制作者(webmaster)
野嵜健秀(Takehide Nozaki)
改訂
2006-01-10

HTML 早分り

title要素(一番重要な要素)

title要素の記述は、決して省略しないで下さい。

多くのブラウザ/User Agentが、title要素の中身を、文書を代表する重要な記述と看做します。この事を考慮に入れて、制作者は、適切なtitle要素を記述しておかなければなりません。

The Web KANZAKIの神崎氏は、文書の顔となる大切なタイトル、と表現しました。title要素は重要です。

見出しを示す要素(ブロック要素)

多くの文章には、見出しがあるものです。見出しはh1/h2/h3/h4/h5/h6要素としてマーク附けします。

HTMLの仕様によれば、6段階までの階層が表現できます。

「hxは文字のサイズを指示するタグ」なる説明をする解説書やサイトがあります。これは間違つた説明です。テキストベースのブラウザであるLynxでは、見出しも本文も同じ大きさで表現されます。

段落を示すp要素(ブロック要素)

本文は、常に、いくつかの段落から構成されます。基本的に、一つの段落を一つのp要素としてマーク附けします。

pの終了タグは、多くの場合、省略可能です。しかし、終了タグの省略には厳密な規則があるので、初心者は取敢ず、終了タグを省略しない様にして下さい。

リンクの出発点としてのa要素(インライン要素)

HTMLHTMLたる所以です。

単純なリンクを明示するには、アンカーである文章の部分を、a要素としてマーク附けします。

同じディレクトリのindex.htmlファイルにリンクする場合
<p>詰らないので<a href="index.html">トップページ</a>に戻る。</p>
ほかのサイト(ここではW3C)にリンクする場合
<p>詳しい事を知りたいので<a href="http://www.w3.org/">W3Cのサイト</a>を参照する。</p>
画像がリンクの出発点である場合
<ul>
<li><a href="http://validator.w3.org/check/referer"><img src="http://members.jcom.home.ne.jp/pctips/valid-xhtml10.png" alt="Valid XHTML 1.0!"></li>
</ul>

引用を示すblockquote要素(ブロック要素)

引用した文章は、blockquote要素としてマーク附けします。

出典は、文献にURIがある時は、blockquote要素のcite属性で明示します。URIとして表現できない文献、それと関連情報は、title属性で示しておくしかありません。

引用を示すq要素(インライン要素)

文中の、引用である文や語句は、q要素で明示します。

画像を示すimg要素(インライン要素)

文中の語句を画像で表現したい場合、img要素としてマーク附けします。

img要素は、視覚メディアのUser Agent――ウェブブラウザで閲覧される事を前提に、グラフィックを文中に埋め込む目的で使用される要素です。

オブジェクトを埋め込むobject要素(インライン要素)

img要素は、2003年現在、ウェブで一般的な存在です。

しかし、オブジェクト一般をHTML文書に埋め込むための要素として、HTML 4.01以降、object要素が規定され、より広い目的で使用できます。

サイト制作者は、テキストの一部を画像や動画などのオブジェクトとして表現したい場合、object要素によつてマーク附けできます。

img要素よりもobject要素の方が、SGML的には全うな仕様である気がします。

ただ、めじゃーなブラウザであるInternet Explorerが、object要素の記述をうまく処理できないみたいです。

リスト

何かを列挙する場合の表現の仕方です。

順不同リスト

「箇條書き」「項目の羅列」。

各項目は、li要素としてマーク附けします。最後に一聯のli要素をul要素の中身として括ります。

項目の列挙以外に、文章の列挙にも使用できます。メニューの表示に使用する事もできます。また、複数の項目を挙げるのみならず、単独の項目を挙げるのにも使用できます。

「リスト」の概念は、制作者の主観により、拡張可能です。拘り過ぎて、あまり変に制約を設けたりしない方が良いです。

順序付リスト

1、2、3……とかの「順序のある項目」をいくつか並べる時。

各項目は、li要素としてマーク附けします。最後に一聯のli要素をol要素の中身として括ります。

「1、2、3」でなく、「a、b、c」とか「い、ろ、は」とかいつた風にカウントアップさせる事も、仕様上は可能です。が、その表現の仕方は、スタイルシートに依存します。

定義リスト

インライン要素とブロックレヴェル要素とを列挙する時。

「定義リスト」と呼ぶ通り、辞典などで、用語とその説明を並べて記述する時、便利に使用できます。

用語はdt要素、その語の定義・説明はdd要素――ただし、これはサンプルに過ぎません。現在のHTMLの仕様では、その種の用途に限定されたものではありません。

リストに関する注意

li要素、dd要素の中身は、普通のテキストや画像、見出し、段落、別のリスト……といつた要素です。ただ、「li要素やdd要素の中身に見出しを入れるのは極めて例外的な事である」とされます。

ul要素、ol要素の中身は、li要素以外はあり得ません。dl要素の中身はdt要素とdd要素に限られます。

従って、リストの中でリストを表現したい場合、li要素、dd要素のにul/ol/dl要素以下を記述する必要があります。

もっとも、この種のリストのネスティングについては、必ずしも詳細に説明する意味はありません。ネスティングの概念として理解するよりも、要素の入れ子関係の説明として理解して下さい。

HTMLの場合、幾つかの規定によって、要素の終了地点が明かであったり、そのため、タグの記述で省略が可能であったりします。

ただし、省略の仕組がよくわからない初心者は、無闇に省略をしないで、終了タグをきちんと記述して下さい。

特殊な語句を示す要素(インライン要素)

文中で、強調したい部分はem要素で、emよりも強調したい部分はstrong要素で明示できます。

ほかにも、色々な要素が存在します。リファレンスを見るなどして、調べてみて下さい。多くはインライン要素です。

ただし、それらのインライン要素として多くの箇所を明示しなければ意味の通らない文章、インライン要素のマーク附けを排除すると訳がわからなくなる文章は、良い文書ではありません。マーク附け前の、プレーンなテキストの状態で悪文である文書は、マーク附け後も悪文です。

普通の文章として良い文章である状態から、HTMLのマーク附けを始める事が、大前提です。HTML悪文をごまかすためのものではありません

強制改行を示すbr要素(極めて特殊な表現)

文中で、どうしても強制的に改行を実現しなければならない時があるかも知れません。その時は、br要素で強制的に改行する様、ブラウザに直接指示できます。

しかし、制作者がbrで強制改行をしなければならない事態は、滅多にありません。ブラウザは通常、ブロック要素の前後を改行で表現しますし、ブロック要素の中身をウィンドウの端で適切に折返し表示します。

br要素は極めて特殊な要素です。初心者は取敢ず、brに依存せずにHTML文書を作る訓練をして下さい。

空要素br

案外、brは厄介な要素です。安易に使用しない様にしておいて下さい。

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