うちこみに際しては、表記は原文のままの新字正かな(ただし「藝」と、JIS内では表示できないが「彦」と「并」とが正字、また促音はちひさな「っ」)としました。
- 『国語の中における漢語の研究』の「おける」が假名であること。
- 『文部省の仮名遣改定案を論ず』の發行に「年」字が缺けてゐること。
- 『倭漢朗詠集』の發行年月がないこと。
の三點も原文のままです(ちなみに、『倭漢朗詠集』は手持ちの本の奧付には、1930年9月15日第1刷發行、1989年3月17日第14刷發行となつてゐます)。
『土左日記』となつてゐるのは、現在國語學の方面では古寫本に基づいて「佐」ではなく「左」字を使ふのですが、山田博士の御本では、どうなつてゐませうか。
- この目録は本誌編集委員会の求めに応じて本誌のために新たに作成したものである。
- 山田孝雄の生涯の著述・論文については、既刊の著作年譜(昭和二十九年七月)があり、また近く、閲歴などの記事を加へたその補訂版を故人辱知の方々に贈る準備を進めてゐるので、今回は、本誌編集主任亀井孝氏との合議によって、右補訂版の草稿にもとづき著述に関してのみ抄出することを方針とした。ただし次項に述べる趣旨によって、成書たるべき形をなした遺稿のうちから、若干を選んで併せて録した。
- 山田孝雄の生涯とその学藝を論じようとする時は、既刊の国語学に関するものにのみ範囲を限っては、もとより正鵠を射ることができない。また故人の国語研究に志を存した処も、いはゆる国語学的業績のみを通じては十分にはうかがひ難いので、多少圏外のものにも及ぼしたが、「国語学」誌の記録としてふさはしからんことを求められてゐる本稿では、つとめて範囲を限って抄出した。即ち史学・国学論・道徳論に関するものを省略したのは他意をふくむものではない。
- 主題によって、便宜の分類を与へたが処理のしかたについて当を得ないと感ぜられる向もあらう。*印は現在新版の刊行のあるものを示す。
- (昭和三十四年一月二十五日)
- 日本文法論上巻 明治三十五年十月 宝文館
- *日本文法論 全 明治四十一年九月 宝文館
- *日本文法講義 大正十一年二月 宝文館
- 日本口語法講義 大正十一年十一月 宝文館
- 日本文法要論 昭和六年六月 岩波書店(講座「日本文学」)
- *日本文法学概論 昭和十一年五月 宝文館
- *日本文法学要論 昭和二十五年九月 角川書店(角川全書)
- 敬語法の研究 大正十三年六月 宝文館
- 国語沿革大要 明治四十年十一月 宝文館
- *奈良朝文法史 大正二年五月 宝文館
- *平安朝文法史 大正二年六月 宝文館
- *平家物語の語法 大正三年十二月 文部省
- 院政鎌倉時代の語法(未刊)
- 用言の研究(未定稿)
- *俳諧文法概論 昭和三十一年五月 宝文館
- 漢文訓読と国文法 昭和九年十二月 明治書院(「国語科学講座」)
- *漢文の訓読によりて伝へられたる語法 昭和十年五月 宝文館
- 国語史文字篇 昭和十二年八月 刀江書院
- 日本文字学概論(未刊)
- *仮名遣の歴史 昭和四年七月 宝文館
- *五十音図の歴史 昭和十三年六月 宝文館
- *国語の中における漢語の研究 昭和十五年四月 宝文館
- *年号読方考証稿 昭和二十五年六月 宝文館
- 芭蕉七部集語彙考証(仮称。未定稿)
- 国語学史要 昭和十年五月 岩波書店(岩波全書)
- 国語学史 昭和十八年七月 宝文館
- 古史微開題記 昭和十一年九月 岩波書店(岩波文庫)
- 平家物語考 明治四十四年十二月 国語調査委員会
- *典籍説稿 昭和九年九月 西東書房
- *典籍雑攷 昭和三十一年十二月 宝文館
- 新撰字鏡攷異并索引 大正五年十月 西東書房
- 色葉字類抄攷略 昭和三年九月 西東書房
- 一切経音義索引 大正十一年十二月 西東書房
- 古京遺文 大正元年十二月 宝文館
- 文部省の仮名遣改定案を論ず 大正十四二月 自家
- 国語政策の根本問題 昭和七年十月 宝文館
- 国語尊重の根本義 昭和十三年十一月 白水社
- 国語の本質 昭和十八年十二月 白水社
- 祝詞宣命 昭和七年七月 文部省社会教育局
- 万葉集講義巻第一 昭和三年二月 宝文館
- 万葉集講義巻第二 昭和七年七月 宝文館
- 万葉集講義巻第三 昭和十二年十一月 宝文館
- *万葉集考叢 昭和三十年五月 宝文館
- 万葉五賦 昭和二十五年八月 名古屋一正堂書店(美夫君志会)
- 古事記序文講義 昭和十年十一月 志波彦神社 塩竃神社
- 古事記上巻講義一 昭和十五年二月 志波彦神社 塩竃神社
- *土左日記 昭和十八年六月 宝文館
- 三宝絵略注 昭和二十六年十月 宝文館
- 倭漢朗詠集 岩波書店(岩波文庫)
- 方丈記 昭和三年十月 岩波書店(岩波文庫)
- *方丈記 昭和十八年六月 宝文館
- *平家物語 昭和四年四月 岩波書店(岩波文庫)
- 平家物語 昭和八年六月 宝文館
- *つれづれ草 昭和十八年八月 宝文館
- 増鏡(未刊。組版中) 宝文館
- 神皇正統記述義 昭和七年十月 民友社
- 神皇正統記 昭和九年十二月 岩波書店(岩波文庫)
- *万葉集と日本文藝 昭和三十一年五月 中央公論社
- 日本歌学の源流 昭和二十七年六月 日本書院
- 倭漢朗詠集 昭和七年二月 岩波書店(講座「日本文学」)
- 源氏物語の音楽 昭和九年七月 宝文館
- 鎌倉時代の文藝 昭和九年四月 岩波書店(講座「日本文学」)
- 連歌及連歌史 昭和七年六月 岩波書店(講座「日本文学」)
- 連歌概説 昭和十二年四月 岩波書店
- 連歌法式綱要 昭和十一年十二月 岩波書店 (星加宗一共編)
- 桜史 昭和十六年五月 桜書房
- *君が代の歴史 昭和三十一年一月 宝文館