ニュージャージーの野鳥

2002.7.12-15 Cape Cod

 ブルーホエール

  ボストンと言えばホエールウォッチングが名物の一つになっているようです。 会社の友人(アメリカ人)が見てきたというのを聞いていましたが、 いま一つ興味が沸きませんでした。 というのも、私は船に弱いのでよほど体調が良くないとダウンしていまいますし、 クジラには詳しくありませんし、鳥じゃないし(笑)

  しかし、最後に私をその気にさせた理由が他にありました。 それはアシナガウミツバメです。 NJでも何度も情報がありましたが見ることが出来ませんでした。 NJも含めて、大西洋北部沿岸には情報が多いのです。 そして、事前の調査でこの辺りでも多いことをキャッチしていました。

  ホエールウオッチングの船は、ボストンとここプロビンスタウンの2ヶ所から出ていますが、 ポイントはケープコッド北の同じ海域のようでした (写真に写っている船はボストンから来た船らしい)。 港を出ること1時間半、 先乗りの調査用の小さい船が現地でクジラの居る場所を見つけていました。 30分も乗れば見られるだろうとタカをくくっていたのですが、 行けども行けどもクジラのクの字も現れませんでした。

  そしてついにクジラを発見! (英語は分からないが雰囲気で分かる) 船じゅうざわめきました。 大きな影が海上に現れると、汐を吹きまたすぐに潜っていきました。 結構大きいクジラ船が急反転してはクジラの浮上場所に近づきます。 それを繰り返すこと数回。 私は鳥用に500mmレンズを持っていたので(つうか鳥がいなかったので)、 ご覧のように背中をアップで撮ることが出来ました。

  結局、このクジラを含めて2個体を見ることが出来ました。 が、大きな口を開けて餌を食べたり、しっぽなども見られると思っていた私には、 背中ばかりで満足度はいまいちでした。

  ところが港に帰ると、まわりのアメリカ人たちは、 「ブルーホエール!ブルーホエール!」と言ってめちゃめちゃ嬉しそうに、 次のクルーズで乗船を待っている人に向かって話しているのです。

  その理由は数週間後に分かりました。 ブルーホエールとはシロナガスクジラのことだったのです。 (それを先に言えっつうの...)

【Whale Watching】
プロビンスタウンには3そうくらいあり、3時間ごとに出ていました。 桟橋の手前にチケット売り場があり、手軽に買えましたが、 前日とか早めに買っておいた方が無難でしょう。 NJで買っていった酔い止め薬を寝る前と乗る前に飲んでおいたので、 船酔いは大丈夫でした。本題の鳥ですが、そこそこ見られました。 下に、その時の写真を紹介します。

No.106 ホンケワタガモ(Somateria mollissima
英名:Common Eider
  プロビンスタウンの港内と防波堤の先端付近に数羽いて、 ホエールウォッチングの行きにも帰りにも見ました。 大きくて変わった模様のカモです。 オスなら分かりやすいのですが、メスでしたので現地では何だか分かりませんでした。 (CHINO)

No.107 クロトウゾクカモメ(Stercorarius parasiticus
英名:Parasitic Jaeger
  出港してから1時間くらい離れた洋上にいました。 クロトウゾクカモメを見るのは初めてなので嬉しいです。 (CHINO)

No.108 アシナガウミツバメ(Oceanites oceanicus
英名:Wilson's Storm-Petrel
  本命のアシナガウミツバメです。 ウミツバメ科7種のうちで、写真の無い最後の1種でした。 日本でも見られる種なので520種目です! やった〜!
  日本ではかなりの珍鳥ですが、このクルーズではぼろぼろ飛んでました。 クジラはなかなか出て来ず、船上のほとんどの人は前半だらけていましたが、 私唯一人はアシナガウミツバメを撮りまくって熱くなっていました(笑) なんとか足が出ているところは撮れましたが、 飛んでいる鳥は良く撮れませ〜ん。 (CHINO)

【South Beach】
  数千羽のシギ・チドリが見られるというのは South BeachMonomoy Islandで、 どちらも巨大な砂州です。 北のHerring Cove Beachに対して、こちらは南の端になります。 South Beachは一応陸とつながっていますが歩いていける距離ではありません。 Monomoy Islandは、陸から離れた島になっています。

  渡し舟で渡るのですが、周りの人はみな海水浴客でした。 降りる時は桟橋が無く(は?って感じ)、膝くらいの深さの浅瀬に降ろされます。 水着の人らは問題ありませんが、こっちは望遠レンズを抱え、 靴下履いてトレッキングシューズでしたので脱ぐのが面倒でした。

  で、上陸してみるとこれが見事に何〜んにも無い、砂州というか砂丘と言うか。 でかすぎます(笑)  浜にはアメリカオオハシシギとかアメリカヒバリシギがちょこちょこいるのですが、 それだけ。まぁ、日本からしたら贅沢かもしれませんが、 オオソリハシシギとトウネンがいるようなものです。

  1時間ぐらい南に歩くと、潮溜まりがあり多くのシギ・チドリが降りていました。 4時に船着場まで帰らなければならないのでここで写真を撮ることにしました。

【South Beach】
  チャタムの小さな船着場から渡し舟で乗せて行ってもらえます。 出る時に帰りの時間を言って迎えに来てもらうシステムです。 北部と言えど、この夏最高の熱波に見舞われ、帽子と飲料水は必携でした。 シギやチドリ達は、 潮が引いている時はMonomoy Islandで餌を食べ、 満ちてくるとSouth Beachに行くらしいです。

ここで見られたのは、ミミヒメウ20+ セグロカモメ100+ クロワカモメ3+  オオカモメ100+ ワライカモメ10+ アジサシ30+ ダイゼン20+  ミズカキチドリ40+ フエコチドリ1 アメリカミヤコドリ40+  ミユビシギ20+ コオバシギ1 アメリカヒバリシギ20+  ヒレアシトウネン150+ キョウジョシギ20+ アメリカオオハシシギ30+  ハジロオオシギ2+

No.032 ミズカキチドリ(Charadrius semipalmatus
英名:Semipalmated Plover
  確かに何千羽というシギ・チドリがいるかもしれませんが、 広すぎるので散らばったら、大して多くは感じません。 ようやく見つけた潮溜まりに結構まとまった数がいました。 広い場所なので、人に対する警戒心も強く、なかなか近くで撮影できませんでした。 ミズカキチドリの群れが、揃って水浴びをしていました。 鳥の群れはみな同じ方を向いていることが多いと思いませんか? 実は羽を広げてすぐに飛び立てるように風上を向いているのです。 第二次大戦中の話ですが、空母から戦闘機が飛び立つときも、ざわざわ船首を風上に向けますね。 最近のジェット機の場合はどうなんでしょう?(鳥の話じゃないってか) (CHINO)

【Pilgrim Beach】
  プロビンスタウンの目の前の砂浜がPilgrim Beachです。 実はここが隠れたスポットで、数百メートルも沖まで潮が引く広い干潟が出現します。 ここの浜に面したホリデー・インというホテルをとって拠点にしていました (オーシャンビューでなければシーズンでも1室$130くらいでした)。 鳥は、South Beachほどではありませんが、 ホテルのまん前なので何度も行けて、写真も撮りやすかったです。

No.109 アジサシ(Sterna hirundo
英名:Common Tern
  最後のショットは日本でもお馴染みのアジサシです。 くちばしが赤くて黒い帽子のいわゆるアジサシタイプは、 日本ではアジサシ、ベニアジサシ、キョクアジサシの3種ですが、 こちらでも基本的に同じで、これにメリケンアジサシを加えた4種になります。 この付近ではベニアジサシ、キョクアジサシも出そうなのですが確認できませんでした。 (CHINO)

  いかがでしたでしょうか? 最後に野鳥ファンに紹介したいのがここのお店です。 岬の中間地点のOrleans、 州道28号線(Orleans-Chatham線)が国道6号線とぶつかる交差点から 3kmくらい手前(南)にあります。

   NJでも何軒かオーデュボン協会の鳥グッスショップがありますが、 そこのどこよりも大きいお店でした。 野鳥の図鑑はもちろん、木彫りのデコイや小物、 センスの良い絵、Tシャツや帽子もたくさんありました。 ケープコッドに行ったならぜひとも寄ってみてください。

  次回は、またNJに戻りまして(ラスト1ヶ月) アトランティックシティ近くのナイスな場所での写真を紹介します.(CHINO)