櫛 形 山
草原に延びる山道、豊富な草花、趣と風格の樹林、素晴らしい自然と雰囲気をもつ山 くしがたやま 2051m 山梨県南巨摩郡増穂町
2009年8月9日(日)曇 8:10池ノ茶屋林道登山口→9:00山頂→9:40裸山→10:00アヤメ平→:11:45登山口
昨日、韮崎の茅ヶ岳から下山後、甲府市内のビジネスホテル泊。7:00前発、文字通り櫛形の本山を正面に、県道5号:南アルプス線を道なりに走る。山麓・山腹に縦横に車道が走り、アプローチに迷う。とりあえず分かりやすそうな県民の森への整備された道を走る。中腹から複数の登山口あり。安直なコースは好まないが、帰途が長いこともあり、山頂まで最短で、一番よく利用されている池ノ茶屋林道終点から登る。登山口まで地図では道が複雑に分岐し不安。南伊奈ヶ湖手前で枝道へ左折、道なりに走ると氷室神社前に出る。その先で枝道へ右折。ここから分岐点に本山への道標が現れ、迷わずに進める。しかし、林道の走りが長く、しまいには未舗装ダートコースになりドキドキ。久しぶりに長い林道走りの末、終点の広い駐車場着。数台の先行車。立派な登山案内板と休憩舎あり(宿泊も可か)。登り始めから趣の良い樹林帯。短時間で開放感のある広い尾根に出る。みずみずしい緑の草原に登山道が伸びる。両側は緑の樹林、気分爽やか!今日も曇天、展望はダメかと思いきや、樹林の切れ間から富士のシルエットがすっきり! 背の高いバイケイソウの白花が沿道を飾る。草原の斜面一面、シモツケソウのピンクが散りばめられている。これ程の群生を見るのは初めて。緑にピンクが映える。薄紫のホタルブクロも多い。やや急な登りだが、山の朝の清々しい空気の中、緑と草花に囲まれ苦にならない。登るにつれ、背後、ガスの切れ間から山々が見える。樹林の切れ間から南アルプスの山並み!先日の北アルプス山行では、悪天でアルペン的な風景は見れなかったので、鮮烈な印象、感激。山名に自信がなかったが、下山後、案内板の絵を見て、北岳〜間ノ岳と確認。昔、初めて北岳に登った時、優美な本山越しに見た富士が印象に残る。登るにつれ、沿道、マルバダケブキの大きな黄花が多くなる。風格のある古木も現れ始める。登り切ると、平坦地に三角点のみあり。風格のある原生林のような樹林帯の中を進むと、山頂表示のある山頂着。樹林帯の中、展望はないが、丸太のベンチがあり、とても雰囲気が良い。少し下ると、一面ダケブキの咲く空間、息を飲む。山上の別世界。その先も趣と風格の古木の樹林帯が続く。平坦路で遊歩道を進むよう。小山といった感じの裸山は、地図やガイド本には南アルプスの展望が良いとある。期待していたが、樹林に遮られて見えず、ガッカリ。この辺りとアヤメ平は、アヤメの大群生地として有名だが、花季が過ぎ、全く見当たらない。行っても無駄かと思うが、アヤメ平まで足を延ばす。樹林帯を少し下ると、開けた群生地に出る。花はなくても、気持ち安らぐ桃源郷のよう。鑑賞用の遊歩道を回って往路を引き返す。朝早かったせいか、行きは人が少なかったが、次々とハイカーがやってくる。山麓・山腹の開発が進み、安直に登れ、期待していなかった山だが、訪れてみると、自分の気持ちに合う理想の山にようやく出合ったような思いを感じさせてくれた山。⇒トップページ