ニュートリノの速さ
アインシュタインの特殊相対性理論より、速さ・質量・時間の3つの物理的パラメータに注目すると、素粒子は次の2つのタイプA、Bに分類できます(下表において、cは光速(c≒3.0x108 m/s )です)。
タイプ |
速さ |
質量 |
時間 |
素粒子の例 |
A |
c |
ゼロ |
進まない |
光子、重力子 |
B |
cより遅い |
正の値 |
進む |
ニュートリノ、電子、陽子、中性子 |
ニュートリノがタイプBに分類されることがわかったのは、1998年〜2004年にスーパーカミオカンデ等を用いた実験により『ニュートリノ振動』が確認され、ニュートリノにおいて『時間が進む』ことがわかったからです(注1)。ちなみに、ニュートリノの速さは現時点では直接測定できていません。例えば、地球から15万光年の位置にある超新星の爆発により放出されたニュートリノと光子の観測(1987年に行われたカミオカンデと光学望遠鏡による観測)では、地球に到着した光子とニュートリノの間に有意な時間差が確認できませんでした(注1)。このことから、ニュートリノの速さは光速に極めて近いことがわかります。しかし、ニュートリノは、光子よりも極めて僅かではあるが遅いのです。
(注1) 参考資料 : Wikipedia 『ニュートリノ』