平成23年度総会及び第1回定例会
(古河福祉の森診療所にて)
(3)ケース検討:
「がんを治す」と最期まで通院を続けた乳がん全身転移の1ケース
古河福祉の森診療所 赤荻栄一
ケース:66歳女性 (乳がん骨転移、肝転移、肺転移)
要介護3。主介護者:夫(長男、長女は独立して別居)
本人家族の要望:
(本人)癌を治したい (夫)本人の気持ちを大事にしたい
経過:
平成1*年9月、右乳癌と診断された時、すでに肝・骨転移あり。ただちに抗癌剤治療を行い、転移は縮小したため、翌年7月、乳房切除術施行。その後も抗癌剤の投与を続けた。その翌年、腹水貯留が増加したが、別の抗癌剤投与により軽快。そのため、その抗癌剤を断続的に投与して、病状を安定させていた。その4年後、腫瘍マーカーが上昇。骨シンチで多発骨転移が判明。高カルシウム血症治療剤の投与開始。その後、脊椎転移の増大によると思われる歩行困難が出現したため、整形外科にて椎弓切除、椎対後方固定術を施行。歩行器での歩行が可能となった。その翌年、脊椎転移巣へ放射線照射。リハビリも終了し、7月に退院となった。しかし、骨転移巣の疼痛が増大したため、オピオイドを開始。さらに11月には腹水貯留著明となり、歩行困難となって、当院へ紹介となった。この時点で、「もう治療の方法はない」と主治医からは説明を受けた。確かに、すでに末梢静脈は今までの治療によってすべてつぶれており、点滴は不可能な状態だった。
当院へは、可能な限り車椅子で通院し、癌の治療も続けたいとの希望。そのため、経口の抗癌剤を処方して様子を見ることにしたところ、本人は「希望が持てた」と喜ぶ。しかし、その1か月後、全身にむくみが出現。さらに意識がもうろう状態となって、移動が困難になったため、訪問開始。その最初の訪問の日の夜、血圧が低下。その翌朝、そのまま在宅で死亡。肝不全による死亡と考えられた。すでに転移を認めた乳癌の治療開始後8年だった。
このケースのまとめ:
・ 本人には、がんを治したいという強い思いがあった。
・ したがって、「もうこれ以上治療の方法がない」という主治医の言葉は受け入れ難かった。
・ 外来通院を最期まで続けたのは、その治したいという強い思いのため。
・ ご主人は、最期まで本人の思いを大事にし続けた。
・ がんの最期は、がんの種類やひとりひとりの思いの違いによって異なるが、この人の場合
は、自宅で療養していても、まったく体が言うことを聞かなくなるまで通院を続け、訪問の 受け入れをしなかった。結局、訪問を受け入れたのは亡くなる前日だった。
1 総会
(1)在宅ケアネットワーク平成22年度決算書
(収入)
年会費
個人会費 10,000円(1,000円×10)
施設会費 30,000円(5,000円×6)
賛助会費 70,000円(10,000円×7)
利子 276円
繰入金 266,797円
計 377,073円
(支出)
郵便料 31,320円
印鑑・ポスター代 17,825円
繰越金 327,928円
上記の通り、間違いありません。
平成23年3月8日
在宅ケアネットワーク古河 代表 赤荻栄一
上記の通り、会計が間違いなく行われていることを確認いたしました。
在宅ケアネットワーク古河 監事 宮崎 亨
金子久子
(2)平成23年度事業予定
1.総会・定例会 4月5日(本日)
2.6月以降の定例会開催予定(偶数月の第一火曜日午後6時半から)
6月7日 友愛記念病院
8月2日 総和中央病院
10月4日 福祉の森会館
12月6日 古河赤十字病院
2月7日 古河病院
3.会報発行予定
5月 第10号
11月 第11号