『冒険』

切り立った崖
ツルツルした地肌
泥と入り混じった水面
そんな場所を僕たち3人は歩いていた
果てない道のりは真っ直ぐ続いている

年上の好奇心旺盛の女性と
小学生ぐらいの少女
そして、僕…

3人の目的は宝物を探すこと
この先にあると言われる宝物を目指して
歩き続けている
そして…

幾つものレールが敷かれた場所に来た
ここは宝捜しを目指す者のために造られたベースキャンプらしい
大勢の人々が集まっている
低い壁の向こうには海が広がっていた
でも、雲はうっすらと曇っている
僕たちはベースキャンプの中央にある案内所に行った
案内所と行っても女性が1人座っているだけの
映画館の受付のような場所だ
「宝物は海の向こうの島にある」
そう告げただけだった
海を渡るには船がいる
今の僕たちには船がない
だから、誰かに協力してもらわないとダメだと言うことだ
困った僕たちは一度レールの上に立つ
電車らしきものは走っていないし、
止まってもいない
そんなレールを辿っていくと地下に続く階段があった
何の躊躇もないまま、階段を下りる
階段は太い木で造られたものだった
地下は洞窟になっていたが何もいいものはなかった
そして、また地上に戻って来る

地上は何も変わりはなかった
鉱山として死んだ街、世間に見捨てられた街
そんな場所に立っていた
そんなとき、ふと視線を感じる
僕たちと同じくレールに立っている男を見つける
顔ははっきりと覚えていない
「5000円で乗せてやる」
彼は漁船の船長だった
僕は財布に7000円あることを思い出した
片道切符だったが意を決して了承した
男は笑ったように見えた…

僕はここで目覚めた
またしても、最後まで夢を見ることはできなかった…


夢を見続ける

夢から覚める


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