2007草刈報告

2007・09・03  


 今年も大勢の人々のご好意により、朝日連峰小国口の登山道はキレイに整備されました。
参加者全員怪我も無く、少し疲れはしましたが、楽しく有意義な3日間でした。

初日に大石沢駐車場に集まった面々

夜通し車で走り、小国町の「りふれ」には明け方に到着。
早速仮眠。車で眠る人。テントを張り眠る人。先着の土浦組はもう白鷹夜船。
私達も今日からの激務に備え仮眠。ウトウトしただけで6時前には起き出し、農家民宿 「ふもと」 へ。
ふもと のおっかぁに味噌汁を用意していただき、簡単な朝食を済ませ、林道終点の駐車場へ。
ふもとや駐車場で参加者が次々に増える。まずは記念撮影。(冒頭の写真)

荷造り
 早速大型テントを張り、食材や資材を収納。それぞれのコース毎に荷物を分けた。その荷物を参加者は自分のザックへパッキング。
皆さんのザックへのパッキングを手伝い、最終的に残った荷物はすべて私のサックへ収納。
いよいよスタート。
私の今年のコースは祝瓶山から大玉山への従走路の草刈。総勢は8名。うち4名は縦走希望(見学兼登山希望者)。初めての朝日登山者が2名含まれる。
初めての参加者に喜んでもらえると良いが。祝瓶山の最初は急登。耐えて登って欲しい。程なく「鈴出の水場」が待っているから。

余裕のある笑顔………この大きなザックがジワジワ肩に!!


祝瓶登山
 私は最後尾から皆さんに着いて行く。
いつもながらの祝瓶山の急登は厳しい。体が慣れていないのと、睡眠不足がたたり、いつもながらのブラブラ登山。
それでも今年はトレーニングを積んできたので、歯を食いしばり皆さんの後を追う。

鈴出の水場で先行者の影が見えた。彼等と入れ違いに私が水場へ。水筒を満たし出発。程なく最後尾の列に加わる。
しばらくは最後尾に着いて行く。
やがて一の塔。此処でじっくり休息を摂る。予定よりは大分遅れ気味だ。
昨年の秋、今回参加の善ちゃんはじめ多くの人にお世話になり道標「一の塔」を建てた。
冬の積雪に耐え、しっかりと立っている。

鈴出の水場近くで 元気な3人 疲れた一人

私はここで縦走登山の皆さんに別れを告げ、先行している善ちゃんと山猿さんに追い着くために出発。
何しろ今夜のキャンプのために「水汲み」をしなければという思いで気持ちが焦る。
今回は10リットルのポリタンクを持参した。最低この10リットルを汲んでこなければ、今夜のキャンプが楽しいものにはならない。
気持ちは焦る。
祝瓶山の従走路の分岐点に着くと先行の二人は既に草刈開始。
二人に挨拶をして、私はキャンプ場へと先行することに。赤鼻の分岐点について水汲みをしなければ。

分岐点から1時間余りで今夜のキャンプ地の「赤鼻分岐」につく。息つく暇もおしんで、大きめのブルーシートを張り、雨でも楽しくキャンプが出来るように準備をする。
そして水汲み。

水場は尾根道を10分ほど歩くと水場を表す1寸5分角のポール。
そこは昨年確認している水場の源頭。下ること100メートルほどの所から水は噴出していた。冷たい水。
タンクの10リットルと2リットルのペットボトルを満たし、冷たい水で汗を拭く。そして考えてみると8リットルのビニールのバケツを空で帰る事はもったいない。
6リットルほどを入れ窮屈な登り。バケツをぶら下げての登りはきつい。結局テン場から1時間の行程。

食事の下準備
 中々メンバーが来ない。早くテントを張らねばと気持ちが急ぐが誰も来ない。ビールを持っていいる人が来ないと冷たいビールは飲めない。早く冷たい水に冷やさねば。水がぬるくなっちゃう。
食事の下拵えも済んで待ちくたびれた頃、先発隊が来た。
2張りのテントを張り、準備完了。やがてメンバーもそろう。

中華鍋
 今回は大勢のメンバーなので、コッフェルでは面倒なので中華鍋と卓上ガスコンロを持参。
今夜は焼肉。 卓上コンロで調理開始。短時間で焼肉が出来る。そして乾杯。今回は最年少者の東北芸術工科大学生の黒沼君の発声で乾杯。
彼はマタギ文化の研究のために田口先生の下へ来たそうである。中々の好青年。
山慣れはまだまだの状態。このまま山形で修行すれば、私も舌を巻くようになることであろう。若いというのは最大の武器だ。

赤鼻夕映えのテント張り(キャンプ準備) 食事の準備(飯ごうでまずは飯炊き)


この夜は雨も無く、薄雲の上にお月様と夏の大三角形の星空。
疲れているせいか9時ごろには皆眠りに付いた。私は気が着かなかったが、善ちゃんが宴会場で横になり、若い人達はテントに収容するのが大変であった由。(次の晩はそれを反省して早々に一人テントに入る)

二日目
早朝に朝食を用意するつもりがゆっくり朝食。
縦走隊は4名で出発。それより一足早く草刈の善ちゃんと山猿さんは出発。
私と黒沼君は片付けと準備をしてゆっくりスタート。

道々縦走路にはみ出ている潅木の枝を鋸で払いながら草刈の後を追う。
今日はトランシーバーが賑やか。角楢小屋からも状況が入ってくる。
どうやら昨夜は盛大に出来たようである。佐藤@鶴岡さんがおそらく仕切ってくれたのでしょう。
佐藤さんとは初めてお会いしたのだが、いかにも歩けそうな身支度。今日は祝瓶山に戸田さんと一緒に登られるようである。

この従走路は草刈は程ほどしていたのだが、潅木の枝払いは余りされていない。頭が引っかかるような強い枝もある。
今日は若い黒沼君がいる。彼のお世話になって、邪魔になる枝は随分と処理できる。
やがてエンジンの音が聞こえる。善ちゃんと山猿さんの草刈機の音だ。その頃になるとまる姫と山埜さんからトランシーバーで現在地の連絡が入る。まだまだ下のようである。
昨日と異なり今日は大分涼しい。曇っているせいである。雨が心配。そう言えば今朝方初男さんから無線で雨が降る予報というのがあった。その折は余り気にしなかったが、どうやら降るかもしれない雲行き。

昼食
 祝瓶山の従走路の分岐で昼食となる。麓の五味沢中学校の記念登山で賑やか。馴染みの人々もたくさん登ってきてご挨拶。
頂上で生徒は焼肉をしたとの事。私達もそのおこぼれをいただく。(パック詰めの肉…夜焼いてご馳走になる)
空模様が怪しい。雨具をテントに置いてきた人がいるのが分かる。私のゴアを貸し私は急いでテント場に戻ることにした。
まる姫たちの無線が賑やか。早く登ってきて欲しいが、未だ大分時間がかかりそう。

草刈は祝瓶の頂上に向かい、それが済んだら一の塔に向かうことにして、私はテント場へ。追々黒沼君もテント場へ向かうこととした。彼には一時間かけて冷えたビールを水場から持ってきてもらう仕事があるからだ。
途中でついに降り出した。

雨のテント
 

*写真集

参加者の報告

1.初参加、今井さんのHPをどうぞ
    草刈ボランティア  http://www.geocities.jp/shuji4869/070727kusakariborannthia.html

2.ベテラン参加者、宇都宮善さんの報告

7月27日()

 今年は故あって体力・気力とも自信のない状態での参加となった。例によって午前3時自宅出発で「ふもと」で朝食。午前7時半過ぎに大石橋の駐車場に到着すると、参加者が山さんの説明を受けているところであった。立派なテントが張ってあり、中にある共同装備や食糧などがいつもより多い。多人数の祝瓶班が幕営するためであろう。

 やがて出発となり、まず皆で祝瓶山登山口へ。ここで二班に分かれることになるが、祝瓶班の荷物はかなり多く重そうで気の毒なほど。「がんばって」と声をかけ、無事を願いながら角楢班の5人は白鷹山岳会の鈴木さんを先頭に小屋へ歩き出す。途中、ワカイ採りや近辺では最も太いというブナなどを見物しながら小屋に到着。

  ここで道刈りと駐車場への荷上げ往復の2班に分かれての作業となる。昨年小屋に(無断で)デポしておいた刈払機を出してエンジンを掛けたら無事動き出した。これで作業ができると一安心。荷物運びを佐藤さんたち3人にお願いし、鈴木さんと二人で大玉沢まで交代で作業を行ったが、去年徹底的に笹や枝を刈ったためか少し楽であった。大玉沢で一休み後、鈴木さんは蛇引の清水まで行くとのことで分かれたが、急斜面の登り方が軽快なので感心する。思い出すと、鈴木さんは一昨年の道刈りの際に祝瓶山で偶然山さんに頼まれ、角楢小屋経由でアルコールが切れた蛇引のテン場まで暗い中を焼酎の大瓶を届けていただいた大恩人で、立派な足に納得でした。「あの時は疲れた」そうですけど。

二番目の吊り橋を荷物運搬 鈴木さんの勇姿 ブナの森の静かな登山道

  刈り残しの草を処理ながら小屋に戻り、荷上げの終わった3人と合流。佐藤さんと戸田さんは初体験というイワナ釣りに出発。「チビ岩魚でも捕れたら骨酒」と期待していたら収穫なしで帰還。残念。やがて鈴木さんが蛇引の冷たい水をみやげに戻る。大玉沢〜蛇引の間は草がごく少ないとのこと。ここで日帰りの鈴木さんは下山。夕方近くになって、早朝から平岩山植生調査の山形県職員4名を案内していた初男さん到着。この4名がモク切れとのことで煙草渡した時、一昨年に蛇引で同様であった自分達を思い出し笑ってしまった。初男さんは祝瓶班が水も確保でき無事なことを確認後、職員を案内して下山。

 夕食は佐藤さんと今井さんが懸命に調理され、立派な料理をごちそうになりました。気がついたら例によって2日分のビールを一晩で飲み尽くしてました。明日は佐藤さんが戸田さんを祝瓶山頂までリードするとのことで、小屋の中で雑談後にやや早めに就寝。

  7月28日()

 朝、初男さん到着。今日は平岩山周辺を刈るが、午後天候が崩れる予報とのこと。たしかに空には巻雲が見える。ここで大玉沢〜蛇引間の刈り取りを指示される。敏捷な佐藤さんと少し緊張した顔つきの戸田さんは祝瓶山へ出発。今井さんと私は草が少ないとの情報からノコギリと鉈を持って蛇引へ出発。確かに草は少なく順調に蛇引に到着。相当に山慣れし頑丈で、来年は貴重な戦力間違い無しの今井さんは当地が初めてとのことなので、眺めの良い稜線まで登ることを勧め、テン場周辺の枝切りをしているところへ置賜営林署の5人が水汲みに現れる。ゴミを拾いながら大朝日まで登るとのこと。登山道の刈り方がきれいと誉められた。間もなく北大玉の分岐まで足を伸ばした今井さんが戻り昼食。冷やしておいてくれた素麺は美味でした。雨が落ちてきたので、雨具のない今井さんには先行してもらい、見通しの良い場所で祝瓶班と交信を試みたら、同じ周波数の学校登山案内中の永井さんに「ごくろうさま」と言われてしまった。周波数変更を山猿さんから教わり、その後は順調に情報交換。祝瓶班と合流する女性グループはまだ鈴出の水場あたりのよう。小屋へ戻る途中では、雨で樹の枝が予想以上に垂れ下がるのが分かり、じゃまになる枝を切りながら歩く。

 小屋に着くと高田シェフが到着しており、ブルーシートの屋根も設置済み。持参の高級焼酎を勧められ遠慮なくいただく。非常に美味い。見るとビールも冷やしてある。シメシメ。そこに祝瓶山から佐藤さんが戻り、戸田さんを「4時間で頂上まで上げた」とのこと。普通の人でも3時間ちょっとのコースなので、リードが相当上手だった(厳しかった?)ことが分かる。残る心配事は、もう小屋に着いてもよい祝瓶からの縦走班4名。無線ではまだ蛇引に近い稜線にいるとのことで、雨がドシャ降りとか登山道で滑ったが心配ないという連絡。一方、小屋では高田シェフが本領発揮。次々に定評のある料理にかかる。今井さんは根気良く小型のナイフでミズトロを調理。実に器用な方である。

角楢小屋前で高田シェフと佐藤、今井さん(大瓶の大五郎も) 角楢吊り橋を渡る鈴木さん

 初男さんが小屋着。縦走班とは会ってないそうで、「ふもと」泊の大原さんグループ接待のため下山。縦走班は蛇引に着いたが1時間移動無しなので少し心配。昨年のヘッドランプ無しで遅れた事例が頭をよぎる。その後に大玉沢まで来たとの連絡があり、やがて薄暗くなる頃小屋到着。やれやれと安心して待機の態勢を解く。

 雨の中、全員揃ったところで、まずは高田シェフが持参された追加ビールで乾杯。昨夜より人数も増え、にぎやかに宴会が進む。大好きなミズトロは味付けもピタリでした。大瓶の焼酎も減っていき、雨が気にならないくらい酔った頃には疲れも出て順次就寝。

 7月29日()

 早立ちの佐藤さんは5時前に出発。皆が起き出したところへ初男さん到着。どうみても二日酔いの顔。今日は北大玉周辺を刈ると言って出発。朝食後、高田さんは角楢〜大石橋を刈りながら帰るとのことで先行。山さんからの無線の指示により、祝瓶登山口近くで祝瓶班と合流して昼食の素麺を作る準備をし、皆で小屋周辺を整理してから下山開始。登山口下の鈴出沢で昼食準備しいるところへ祝瓶班も次々に元気で到着し、揃って昼食。そこへ角楢小屋へ行く途中の薗部さん一行からビールの差し入れてがあり一同大喜び。本当に感謝感激で、昼食の味も一段とアップしました。満足したところで、作業中の山さんから一足先に「ふもと」へ移動するよう連絡があり、全員無事に駐車場へ到着。私もなんとか歩けたようなのでホッと安心。皆さんもテントも撤収し、懇親会に向けてそれぞれ元気に引き上げとなりました。

今井さんが北大玉山から撮影したパノラマ(左から大玉山、祝瓶山、針生平、桧岩屋岳)


朝日連峰小国口登山道の草刈

  昨年は多数の参加をいただきありがとうございました。
今年も7月最週末に草刈を実施します。
今年の梅雨明けがいつになるか? 梅雨は空梅雨。この先どうなるか分かりませんが、梅雨明けの夏空の元で玉の汗を流しましょう。
実施日は7月27,28,29日を予定しています。
金曜日から日曜日までの3日間。
3日間通し参加は大歓迎ですが、1日でも歓迎です。

今年も参加条件は
1.怪我と弁当は自分持ち
2.現地集合、現地解散(茨城県からの参加者が多数予想されるので、車の相乗りも可能)
3.参加資格  特になし。年齢や性別にかかわらず自分の荷物と体を自分で責任を持てる人。
4.作業内容  肩掛け式草刈機による草刈、ベースキャンプへの荷物上げ、キャンプでの食事つくり、話し相手、それも一寸と言う人はベースキャンプを利用しての山歩き。
5.費用  1日3食ビール付き(お酒も付くよ〜)で1,000円をご負担していただきます。


今年の計画

今年は蛇引きの清水にキャンプはしません。
角楢小屋をベースにします。そのため草刈班は個人装備だけを持ち、小屋に置き、そのまま作業をしていただきます。
小屋班は食料その他を午前中1回と、午後1回荷物上げをしていただき、夕餉の支度をお願いします。
岩魚が釣れれば最高です。

参加者の中で希望者があれば、蛇引きの清水にキャンプもアリです。
遠慮をしないでお申し出下さい。

7月26日(木)
 茨城県からのメンバーは
  21:00水戸発
7月27日(金)
 早朝小国町五味沢着
   二班に分かれ
    @ 角楢小屋から北大玉山班
       荷物を分担して角楢小屋へ
        草刈班と小屋班に分かれて作業
    A 祝瓶山から大玉山班
        テント、草刈機の荷揚げ
         草刈班と小屋班に分かれて作業
7月28日(土)
  祝瓶ルート班到着
    祝瓶山登山口から草刈(宿泊は農家民宿 ふもと)
7月29日(日)
  夕方早く下山。農家民宿 ふもと にて打ち上げパーティ
7月30日(月)
  朝食後 ふもと にて解散

* 今年は参議院選挙が29日(日曜日)にあります。
  参加者は事前に期日前投票を必ず済ませてください

参加希望者は早めにご連絡下さい。

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昨年までの記録