渓流の迫力に圧倒され、渓谷美を鑑賞するゆとりのなかった比良の名沢 滋賀県大津市
 2010829日()晴 8:55葛川支所前駐車場→9:55入渓→12:45大橋小屋14:45駐車場
先週の金剛山の妙見谷と赤滝谷は期待はずれ、本格的な沢登りがしたくて、思い切って比良の名沢へ。京都東ICから湖西道路の真野ICまで渋滞するが概ね順調に走り、坊村の大駐車場に停める。予想以上に沢登りグループが目につき、胸騒ぎ。猛暑日だが一般ハイカーも多い。ゾロゾロと林道を進み、もう一つの比良の名沢:口ノ深沢入口を確認、危険の掲示。その先で小橋を通過、次の小橋が本沢への入口。本格装備の中年二人組に本沢入口を確認。渓流靴に履き替えていると、男女6人ほどの若者グループがにぎやかに到着。女性の装備は真新しい。沢登り初体験か。高齢グループが次々に到着。皆、フル装備。空身の自分は気後れしながら後に付く。のっけから水量が多く、水流が激しい。これまでの沢では、深くても膝くらいまでだったが、のっけから腰までつかり、沢のスケールに気押される。ひるむ気持ちを抑え、焦り気味に進む。ガイド本コピーと照らし合わせる余裕はない。水しぶきが激しく、カメラをザックにしまう。終始、渓谷・渓流美が素晴らしく、写真を撮れず残念。ガイド本には、滝の多くは登れるとあるが、容易に登れる滝は少なく、無理せず、巻きながら進む。落差8mの垂直の滝に向かって、ザイル持参の高齢男性が果敢に挑戦、リタイア。右側の切り立った岩場をトラバース、足掛かりが狭く、緊迫。すっかり戦意喪失、先行者に追従、巻ける所は巻きながら進む。果敢に滝に向かって行く人たちに感嘆。皆、道具持参だが、フリーで乗り越えている。高齢女性も激しい水流の脇を登って行く。沢から逃げてばかりでは、沢登りとは言えないが、渓谷・渓流の美しさを満喫できれば良い。中間点の斜漠で立ち往生。ベテラン風男性が左の岩場を慎重によじ登るが、皆、深い釜に全身を浸し、右の楽そうな岩場へ。迷うが、覚悟して釜に入る。足が底に着かず、必死で向いの岩場に取り付く。安全な場所で一息つくが水流は激しい。急斜面の大高巻きが、最後の山場。高齢男女グループに付いて行く。狭い岩の回廊が絵になる。左の岩場を通過。優美なナメ滝を過ぎると、様相が穏やかになる。ゴールはまだかまだかと思いながら進んでいると、大勢の人が休憩。登山道との合流点。ガイド本ではゴールだが読み落とし、緊張せずに進めるようになった沢を一人バシャバシャ進む。渓流が凡庸になり、切り上げたくなる。廃屋が出てくる。その奥に大橋小屋。いつもある沢登りを終えた満足感がなく、意気消沈。南比良峠へ登り、比良岳へ縦走、白滝谷を下る予定だったが、時間も気力もなく、本谷に平行する山腹の道を下る。急斜面をトラバースする気の抜けない道。⇒トップページ