FEEL SO BAD -LIVE PERFECTNESS #01-

at morph tokyo on 2006.08.04


FEEL SO BAD(以下、FSB)の曲を聴くようになって今年の夏でちょうど10年 です。取り立てて注目されている訳でもないのにLIVEが物凄く 評価されているバンドということも知っていて、いつかはLIVEに 行きたいとも思っていましたが、その願いは叶わぬまま一度解散。 しかし昨年の夏、突如としてLIVEは復活しました。 そして2006年8月4日、私はLIVEに行く機会を与えられました。 発端は今年2月11日、ZYYGのLIVE会場で FSBのドラマーのPONさん御本人と偶然にもお会いしまして、そこで 夏にFSBがアルバムを出してLIVEもやることを知りました。 ZYYGの場合もそうですが、解散して「もう二度と(一度も)彼らのLIVEには 行けないのか・・・」と諦めたのにこうしてLIVEに行ける日が来ると、 本当に待ってて良かったと思います。

さて当日の夜。仕事先から直接会場に向かったので開演時刻ギリギリに 会場到着。もう開演時刻だというのに当日券売り場にはまだ長い行列が 出来ていました。これはチケット買えないかも、と危惧したものの、 チケットは買えました。会場内はもうびっしり。150人くらいしか 入らないような小さな会場だったので。客層は男女半々。 親子連れもいて年齢は千差万別でした。少数でしたが私と同様に「会社から直接 来ました」といった見た目の人も。

開演時刻から15分遅れて客席は暗くなり、最新アルバム『PERFECTNESS』 収録曲『いつか僕は』の「ヘイア〜」の掛け声。 それに合わせてドラマーのPONさんが登場し、民族音楽のような ドラミングを披露。続いてギタリストの冬樹さんとベーシストの 大橋さんもステージに現れ、FSBの音が形作られていきます。 最後に登場したのがヴォーカリストのだりあさん。1曲目からいきなり 激しい爆音で圧倒されます。この感覚は久し振りですね。 実は私は、FSBのステージはこれが初めてではありません。 アルバム『luv.com』発売直後の店頭LIVEに行ったことがあるので、 実に7年振り!

続けてすぐに、その『luv.com』の収録曲である 『未来はきっと眩しいワ』に移りました。変則的なテンポに、 普通そんな音出さないだろうっていうベースソロ。 誰もが口にするとおり、FSBの音は唯一無二で、ほかの何物でも ありません。曲に色を付けられない人たちが多い中、 彼らは間違いなくプロです。続いては10年以上も昔の曲で、 PONさんのテーマとも言われている『ANIMAL』。 出ました!冬樹さんの高速ギターフレーズ!私の見る限り、 日本屈指の指の速さを誇るギタリストだけに、ギターソロには 観客全員釘付け。LIVEだとわかりにくいかもしれませんが、 日本語詞の常識を覆したその歌詞にも注目です。

最初のMCではアルバム『PERFECTNESS』の紹介で 「このアルバムは1年かけて作りました。 1年で12枚もアルバム出したことある私たちだから(観客笑) 十分余裕を持って作れたと思います」と語ってから、「新しい曲も いっぱいやるからね!」というだりあさんの言葉に続いて曲紹介 されたのが『DREAM TALE』。これも生で聴くとわかりにくい ですが、猟奇的な歌詞。しかしだりあさんの表現に負けじと 後ろのサウンドもヘヴィーな音でした。 その次に来たのがアルバム唯一のアコースティックナンバー 『Stay with me』。解散する前に冬樹さんが作ってた曲を やり直したものだそうですが、だりあさんはこの曲を大阪公演で 歌ったとき、号泣してしまったとのこと。 辛い別れを歌ったこの曲、やはり東京公演でも泣いてしまい、 「チクショー!」と悔しがってました。 クラシックをルーツに持つ冬樹さんらしいメロディでしたが、 サウンド的にはこれまでの流れとは明らかに異なる曲。 こういうのもできる、という懐の深さもFSBらしいです。 冬樹さんのバックヴォーカルもポイント高いです。

PONさんが「続いてのコーナーは泣かずに歌えるでしょうか」 と茶化したところで、これもクラシックの流れを汲んだ初期の代表曲 『大好きQUEEN』。一転して激しいメロディになってからの 「大好きなのはFEEL SO BAD」は観客全員で叫びました。 で、このほかにもデビュー当時の曲が聴けたのが 私にとっては嬉しかったです。もう二度と聴けないと思ってましたから。 だりあさんが「昔は・・・、昔なんて言いたくないんだけど(観客笑)、 昔は私たちは怒ってる曲が多かったのね。怒ってる曲、やっていい?」 と言って、デビューアルバムから『FUCKIN'権力』を披露。 さらに続けて薬物中毒者のことを歌った 『BACKYARD RAISE MAN』、性行為の歌 『口唇に銃を押し当てて』と過激な歌詞のオンパレード! これらの曲になると自然にモッシュも起こってました。 日本のバンドでモッシュを発生させられるのも、彼らだけでしょうね。 私は後方で観ていたのでモッシュには巻き込まれませんでした。

そしてこれもデビューアルバムからの曲 『愛されたいYEAH,YEAH』。LIVEバージョンは 大橋さんのベースソロから入り、間奏では冬樹さんのギターソロを 大橋さんがベースでコピーする恒例の企画。 冬樹さんのトリッキーなフレーズに倣って大橋さんも高速で ベースを弾きます。ところが納得いかないらしく、首を傾げる 冬樹さんが笑えました。でも2人のプレイはプロと呼ぶに相応しい技術でした。

だりあさんが最後のMCで「みんなまだまだいける?」と客を煽り、 「3・2・1・GO」の掛け声と共に最新アルバムの曲 『DOCAAN』へと繋げました。さらに続けて激しいナンバー 『勝負だ!』『TOP OF THE WORLD』でたっぷり重厚なサウンドを 堪能できたところでLIVE本編終了。

アンコールは最新アルバムの1曲目『GERBERA』。 だりあさんはPVと同じ衣装で登場しました。 クラシックの曲を思わせるメロディなのに重いギターリフと PONさんのラップまで入り乱れる、一言では語れない曲です。 そして最後は彼らのバンド名を冠した『F・S・B』! 最後の最後には、だりあさんの娘さんもステージに登場し、 5人で感動のフィナーレを迎えてLIVEは幕を閉じました。

ところで冬樹さんが着てたのって、ロナウジーニョのユニフォームですよね?


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