在宅看取りは出来なかったものの、妻の達成感が高かった事例
報告者:@宮崎 享 A畠山淳也 所属@友愛記念病院緩和ケア科 A県西在宅クリニック
|
日常生活自立度: C2 認知症自立度: IV ・歩行(不可) ・座位・起立 一部介助 ・食事(セッティングと見守り) ・意思疎通( 問題あり <理由:脳腫瘍> ) |
本人家族の希望・要望: ・本人:自宅で過ごしたい |
家族の状況: 代理人:妻 |
|||
現病歴と経過(病名:原発性脳腫瘍(悪性神経膠腫)手術後再発) 2014年5月悪性神経膠腫の診断で、A大学附属病院にて手術治療と放射線照射60Gy施行。 2015年9月再発あり、再手術施行。この頃から軽度の失語症、右上下肢麻痺を呈していた。 2016年1月12日、食欲不振、活動性低下で前医入院。ステロイド投与等で、一時的にADL改善を認めたが、失語症、右片麻痺は残存し、緩和治療の方針にて当院紹介受診、2月3日当院緩和ケア病棟入院となった。 意識レベルU-10、傾眠で失語のため意思疎通は困難であるが、簡単な会話は可能であった。 頭痛あり、アセトアミノフェン1600mg/日 定時内服に加え、臨時頓服ロキソニン60mg、トラマドール25mgで対応した。(オキノーム処方するも未使用で経過) 2月8日ご家族(妻、父)と面談、ステロイドの効果が限定的で、徐々にADLが低下していることをご家族と共有した。今後起きうる症状として、意識障害、運動麻痺などの神経症状の進行、痙攣、誤嚥性肺炎などの合併症をご説明し、余命は月単位でなく週単位、日にち単位での経過が予想されることもご説明した。その結果、妻は、ご本人のご希望を忖度し、自宅療養できる今がチャンスとご理解され、自宅退院をご希望された。 訪問診療・訪問看護等の支援を受けて2月13日退院となった。 |
||||
アセスメント結果または現在の問題点 ・病状変化、急変時の対応について、十分なご説明をし、合意を得ていたか。
|