ワンゲルアルバム

春合宿 奥美濃
昭和54年(1979年)3月14日(水) 〜 3月20日(火)

樹氷の林
冠山近く樹氷の尾根筋を行く


3月14日(水) 河内

他のパーティーはトレと買出しがあるため、見送りは平木さん、伊藤さん、松本くんだけ。
16:00に武生についてしばらくしてからマイクロで出発。
17:25に河内の養魚場前に着く。小雨模様。 ツェルト>白崎、後藤、堀田
大阪〜武生1600円急行600円、25人乗りマイクロバス15000円

3月15日(木) 河内 ・・・ 田代 ・・・ 峰越林道

河内 6:00起床 7:42発
田代駐車場 8:12着 8:34発
852手前 9:55着 10:10発
峰越林道テントサイト 11:20着

朝方ときどき雨。雨雲が低く垂れ込めている。田代までセパレーツを着けるが、雨は降らなかった。道の上にはほとんど雪はない。雲底が高くなって、1000mくらいから下は展望がよく、わずかに雲間から青い空がのぞく。雲はだいたい北から南へ流れている。田代尾根の下の方は雪があまり無くて、下藪が出ている。それほどひどい藪漕ぎではない。

852手前付近から残雪が目立って多くなる。このあたりから風が少し出始め、西側から雪が吹き始める。852を越える頃から、霧の中となる。樹氷が残っている。ラッセルは深いところで膝程度である。峰越林道には旧雪の上に新雪が数センチ程度積もっている。

峰越林道
峰越林道のテントサイト

積雪量は90センチぐらいある。時々小雪が風吹く。気温はそれほど低くない。一年生組と田中でイグルーを作らせる。

イグルー(その1)
イグルー  3人入って横に寝るには少し手狭な大きさ

ツェルト>尾野、島中、浜田

3月16日(金) 峰越林道 ・・・ 冠山 ・・・ 冠平

峰越林道テントサイト 5:25起床 7:42発
1058 8:50着 9:25発
田代尾根ノ頭 10:16着 10:40発
冠平 11:50着

晴。無風。一晩のうちに新雪が2センチほど積もっている。このあたりから先は樹氷になっている。気温の上がる10時ごろから頭の上へ氷片がパラパラ降り注いでくる。ラッセルもあまりなくて昨年より楽に登れる。
田代尾根ノ頭で冠山峠へ続くトレースを見つける。その上に新雪が降り積もっているが、トレースは付いてまだ新しいようだ。1118まで続いているのが認められたが、その先はわからなかった。

田代尾根ノ頭
田代尾根ノ頭から冠山

冠山のトラバース地点は、昨年より積雪量が少ない。トラバースの終わりのところでクラストしていた。

冠山のトラバース
冠山のトラバース

冠平で幕営。テントを張ってから冠山へピストン。

冠山の頂上
冠山の頂上 能郷白山が大きな姿を見せる

冠山の展望(笹ヶ峰・釈迦嶺・金草岳)
 笹ヶ峰 釈迦嶺 冠山の展望 金草岳

ややクラストしているところもあるが、おおむねキックステップで済む。頂上の雪庇もあまり出てはいない。

ツェルト>田中、白崎、堀田

3月17日(土) 冠平 ・・・ 若丸山 ・・・ 1226テントサイト

冠平 5:00起床 7:10発
冠峠 7:25着 7:40発
センボクノ頭 8:08着 8:21発
ワカンが外れて一本 8:35着 8:45発
若丸山手前 9:15着 9:20発
若丸山ピーク 9:55着 10:35発
1226テントサイト 11:55着  

前夜23時ごろから目がさめる。かなり強い風が吹いてテントが揺らされている。3時ごろまでうとうとしながら起きていた。おぼろ月夜で天気は悪くないようだ。明け方(工場の)サイレンの音が聞こえたような気がする。それからしばらくして起床の声がかかった。
視界がよいので、風が強いだけで沈はできない。出発する。空一面に高層雲。太陽もはっきり見えない。雪面が融けないからほとんどラッセルは苦にならないほどで、行程がはかどる。

一本(休憩)
“一本(休憩)” 深い雪の中から潅木が覗く

若丸山手前のやせ尾根地帯にさしかかる頃から雪になる。降りかかる雪を見ると、その結晶が肉眼でわかるくらい大きい(5ミリくらいもある)。やせ尾根通過に緊張した。昨年あまり印象になかったのが不思議なほど。若丸山につく頃にはほとんど視界が利かなくなった。山頂から下りのルート確認に松原、田中、浜田を偵察に出す。すぐに確認。
1204ピークは下りルートが判然としない広い尾根である。1206付近に十分テントが張れそうな平坦地がある。1226までの尾根はあまりクラストしていない。雪庇もあまりない。1226のピークに着く。やはり視界なし。軽く粉雪が吹雪いている。ここにテントを張り、その横に雪洞を作らせる。
夕方一時視界が広がる。厚い高層雲と下方に層雲を見る。無風。

ツェルト>後藤、尾野、浜田

3月18日(日) 1226テントサイト ・・・ 1130付近のテントサイト

1226テントサイト 5:00起床 7:35発
美濃峠付近 8:10着 8:20発
スギクラ 9:45着 10:00発
1130テントサイト 11:10着  

朝から粉雪の吹きすさぶ悪天候。視界なし。気温も低く感じられる。夜中のうちに10センチほど積雪を見る。昨日のトレースが消えている。出発にやや手間取る。
しばらく広い尾根を進む。ラッセルはたいしたことはない。途中のやせた尾根に雪庇が出ている。スギクラに着くまで風雪弱まらず。テントサイトに向かう途中から視界が広がり始める。厚い層積雲に隠れイソクラのピークは見えない。

樹林の尾根筋
樹林の尾根筋を辿る

サイトに着いてから天気が回復する。展望よし。テントの横にイグルーを作らせる。曇がちで風弱く、上空は北西の風。

テントサイト付近の景色(能郷白山)
テントサイト付近から能郷白山

テントサイト付近の景色(若丸山)

テントサイト俯瞰 正面に若丸山

イグルー(その2)

人が乗っても潰れないイグルー


イグルー>島中、田中、堀田

3月19日(月) 1130付近のテントサイト ・・・ 能郷白山の肩テントサイト

1130テントサイト 5:00起床 7:15発
一本 8:15着 8:35発
イソクラ 9:40着 10:20発
能郷白山 11:20着 11:55発
能郷白山の肩 12:05着  

快晴、無風。展望抜群

テントサイト付近の景色(蕎麦粒山)
テントサイトから早朝の蕎麦粒山

コース上のクラストもラッセルもたいした程ではない。

イソクラの展望(若丸山 遠く金草岳)
イソクラ山頂から縦走路を振り返る

イソクラのピークから下りはシリセードができる。

イソクラの展望(槍・穂高連峰・乗鞍岳)
 ←能郷白山 槍・穂高連峰 乗鞍岳 前山→

イソクラの展望(御嶽山・前山)
 御嶽山 前山 イソクラの展望         根尾能郷へ下り→

能郷白山のピーク一帯は雪が少ない。山頂の社も姿を見せている。ここから前山の方へワカンのトレースがあった。まだ新しい。三角点のやぐらで休んでいると、単独行の老人が温見峠からやってきた。みさやま山岳会(京都)で分水嶺歩きをやっているそうな。アルミプレートをやぐらに打ち付けてイソクラの方へ向かって行った。

能郷白山記念撮影
能郷白山の山頂で記念撮影

能郷白山から少し下った肩の平坦地をテントサイトとする。積雪は十分、雪洞を掘らせる。

加賀白山
テントサイトから加賀白山

午後から雲が広がり始める。絹雲>絹層雲>高層雲・・・南よりの風が吹く。天気は下り坂。

雪洞>白崎、後藤、浜田

3月20日(火) 能郷白山の肩テントサイト ・・・ 根尾

能郷白山の肩 4:00起床 5:50発
前山の手前 6:37着 6:55発
カラホラ谷出合 7:50着 8:20発
根尾 10:00着  

全くの曇空。展望なし。仕方がないので即刻下山とする。あまりクラストしていないが、ラッセルもない。前山から能郷谷を遠望する。下界は全く雪がない。

能郷白山
前山の下りから能郷白山

能郷谷
前山の下りから能郷谷

カラホラ谷までの尾根は雪が少なく、笹藪や低木がたくさんある。谷に到着する前に雪が消える。出合にテントが1張りあった。根尾に向かう途中、単独行の人が後から歩いてきた。

カラホラ谷の出合
カラホラ谷の出合 合宿も無事に終了

リーダー会を務めた3年生最後の合宿も事故なく終了した。この3年間、部活動と勉学をかろうじて(!?)両立させ、4月からは留年することなく進級できた。
卒業年次の4年生部員は部活動の第一線から退く。オブザーバー(OBs)として合宿に参加することもあるが、私のような理系の学生部員の多くは卒論の研究・実験に明け暮れるため、日々のトレーニングに出られず練成・合宿の参加が叶わない。
私のワンゲル・アルバムも、ここで終わりになった。お世話になった部員の皆さんに感謝。

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