「國語國字改革」の基本資料。
国語・国字の簡易化の具体策として、現代かなづかい・当用漢字・同音訓・同字体等が制定・公布されて以来、国民一般に実行されているが、これらはいわば大綱を定めたもので、細部にわたってはその基準は必ずしも精密ではない。したがって、たとえば送りがなをどこから送るか、漢字とかなのどちらを用いて書き表わすかなどについては、人により本により、はなはだしいときには同じ本の中でさえもまちまちになり、種々の問題が起りがちである。
この本は、これらの不便を除くために、特に実務上使用度の高いことばで、その書き表わし方について迷いやすいものに重点を置き、内閣告示の當用漢字表・同別表・同字体表を、使いやすいように統合し、これに、新旧字体をその相違点に基いて類別した「新字体早見表」を集録して、教育上・実務上の便利なよりどころを示そうとしたものである。
この本は元来、文部省刊行物の表記の基準を示すために編集したものであるが、同時にこれが広く各方面にもよるべき基準として使用され、実務上の、また教育上の能率増進に資するところがあれば幸である。
- 昭和25年11月
- 文部省調査普及局国語課