制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
公開
2002-05-10
改訂
2007-05-27

『東京セブンローズ』

連載
「別册文藝春秋」59號(1982年4月)〜219號(1997年4月)
單行本
文庫本(上下・全2卷)

内容瞥見

帶の惹句

日本語を救つた女たちの物語!

國破れて國語あり。しかし、そこに未曽有の危機──日本語のローマ字化! 執筆じつに十七年。その、歳月と情熱のすべてをかたむけた井上文學の最高傑作つひに成る!

「井上ひさし『東京セブンローズ』が書かない『美しき國語』の歴史」

『東京セブンローズ』が刊行されたのを機に書かれた、神道關係者による國語國字問題の紹介記事。

ある雑誌インタビューで井上氏は、「いくらなんでも七人の娼婦が日本語を守ったというのはウソだけど、細部は全部本当です。でも、小説全体を読むと『ウソ話を読まされた』というのを書きたかったんですよ」と語っている。

『私家版日本語文法』や『ニホン語日記』などのすぐれたエッセイで知られ、国語問題に造詣の深い井上氏の作品には、日本軍部であれ、GHQであれ、強権による理不尽な言語破壊の企てに対する怒りと批判が込められているようだ。けれども、史実はまさに井上氏自身が語られるように物語の通りではなかった。いや、ある意味ではもっと数奇なる歴史があった。

齋藤氏は、國語にさつぱり關心を抱かない「正論」の保守派の讀者に、國語問題の歴史を紹介してゐる。10ページの記事に良く詰込んだと思はれる程、多くの事實が記載されてゐる。

齋藤氏は、引用文は適宜、常用漢字、現代かなに改めた。矛盾を感じつつも、より多くの読者に読んでいただきたいという願いを込めてと書いてゐる。多くの読者に読まれたとしても、「現實主義的」な「保守派」の連中には殆ど理解されない、と云ふ事を考へれば、この齋藤氏の配慮も無駄であつたやうな氣もしないではない。

參考

「東京セブンローズ」はNHKでドラマ化されてゐます。内容は未見なのでわかりません。