制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
改訂
2003-06-15

國字問題關係の本の探し方

大雜把な傾向と對策

福田恆存氏の著作

福田恆存全集
文藝春秋刊。全8卷。
版元品切。
福田恆存評論集
麗澤大学出版会刊。全12卷(豫定・ほかに別卷1册)。2008年秋現在刊行中。新刊書店で注文して下さい。
文庫版『私の國語教室』
新潮社版單行本、中公文庫版・新潮文庫版はともに絶版です。古書でしか手に入りません。
文春文庫版は新刊書店で注文・入手可能です。

橋本進吉博士の著作

死後五十年が經過し、著作權が切れた爲、ウェブで電子テキストが流通し始めてゐます。刊本も最近は値下り傾向にあります。

『古代国語の音韻について』
岩波文庫
新字新かな
ウェブで讀めます。
『橋本進吉博士著作集』
版元品切。
國語國文學の專門古書店では高價です。とくに後の卷(講義集)になるほどより高くなる傾向があります。初期の卷は比較的安價。

時枝誠記博士の著作

『國語學原論』
岩波文庫に再録されました(新字新かな)。正字正かなの原本は古書店で比較的入手は容易。
『國語學原論 續篇』
それなりに安價ですが、正篇に比べると見かけません。
正篇とセット賣りされてゐる事もあります。
論文集
岩波から出てゐた論文集(全三卷)も比較的高値で安定してゐる状況です。
一册4000圓〜が相場のやうです。
『文語文法』『口語文法』
岩波全書。品切れ。
比較的入手し易いやうです。
『國語問題のために』
東大新書
新書を扱つてゐる古書店では稀に見られるやうです。
『國語問題と國語教育』
中教出版。
入手困難です。
『文章研究序説』
山田書院版も比較的高價ですが、明治書院の復刻版は滅多に見られません。

山田孝雄博士の著作

大野晉博士の著作

古書店・書店

神保町

文學關係の店で、同時に國語學の專門書も扱つてゐる所もあります。

日本書房
日本有數の國語・國文學專門古書店。水道橋驛近くです。
以前は比較的安めの値が附いてゐたやうな氣もするが、高いものはやつぱり高い。
安いものは根こそぎ私が買込んだので、高い本しか殘つてゐません。
店頭ジャンクコーナに出てゐる痛んだ學術書は安い。割と基本的なものが野ざらしになつてゐるので狙ひ目。
一誠堂書店
神保町の有力店。人文系一般。
右の壁際が國語・國文學專門書の棚。
國語學に限らず全般に高い。
他店で安く買へるならば、この店で無理して買はなくても良いと思ひます。但し「最後の手段」として使へます。
小宮山書店
國語學の專門書は上の方の階にあります。
社長が良い方です。
八木書店古書部(神保町)
1階は文學評論專門。
國語・國文學は2階に棚があり、極めて充實してゐます。値段はそこそこ。
バーコードで在庫を管理したりするなど、進取的。
巖松堂圖書(神保町)
國語學の棚は1階左側の壁際。
山陽堂支店(神保町)
岩波專門古書店。
岩波發行の橋本・時枝の著作集は、運が良ければ見つけられるかも。
本店は文庫・新書中心。時枝・山田の岩波全書の著作が入荷する可能性はあります。
やけに高いので、ほかで見つけられない時の、最後の手段として使ふのがベターかと。
梓書房(神田古書センター内)
哲學・文學書專門店。國語學專門書の棚がある。高い。
中野書店(神田古書センター内)
古漫畫で有名だが、文學書・專門書などを扱ふ一般古書部もあります。
古書目録にたまに國語學の本が載ります。店頭には國語學關係の本はないみたいです。

早稻田

五十嵐書店本店
以前は國語國文學の專門店でしたが、改築してギャラリーになつてゐます。店頭在庫は少くなりました。
良い本がたまに出てくる店頭100圓均一コーナがあつたのですが、改築後、なくなつてしまひました。
『國語問題論爭史』を購入(\4000-)。
渥美書房
國語・國文學專門店。
五十嵐より安い。
店長のおやぢさんが良い人。
店内に橋本進吉、山田孝雄、金田一京助その他の著作。
表のジャンクコーナも使へます。
奧の文學書コーナも、かなり面白い。
淺川書店
言語學・國語學の本の取扱あり。
さとし書房
國語學の本はない(と思ふ)。店長が優しいをぢさん。
文英堂書店
國語學の本は餘りない。
文學書・思想書・歴史書が充實してゐます。全集も可なり、揃つてゐます。
店長の親父さんは優しいので、神保町の店よりも高く本を買つて呉れます。

大規模古書店

國語學の專門書は國語・國文學の專門古書店より安い。

高原書店(町田本店)
BOOK OFF攻勢に負けて、移轉してしまひました。
在庫だけは澤山あるので、それなり。特に質が高い訣でもないので(本にしても店員にしても)、餘り當てにしない方が。
澁谷古書センター(澁谷驛南口)
地下1階から2階まであるが、面積が狹い。橋本進吉著作集が1册位ありさう。

リサイクル古書店

BOOK OFF
なぜか初期は、本格的な古書店を目指し、まともな古書を扱ふ傾向がありました。
賣れなかつたのか、のち方針轉換。
現在は漫畫・文庫を中心に扱ふ腐れリサイクル本屋として有名です。
店によつて或は時と場合によつて何が出て來るかさつぱりわからないので、一概に惡口は言へないのですが、駄目店が多いのはたしかです。
川崎モアーズ店で大量に、明治書院の「文法講座」等が、100圓均一で出てゐるのを發見した事があります。即座に買占めたので、もうありません。
ブックセンターいとう
BOOK OFFと違ひ、現在も專門書を扱はうとする傾向があります。
在庫が矢鱈と多く、それなりに侮り難い事は侮り難いのですが、狙ひ目は專門書よりも寧ろ大學テキストです。
東中野本店
大學がそばにあるため教科書が多い。
時枝博士の『文章・文法論』(著作集第2卷)を購入(4500圓也)。
一般的な國語學のテキストは書棚に溢れ返つてゐます。
建物を新築しました。普通のリサイクル古本屋つぽくなつてしまひました。品揃へはそれほど惡くはなつてゐません。が、賣れないとすぐ在庫を處分するので注意が必要です。
星ヶ丘店
大學生が卒業してテキストを放出する春に、在庫が増える模樣。最近は俗化してゐるので、堅い本は餘り見かけない。
私が『崩れゆく日本語』を購入した店。
ブックスーパーいとう
上の「ブックセンター」とは別系列。
どの店も規模が小さい。
店によつて(立地などの條件が異る爲)、一概には言へないが、多くの場合、眞面目な本の探索には使へません。
大學生向けの教科書は、店によつてそれなりに置いてゐる事があります。
DoRaMa
ビデオ・CDレンタルと中古品販賣の店。
店舖により古書取扱あり(ただし、漫畫・文庫中心)。
生意氣な値段を附けてくる事があるので要注意。ですが、專門書が出る事はまづありません。

古書展(古本市)

デパートの古書展
年末とお盆の頃に良く開かれます。
新宿の京王・小田急・伊勢丹、東急東横(澁谷)等は、年によつて差はありますが、レヴェルが高いので使へます。
國語(國語學・國語問題)關係の本を狙ふ人は、初日に並ばなくても大概大丈夫です。
野嵜を目撃できるかも知れません。と言ふか、目撃されました。
「古書會館」の古書展
神田古書會館ではほぼ毎週金・土曜日に開かれてゐます。
割と安いのでおすすめです。
何が出て來るかわからないので、掘出し物を探す積りで、氣樂に出かけるのがよいでせう。目録も出てゐるので、本探しにはそちらを利用するのが便利です。
野嵜を目撃できるかも知れません。
西部會館(高圓寺驛北口)、南部會館(五反田驛)、神奈川古書會館、名古屋古書會館等でも時々開催されます。小規模なやうですが、行つた事がないので、詳しい事は知りません。
早稻田古書店街
高田馬場驛前のBIGBOX 一階コンコースで毎月、古書感謝市を行つてゐます。
月によつて當り外れが大きいのですが、大外れの月が連續したからと言つて見捨てると、盛り返すので、侮れません。
最終日まで商品は毎日補充されます。値札を貼るのが遲れて、閉場寸前に大量の商品を搬入する古本屋さんがたまにあります。
ごく稀に、野嵜を目撃できるかも知れません。
イレギュラーな古本市も、BIG BOXや早稻田近邊で、時々行はれます。
その他
京都下鴨神社では夏に古本市が開かれるさうです。
神田古本祭は毎年10月末。
早稻田古本祭は10月初。
池袋サンシャインでも古本市が開かれます。※サンシャイン古書の會

通信販賣

インターネット

本の情報を檢索する

書店を探すには……

『東京ブックマップ』
東京ブックマップ編輯委員會編輯・書籍情報社
本探しの基本書で、都心の書店・古書店・圖書館の情報を探すのには便利です。
大書店のフロア配置が載つてゐます。
サブカルチャー系の情報に偏つてゐたり、重要な中央線新宿以西の情報が足りなかつたりします。
二年毎に新版が發行されます。
『まんがまつぷ』
1997年9月25日初版第1刷發行・夏目書房
リサイクル古書店に關する詳しい情報が載つてゐました。
ただし漫畫の置いてある古書店に情報は限られます。
關東・近畿地方と、愛知のごく一部の新刊・古書店情報が載つてゐます。
既にデータは古びてゐます。
困つた事に、時々大嘘が混じつてゐました。
『全國古本屋地圖』
古書店組合が作つてゐるガイド本。
全國2750軒を紹介してゐます。
組合に參加してゐない店は無視されてゐます。
古書店は消長が激しく、この本に載つてゐても潰れてゐることがままあるので要注意です
たまに、潰れてからこの本に載る店もあります。
餘りに店の數が多いため解説は不足氣味。
古書目録發行店一覽が載つてゐるので、地方の方には便利かも。
「日本古書通信」
月刊雜誌。古書專門誌。
前半分は色々なライターが古い本に關する蘊蓄を傾ける記事。後半分は古書目録。
購讀しても損はないと思ひますが、とてもまにあっくなので素人にはおすすめ出來ない。
「縱横無盡神田古本屋街全ガイド・愛藏版」
發行日:1998年4月20日・發行:毎日新聞社
神保町の古書店を一軒一軒まはつて本棚を寫眞に撮つたと云ふ、ご苦勞なムック。
眞面目な本屋よりも變つた本屋を紹介しようとする、最近の古本ブーム一般に見られる惡しき傾向が露骨に表れた本。
大島書店のコメントが餘りに駄目だつたので紹介する。洋書と理工書、一見つながりがなささうだが、その二つのジャンルを兩立してゐる古書店。神田の懷の深さを感じさせる店だ、とある。洋書を扱つてゐるのは單に閉店した東京泰文社の在庫を引繼いでゐるだけの事。
中央沿線(高圓寺・西荻窪)および本郷の古書店情報が(たつた2ページだけだが)載つてゐる。地圖が役に立ちさう。
左翼系の社會科學專門店の事を、なぜか硬派の書店と評してゐる。108ページ 都丸書店の項
良く賣れたらしく、改訂版が時々出てゐるやうです。

WWWで情報檢索

日本の古本屋 めぐる古書籍
古本屋の住所・電話番號などのデータを調べられます。
古書展情報、古書店サイトリンク集、古書目録發行店情報などもあります。
掲示板もあります。
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