モンスター群
群Gの部分群Hが、群Gの任意の元aに対して、aHa−1=H を満たすとき、Hを正規部分群と言います。
群Gの正規部分群が単位群(単位元のみの群)と群Gの2つのみの場合、Gを単純群と言います。
単純群は、以下の4種類に大別されます。
- 素数位数の巡回群
- 5次以上の交代群
- リー型の単純群
- 散在型単純群
散在型単純群は、26個あります。そのうち、最も位数(=群を構成する元の個数)の大きいものが、モンスター群です。
モンスター群の位数 808,017,424,794,512,875,886,459,904,961,710,757,005,754,368,000,000,000
(およそ、8*1053)
モンスター群の位数(素因数分解表示)
246*320*59*76*112*133*17*19*23*29*31*41*47*59*71
モンスター群では、196,883次の正方行列が、上記の個数だけあり、群を構成しています。この 196,883 は、上記素因数分解の最後の
3素数の積:47*59*71=196,883 に他なりません。また、24次元球に隣接する 24次元球の個数:196,560個 に極めて近い数字です。
また、モンスター群の位数(およそ、8*1053)は、全宇宙に存在する素粒子の総数に匹敵するのでは? と言われるほど、
とてつもなく大きな数です。