06草刈りボランティア報告

2006/08/30


最終日まで参加したメンバー(農家民宿ふもと前)

 今年も無事に登山道の草刈を済ませることが出来ました。
これは参加してくださった皆様方の汗の結晶です。梅雨明けを告げる大雨の中の荷揚げ。
激流の白布沢をブナの倒木の丸太橋を命からがら渡った村田さん!! 本当にお疲れ様でした。あのシーンは写真を撮るどころではありませんでしたね。
沢の中をトン石が流れぶつかる鈍い音。ゴッツン ゴッツーン。
以前経験したことがありますが、薄暗い沢では水中が鈍く光るのです。水中でも火花が発生するのです。あの音は。

それもこれも終わってみれば思い出に変わりました。
上の写真のように晴々とした(二日酔いか?)顔に変わることが出来ました。
ありがとうございました。参加者の皆さーん。


初日
 7月28日は朝から雨。予報はかなり悪い。
そこで、山上でのキャンプをあきらめ今夜は角楢小屋に泊まることにした。全員角楢小屋泊である。
皆で荷物を分担しても持ちきれない。ので、私が二度荷物を運搬することにして出発する。
したの写真左の村田さんには明日のために、草刈機とテント一式を祝瓶頂上辺りまでの荷揚げをお願いする。
この事が後で大変なことになってしまうことはこの時点では分からなかった。

村田さんは祝瓶山頂まで用具、装備運搬 雨の中の荷造り 通野さんは岩魚釣りで蛋白源採集班

 雨で荒川はいつもより増水している。予報が悪いが今日はどのくらいの雨になるかはよく分からない。
用心にこしたことは無い。安全を期しての角楢泊まり。まあ、それはそれで楽しい。
ブナの森を皆で楽しく歩く。間断なく降っているが、それほど強い雨ではない。
昼前に小屋に着き、雨除けのブルーシートを小屋の前面に張る。
これで「雨もまた楽し」に早代わり。少し早い昼食とする。通野さんの顔は早くもいい色ですね。

埼玉から参加の内野さんご夫婦 小屋の前のテーブルに雨除けのブルーシートで早速

再度荷揚げに
 私は残してきた荷物を揚げる為に再度車へ。
雨が大分強くなる。白布沢は沢の石が動いている。このまま強くなれば渡渉も難しくなる。早くせねば。
荷造りをして再出発。途中、祝瓶山の登山口で村田さんが小屋に向かったかどうかを入念に調べる。雨で足跡がはっきりしない。
もし、未だ下山していなければこの雨である。私も山に登り村田さんと行動を共にしなければならない。
腐食した落ち葉の堆積した所に一つだけ小屋に向かったしっかりした足跡を発見できた。
村田さんの足跡である。まずは安心。
でもこの雨である。白布沢の渡渉は大丈夫であろうか? 心配である。 でも、駄目なら彼のように山慣れしている人は渡らずに私を待つか、或いは引き返してくるはず。そう思いながら歩を進める。

二本目の吊り橋を渡り、急傾斜を上り雨脚が強いため、足元を見つめながら河岸段丘の平ら地を歩いていると突然前から声が掛かる。
村田さんである。「山さん、とても沢は渡れない。車まで引き返しましょう!」と言うのである。
私もそれはそうであろうと思ったが、つい先程、この下の大石沢を渡渉してきたばかりである。かなり増水しているが慎重に渡れば渡れそうである。そう彼に言うとシブシブ歩き出した。
沢に着くと成る程沢の勢いがすごい。

体を預けることが出来る丸太を見つけてまず私が渡渉。村田さんにも渡れる旨話すが、彼は慎重である。渡らない。
そこで少し上流に向かえば必ずブナの丸太橋になる倒木があるはず。それを頼りにすれば渡れるので、二人で腰まで流れの鈍くなった山裾を上流へ。
50メートル程上流にその丸太は二本有った。慎重にそれを渡り一安心。

角楢の吊り橋
 吊り橋の下2メートル位の所が水面。ものすごい激流である。
沢の中から鈍い音がする。おそらくトン石同士が流れながらぶつかる音。

{この吊り橋を架け替えるときも大雨。金吾さんと初男さんと私。三人でワイヤーを張り替えるときはもっとすごい水勢であった。
昼なのに薄暗く、沢の中で火打石のように火花が見える。落ちたら最後。よくもまあ、あの中で作業をしたものである。
今回はそれに比べるといくらか未だましである。あの時はワイヤーの下1メートル位に水面が。}
恐る恐る二人で渡り、やっとの思いで小屋に入る。
着いてしまえば後は天国。その夜は遅くまでの大宴会。いつ寝たか定かではない。


祝瓶山頂から分岐している従走路

 二日目
 雨は小降りになったがまだ降っている。下の沢の音は大分小さくなった。合羽を着て意を決して出発。
今年は何かと理由を付けてトレーニングをサボってきた付けが回り、祝瓶山の登りが今一今二である。初男さんとトランシーバーの交信をしたいとこちらから呼び出すがどうもうまくいかない。向こうの声は聞こえるのに。(昨日の雨でどうも不調になったようだ)
従走路の分岐からまず私が刈り始める。村田さんは昼飯。少し下ったところでマムシ発見。素手でつかむのは勇気が無い。草刈機で頭を切ってしまうのが手早いがもったいない。小枝を捜して戻るとマムシのやつ、何処へやら。しばらく探すが見つからない。
あきらめてまた草刈。
疲れた頃に村田さんと交代。村田さんの提案で、大玉山から刈り戻ろうと言うことになり、私は昼飯を食べてから村田さんを追うことにした。私は歩きながら木の枝の伸びすぎたのを鉈やノコで切りながら進む。

途中赤鼻の分岐点から少し大玉山に進んだ所の水場を調査。高低差30メートルくらい降るが水の出ているのは確認できない。来れ以上下ると村田さんに心配をかける。途中で未確認は後ろ髪を引かれる。でも従走路に戻る。足に自信が無いからである。
歩き飽きた頃に村田さんと合流。
以前このルートを歩いた時にはルンルンであったが、今日はどうしたことか。足取りが重〜い。
祝瓶山の分岐までもう少しの所で日没再試合。18時である。急いで戻らねば皆が心配する。草刈機を藪に置いて登山道を急ぐ。

ヘッドランプを小屋に置き忘れ
 祝瓶山の分岐点に戻ると19時。
ここで大変なことに気が着く。なんと!!村田さんがヘッドランプを小屋に置き忘れたのである。
私の一つのランプで二人が歩く。始めはまだ薄明るいので不自由は無い。樹林帯に入ることには漆黒の闇。
二人で慎重に歩く。やはり歩きずらい。しかしこけることも無く何とか歩く。

大分下った頃にブナ林の中に懐中電灯のような明かりのうごめくのが見える。
誰かが心配で迎えに来たのか? しかし、動きが変である。二人で目を凝らしてしばらく偵察。
動き方がどうも人の歩くのとは異なる。何だろう? 懐中電灯にしては大分赤が強い。何度か観ているうちにそれは「ホタル」と判る。
いくつもある。こんな山の中に蛍。しばし見とれる。
下りきって森の中を歩いているときも周囲で何度も出合うホタル。
村田さんは始めてみるのだそうだ。二人で感動。

叱られて〜
 小屋に戻ると皆から「心配をかけて〜」と一斉に罵声をかけられる。
二人はタダタダ頭を下げる。「申し訳ない」と。時計を見れば10時を過ぎている。怒るのももっともだ。
米沢の宗雄さんも来ている。後発の園部さん達も。
ここから急ピッチで皆に追いつくために飲む飲むそして飲む。聞けば今朝着の鈴木善さん達は祝瓶山に登り、我々を探したが見つからず下山したとのこと。
いつもすごいスピードで飲んで寝てしまう善さんが心配で寝ないで起きていたのにはびっくり。本当に心配をお掛けしました。
連絡用の私達のトランシーバーは昨日の雨で不調。何度も初男さんと交信しようと発信したのだが交信できず。これが心配をかけた第一の原因。宇都宮の善さんはいつものようにニコニコ。
一段落したのは0時を回っていた。今日も祝瓶山に登ると言って私よりも早く出発。

まるちゃ〜ん
 米沢の丸犬こと「まるちゃん」とひょっこり出会う。
「小屋に行きます」と言うのを皆さんが祝瓶山に登っているので一緒に登ろうと言って同行する。
途中で皆と会い、賑やかに登る。


三日目
 朝目を覚ましたのが7時。不覚にも寝過ごす。私だけが寝過ごし者。
聞けば昨夜遅くまで仕事をしていたので、今朝は「かわいそうだから起こさないで寝せておけ」と言うことであったようである。
そう言えば耳の奥のほうで人の話し声は聞こえていたような気がしていた。
急いで朝食を済ませ、出発する。村田さんは朝飯を食わずにどうやら出発したとのこと。彼の分も食料を持ち出発。
石岡の善さんは昨日に続き今日も祝瓶登山。びっくりするほど元気だ。

私は重い足を引きずりながらひたすら登る。
途中で下山者から「草刈の人が昼飯を食わずにシャリバテしている」との伝言。村田さんである。急がねば。

祝瓶山登山隊 善さんの勇姿

 今年は善さんも「草刈」に参加。昨年までは夜の部長であったが、今年は正真正銘の草刈隊員。
村田さんには今日は早めに下山。小屋に戻り荷物を下ろしてくださるようにお願いする。
それぞれ三々五々下山の途に。今日は生ビールが宿で待っている。
善さんにも早めに下山していただく。
私はなんとしても草刈を完了して下山したい。
日没少し前に終了する。急がねば。 何としてもヘッドランプを点灯しないで下山したい。草刈機を担いで駆け足で下山する。
19時に登山口に着く。デポしておいた荷物を急いでザックに詰めて車まで帰るが、もう足はガタガタである。

今夜も叱られて〜
 20時に ふもと に到着。
今夜もまた皆に遅いことで叱られた。
シャワーもそこそこに宴会の輪に入る。
生ビール。高級日本酒。焼酎。またまたチャンポン飲み。

皆さん本当にお世話になりました。
今回参加の村田さんの関係する会のHP 今回の草刈り報告です。
http://www.geocities.jp/mura_yamazaru/morizukuri/06asahirenpou.htm


昨年までの草刈報告をご覧になる方はこちらです。


06草刈募集です

 梅雨時期のような陽気が続いています。
この冬の積雪は例年に無く各地で被害を出しました。その雪も大分解けて山は緑一色に輝いています。
今年も夏山直前の草刈を実施します。
昨年までのコースに加え、今年は祝瓶山から大朝日岳への縦走コースのうち、祝瓶山分岐点から大玉山までを加えます。

このコースは水場が今一心配ですが、大玉山直下の水場を利用出来れば良いと期待しています。
コースも長く大変ですが、より多くの方のご協力を得て登山者の利便を図りたいと企画しています。

06募集要綱

 今年も7月最後の週末を予定しています。
3日間とおしが難しい方はご都合の良い日にご参加下さい。

期日
 2006年7月28日〜30日

日中は肌を焼く真夏の太陽。夕方、蛇引きの清水に冷やした冷たいトマト、ビールをご一緒に如何ですか?
コースやスケジュールは昨年と同様に考えています。
ベースキャンプを
 1.角楢小屋
 2.蛇引きの清水
 3.大玉山水場 (星空観測でサソリ座の心臓アンターレスを観ませんか!!)

草刈計画
7月28日: 農家民宿ふもと 7:00 ー 大石橋8:00 − 角楢小屋9:00 − 大玉沢 10:00 − 12:00 蛇引きの清水(泊)
        北大玉山分岐点までの草刈 
   29日: 草刈 平岩山コース、 大玉山コース、大玉山〜祝瓶山、 祝瓶山コース 
   30日: 草刈  蛇引きの清水12:00 − 16:00 農家民宿 ふもと にて反省会兼打ち上げパーティ
* 参加者はボランティア精神にのっとり 怪我と弁当は自分もち でお願いします。
* 食事は主催者にて用意させていただきます。参加者は1日当たり込み込みで1,000円のご負担で、食事と飲み物の賄をさせてい   ただきます。
* 参加者は現地集合現地解散が基本です。ただし、本隊が茨城県から出発しますので、途中で車に乗り合わせは可能です。詳細は   個別具体的に打ち合わせましょう。
 興味のある方は是非ご連絡下さい。お待ちしております。

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