ロープ角度 α=45〜50°の理由
アプローチは集落から峠越えをする道から入山となる。
すっかり鉱山跡の雰囲気は消えている。
鉱山跡方向残る切通し、尾根を切り開いた道の跡だ。
軌道か鉱山道路の痕跡のようだ。
やがて大きな石垣が現れる。
コンプレッサーか巻上機の土台のようだ。
石垣の上には巨大な円盤がある。
これはどうやらコンプレッサーのフライホイールのようだ。
マウスon 空気圧縮機
コンプレッサーは空気を圧縮する時にガクッと重くなる瞬間(負荷の波)がある。
そこでフライホイールの慣性(回り続けようとする力) を使って回転を滑らかにする。
重いフライホイールが一度回り始めると勝手に回り続ける力を利用して、
コンプレッサーの動きを安定させるのだ。
他にも石垣の基礎がある。
昭和30年4月までは坑外手押し運搬だったものが
エンドレス巻きに変更されている。
更に山中を進むと足元の下に火薬庫らしき建屋がある。
土提に囲まれた小さな建物だ。
すぐ隣にもひときわ大きな火薬庫がある。
こちらが火工所で、
脇の小さな建屋が雷管庫などかもしれない。
斜面には基礎が残る。
昭和36年6月索道を廃止、請負のトラック運搬に変更しているが、
その索道の痕跡のようだ。
スレートの建物が朽ちている。
トイレか資材庫のようだ。
スレートの建屋には『清潔清掃』の札がある。
フォントもいかに達筆な手書きだ。
付近には水槽がある。
もしかすると消火用水槽(防火設備)かもしれない。
そして廃車に到達。
いすゞ BL、1960年にいすゞが発表した小型バスだ。
当時の小型トラック「エルフ」をベースに開発され、
川崎航空機がボディ架装を担当した。
『大沼公園ヘルスセンター』とあるので思わず北海道の大沼かと錯覚したが、
昭和36年に開業したのが北海道の大沼ヘルスセンターで
昭和39年頃、埼玉県大里郡江南村に存在したのが大沼公園ヘルスセンターだ。
付近にも巻上機のような遺構がある。
皆谷鉱山は昭和42年に閉山。
遺構はすでに60年以上経過している。
皆谷鉱山の坑内で採用されていた鉱石搬出作業が、
鉱石をかき寄せて搬出する巻上式運搬装置であるホイストスクレーパーだ。
二連ドラム式のホイスト(巻上機)に吊ロープと返しロープを掛け、
スクレープ(バケット)を前後に往復させることで、
狭い坑道でも効率的にズリを集められる。
スクレープを引くロープ角度 α が 45〜50° の範囲で最も効率が高いと示されている。
水平成分としてズリを後方へ引く力と垂直成分のバケットを地面に押し付ける力が、
最適に働く角度が 45〜50°であり、鉱石が最もよくすくえる角度として設定されている。
複数のホイスト(ウインチ)と地を這うバケットの動きで、
狭い坑内でも連続的に鉱石出しが可能となる、
鉱山の知恵である。
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