俳句と、やきものと、季節の話題のサイトです。花や鳥のこと、染付、色絵、赤絵の四季折々の器のことなど、ごゆっくりどうぞ。「うつわ歳時記」は、2001年4月1日に開始しました。「今月の表紙」は毎月第一月曜日に、「工房より」は毎月曜日に更新します。 石川県加賀市 橋本薫(おるか)、橋本俊和(オットセイ)

うつわ歳時記

 

 今朝はふと風に秋めいたさわやかさを感じました。もう立秋です。気温は依然として危険な高温ではありますが、朝夕の気配は変わってきました。 古今集秋の部一の藤原敏行朝臣の歌が思い出されます。


   秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 


季節の移ろいは、たしかに風がいち早く教えてくれる気がします。 しかしながらこの夏の暑さは尋常ではありませんでした。すっかり食欲がなくなってしまったので、見た目だけでもカラフルにしようとテーブルクロスを広げました。


 手前の7寸皿にパスタ。ヤグルマギクの模様です。矢車草を大き目のお皿に描いてほしいという御注文をいただきましたので、そのための試作品です。 奥の大皿二枚がその大皿です。皿の深さ、絵も、それぞれ少しづつちがいます。小さな器でも同じにはしません。せっかく一つ一つ作っているのですもの。

 絵の配置が多少バランスを欠いて見えても、その上に盛り付けすることを想定していますから、アンバランスが逆に大胆な盛り付けを呼ぶこともあろうかと、一枚一枚自由に描きます。
 とはいえ、色絵麦わら紋様の湯飲みとぐい飲みでは違うといっても大差ないですけどね。縞模様は九鬼周造の「粋の構造を待つまでもなく、きりっとして好ましい模様です。ぐい飲みには食前酒がはいっていますが、これでグラッパなどをキュッと飲むとたしかに粋かも。


  中央の赤絵竜虎飯碗。見込みには稚竜、外側子虎です。右奥の大きな湯飲みも子虎三匹です。動物を描くのはもともと好きですが、特に幼い動物は描きながらにこにこしてしまいます。


 おや、蜩の声にツクツクボーシが混ざってる。自然はたゆみなく進んでゆきます。炎熱と災害の今年の夏も終わりに向かっているのですね。

 

      テーブルにとどく木漏れ日つくつくし  おるか    

 

2018年8月6日