平成22年度研修会
(4月6日総会にあわせて開催)

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  「高齢者のフットケア」

  講師:小村平安子氏
(当ネットワーク幹事、メディカルフットケアリスト、認知症ケア専門士、保健師)

 最初に、高齢者の介護要因の第3位が転倒・骨折であり、足のケアの重要性があることが示されました。その原因として、高齢者の足の半数には、足そのものおよび爪に病変があり、それが転倒につながっているとのこと。特に爪の役割は重要で、指先を守るだけでなく、指先の触覚を敏感にして、かつ指先の力を強め、体のバランスを取るという働きをしているということです。従って、爪の病変は転倒につながりやすいということになります。
 フットケアの実際は、アセスメントから始まり、足浴、角質除去、爪切りとファイル、皮膚の手入れ、マッサージと続きます。
 アセスメントは、見て、触って、聞くことが大切で、足の形、爪の状態などを見、さらに皮膚の弾力、温度などを触って確認し、さらに、現在の状態にいつから変化したか、水虫や糖尿病の既往があるかなどの聞き取りをします。
 爪切りは、1mm程度のフリーエッジを残して切るのが大切で、切った後のファイルで爪の形をどのように整えるかを、爪切りの道具を使いながら示していただきました。また、変形爪の治療についても、BSテープやワイヤを使って簡単にできることが示されました。ただし、皮膚科のドクターとの連携が必要とのことでした。
 足浴やマッサージ、そして適切な靴選びを行い、高齢者のケアにあたる専門職とチームでケアを行うことにより、転倒予防につなげるべきとしめくくられました。