意見 

 目次 
原発賛成論 
消費税増税について(平成24年7月16日)
      マニュフェスト違反
      増税の政府理由の欺罔
      逆進性対策について
天皇制について(平成23年12月18日)
東日本大震災に対する対応
       復興財源について(全額国債で日銀引き受けを)
       行方不明者の全員解明宣言を
       慰霊祭および慰霊訪問の実施を
23年度税制改正案についての疑問




原発賛成論 平成25年12月22日

 福島の原子力発電所の被災事故以来、原発反対の意見が多い。しかし、いかがなものか。
1 小泉脱原発論
 小泉純一郎元総理までが原発廃止を即時宣言すべきだと主張している。その理由は廃棄物の処理ができないからということのようだが、週刊誌の外国人記者クラブでの演説の内容を見ると、今脱原発を宣言すれば与党も野党も賛成してくれるので、政治的に極めて強い基盤を獲得できるということが主たる理由のようである。小泉氏は政局に強くどうすれば権力基盤を強固にすることができるかに関心があるようである。日本の将来よりも、総理の権限の強化に絶好のチャンスととらえているように思える。小泉さんらしいといえるが、それによる日本の損失はお構いなしなのは、元総理として名誉を傷つけたといえよう。
2 原発の危険性0
 原発に反対する人は、危険だからというが、原子炉が原発のように爆発する虞があるとは思っていない様である。もっぱら放射性廃棄物を問題としている。危険であるというが、廃棄物で死亡した人は原子力発電の関係では何十年も一人も居ない。新幹線並みの安全度といえる。むしろ、ガソリンを使用する自動車の方が交通事故により毎年多数の死者を出しているのであるから、危険を避けるのなら自動車の廃止を主張する方がはるかに論理的である。
 原子力を危険視する人は、多分人間が火を使いだした時にも危険だと言い張った人たちだろう。火も使い方を誤れば山火事となり生命を脅かす。現に毎日火事で死亡者が出ているのである。人間は保守的なので危険といわれれば反対するのは当然である。しかし、福島のように1000年に一度といわれる津波に襲われても、現在のところ人が死亡するという被害は出ていない。また、福島で放射能の高いところにいたという人も、われわれ年寄りの世代が核実験華やかなりしころに浴びていた放射能に比べると比較にならないくらい低い放射能といえるのではないか。
3 廃棄物処分場はある
 放射性廃棄物の処分場が無いというが、無いわけではない。自分の近くに来るのがいやなので、反対しているだけである。地中深くで管理すれば問題はないと思う。いまは廃棄場所が無くてもすんでいるから、お金もかかるので本気で対策を立てておらず、それですんでいるということである。本当に必要なら国が主体となり高額で土地を買収する等で対処できる。
 10万年も安定した地層が無いという意見もあるが、別に10万年間放置するわけではないので、管理している途中で地層が不安定と思えるときは移動すればよい。また、100年、1000年後の人類がそのような廃棄物を処理する方法を考え出すであろう。われわれは数100年先位を考えておけば十分である。
4 原発反対論者は親中国
 原発が危険かどうかは一般の人では解らない。ある程度信用のある人が原発を危険というから危険と思うだけである。そのような主張をする人は、昔からいたが福島の被災をチャンスとしてその危険をあおっている。
 原発反対を言う人は、昔は革新系、左翼、親中共、親ソ連の人たちだった。それは、日本の発展を歓迎しない人々であり、国民が不幸になって革命を起こすことを待望する人たちであった。そうでない人もいたかもしれないが、その人たちは何故反対するのか不思議である。つまり、一定の管理の下に危険でないことは証明済みだからである。
 現在反対している人は、やはり親中国の人たちではないだろうか。中国は原発を増設している。日本が脱原発をすれば日本経済の発展を抑えて中国の覇権確立に貢献しようとするのであろうか。そのような意図が無くても結果的にはそうなるのは明らかである。
5 鉄腕アトム
 われわれは、広島、長崎の原子力爆弾を経験した。これは米国の戦争犯罪であると思うが、米国にかたき討ちをするつもりはない。日本も先に原爆を開発していたら使用したかも知れないからである。広島、長崎の仇は、原子力の平和利用により打ちたいと思ってきた。兵器として用いられた原子力をわれわれの生活を向上させるエネルギーとし、これを完全にコントロールして使いこなすことが被爆国の仇打ちであり使命と感じてきた。われわれ年寄りは手塚治虫の鉄腕アトムとともに少年期をすごした。鉄腕アトムは10万馬力の原子力エネルギーを動力とする。名前のとおり原子力の象徴であり、われわれのアイドルであった。21世紀は原子力の時代として未来図に描かれたのである。
 日本は、原子力の平和利用で世界をリードすべきである。それが偉大な思想家である手塚治虫が描いたわが国の進路である。安部首相には、強い決意を抱いて原子力の平和利用を推進するとともに、反原発の主張の背景を明らかにするとともに、国民に対して原子力の平和利用に向けてのわが国の使命を説くことを切望する。


天皇制について(平成23年12月18日)(久留米大学大学院客員教授 図子善信)
 今年の秋の叙勲で勲章を頂き、11月15日皇居豊明殿で天皇陛下に拝謁する予定のところ、天皇陛下のご入院により秋篠宮殿下が陛下の代行をされ秋篠宮殿下に拝謁した。秋篠宮殿下が天皇陛下の国事行為の代行をされるのは初めてのことであったので、ニュースとして報道された。拝謁時秋篠宮殿下より天皇陛下のお言葉を賜った。正確に記憶していないが、多年にわたり国家公共のために尽力した事について感謝しますとのお言葉であった。「感謝します。」の部分は正確に覚えている。
 その言葉は、私にとって予想外であり、自分の行ってきた職務が、天皇陛下に感謝されるものであることに気付いた。わが国において職務とは、自分の生活のためのものであると同時に社会のためのものであり、国のためのものであり、そして天皇陛下のためのものであった。これがわが国の国柄であり、日本国憲法第1条で定める天皇制の意味であることを再認識した。この国柄は、神武天皇以来のわが国の特色であり、無意識のうちに日本国民が有している意識であろう。社会、公共という抽象的概念でなく、現に存する天皇陛下が常にわが国が平穏に治まり国民が幸せになることを願っておられ、我々の職務は、その陛下の願いに答えるものである。
 国民全員がそのことに気付き、真剣に職務に励むことにより、より良き国になると考える。野田総理はじめ政治家には、特にその意識を明確に持ってもらいたいと思う。
 文芸春秋新年特別号に、産経新聞記者大島真生氏の「民主党政権下で平成が終わる日」の論考が掲載されている。現行皇室典範では、皇太子殿下が即位された場合、秋篠宮は東宮として特別の待遇を受けることにはなっておらず、皇太子不在となり、皇太弟としての地位は定められていないとのことである。1代限りの女性宮家の創設と共に、早急な皇室典範の改正が必要との見解に賛同する。


東日本大震災に対する対応
(久留米大学大学院客員教授 図子善信)

 
復興財源について(全額国債で日銀引き受けを)
 今回の東日本大震災については、阪神淡路大震災とは異なり、公的施設の復旧のみでなく、私的施設の復旧についても国の事業として行うべきである。その際の事業費は膨大なものとなり、数兆円の規模でないことは明らかである。そうであると子供手当や高速道路無償化の廃止程度で捻出される程度の金額ではない。また。単年度で20兆円、30兆円の歳入を増税により調達するのが無理であることは明らかである。この際、現在の予算についてはそのまま実施し、別途国債を発行すべきである。国債の消化が難しければ、日銀引き受けが妥当である。今回の災害の規模は、100年、1,000年に一度のものである。少なくとも100年に一度の対策を立てる必要がある。日銀引き受けの国債の償還は、100年を目途に行うべきである。100年に一度の措置に、子供手当や高速道路無料化等の枝葉の問題を関係させ、議論に無駄な時間を費やす必要はない。

 
行方不明者の全員解明宣言を
 現在、行方不明者が1万数千人居るが、その全員の解明を行うべきである。ほぼ全員死亡していると思われるが、その際は遺体を完全に回収すべきである。この被害者は、甘い想定の下に立てられた津波対策の犠牲者である。不明であるとして放置することは、国民感情として許せるものではない。政府は、最後の一人まで徹底的に遺体を回収して弔うことを宣言すべきである。遺体は、消えるわけではない。深海の海底であろうと遺体は存在するのであり、数年たったとしても遺骨は存在するのである。太平洋戦争の戦死者の遺骨を戦後60年たっても収集することを考えると、日本国内にある遺体や、近海にある遺体を完全に回収することは可能であろう。何年かかろうと政府が完全回収することを、早期に政府として宣言することが必要である。被災した遺族はそれにより安心するであろうし、国民もそれに喪失感を慰められ、復旧に対する意欲を強くするものと考える。
 また、その回収を国の事業として行う際、現在の自衛隊、消防、警察により行うのではなく、被災者をその事業のために雇用し、被災者に仕事を与えるとともに、自衛隊、消防、警察は早急に本務に復帰させるべきである。

 
慰霊祭および慰霊訪問の実施
 政府は、100カ日に大規模な慰霊祭を実施すべきである。これは政府の遭難者に対するお詫びである。治水は政府本来の仕事であり、想定外との言い訳は通らない。政府は、詫びるとともに多数の零位を祀り慰めるべきである。菅総理はこれを主宰し、天皇陛下の行幸を仰ぎ、大いなる臣として陛下に仕えるべきである。このような災害を招いたのは施政者の不徳によるとの古来の思想に基づき、それを詫びる形式をとるべきである。
 この慰霊祭は、同時に各地で行い、全国の被災しなかった地域からの参列を求めるべきである。100ケ日を国家的イベントとして、全国の人々が参加する行事として実施すべきである。3月11日を黙祷の日として休日にすべきである。
 また、その後、慰霊の訪問を全国的に促すべきである。そのため、多くの人がなくなった地に黙祷の場所を設け、全国の人々が黙祷に訪れるようにすべきである。それは、津波の被害の恐ろしさを認識する教育的意味を有し、また災害の酷さをしり国の対応を理解する助けとなると考える。
 このような取り組みは、国際的にもわが国の精神性を伝えることになり、我が国の国際的存在意義を認識させるものと考える。




23年度税法改正案についての疑問点(久留米大学大学院客員教授 図子善信)
 (1) 更正の請求の期間を5年に延長することに伴い、更正の除斥期間を3年から5年に延長する案となっているが、これは納税者にとって極めて不利益な改正である。税理士会が反対しないのはおかしい。
 (2) 税務調査において職員が納税者から提出された物件の預り、返還に関する手続きを定めることとされているが、これは実質的に税務職員に物件の留置権を認める結果となる虞がある。質問検査権には物件を預る権限は含まれていないと考えるが、その手続を定めることは預ることを法律で認めることとなり、納税者で拒否することが難しくなる。
 (3) 調査の事前通知を文書で行うことと定められるが、文書で通知された場合、その変更を申し立てるには相当の理由が必要と考える。納税者にとっては、現在より一方的に調査時期を定められる虞がある。

 理論的な権利擁護措置が、実務的には納税者の利益を損なう可能性があるので、実務を踏まえた改正を行うべきである。


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