山形藩
山形城を藩庁とする譜代の小藩。当代永朝の時に武蔵川越から転封となった。六万石だが飛び地が多く、藩の内情は苦しい。
【藩主】
秋元 永朝 … 山形藩主。磐音たちが山形入りした際は参勤交代で江戸に滞在中。御家騒動決着した後、速水に伴われて佐々木道場で磐
音と対面した。
【家老】
舘野 忠有 … 首席家老。播磨屋、奥羽屋と手を組んで紅花と青苧を独占し、藩政を牛耳ろうと画策し、反対派を容赦なく粛清した。しかし、幽
閉した前田屋内蔵助を落とすことが出来ず、逆に磐音たちに奪われてしまい、家臣総登城を命じて決着を急ごうとしたが、藩主
の上意により首席家老の職を解かれた。
【藩士】
舘野桂太郎 … 忠有の嫡子。無外流と林崎夢想流の使い手。数年前までは乱暴者として知られ、前田屋の内儀となった奈緒に横恋慕してい
るという。また、徒党を組んで藩政刷新組と名乗り、城下を徘徊し、内蔵助の命を受けて江戸に走った手代数人の殺害を先導し
た。さらに、磐音を公儀隠密と考え、自ら捕縛に向かうが失敗している。後、大石田河岸にある紅花畑に現れて磐音に斬られた。
播磨屋三九郎 … 勘定物産方紅花奉行。藩財政に欠かせない紅花と青苧を専売制にして勘定物産方の支配下に置こうとして紅花商人と対
立。前田屋は商人側の旗頭として藩を二分する事態となった。元は藩の大坂屋敷に出入りを許されていた商人で首席家老に
重用されて紅花奉行になった経緯があり、紅花を独占するため、栽培農家に新たな課税を設けて藩に紅花を売るなら税免除
の沙汰を出して懐柔を図り、反対派の旗頭である前田屋に対してあらぬ罪を被せて商い停止の命を下した。しかし、前田屋が
受け継ぐ紅花文書の在り処を探していたが見つけることが出来ず、挙句に内蔵助の身柄を磐音たちに奪われて偽の紅花文
書を作成したが、最後は藩主の上意で紅花奉行の職を解かれた。
高 野 … 藩政刷新組の一人。前田屋の奉公人を見張り、毎夜どこに行くか確認しているという。
庄 五 … 藩政刷新組の一人。姓名不明。前田屋の奉公人を見張り、毎夜どこに行くか確認しているという。
小 野 田 … 藩政刷新組の一人。前田屋の奉公人が長源寺に行くのを確認したが磐音に邪魔されて退いた。
鷺 田 … 藩政刷新組の一人。前田屋の奉公人が長源寺に行くのを確認したが磐音に邪魔されて退いた。
真嶋草鬼斎釜直 … 藩政刷新組の一人。鹿島新陰流の使い手。久保村の庵から出てきた酒井たちの命を狙うが磐音に斬り捨てられた。
津森 民蔵 … 剣術指南。銀蔵に伴われて奈緒の許に向かう磐音たちの前に現れるが斬り捨てられた。
冬木 千早 … 藩道場師範。銀蔵に伴われて奈緒の許に向かう磐音たちの前に現れるが園八に腹部を刺されて死んだ。
香田義右衛門 … 中老格。舘野が独断で御番衆を国境近くに配置換えしたことに反対し、蟄居閉門を命じられた。
酒井弥太夫 … 目付。久保村の命を受けて庵に馳せ参じ、播磨屋率いる刺客に襲われるが磐音に救われた二日後、舘野の意に背いたとし
て御役御免の上、蟄居閉門を命じられた。
宗村創兵衛 … 町奉行。久保村の命を受けて庵に馳せ参じた。
重守 九策 … 先手頭。久保村の命を受けて庵に馳せ参じ、前田屋奪還にも関わり、内蔵助の身柄を清月院に運び入れた。
野崎米次郎 … 勘定蔵方手代。久保村の命を受けて庵に馳せ参じた。前田屋奪還にも関わり、警固を手薄にすることに成功。
鈴木 恒男 … 寺社奉行支配下。舘野一派への参集を拒否して馬見ヶ崎川で殺害された。
金子朋太郎 … 郡方手代。舘野一派への参集を拒否して馬見ヶ崎川で殺害された。
戸 沢 … 勘定物産方支配下。播磨屋の命により、前田屋の警固をしているが内蔵助が幽閉されている蔵屋敷には入れない。後に現れ
た野崎と交代したことで前田屋に入り込む隙が出来た。
今戸 永助 … 大坂勤番。江戸勤番時代、佐々木道場の高弟として磐音とも顔見知り。
【隠居】
久保村実親 … 元年寄。城下の外れの庵に住み、双葉と号して晴耕雨読の日々を過ごしている。磐音との出会いが山形藩の内紛に決着を
付けるきっかけとなった。速水とも親交があり、藩の内紛はすでに幕府にも届いていることを知り、また、自らにも刺客が放たれ
たこともあり、磐音と共に立ち向かう。
久保村いね … 実親の妻。夫ともに隠居所となった庵に住んでいる。
【陪臣】
村井雪之丞 … 舘野家家臣。舘野の命を受けて磐音の捕縛に向かうが返り討ちにされた。
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