DEEN LIVE JOY Special 日本武道館 2009

at 日本武道館 on 2009.05.09


注:曲名の後ろの括弧内は、リリース年です。

昨年デビュー15周年を記念して日本武道館での公演を果たしたDEENですが、 それから1年経たないうちにもう2回目の武道館公演です。今回からは私も参戦。 私にとってはこれが初武道館です。

最初にステージの概要から。会場は八角形ですが、その第1頂点-第4頂点を結ぶ 台形がステージ。客席もそのような構成になっていて、全ての座席が開放されている訳ではありませんでした。 私の席はステージの真横、しかも2階席の後方だったため、見えにくいうえに 遠くて、良いこと無し。武道館はもういいや、というのが正直な感想です。 センターステージ要らないのでその分アリーナ席増やせばいいような。

5分程遅れて開演。1曲目は『Memories』(1993)でした。 近年のLIVEで披露されるものとは異なる、シングル収録のオリジナルのバージョンで、 曲中のラップも再現されました。そういえばネットの情報では、 CD内のこの曲のラップは栗林さん(後述)が担当しているそうですが、本当なんでしょうか。

1曲目の『Memories』は私が初めて購入したDEENの作品。 先に書いてしまいますが今日のセットリストは、私とDEENの出会いから 現在のDEENまでを辿っていくような流れでした。 そんな構成にされたら私は序盤から泣くしかありませんでした。 続いては『ひとりじゃない』(1996)、『瞳そらさないで』(1994)、 秀たんの「LIVE JOY Specialへようこそ!」の声を挟んで、 『このまま君だけを奪い去りたい』(1993)、『夢であるように』(1997)と、 初期の代表曲を一気に披露。

その後早くもメンバー紹介が始まりました。最初は巨匠のMC
巨匠「今日は晴れましたね」
何かに気付いた一部の観客「そうですね
巨匠「今日は皆さん電車で来たんですか?」
漸く彼の意図に気付いたほかの観客「そうですね」
巨匠「それは総武線ですか?」
観客「そうですね」 全てを把握した公たん「総武線ですね
巨匠「総武線の上にあるものは」
突っ込む気が失せた観客「・・・」 心優しい公たん「送電線ですね
秀たん「今日はネタ続きましたね」
ほかには
巨匠「成功の反対は失敗じゃないんですよ。チャレンジしないことだそうです。 いつまでもチャレンジすることを忘れないように頑張っていきます」
そして巨匠が「DEENギタリスト、田川伸治!」と紹介された一方で、公たんは
公たん「何の肩書きも無いキーボード山根公路です」
で笑いを誘っていました。その後は以下のとおり。
公たん「前回の武道館で、2回やっちゃったらどうなるんだろうって言いましたが、なっちゃいましたね。 ところで、前回も2階席だった人っています?(2階席の半分くらいが挙手) そういうのって何なんでしょうね(会場失笑)、日頃の行い?」
秀たん「何とかしてくださいよ、リーダーなんでしょう?」
公たん「何の力も無いの知ってるくせに!」

ここからはDEENの真骨頂、バラードメドレーでした。 『君さえいれば』(1998)、『君がいない夏』(1997)、 『Teenage dream』(1995)、『MY LOVE』(1999)、 『思いきり笑って』(1994)、『翼を広げて』(1993)と、 このコーナーだけでもDEENを知らない人にも彼らの魅力が伝わる名曲ばかり。 『翼を広げて』ではスクリーンに歌詞が映し出され、それを全員でアカペラ大合唱。

そしてDEENのLIVEでは恒例となっているアコースティックコーナーへ。 3人がセンターステージに移動してアコースティックギターに持ち替えて、 既存の曲をアコースティックヴァージョンで披露しました。 なお、ここで披露される曲はファンからのリクエスト投票で募った結果 選んでいるそうです。最初は『夢の蕾』(2007)。 オリジナルのピアノのイントロがこの日はギターの柔らかな音色に置き換えられて 披露されました。またこの曲は秀たんと公たんのツインヴォーカルも特徴のひとつですが、 公たんが歌う部分は巨匠も一緒になって歌ってました。 もう1曲はデビューアルバム『DEEN』収録の『いつかきっと』(1994)。 これについては
秀たん「これは派手な曲か地味な曲かと分けると、地味な曲に入るんですが」
公たん「地味な曲って、作曲した栗林さん(筆者注:先程の『Teenage dream』も栗林さんの作曲です)に対して、今日来てるかもしれないのに
秀たん「いやシングル曲って派手な曲って感じしない?それと比べると」
栗林さん来てたんですか?会場に向かう途中栗林さんのアルバムを聴いていたくらい、 今になって私が嵌っている重要人物の一人。 「栗林さんをサポートベーシストに」などと贅沢は申しません。 直接お目にかかれなくても、会場に来ていたらそれだけで大満足です。 曲よりもそれが気になっちゃって。で、目撃情報はまだですか。

次もアコースティックナンバーですが、続いては今年発売のニューアルバム『DEEN NEXT STAGE』から 『ノスタル-遠い記憶-』(2009)でした。 デビューアルバムの曲から最新アルバムの曲まで幅広く、 ファンにはたまらない選曲でしたね。

巨匠のソロ『VISIONS OF ILLUSION』を挟み、武道館用スペシャルメドレーに突入しました。 初の巨匠の作曲作品『LOVE FOREVER』(1995)から始まり、 『Sha la la la-I wish-』(1996)、 『Dance with my Music featuring JtoS』(2009)、 『ひとりぼっちのAnniversary』(2000)、 『リトルヒーロー』(2009)、 『STRONG SOUL』(2004)、 『果てない世界へ』(1996)、 『眠ったままの情熱』(1998) という流れでしたが、2人組ヒップホップユニットJtoSがレコーディングに続き 今日のステージでも競演。また、スクリーンにDEENのアニメキャラが登場して 曲の振り付けの見本をやってました。ステージとスクリーン、1曲で2倍面白い光景が見られました。

ここまで曲を一気に披露し、MCは殆ど無し。次が最後のMCでした。
秀たん「僕たちはここまで、ファン、スタッフ、いろいろな人たちとの絆のおかげでここまでやってこれました。 絆をテーマにした曲を最後に披露します」
と紹介して、『永遠の明日』(2008)へ。公たん・巨匠も素晴らしいコンポーザですが、 ヴォーカリストの秀たんも彼らに負けないくらい美しいメロディを紡ぎ出せることをこの曲は証明しています。 『永遠の明日』は今後のツアーでも欠かせない、新たな代表曲だろうと思います。

3人がステージを去った後、スクリーンには何処かの公園の映像が。 それは上海ロックスターへのインタビュー映像でした。

前回のツアーの東京公演では(LiveReport未公開につき、ここで書きます) 控え室に戻った後公たんが
秀たん「リーダー何処行くの?」
公たん「ちょっと、ちょっとね」
と言い残して別室に消えていき、再びドアが開くとそこには上海ロックスターが立っていた、 そして彼はステージに向かう、という映像が用意されていました。

ところが今回の登場映像はそれを大幅に下回るチープさ。 公園にいる上海ロックスターに「そろそろ時間ですが」という指摘が下ると、 次のシーンでは地下鉄九段下駅のエスカレータから上海ロックスターが登場し、 駅前の周辺地図を見ながら武道館を確認し、通りすがりの自転車(一般人)に道を聞くなどして 武道館に向かうまでを映像化。しかもあのヒラヒラ衣装で、フライングVを持ったまま。 キャラクターと行動のギャップに、どのシーンでも観客は大爆笑でした。 今思い出しても笑えてきました。その後お馴染みのギターリフと共にステージに本物の 上海ロックスターが現れました。今日はサーフボードは使わずに地下鉄で移動したんですね。

いつものように「バンドの皆さん」(上海ロックスター談)を呼び、
「今日は私の数少ない2曲のレパートリの中からいちばん新しい曲を披露したいと思います」
と語って、DEENのニューアルバムに収録の『ロンリーウルフ-上海ロックスターEpisode3-』(以降は全て2009) へと続きました。しかし秀たんと巨匠をコーラスに従えて、一人だけセンターステージで 熱唱とは、豪華すぎですよ上海ロックスターさん。そして曲のほかに、観客とバックバンドにウェーブを要請して、 彼が登場した時間はいちばんの盛り上がり(秀たん談)でした。 個人的には、衣装のヒラヒラが多過ぎてギターに引っ掛かって慌てる様子が最も笑えました。

私の座席はステージに対して横なので、ステージを去った上海ロックスターが 着替えて、その場所から公たんが登場する様子がバッチリ観察できたんですけども。 ここからは再びDEENの3人によるステージ。その前にMCがありましたが
公たん「東京の人は冷たいね。さっき(の映像)も俺が地下鉄から出てくるとき。 いや、上海ロックスターがそう言ってたんだけど(観客爆笑)、 武道館に行く道を聞いても無視だもんね」
巨匠「あの格好であんなギター持ってたら関わりたくないでしょう」
と先程の映像を振り返っていました。そして披露されたのは『YOU&I』。 最後は武道館用に作られた曲『歌になろう』を観客、ダンサー、ストリング奏者、 ホーンセクションを含めて全員で歌い、熱い2時間半は終了、したかに見えました。

しかし私としては不完全燃焼(理由は冒頭)、まだ終わってほしくありませんでした。 すると2度目のアンコールにDEENは応えてくれました。 ここで最新シングル曲である『Celebrate』をアコースティックバージョンで披露。 ステージ中央の階段に腰掛け、これまでの熱い時間を振り返るように静かに歌い上げ、 感動が最高潮に達したところで全セットリスト終了。 すると3人はセンターステージへ。マイクを使わずありったけの肉声で客席への「ありがとう!」を叫びました。 これは偽らざる彼らの本心でしょう。ステージにいた彼らが、観客の我々以上に楽しそうでした。 ステージから去るときも、名残惜しそうに何度も後ろを振り返っていた彼らが、 今でも私の脳裏に焼き付いています。

秀たんは
「こうして最後まで残ってもらえることを当たり前だと思わず、いい作品を届けたい」
と語っていました。このまま続ければ20周年ですが、20周年なんて単なる通過点にしてしまうくらい もっと長く続けましょうよ。そういえば前回のツアーでも言ってましたが、 あと23年はDEENを続けるんだっけ?


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