『蜘蛛の城』

僕は遠足である公園に来ていた
山の上に築いている城がそびえていた
しかし、そこに行くまでには多くの蜘蛛の巣があった
大小に関わらず、巣、巣、巣…
蜘蛛もまた自由に過ごしているが
あまり好きになれないものだと思う
気持ち悪いからだ
なぜ気持ち悪いと聞かれれば言葉に詰まってしまう
けれども、本音は変わらない
こんな場所に来なければ良かったとも思うが
時すでに遅し、僕以外の生徒は談笑しながら城に向かっていく
僕もそれについていくかのように城に向かった
見上げると木々には蜘蛛の巣が目に入る
それを避けるように城の前に立つと
大きな城門が出迎えてくれた
棟門だ
でも、なぜか城門に城の名前が書いた木の看板があった
何の名前かすぐにわかるが城らしくない
そう思った
城門の上のほうを見るとまた蜘蛛の巣がびっしりと…
まさか…っと思いつつ、中に入ると砂利道が敷かれている
そこを踏みしめながら左手に櫓が目に入る
出入り口には鍵を落とされて誰も中には入れない
別に見たいとも思わなかったが右手にあった建物には足を向けた
そこは喫茶店のようだった
薄暗く店内に茶色の壁、蛍光灯も少し暗めにしている
いい雰囲気のお店だった
その中を用もないのに隅々と見た後、奥にあった扉を開く
そこは物置のようで色んなガラクタが置かれていた
そして、そこにも小さい蜘蛛の巣が点々とあった
ガラクタの向こうには空が目に入る
この城の向こうにも道があり、通りぬけることができる
僕は店を出て、城の中を携帯のカメラで撮った後、
城を通り抜けて外に出た
そこには草原が広がっている
皆が走っていた
どこに行くともなく、楽しそうに走っている
僕は歩いて後ろから行く
とても、走っていく気にはなれなかった
後ろを振り向くと城の天守閣があり、そこにも蜘蛛の巣があった
いくつもの蜘蛛の巣が重なって巨大な蜘蛛の巣となり、
そこには大きな蜘蛛が餌を待つかのようにへばりついていた
あれから吐き出される糸に絡まればひとたまりもない
皆がなぜ走っているのか理解した
皆、あれを見て逃げているのだと
僕も走った
蜘蛛に気づかれる前に草原を一気に下る
必死だった
蜘蛛はもそもそと動きながら城の壁から離れない
それに気づいたときには足の速度もゆるくなり、
目の前に見える違う城に向かって歩いていた
誰かが城の後ろは海だという
そこまで行かなくても…っと思い、草原の真ん中で空を見上げる
先程の晴れ間はどこへやら、すでに曇っていた
雨だろうか…、そう思いながら時はゆっくりと流れていく

帰り道は蜘蛛のおかげでなくなった
海に飛び込むわけにもいかない
僕たちは城に立てこもる形で助けを待った
正面に見える蜘蛛の城には動きはない
こちらに来る様子もなければ、巣から離れることもない
しかし、動くようなことがあれば僕たちは立派な餌になる
これからどうすればいいのか…
混乱する頭で色んなことを模索しながら目覚めた…

夢で蜘蛛を見れば縁起が悪いと言う
昨日も蜘蛛に女の子が拉致されていく夢を見ました
今年は縁起が悪いのか、そうじゃないのか、
結局のところはわかりませんが1日1日を大切に過ごしたいと思います


夢を見続ける

夢から覚める


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