御夫婦が円満に相談されて、万が一に備えて、それぞれ「公正 証書遺言」を作成し、その遺産の全部を配偶者に相続させる場合 の手続きは、以下のとおりです。
夫婦双方がそれぞれに遺言することになりますので、「公正証 書遺言」は、2通作成されることになります。 因みに、「共同遺言」は、認められておりません。
まず、最初に必要とされる資料・書類は、 @戸籍謄本(夫婦共通 1通で可) A住民票の写し(夫婦共通 1通で可) B実印(各人ごと) C印鑑証明書(各人ごと) D土地・建物の登記簿謄本(遺言の対象となる物件が有る場合 のみ。有る場合は、その全ての分) E土地・建物の固定資産評価証明書(遺言の対象となる物件が 有る場合のみ。有る場合は、その全ての分) F預貯金・現金・債券・株式等の概ねの現在高(名義別に) G上記Fの金融機関・証券会社等の名称・支店名及び口座名・ 口座番号等(名義別に) など、「身分関係」及び「財産保有状況」が判断できるものです。 上記@〜Eにつきましては、それぞれの交付機関から取り寄せ ていただきまして、入手され次第、順次、公証人と折衝を担当さ せていただく業務受託士業者に預けていただきます。 これらの資料に上記F及びGの情報を加えて、受任士業者におき まして、夫婦二人のそれぞれの「財産目録」を作成します。 その「財産目録」は、公証人においても、「公証手数料」の算定 の基礎として使われることになります。 公正証書遺言の作成には、成人の証人(相続人は不可)2名が必 要です。
受任士業者は、業務を依頼された御夫婦から、それぞれ遺言した い内容をお聞きしますが、多くの場合、その「遺言の骨子」として は、 @自分が死亡したときは、自分が所有する全ての財産を配偶者へ 相続させる。 Aこの遺言の執行者には、配偶者を指定する。 というものです。 もちろん、これらのこと以外にも、遺言に記載することができる ことがあります。 「正規の遺言書」に記載する文面については、遺言予定者の意思 を踏まえた上で、「公証役場の書式」に則って整序されますので、 公証人との具体的な折衝の中で形が固まってきます。
公証人の常駐する「公証(人)役場」は、全国300か所とも言 われておりまして、依頼者が出向くのであれば、どこの「公証(人) 役場」でも、利用できることになっています。 幸い、当事務所の存する「東入間地域」においては、「川越公証 役場」と「所沢公証人役場」が、比較的近くにあって利用し易い状 況です。 特段の事情がなければ、当事者の御夫婦が出かけ易い「公証( 人)役場を利用されると良いと思います。 公証人との折衝は、専ら受任士業者が担当させていただきます。 その具体的な事柄といたしましては、 @遺言骨子の起案と文面作成の依頼 A証人としての申し出(例えば、受任士業者及びその補助者等の 2名) B公証人から要求される資料・書類の提供・提出 C当該公証役場における「公正証書遺言」作成日時(当事者御夫 婦及び証人2名の出頭)の調整 D自ら証人としての立会い・署名・押印 E公証手数料の清算の仲立ち などです。
法務省が管轄する公的機関である「公証(人)役場」は、「公定の 料金算定式」があります。 基本的には、相続予定財産の価格等を加味して決められます。
行政書士には、「公証人役場」のように「公定の料金表」があるわ けではありません。 あくまでも、依頼者と受託者である当該行政書士(事務所)とが、 相談の上、合意したものが、「報酬」となります。 なお、「出張日当」、「交通費」及び「印紙代・郵送料」などの 実費は、別途、その都度、申し受けることになります。
高齢や障がいで自ら署名・押印が困難な遺言者の場合、申し出に より公証人が代筆してくれます。 また、遺言者が「公証(人)役場」に出向くことが困難な場合に は、遺言者の申し出により、公証人自らが、遺言者の住まい等に出 張して公証を行うこともできます。 但し、この場合は、その住まい等の地域を管轄する「公証(人) 役場」のみが対応できることになりますので、注意が必要です。ま た、料金も割り増しになります。
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