俳句と、やきものと、季節の話題のサイトです。花や鳥のこと、染付、色絵、赤絵の四季折々の器のことなど、ごゆっくりどうぞ。「うつわ歳時記」は、2001年4月1日に開始しました。「今月の表紙」は毎月第一月曜日に、「工房より」は毎月曜日に更新します。 石川県加賀市 橋本薫(おるか)、橋本俊和(オットセイ)

うつわ歳時記

立春を過ぎたと思ったら今日はずいぶん暖かです。
このまますんなりと春になるとも思えませんが、たしかに日は長くなりましたね。 長かった暗い寒い冬。「ふゆ」は増えるという意だそうですが、なにが増えるのでしょう。


魔物達かな。だから豆をまいて追い払うのでしょうね。それにしても豆を始め、鰯の頭やら柊の葉やらで追い払われてしまうほどか弱い魔物って、いっそ哀れですね。


    姿ある鬼あわれなり鬼やらひ  三橋敏雄


鬼とは隠、かくれているものという含みがありますから、姿を現した時点ですでに負けている。各地の追儺行事の鬼はみな滑稽であわれです。姿の見えないのが一番怖い鬼。どこにいるのか誰でも知ってるわけですが。


ともあれ、豆は好きなので、何かと使ってみました。 写真手前,蕪と油揚げに打ち豆のおつゆ。豆は煮るのに時間がかかりますが、打ってつぶしてあると、普通にお味噌汁にできます。形状は勿論、叩かれることでたんぱく質に変化が起きるのだろうと勝手に推測しています。昔の人の知恵ですね。


ヒジキご飯にも豆、鱈の塩焼きに添えた野菜もピーナツ他いろいろな豆和えです。右側の馬上盃は、加賀の名産簾麩と豆の煮たの、。豆は包丁でムニっとつぶしてあります。 馬上盃のデザインは少し変える予定です。釉裏の鉄彩を添えようか、どうしようか迷っているところ。御飯茶碗は見込みに稚竜、外側に三匹の子獅子です。魔を払いそうでしょう?


奥の椿尽くし小菓子鉢にお漬物。お隣のばーちゃんの絶品大根漬けです。ばーちゃん、漬物名人でいらっしゃるの。無農薬、無添加、かつ塩分控えめ。すばらしいです。


そろそろ春らしいものを焼くための窯詰め準備に入ります。二月、あっという間に逃げちゃいそうだな。


    追儺の豆押えしは猫の手か   おるか


2019年2月4日