赤岳(あかだけ)2899m、阿弥陀岳(あみだだけ)280 5m [中信・八ヶ岳] |
台風一過。空は快晴。久々の山行で気分はいい。 |
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左が美濃戸山荘方面、 右が御小屋山の登山口がある別荘地へ続く舗装道路 |
チョウセンゴミシの実 |
赤い実に触発され、頭の中で「小さい秋見つけた」のフレーズが止まらなくなって困った頃、美濃戸山荘前に到着。ここから南沢コースの山道に入るのだが、何と入口に通行止めの札が貼ってある。読むと、台風18号のため道が崩れ、19日まで復旧工事をするとのこと。あれまあ、鼻歌気分もしぼんでしまう。 今回は未登の阿弥陀岳に登るのが主目的なので、行者小屋泊まりでも構わないのだが、こんなにいい天気だとやっぱり展望の効く稜線に上がりたい。まあ、行者小屋まで行ってから考えることにしよう。 |
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林道横でも苔の森。さすが八ヶ岳。 |
北沢コースは最初は荒れた感じの林道で、途中の橋で左岸に渡ったところから沢沿いの山道になる。沢は台風の影響からか、かなり水量は多い。
横岳の大同心らしき岩峰が見えてくると、じきに鉱泉に到着した。 |
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こんな桟道もある。 |
鉱泉横の木陰で横岳を眺めながらコンビニの助六寿司を食べていたら、小柄な中高年登山者から声を掛けられた。駐車場で僕の車のナンバープレートを見たらしく、隣の豊田に住んでいると告げられた。その人は頂上山荘泊まりの予定で、翌日は本沢温泉へ行くとのこと。こんな天気にもう一泊 できるとはうらやましい。 |
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赤岳鉱泉。背後に横岳が迫る。左端の岩峰が大同心。 |
赤岳鉱泉の建物の間を抜けて、中山乗越への登りにかかる。さほど急な道ではない。 |
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行者小屋前 |
行者小屋から赤岳を見上げる |
さてさて、行者小屋に着いてしまったが、これからどうしようか。まだ1時過ぎなので、時間はある。ただ、久々の山行で脚は少々疲れ気味。迷った末に予定していた文三郎道ではなく、地蔵尾根を登ることにした。地蔵尾根なら、途中でバテても天望荘で泊まることができる。それに地蔵尾根はまだ歩いたことがない。 歩き始めはシラビソやダケカンバの樹林の中。
だんだん木が低くなり、視界が開けてくる。ド快晴かと思っていたが、いつの間にか阿弥陀岳にガスが掛かりはじめている。 |
阿弥陀岳の山裾に行者小屋が見える。 | はしごや鎖が連続する。 |
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天望荘からの赤岳の登りも鎖があり、しんどかったが、なんとか30分で登り切った。 |
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赤岳頂上山荘が見えてきた。 |
赤岳に登ったのは30年ぶり。30年前はゴールデンウィークに2泊3日で天狗岳から縦走してきた。結婚して1年目の女房を連れて、よくもまあ、残雪の横岳を抜けてきたものだと、今になって思う。 |
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雲が晴れてきた横岳 |
ウィークデイにもかかわらず、山荘は随分混んでいる。今日は70人くらい泊まるらしい。文三郎道を登ってきた豊田の人にも再会し、偶然にも蚕だなの蒲団が隣り 同志だった。 苦労して登ってきた甲斐があったというもので、山頂からの眺めは素晴らしい。日没は6時10分。乗鞍岳の左手に陽が沈む。阿弥陀岳の右側に白い座布団のように諏訪湖の湖面が光っている。横岳の稜線は赤く染まり、清里高原に赤岳の影が青く伸びる。
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夕陽に染まる横岳 |
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影赤岳 |
阿弥陀岳の向うに沈む夕日 |
日の出は5時25分。昨日の反省を踏まえてダウンベストまで着込んで日の出に臨んだが、それでもやっぱり寒かった。おそらく気温は0℃近くだろう。 天気が良すぎて雲が少なく、あまり朝焼けしなかったのは残念だが、北アルプスの山々が茜に染まっていくのは素晴らしかった。南、中央、北のアルプス。頸城山塊、浅間、上州の山々、奥秩父、富士。名立たる山々がすべて見える。そして、足元には八ヶ岳の主脈が蓼科山に向かって伸びている。 |
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黎明の槍穂連峰 |
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阿弥陀岳に赤岳の影 |
赤岳山頂 |
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権現岳の背後に北岳、甲斐駒、千丈 |
天狗岳(左奥)と硫黄岳 |
少しキレット方面に歩き、標識に従って稜線から文三郎道の分岐に向かって岩だらけの道を下る。ここもはしごや鎖が架かっているが、地蔵尾根ほど急ではない。しかし、下山者が多いので落石は禁物。慎重に下る。 |
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中岳からの阿弥陀岳 |
文三郎道分岐を過ぎ、中岳に登る。味気ない名前だが赤岳、阿弥陀岳の両巨頭に挟まれていては仕方がない。 中岳から鞍部に下り、最後の阿弥陀の登りにかかる。鞍部から眺める阿弥陀は圧し掛かってくるようで、「こりゃ大変だ。」と思ったが、登り始めてみるとさほどでもない。はしごも掛かっており、岩場は険しいのだが、まだ歩きはじめで足元がしっかりしているので、昨日の地蔵尾根ほどきつくはない。 |
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コケモモの実 |
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阿弥陀岳山頂の阿弥陀様? |
赤岳 |
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権現岳を挟んで富士と北岳 |
富士山 |
阿弥陀岳の山頂は意外に広く、三角点の横に阿弥陀様らしき石仏がある。ここも眺めがいい。赤岳山頂では当然見られない赤岳そのものをここでは眺めることができる。横岳の岩峰群も見ごたえがあるが、残念ながらまだ日陰になっている。 八ヶ岳に最初に登ったのは学生時代で、友人と二人、テント泊まりで北横岳から天狗岳まで北八ツを縦走した。それから登山やXCスキーで何度も八ヶ岳には来たが、阿弥陀岳だけが残ってしまっていた。原村あたりから見上げる冬の阿弥陀岳は北アルプスにも負けない名峰の貫禄があり、いつかはと思っていたがなかなか機会がなく、転職した今年にやっと念願が叶った。 |
さてここからが今回の山行の最大のポイント。阿弥陀岳から西に延びる御小屋尾根を下るのだが、このコースはサブルートでウィークデイはあまり登山者が通らない。万一怪我をしても助けが得られ にくいので、単独行者としては慎重にならざるを得ない。 しかし、山頂にいた単独行の人が自分も御小屋尾根を下ると言う。これは心強い。バスの都合があるからと山頂でゆっくりしているその人よりも、先に下り始めることにする。 |
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阿弥陀岳、犬返りの岩 |
はい松のかぶる踏み跡を辿ると目の前に岩峰が現れる。犬返りの岩と言われている岩峰で、はしごで登り、反対側の緩い傾斜の一枚岩を 滑らないように気を付けて下って乗っ越す。もう一つ先の岩峰 (摩利支天、あるいは西の肩)は根元を巻いてしまうので、心配した程危なくはない。尾根への下降点も標識があって迷うことはなかった。 ここからは急な斜面を慎重に下る。岩場にはザイルが張ってあってありがたい。ザレ場もあって気を抜けない。 |
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御小屋尾根 |
はい松帯からダケカンバや背の低いシラビソの樹林地に入ってくると、だんだん傾斜が緩やかになってくる。ここから先は樹林地の尾根道でちょっと緊張も緩む。 |
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阿弥陀岳を振り返る |
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苔の生える尾根道 |
まるでオブジェのような林班界の杭? |
御小屋尾根をまっすぐ尾根通しに下ってしまうと美濃戸口を行き過ぎてしまう。御小屋山の三角点から北へ派生する尾根があり、この北尾根をたどらなければならない。 |
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御小屋山の分岐 |
北尾根に入っても歩きやすい道が続く。下るにつれてカラマツの植林地が目立つようになる。 |
今回の山行を計画した時には、御小屋尾根について少々心配していたが、予想よりもずっと歩きやすいコースだった。林相に変化もあって、歩いていて飽きない。登りに使うには嫌だが、阿弥陀岳からの下りには、行者小屋に戻るよりもいいのではないか、と思う。 |
[山行日] | 2013/9/18(水)〜19(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[天気] | 18日 晴れのち曇り、19 日快晴 2013年9月の天気図(気象庁) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[アプローチ] | 諏訪南IC→(八ヶ岳ズームライン)→
美濃戸口駐車場 [約10km] ・駐車料金500円/日×2日 (蓼科観光 美濃戸登山口駐車場) |
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[コースタイム] | 18日
19日
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[地図] | 八ヶ岳西部 (1/25000) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[ガイドブック] | アルパインガイド34「八ガ岳・北八ガ岳」 山と渓谷社 |
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[小屋] |
赤岳頂上山荘 ・1泊2食 8,500円。 ・食事は普通。お湯は500mlで100円で分けてもらえるが、水はペットボトルのものを買うしかなく、400円。 ・展望抜群。食堂から山麓の夜景が見える。 |
[温泉] |
もみの湯 ・入浴料500円。 ・石鹸、シャンプー、リンス、ドライヤーあり。 ・露天風呂もあるが展望は利かず眺めは良くない。 ・洗い場は狭い感じがするが、ウィークデイだったので貸し切り状態。 |