熱帯夜続き、エアコンつけっ放しで寝ているせいか心身がシャキッとしないが、3週連続、比良の沢登りへ遠出。
奥ノ深谷と並ぶ比良の名谷、比良の最高峰:武奈ヶ岳に突き上げる長い沢。渋滞なく順調に大駐車場着。
前々週と比べハイカーが少なく、独り林道を進む。前方の沢登りルックの数人は奥ノ深谷へ向かうようだ。
最初の小橋を渡ると、左手小広場に本谷への道標と要注意の警告表示あり。沢入口は薄暗く陰気、
おじける気持ちを圧して平静を装い、渓流靴に履き替える。流木が多く風情を損なっている。
すぐに5m、7mの滝が続いて立ちふさがり、自分には無理な沢かと尻尾を巻きかけるがそう難なく巻ける。
次は狭い垂直の岩壁の回廊の奥に10mの滝が垂直に落ちる。幻想的、神秘的。回廊入口右手のガレ場をはい登り、
わずかな足掛かりしかない垂直の壁をトラバース。足がおじけて踏み出せない。神仏に祈り、木の根や残置スリング
を掴み、必死で渡る。しばらく無難に進む。ガマガエルが目立つ。近付いても動かない。次は、10mの垂直の滝。
左の急斜面に踏み跡らしい筋が見えるが怖い。無難に遠巻きしようとはい登るが滝から離れ過ぎ、戻る。
ガレ場をはい登り、踏み跡へ向かう。意外と足場が広く、無難にクリア。遠目で怖々窺っているより、取り付いてみれば
意外と容易に活路が見つかる。奥ノ深谷ほどの渓谷美はないが、中間部で階段状に巨岩が重なる中、小滝が連続、
絵になる。喉カラカラ、パワーを出すため、飲物と軽食を補給。しばらく難所はなく、小滝を越えて行く。
ゴルジュ奥の13mの滝、迫力あり圧倒されるが、意外と難なく巻ける。6mの滝は、残置スリングに助かる。
遡行に時間がかかり、いささか疲れて来る。ガイド本の絵図と照合しながら進むが進度が定かでない。
前方に特徴的なチョックストンが現れ、終盤に近い事が分かる。ここも残置スリングに助けられ乗り越える。
最後のハイライト、落差15mの滝。左側の傾斜した岩場をたどれそう。ガリーから岩場へ移り、
幅のある岩の斜面をはい登り難なく滝の落ち口に出たと思いきや、滑床状。手掛かり足掛かりが乏しい。
滑床上に落ちれば滑り落ちる恐れ。岩の割れ目を手掛かりに何とか脱出。これを最後に沢は穏やかで平凡になる。
登山道との合流点を見落とさないよう注意しながらようやく安気に浅い沢をバシャバシャ進む。合流点には道標がなく、
不安に思っていたら登山者がやってくる。気を抜けない長時間の沢登り、くたびれたが何とかクリアした満足感あり。
枯れた小谷を登り詰め、ワサビ峠着。御殿山に登ると、初秋の武奈ヶ岳がやや寂しげ。坊村〜御殿山〜武奈ヶ岳は
雪山チャレンジで2度訪ねているが、雪のない時季に歩くのは初めて。自然林の趣の良いコース。⇒トップページへ
口 ノ 深 谷
2010年9月12日(日)晴 8:50葛川支所前駐車場→9:45入渓→13:55登山道合流→14:30御殿山→15:45駐車場