T 在宅ケア講演会
5月17日、古河福祉の森会館ホールにて「高齢社会を地域と共に地域で支える」〜専門職と繋がるネットワークづくり〜と題して、ケアタウン総合研究所長の高室成幸氏による講演会を開催しました。古河さしま地域ケアマネジャー研究会との共催でしたので、100名を超す参加があり会場は熱気であふれていました。
途切れることのない、面での支援を!というまとめで終えた話は、多くの事例を踏まえ、同居、遠距離、老老、認知症、虐待、消費者被害とさまざまな場面設定をした分かりやすい話でした。皆さんのご参考になったと思います。
U 在宅ケアネットワーク古河定例会の新しい開催場所
在宅ケアネットワーク古河 代表 赤荻栄一
偶数月の第一火曜日夜6時半からという開催日時には変更がありませんが、今年度から、当ケアネットワークの定例会の開催場所が変わりました。福祉の森と当ネットワークへの参加病院の持ち回りで開催するということになり、それぞれの病院のご協力を得て、6月の定例会は友愛記念病院、8月は総和中央病院、10月は古河赤十字病院で開催いたしました。その内容は以下の通りです。
6月は40名を超す参加者で、私から「右上腕骨骨折治療のため入院後、意識障害を起こしたため退院となり、希望通り自宅で死亡した85歳女性」、友愛記念病院三宅智先生から「本人の希望により一般病棟から退院し自宅で死亡した再発膵臓癌の1ケース」、古河赤十字病院土屋光子看護師長から「全介助が必要な脳幹部出血の患者様を在宅介護へつなげた一経験」と題して報告されました。特に最後のケースは、家族だけでなく病院のスタッフにも在宅への不安が強かったものの、地域での支援を有効に活用することにより介護度が高くとも自宅に帰ることが可能であることを学ぶことができたとされ、今後、この経験を活かして退院調整を行いたいという意義ある報告でした。
8月は21名の参加で、私から「透析をやめて退院し、孫たちの声を聞きながら亡くなった卵巣癌の1ケース」、古河赤十字病院印出恵子看護師長から「家族の不安が強く在宅の受け入れに手間取った右大転子部骨折・脳出血の1ケース」という報告が行われました。後者は、本人はリハビリにも意欲的で退院を強く希望していたものの、妻を含む家族全員が受け入れに不安を感じ、退院が遅れたケースでした。この不安の解消に、地域での支援のあることを理解してもらうことが役立ったと報告されました。
10月は36名の参加で、私から「このまま家にいたいという願いがかなった肝臓癌の1ケース」、古河赤十字病院木村清江看護師長から「終末期を自宅で過ごすことを希望した患者と家族との関わり」との報告が行われました。後者は、人工肛門と尿瘻、さらに褥瘡処置の必要な末期癌でしたが、家族が納得する説明を行い、訪問看護が中心となって処置を担当し、自宅で亡くなる一か月間の在宅生活が可能だったという報告でした。
定例会は、今後も福祉の森会館と施設会員の病院持ち回りで続けます。これによって、日ごろ忙しく、なかなか病院を抜け出せない病院勤めの方々の定例会への参加が容易になっていると思います。在宅を広めるためには、何よりも病院職員の方々の在宅医療・在宅ケアへの理解が必要だと思います。当ネットワークの活動が、そのために少しでも役立つことができれば幸いと考えます。
今後の予定は、12月が古河病院での定例会、明年2月は福祉の森での定例会または研修会です。多数のご参加をお待ちします。
V 新しい会員=連携会員について
今年度から連携して事業を進める組織の会員を自動的に当ネットワークの連携会員とすることが決まりました。連携会員は年会費が無料です。現在の連携会員は、古河さしま地域ケアマネジャー研究会の会員となっています。連携会員は、他の会員と同様、自由に当ネットワークの事業への参加ができます。また、ネットワーク会報も今回の号から連携会員の方々にお配りすることにいたしました。どうぞ、当ネットワークの定例会や催し等にご参加下さい。
W 在宅ケアネットワーク古河のホームページを立ち上げました
http://www7b.biglobe.ne.jp/~zaitakukoga/がURLです。ご覧下さい。まだ、不十分なホームページですが、少しづつ内容を深めて行きたいと思います。
X 在宅ケアネットワーク古河のパンフレットができています
前号でもお知らせした通り、当ネットワークのパンフレットが出来上がっています。無料でお分けします。事務局に必要とする部数をお知らせください。また、パンフレットに掲載するサービス事業所名の変更や追加も事務局へご連絡ください。
在宅ケアネットワーク古河会報第5号(平成20年11月発行)