松の幹に傷を付けて、そこから松やに(ロジン)を採取する方法を紹介します。現在この方法で生松やにを採取している国は、中国を始め、ブラジル、ポルトガルなど多くの国がありますが、労働集約型のためどうしても人件費の高い国では工業的には成り立ちにくい。

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日本でも、戦前、戦後の一時期にはこのような方法で松やにを採取していましたが、松の枯渇、人件費の高騰と合わせ、中国からの輸入が多くなってきたために、昭和30年に入ってからは国産の生松やにの採取事業は姿を消しております。代わって、アメリカからト−ル油が輸入され、松やに(ト−ルロジン)が生産されております。

1.荒皮削り

2.第1回切りつけ

3.刺激剤塗布

6.生松やに採取風景

4.こぼれ防止取り付け

5.生松やに生成

生松やにの採取は北半球では4月から10月頃まで、逆に南半球では10月から4月頃までです。松の木は樹齢15年ぐらいの物で胸高直径16p以上のものから採取します。1本の木から年間約2Kgの生松やにが取れますが、この中から松やに(ロジン)として約70%、テレビンとして約15%が取れます。1本の木から生松やにを採取する期間は、大体3年〜9年間です。松の種類は色々ですが、一般的には次のような木が多く使われています。
国 名
生松やに採取の松の木
中国 馬尾松
ブラジル
エリオッテイ松
熱帯松(カリベア松)
ポルトガル 海岸松
インドネシア メルクシ松
メキシコ オオカルパ松