遺伝暗号表


 生物の遺伝情報の発現(タンパク質の合成)において、mRNA上のコドンとアミノ酸の対応関係は、下表のようになっている(注1)。なお、この表は、遺伝暗号表または RNAコドン表(RNA Codon Table)と呼ばれている。

UUU フェニルアラニン UCU セリン UAU チロシン UGU システイン
UUC フェニルアラニン UCC セリン UAC チロシン UGC システイン
UUA ロイシン UCA セリン UAA 終止 UGA 終止 (*1)
UUG ロイシン UCG セリン UAG 終止 (*2) UGG トリプトファン
CUU ロイシン CCU プロリン CAU ヒスチジン CGU アルギニン
CUC ロイシン CCC プロリン CAC ヒスチジン CGC アルギニン
CUA ロイシン CCA プロリン CAA グルタミン CGA アルギニン
CUG ロイシン CCG プロリン CAG グルタミン CGG アルギニン
AUU イソロイシン ACU トレオニン AAU アスパラギン AGU セリン
AUC イソロイシン ACC トレオニン AAC アスパラギン AGC セリン
AUA イソロイシン ACA トレオニン AAA リシン AGA アルギニン
AUG メチオニン・開始 ACG トレオニン AAG リシン AGG アルギニン
GUU バリン GCU アラニン GAU アスパラギン酸 GGU グリシン
GUC バリン GCC アラニン GAC アスパラギン酸 GGC グリシン
GUA バリン GCA アラニン GAA グルタミン酸 GGA グリシン
GUG バリン GCG アラニン GAG グルタミン酸 GGG グリシン


                    (*1) mRNA中に SecIS が存在する場合は、セレノシステイン (参考資料 : Wikipedia 『セレノシステイン』)
                    (*2) ピロリシンのコードに関わる特殊な遺伝子が存在する場合は、ピロリシン (参考資料 : Wikipedia 『ピロリシン』)


 地球上に存在する全ての生物は、この遺伝暗号表に従って遺伝情報(DNA配列→mRNA配列)からタンパク質(アミノ酸配列)を合成している。また、この暗号体系は、太古の地球における生命誕生の過程で創造された機構の一つと推測されている。ただし、このような機構がどのようにして自然発生的に出来上がったのか、と言う点に関しては、現時点では全くわかっていない。


(注1)
遺伝暗号表には 22種類のアミノ酸があるが、ピロリシンは一部の原核生物だけがもつもので、真核生物には存在しない。言い換えると、全ての生物に存在するアミノ酸は、ピロリシンを除く 21種類のアミノ酸である(参考資料 : Wikipedia 『タンパク質を構成するアミノ酸』、『ピロリシン』)


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