平成27年度研修会(在宅ケア市民フォーラム)
「福祉の森診療所20年の振り返りから未来へ」
 〜茨城県ケアマネジャー協会古河地区会との共催〜
        (10月3日古河福祉の森会館にて)

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(講演要旨)
 20年前、「寝たきりをなくす」をキーワードに取り組みを始めた古河市福祉の森事業の医療部門を担当する部署として福祉の森診療所は開設された。
 開設時から在宅医療に取り組み、またがんなんでも相談を開始した。さらに小中学生の喫煙防止教育を始めた。当初、がん相談は全国的にも珍しかったため、その申し込みは多く、全国から寄せられた。相談で最も多かったのは患者本人からの在宅ターミナルケアに関するものだった。古河市内あるいは近隣の患者では、その相談から在宅医療を開始した。
 同時に、当院では疾病予防活動の一翼を担うため、健診で異常をチェックされた人たちの精密検査を担当すべく、外来で検査を行うこととした。そのため当院の診療は、午前中は毎日外来診療、午後の一定の時間を在宅医療やその他の事業のために取ることとした。現在、1日の外来患者数は平均65人、在宅医療患者は月あたり30人程度である。当院での外来診療は総合診療であり、産婦人科以外の患者をすべて受け入れて初期診療に当たっている。また、在宅での看取り数は年に5〜10人程度である。
 現在、在宅ケアネットワーク古河を運営して、在宅ケアと医療の提供に当たっているが、24時間365日の在宅医療の提供には、訪問看護ステーションとの連携が欠かせない。また、患者の急変時の受け入れ先病院の確保も重要である。幸い、在宅ケアネットワーク古河に、近隣の自治体にある訪問看護ステーションを含め6か所の訪問看護ステーションが会員として登録しており、さらに後方支援病院として市内の4病院すべてが会員登録している。これにより、一人医の無床診療所である当院でも24時間365日の在宅医療の提供が可能になっている。