北京郊外の旅(万里長城、明十三陵)

 中国で有名な建造物は数限りないが、なかでも特に有名な「万里の長城」をはずすわけにはいかない。今回は北京市からクルマ(ツアーバス)で2時間程度北にいったところにある「八達嶺」と呼ばれる地区の長城に登ることができた。

万里の長城

万里の長城(八達嶺) 天気には恵まれたが北風が非常に強く、郊外の山間部のせいもあって11月中旬でも完全防備をしないと寒いくらいであった。天気が悪いと雪が降って行くことができなくなるらしいので恵まれていたと思う。天気がよかったため、遠くまで続く長城を見渡すことができ、中国の大きさと「4000年の歴史」の言われるのも納得できた。

万里の長城(八達嶺) 万里の長城の建設が始まったのが秦の始皇帝の頃だそうだが、現在の長城の形になったのは「明」の時代になってからとのことだ。長城はレンガのようなものが積まれて作られており、城壁は幅3〜5メートルくらいの通路のようになっている。所々に小さな要塞のようなものができている。通路となる部分は、平坦なところはスロープ状だが、斜面がきつくなると階段になっている。場所によっては非常に急な階段となり、登るのも大変だが、降りるときは手摺りを使わないと転げ落ちそうで心配なくらいだ。
 この万里の長城は世界遺産に指定されているのだが、少し前までは中国の中で、観光地・貴重な世界遺産という概念はまったくなく、普通の中国人がレンガを盗んで家をたてたりしていたと聞き、びっくりした。
寒いながらも観光客も多かった。軍の制服を着た集団を多数みかけた時はちょっとどきっとしたが、この日は日曜日だったこともあって、どうやら職務としてではなくて、休暇として来てるようで、互いに階段を競争で登りあったりしてはしゃいでいた。その他の観光客はほとんどが中国人と思えたが、なかにはロシア語っぽいのも聞こえてきた。

感動のあまり号泣!? 長城では強い風が容赦なく吹きつけて寒いばかりでなく、砂ぼこりを巻き上げているのでコンタクトレンズの人は特に要注意!(私も感動のあまり(!?)30分くらい泣きはらしてしまい、せっかくの記念写真も目の周りが真っ赤に腫れていた)

登城記念メダル 所々でみやげ物屋が並んでいるが、万里の長城登城記念のブロンズメダルに日付と名前を刻印してくれるというのを購入した。裏面は干支の中から選べるようにもなっていたので私の干支に合わせて選んだ(20元)。


明の十三陵

定陵 午後からは明代の皇帝の墓が多くある「明十三陵」へと向かった。ここも北京市の北西郊外にある「天寿山」の麓で、明の3代皇帝から17代皇帝のうちの13人の皇帝の墓がある場所で、風水的に適した場所であることからこの地が選ばれたそうだ。現在は13の墓のうち「長陵」、「昭陵」、「定陵」、そして「神道」が一般公開されており、なかでも地下宮殿が公開されているのが「定陵」だけでだそうだ(写真左)。
定陵入口地下宮殿は地下30メートルくらいのところに幅5〜6メートル、長さ20メートル、高さ5メートルくらいの王墓用の部屋、それと同じくらいの皇后の墓の部屋と地下の玉座の部屋などがあり、この時代にすでに土木の技術が発達していたことに感心してしまう。これらは埋葬されたのちに塞がれて場所も正確にわからなかったほか、内部の扉が内側からロックされるように作られていて開けるのも大変だったそうだ。
神道 また、これらの墳墓群へは「神道」と呼ばれる通路を通る(※クルマはこの脇を通りぬける)のだが、その道の左右にはラクダや馬、象などの獣や人像が並んでいるところがある。これらを配置した理由はわからないけど、ほとんど実物大?と思われる大きな彫像をこれだけの数(24動物+12人物)を精巧に作り出していることに驚くばかりである。


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