俳句と、やきものと、季節の話題のサイトです。花や鳥のこと、染付、色絵、赤絵の四季折々の器のことなど、ごゆっくりどうぞ。「うつわ歳時記」は、2001年4月1日に開始しました。「今月の表紙」は毎月第一月曜日に、「工房より」は毎月曜日に更新します。 石川県加賀市 橋本薫(おるか)、橋本俊和(オットセイ)

うつわ歳時記


 十一月に入りました、カレンダーがいよいよ残り少なくなって、やっておきたかったことは、何もできてなくて空は暗くて、つい俯いてしまいそうになります。 そんな時節に新酒,新蕎麦など今年新たな実りを迎えるのは嬉しいもの。 なかでも新米はかくべつです。

 写真奥の八寸皿の上に並んだのは、加賀市の大人気おむすびのお店「銀の飯」のまだ暖かいおにぎりいろいろ。お米は石川県産の新しいおこめ「百万穀」です。左側の色のついているのが、土日限定マイタケバター炒めおにぎり。そして、ちりめん山椒、鳥そぼろ、梅干しおかか,梅、塩など。他にもびっくりするほどたくさんの種類がありました。注文してから握ってくれます。

 写真中央の芙蓉手鉢の中の薄紅色は、お隣のおばーちゃんのおすそ分けしてくださった赤芋茎の酢子です。卯の花和えがまたよく合うの。おばーちゃんの酢子は、ほのかな梅酢のかおりに上品なお出汁の味が、まさに絶品です。

 その右が白菜と金時草の混ぜお浸し、左の人参皿には、鰤の焼いたの柚子添え、手前の子持ち茄子向う付けには走りの甘エビ。白味噌のおつゆをマグ・カップに入れて、その左側は瓢形の豆皿です。

 器はいつも使っているものばかりです。ただ、一番手前の箸置きだけが、新しく作った、来年の干支の子犬なんですが、お箸の陰に顔が隠れてしまっていますね。一匹一匹毛並みも顔も違ってかわいいんですよ。そのうちブログで、おみせいたしましょう。もう十日ほどで上絵の窯を焼くつもりですから、その時他の新製品と一緒に御覧に入れるとしましょうか。

 

     ずぶぬれて犬ころ  住宅顕信  

 

 これが俳句なのか、と思う一句です。作者の境涯と切り離せない作品でしょうね。俳句とは何かと考えさせてくれます。

 私の家から川沿いにしばらく上流へ行ったところに山清水が湧いていています。秋が深まるとともに、水はますます澄んでおいしくなります。道沿いに「熊に注意!」の看板があったりして、深山幽谷の雰囲気が醸し出されています。この間水を汲みに出たら、びしゃびしゃの大きな足跡が川からでたりはいったりしていて「熊!?」と驚きましたが、お隣のレトリバー犬が脱走して川に飛び込んだり遊んでいたのでした。 住宅顕信の句の犬は雨に濡れて悄然としているようですが、犬って本当は水にぬれるの大好きですよね。住宅顕信もきっとただ寂しいというだけじゃない、犬ころとしてずぶ濡れることを、それが自分だとでもいうようにどこかで肯定しているのかもしれません。

 さて今日のお昼は、なんでもない普段のお昼です。 そろそろズワイガニも解禁になるし、鴨池に鴨も来るし、北陸の冬が整ってきます。美味しい冬です。  

 

     おにぎりに日のとどきたる神無月  おるか   

2017年11月6日