3:00、携帯のアラームで目を覚ますまで眠り込んでいた。山小屋ではまれ。レトルトご飯で卵丼の朝食、まずい。
おいしいインスタントご飯がないものか。今日も暗い中、ヘッドランプ頼りに唐沢岳をポツポツ登る。短時間で登頂。
ご来光を待つ人で混んでいる。先を急ぐ。夜明け前の薄墨色の中、前穂北尾根越し富士のシルエット、
北穂越し槍、右からジャンダルム(中央)、ロバの耳、馬ノ背。奥穂から先は楽勝と思い込んでいたら、
昨日以上にアップダウンの大きい岩稜が続く。鎖、梯子ありで気を抜けない。やはり、ヘルメット着用の人が多い。
若いガイド引率の高齢女性グループも目立つ。沿道、リンドウが多い。見下ろす涸沢カールの美しさ。
屹立する北穂、あれを登るのかと圧倒されるが、取付くとそれ程でもない。広い山頂から360度の素晴らしい展望!
ゴールの槍への稜線。左、水晶岳方面の山々。右、鹿島槍まで遠望。思い出の山々、縦走路。通過してきた
岩稜を顧みる。すぐ下の山小屋前から槍への長い稜線を一望。これからたどる道をしかと見る。登り稜線まで
の落ち込みの深さ、半端じゃない!目先の岩場を下るのに夢中、地図を見るゆとりなく、通過後、難所「飛騨泣き」と
知る。ナイフリッジを渡る人を見下ろす、背景は笠ヶ岳。狭いA沢コルに降り立ち、一息つく。すぐに
急峻な岩場の登り。屹立する長谷川ピーク越しドームの南岳。あそこまで行けば難所は終わる。
対向する人も多く、岩場の登降は早い者勝ち。長谷川ピーク、岩峰の美しさ。大キレットは気づかず通過。
夢中に岩稜帯を抜け、一転、南岳の穏やかな風景。気持ちが緩むとともに強い疲労感。ようやく普通の
登山道を重い足取りで進む。雷鳥親子に気持ちが和む。ガスが晴れ、中岳、大喰岳越し槍!。
ゴールは近い!疲労感強く、中岳が巨大にふさがる。後続、ガイド引率の高齢女性たちに抜かれないよう頑張る。
中腹、思いがけず清流。残雪の融水か。冷たい水を飲み、顔を洗い、元気回復、登り切る。眼前の槍に吸引
されるように足も早まる。沿道の花々を愛でる元気も出る。大喰下山路からいよいよ槍が大きい。
今日中に登頂を果たしたい、山荘へ気が急く。リュックを残し、団体が向かう前に槍へ。人の行列、渋滞。
ガイドらしき数人が取り仕切っている。順番待ちで登頂。人で一杯。人の足元の三角点にタッチ、ゴール!
下山の順番を待ちながら穂高の峰々を見晴らす。20代初めてのアルプス登山が槍。同じ風景を見、
写真に撮ったこのはるかな稜線を60歳を過ぎ歩き通した感慨。鎖も不要な位、手掛かりの多い岩場をザイル着用で
岩場ごっこしているガイド引率の団体のため渋滞!山荘前から常念の容姿に惹かれる。⇒トップページへ
険しい岩稜帯を抜け、頂点の槍に立つ ほだかじゅうそう 3180m 岐阜県高山市
2012年8月26日(日)晴 4:25穂高岳山荘→7:25北穂高岳→11:55南岳→13:45中岳→15:00槍ヶ岳山荘
→15:40槍ヶ岳山頂→16:40槍ヶ岳山荘