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▼le_cacaoさん:
リンパ郭清について
今現在、教授となって学生を教えている外科医の先生方が手術を覚えた頃のがん治療は、取れるものはなんでも取る拡大手術が盛んな時期であったと言われています。その影響でしょうか、取っても命に関わりのないリンパ節については、四の五の言わず、取って当たり前と考える先生がまだ多い様です。しかし、最近では、術後のQOLが重視される様になったこともあり、見直しがされている様です。特に乳がんの手術ではその傾向が顕著です。
リンパ郭清には、進行期の決定という診断的意義(より適した治療を受けられるメリット)と、微小転移巣の除去(結果として陽性であれば)という治療的意義(がん細胞数が少なくなるメリット)があります。
どんな治療にも、メリット・デメリットがありますが、リンパ転移率の低い粘液性を除く、I期II期の卵巣がんについては、リンパ郭清のメリットが、QOL低下のデメリットを確実に上回っているというのが定説です。
問題はIII期IV期です。診断的意義は既にありません。治療的意義はありますが、いづれにしても、化学療法が奏功しないと元も子もない状態ですので、そこをどう考えるかです。こちらについては、専門家でも意見が分かれます。下記を参考にして下さい。
財団法人癌研究会
h ttp://www.jfcr.or.jp/gan_knowledge/ovary.html
米国国立癌研究所発表の臨床試験結果(上から6番目の抄訳)
h ttp://www.cancerit.jp/NCIinfo/clinicaltrial/diary.cgi?field=9
同原文(英語)
h ttp://www.cancer.gov/clinicaltrials/results/lymphadenectomy0405
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