済州島での3日めは、かねてより計画していた「乗馬」と、市内中心部にある博物館や史跡を訪ねるこじんまりした旅をした。
済州島内にはいくつもの乗馬場があり、観光サイトやガイドブックなどにもいくつも紹介されているが、済州市街地から最も近いと思われる「御乗生(オスンセン)乗馬場」へと向かった。ホテルからタクシーに乗ったが、片道15,000ウォン、往復なら1時間半待ってもらって30,000ウォンとのことで、往復でチャーターすることにした。市街地を離れるような時の観光客向けの一般的なタクシーの乗り方のようである。時間は片道15分程度で着くとのことだ。
神秘道路
乗馬場へ行く途中で「神秘道路」と呼ばれる場所を通る。ここは見た目の下り坂とは逆の方向にモノが転がっていくという不思議な場所である。タクシーの運転手も、実際にクルマを停めて、ブレーキを離すと、見た目前に下っている場所なのに後ろに進んでいってしまう。他のクルマや観光バスも同じように停車して、この不思議な現象を体験していた。
乗馬体験(御乗生乗馬場)
神秘道路を通過して10分弱で「御乗生乗馬場」へ到着した。ここはハルラ山の山麓に位置し、山の風景と眼下に海と済州の市街地を眺めることができ、さぞかし気持ちいいだろうと思って選んだ場所でもある。
ここでは日本語のいくつかの単語レベルで分かる若い男性1人の他は日本語は通じないようだが、日本語の案内文を持ってきて、乗馬の条件(4歳以上、体重100kg以下、飲酒者禁止等)を示して確認したのち、乗馬のコースを選択した(15分で25,000ウォン、30分で50,000ウォン)。日本でも相場は1時間1万円程度なので、レートを考えたら決して安くはない。前日のバスからみかけた乗馬場では、自分で手綱を操作できる感じだったので、それを期待して行ったのだが、そこは基本的に引き馬の状態でちょっと物足りなかった。周囲500メートルくらいの丘陵を歩いたり少々走ったりといった感じで、手綱を操作できたのは最後に元の位置に戻る時くらいだった。全くの初めての人にはちょうど良いだろうが、経験のある人には景色は楽しめるが乗馬としてはちょっと物足りない感じがするだろう。しかし相方の待ち時間に景色や馬などを見て自然を楽しむにはちょうどいいだろう。最後に家族で写真を撮ってもらったが、乗馬場の人の撮った写真は額付き(A5版程度)で35,000ウォンと超高い!もちろん、自分たちのカメラでも撮ってもらえたので、そちらは丁重?にお断りした。
体験として乗馬をしたいのなら済州島でやってもいいかと思うが、本格的に外乗をしたいのなら、自分で手綱を操作できるか、きちんとリサーチし、予約なり交渉なりする必要があるかもしれない。今回はタクシーの運転手さんが子守りなど協力してくれたのは助かった。
再びタクシーで市街まで戻ってきてからは、博物館・史跡めぐりへとモード切り替え。以下回った順に紹介。
済州民俗自然史博物館
「済州民俗自然史博物館」は、旧済州市街のほぼ中央に位置し、済州島の地質学的な成り立ちや動植物の種類などの自然の特徴と、人の誕生から死までの行事や衣装、農耕・狩猟・漁業(海女さん)の様子など人々のくらしを展示している。島で最も高い「ハルラ山」は休火山で、溶岩からできた奇岩や岩が多い理由も納得できる。韓国人の女性は昔から働きものだという様子も人形や写真などで展示してあった。
三姓穴
「済州民俗自然史博物館」に隣接している。済州島に初めて住んだ3人の王は、ここにある3つの穴からそれぞれ生まれたとされる伝説がある。この3人はやがて東方から来た3人の姫とそれぞれ結婚し、その後それぞれが山から矢を打って、その打った矢の先の土地を統治したとされている。姫が上陸した浜や、矢を打った山もまた史跡としてそれぞれの場所にあるそうだ。また、この敷地内の別の建物では、日本語のアニメーションでのこの神話の解説や、展示があり、伝説が分かりやすく説明されている。
東門市場
済州市街に2箇所ある市場の一つであり、アワビやサザエなどの高級食材を含む海産物をはじめ、ミカンなどの果物類、衣服や、お土産用お菓子など種類や量も豊富であり、散歩してみるだけでも面白い。特にミカンはスーパーマーケットなどの約半額で買える。
竜頭岩
旧済州市街から歩いて20分くらいの海辺に「竜頭岩」と言われる奇岩がある。火山の溶岩によってできたものである。夕方が特にいい光景になる。
乗馬はちょっと期待外れであったが、市内観光は自然や民俗を知るよい機会であった。また、途中でのんびり地元の食堂で昼食をして新しい発見をしたり、夜は夜で、海沿いであまり観光客が来ないと思われる海鮮料理屋もやはり高いということを知ったりと、自然と文化と商売?を感じる機会となった。