浅草岳(あさくさだけ)                                  [会越] 1585m

  

 守門岳から

 守門岳と浅草岳はセットのような山。守門岳は二百名山で浅草岳は三百名山。どちらも花の山で、ヒメサユリが見られる。
 昨日、守門岳で一緒になった滋賀県の3人組は前日浅草岳だったそうで、今朝、車中泊していた道の駅で出会った男性は、一昨日浅草岳に登り今日はこれから守門岳 だと言っていた。
 自分も守門岳の計画を立てたとき、当然のごとく浅草岳も行程に加えていた。

 前日の守門岳はガスで何も見えなかったが本日の予報も芳しくなく、午前中曇りで午後から晴れとのこと。
 しかし、朝起きてみるといい天気。道の駅「いりひろせ」からは守門岳が眺められるのだが、山頂にも雲はない。これならば浅草岳もいいだろう。
 軽く朝食をとり、予定よりも早めに出発する。

 

 登山口のネズモチ平の駐車場はこんな駐車場が必要なのか?と思うほど広大で100台くらい止められそう。既に10台以上止まっている。
 駐車場からは青空をバックに、前岳に続く伸びやかな緑の稜線が見える。

ネズモチ平駐車場のトイレ

 

 車道を10分ほど歩いて登山道に入る。
 ここもブナ林の登山道。今日も鳥の声が多い。
 守門岳ほど登山道は整備されていないが、ぬかるみには丸太が敷き詰められていて、さほど歩きにくくはない。
 暑いことは暑いが、昨日ほど湿気は感じない。

ぬかるみに丸太

 

ギンリョウソウ

 しばらくは緩やかな登りが続くが、沢を渡った頃から次第に傾斜はきつくなる。
 傾斜がきつくなるにつれて、展望は開けてくる。梢越しに昨日ガスで展望が利かなかった守門岳が、山麓のブナ林の向こうに立ち上がってきたときにはちょっと感激した。ああ、来て良かった。
 さすがに日本海は霞んでいて見えないが、お隣の三百名山の粟ヶ岳はよく見える。シルエットながら遠く二百名山の二王子岳も見える。

 

守門岳

 

粟ヶ岳

 左手がガレた尾根上を行くようになると、周りは灌木林になる。日射しの暑さを感じるようになり、やがて前岳の分岐に到着。やっと浅草岳の本峰が見える。

嘉平与ボッチを見上げる

 

前岳の分岐から浅草岳

 

雪渓越しの浅草岳

 分岐から浅草岳に向かって少し進むと大きな雪渓にあたる。傾斜が少々きついので、一旦斜面の上に向かって雪渓の縁を登り、平らになったところからその上を歩いて横断した。
 チェーンスパイクが要るほどではないが、下山の時は雪渓を下ることになり、少々緊張した。

ベニサラサドウダン

 

 雪渓を越えると木道になり、その両脇にヒメサユリが現れ、浅草岳の山頂の手前で湿原が広がる。
 池塘もあり、ワタスゲが揺れている。吹き抜ける風が実に気持ちがいい。

 

池塘と守門岳

 

六輪も花を付けたヒメサユリ ヒメサユリ

 

ワタスゲ

ヒメサユリと守門岳

 

 湿原からはひと登りで浅草岳の山頂。三角点の横に立てば360度の大展望。いや〜、素晴らしい。まず目に飛び込んでくるのは、まだ残雪をまとった越後三山。特に並び立つ中ノ岳と越後駒ヶ岳が美しい。その左手には越後・会津の国境の山々がパノラマになって広がり、眼下には田子倉湖が複雑な形で谷間を埋めている。ぼんやりとだが尾瀬近くの平ヶ岳、至仏山、燧ヶ岳も見えるし、その左手には安達太良山、吾妻連峰も見える。残念ながら飯豊連峰には雲がかかっている。
 以前、上州武尊に登ったときに谷川連峰の大パノラマに圧倒されたが、それに匹敵する素晴らしさだ。

 

越後三山(左から中ノ岳、越後駒ヶ岳、八海山)

眼下の田子倉湖

 

 ふと足元の三角点を見ると一等の文字が見える。一等三角点だったのだ。よく見えるはずである。

 

 この地域に来るとまだまだ登ってない山が目白押し。
 ざっと見えただけでも、二百名山の八海山、中ノ岳、荒沢岳、その手前の未丈ヶ岳、低いがごつごつした会津朝日岳。三百名山の粟ヶ岳、米山などなど。
 とても全ては登れないが、中ノ岳だけは今日この景色を見て何とか登りたくなった。

 

一等三角点

 

会津駒ヶ岳

荒沢岳、手前左端が未丈ヶ岳

 

 パンを食べながら1時間ほど山頂にいたが、田子倉湖畔から登ってくる人もたくさんいる。少し話すと「会津の方から来たが国道が通行止めでネズモチ平に来られず、仕方なしに 只見から登ってきた」と言う。そういえば大白川あたりに、この先国道通行止めの案内が出ていた。
 只見方面から登ってきた人たちからは、「昨日は吾妻連峰の一切経山にいた」とか、「天気が悪く磐梯山を諦めて雄国沼でニッコウキスゲを見てきた」とか、 いろいろな話を聞くことができ、車で山を巡り歩いている人が多いのに改めて驚かされる。

 

タニウツギ

ブナ林に囲まれたネズモチ平駐車場

 

 下山は同じ道を戻る。
 まだまだ下からたくさん登ってくる。特に高齢者の団体が多いような気がするが、気のせいか。ヒメサユリを見るだけならば浅草岳の稜線の南端に近い鬼ヶ面山の方が多いと言われているが、やはり山頂からの眺めもとなると浅草岳のピークを目指すことになるのだろう。

 

ブナの大木

 

 下山後、駐車場から少し下ったところで狭い道を登ってくるマイクロバスに出くわしてしまい、ずいぶんバックすることになったが、これも団体登山のチャーターバスだった。

 今日の下山後の温泉は小出に戻る途中の「神湯温泉倶楽部」。入浴後に併設された食堂で天ぷら蕎麦を食べた。冷たくて美味しかったが、冷たいのが良くなかったのか、天ぷらの油が体に合わなかったのか 、その後下痢。二度ほどコンビニのトイレに駆け込むことになってしまった。術後、なぜか下痢をしやすくなり、まだまだ排便は不安定だ。

 浅草岳 Route Map


[山行日] 2022/7/1(金)       2022年7月の天気図(気象庁)
[天気] 快晴
[アプローチ] 道の駅「いりひろせ」 (R252)→  大白川 (県道385号)→ ネズモチ平駐車場  [約20km]

 *エコミュージアムを過ぎると一車線、最後はダート。
 *ネズモチ平駐車場は広大で100台くらい止められそう。トイレあり。

 

[コースタイム]  
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
0:50 6:05 ネズモチ平駐車場(870m) 発   20℃
6:15 登山口    
6:55 1150m地点(視界開ける) 0:05  
1:25 7:00  
8:00 前岳(1568m)    
8:25 浅草岳(1585.4m)山頂 1:05 22℃
1:30 9:30  
9:50 前岳    
11:00 沢横断(1000m地点) 0:05  
0:15 11:05  
11:15 登山口    
11:20 ネズモチ平駐車場 着   全行動時間
4:00     1:15 5:15
登り 2:15      
下り 1:45      

 

 

[温泉]
 神湯温泉倶楽部 (魚沼市清本583)
  ・宿泊もできる温泉施設。レストランもある。
  ・入浴料700円。
  ・石けん、シャンプーあり、露天風呂あり。