<<< インデックスへ戻る >>>
『ラフィキ ふたりの夢』(Rafiki)['18]
監督 ワヌリ・カヒウ

 ガールズラブを描いた作品としては、特に変哲もない今どきの映画だと思うのだが、何と言ってもケニア映画であるところが目を惹く。2018年作品だから八年前のナイロビということになる。都市化されているエリアとその途上にあるエリアが混在している首都の様子が窺えるだけでも興味深いが、そこに選挙活動事情が差し込まれるから猶更だ。感じとしては、高度成長期の'60年代の東京のような印象を持った。

 気になったのは、手元のチラシにある記載では、英語、スワヒリ語となっている言語の大半が英語だったことだ。スワヒリ語は教会での偏狭牧師の言葉でしか現れなかったような気がする。聴覚障碍者対応の機器提供もしている公共上映だったから、より多種多様な観客のために日本語字幕に英語吹替え版で上映した可能性も思わないでもなかったが、もしかすると、ナイロビでの公用語としての英語の普及が恐ろしく進んでいるのかもしれない。三十四年前にフィリピン映画の特集上映をした際に、公的な話題は英語でするのに私的な話題になるとタガログ語に替わるのを興味深く観たときのことを思い出した。それで言えば、どちらとも英語を使っていた。

 原題のラフィキというのは、スワヒリ語で「友達」という意味らしい。牧師が断固たる反対を唱えていた同性婚を「ふたりの夢」とする看護師志望でサッカーが得意なケナ(サマンサ・ムガシア)と、お洒落好きで奔放なジキ(シェイラ・ムニヴァ)の恋と二人が受ける非難や迫害を描いていた。ケナに寄せた想いを告白して拒まれながらも変わらぬラフィキを続けていたバイクの似合うブラックスタ(ネビル・ミサティ)が好もしく、雑貨店主の議員で浮気による離婚を余儀なくされていたケナの父親ジョン・ワウラ(ジミ・ガツ)のリベラルな人物造形がなかなかよかったように思う。
by ヤマ

'26. 7.18. オーテピア高知図書館4Fホール



ご意見ご感想お待ちしています。 ― ヤマ ―

<<< インデックスへ戻る >>>