 [約63km] ・車中泊。大型トラック少なく、よく眠れた。
22日 道の駅・日義木曽駒高原 →(R19、R361)→ 権兵衛峠トンネル西口 →(林道)→ 経ヶ岳登山口P [約19km] ・未舗装、25台くらい駐車可。トイレあり(手洗いあり)。 |
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[コースタイム] |
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