作業日誌  2004_10                                  トップにもどる

作業日誌 過去ログ


2004(H16)

12/31(金)曇り後雨カラタチバナ(十両)

 朝の内 細々とした片付けをして正月を迎える準備も
 ほぼ終わった。
 ビニールハウスに入り草を摘んだり鉢物を移動したり
 どうでも良いような作業を少し。
 今日は来客もほとんどなく静かな大晦日となった。
 天候が悪く皆さんも家の中でゆっくりすごしているの
 かもしれない。
 午後からは本降りの雨となってしまったので、テレビ
 を観ながら炬燵でゆっくりとしてしまった。
 普段テレビはあまり観ないものだからバラエティーや
 情報番組の内容も浦島太郎だ。
 話題のマツケンサンバも紅白の中で初めて見た。
 腰の振りもなかなかのもの。吉宗が見たらこれが俺かと眼を◎×△●したかもしれない。
 今年一年お世話になり、ありがとうございました。皆さん良いお年をお迎えください。

 

12/30(木)晴れ

 掃除雑用他
 「空は晴れても」底冷えのする今日一日であった。どの家も正月を迎える準備で忙しそうだ。
 毎年繰り返される年末の風景だが、活気があって楽しい。
 他の人と同じ事をしているというのは安心感があるのだろうか 来る年への期待とも相まって
 一種の華やぎのようなものを感じる。
 午前中近くのガソリンスタンドで洗車をする。トラックは一年に一度しか洗わないのが常である。
 ワックスも掛けなくなったのはいつからだろうか。車は大事に使っているから年数の割には
 程度が良い。だが10年を過ぎてくると流石に手入れも疎かになる。
 大暮れの今頃はスタンドでの洗車が込み合うのがいつもの事だが、今日は閑散としていて
 拍子抜けしてしまった。昨日が雨だったし明日もまた雨になるらしい。天気の良い今日が
 最後のチャンスなので込み合うものと覚悟して来たのである。
 今日は家の掃除かたづけなどもして、それなりの体裁を整える。よその人も入れ替わり来て
 その度にお茶事になったりで暇なような忙しいような先ずは平和な年の暮れであった。
 いろいろありながらも人様と同じようにその時々の時候を共有する。これも幸せと言うもの
 なのだろう。

 

12/29(水)雨

 雨で作業は休み
 明け方から降出した雨はひと時も休む気配も見せず夜まで続いた。冷たい年の瀬の雨である。
 午後からは雪も混じり寒気も強まった。
 午前中は買物があり、スーパーやホームセンターを廻った。この荒天に関わらずどこも人出があり
 賑わいを見せていた。午後からは銀行と郵便局そして仕事仲間や友人宅への所用を済ませる。
 夕方まで来客や親戚が来たりと慌ただしい終日となった。この天候だから余計に忙しなく感じた。
 外は寒くとも、家に帰ればストーブあり炬燵ありで天国だが、日程的に今日を休めぬ植木屋さんも
 多かったに相違ない。手足も感覚を失うほど痺れる寒さの中、本当にお疲れ様でした。さぞ熱燗が
 五臓六腑に染み渡り、生気を取り戻したことでしょう。
 今日の悪天の下、ホームレスを思う。インド洋周辺国の津波の大惨事を、未開発国の貧困を思う。
 貧者の一灯と言うもはばかれるほどのもので事済ますも恥ずべきなるも他に術なき身上も虚し。
 以前、こんな私もボランティアなるものを経験させて頂いたことがある。県知事委嘱の、青少年を
 対象とした啓蒙活動の一端を担うものだったが、所詮はお役所のお仕着せ活動で、費用対効果の
 検証を待つまでもなく、形骸化した予算消化のセレモニーへの参加者よろしく、実態を把握すれば
 苦々しい後味を噛み締める思いだけが残った。
 今はNGOなど独自にダイレクトに対象に関わる事が出来る組織が主流となりつつある。極めて
 有効な手段足り得て期待が持てる。サポートする側も自らの判断での選択が可能で納得のいく
 形態である。単に政府自治体公的機関の補完機能との位置付けは当らない。グローバルボーダ
 レスの草の根パワーが時代をも政治をも動かす可能性を秘めている。

 

12/28(火)晴れたり曇ったり

 マツの仕立て
 流石に少し冷え込んだ。この冬初めての氷を見た。
 自宅に確保してあった植木を仕立てるための竹が不足したので、昼休みを利用して資材屋さんに
 買いに行った。一般の垣根用に使う太さの竹はあったのだが、それより細めの竹が売切れていて
 困った。次の入荷は正月十日過ぎだと言う。仕方が無いので、垣根用の20本ほどに束ねられた
 ものを買って帰った。そろそろ仕事終いだし、この垣根用の物の先端の方をとりあえず代用として
 使う事にする。植木を仕立てるには、この他、孟宗竹の太いものから篠竹の細いものまで様々だ。
 枝折り竹あるいは躾竹と呼ぶが、植木の仕立てには欠かせぬ材料のひとつである。
 意外かもしれないが、この竹までが現在では輸入物である。主に中国から入ってくるようで
 そう言えば中国南部は竹山が多い。20年以上前になるが、香港では超高層ビルが孟宗竹の
 足場を組んで作られているのを目撃して驚いたことがある。あの衝撃、違和感は今も脳裏に
 焼き付いているが、現在でもそうしているのだろうか。
 そう言えば、都市造園で竹が再び脚光を浴び始めているとは先日のニュースである。
 近代的なビルと竹は妙にマッチするらしい。あまり大きくならない孟宗竹も改良されている。
 植木としての竹も構造物素材としての竹ももっと見直しされても良い造園材料である。

 

12/27(月)晴れ

 ゴルフに行き仕事は休み
 あ〜仕事が忙しいの、あ〜休みが欲しいの、あ〜金がないだのと言っていたのは誰だろう。
 センセイも走り出すこのクソ忙しい師走も追い込み時にゴルフとは何ぞやと疑問符付きの貴兄も
 忙中閑ナシの誰かさんとも思えぬ所業にアキれるやら肩透かしを喰わされるやら・・お察し申し
 上げますが、何と言うかその・・出来心と言うものなんでしょうきっと。
 今頃になって、そう言えば今月はゴルフをしていないと気がついて浮浪連中を掻き集め出かけたの
 である。自家業のメリットを最大限利用して非日常の狂気の世界に身を委ねたのであった。
 ゴルフは如何に自分をコントロール出来るかである。忍耐の勝負なのだが、これは私が最も
 不得手とする分野なのだ。走った後で考えるタイプの私は、緻密な思考力が乏しいので、いつも
 痛い目を見ることになる。バカは何度も同じ失敗を繰り返す。学習能力が低いのは歴然としている。
 だからいつまで経っても「ヘボ」の冠が外せない典型的なアベレージゴルファーなのだ。
 年の瀬というに、ゴルフ場はそこそこのお客さんがいる。老若男女取り混ぜてかまびすしい。
 こんな時期に遊んでいる人達の気が知れない・・・と、自分たちを差し置いて訝しげに見る。
 黒松の多いゴルフ場である。元々利根川の河川敷であったところで、内側に新堤防が築かれて
 有用地として生まれたものである。サッカーの鹿島アントラーズの本拠地にも程近い。
 鹿島灘から続くこの地帯は防風樹として黒松が古くから植えられ海岸沿いを中心に一大景観を
 なしていた。しかし20年ほど前からのマツクイムシの影響で、一時は松山が真赤に染まって
 見えるほどに被害が拡大していた。更に鹿島工業地帯の進展とそれに付随する宅地化の波の
 中でかなりの松林が消失した。今は名残があちこちに点在すると言ったほどまでに減少した。
 ずっと以前に、この地方の黒松を庭木にするために沢山千葉に運んだ事がある。
 鹿島松として一時期名を馳せていたことがあったが、今でも正月の松飾として苔の生えた
 活け花用の松の枝が東京に向けて出荷されていると思う。
 我々植木屋は山の黒松を物色し、持ち主の家を探して譲り受け、それを根回しして1〜2年後に
 掘り取って持ち帰っていた。大袈裟に言えば、一時期は千葉の植木屋でこの地が溢れ返った。
 それほど松に限らず植木という物が高く売れていた時代であった。

 

12/26(日)晴れ一時曇り

 マキ塀の刈り込み
 ったくもう・・・いくらも荒れてないじゃあないかと、ぶつぶつ言いながらも自宅の槇塀を刈り込む。
 秋芽が少し不揃いに伸びているが塀の形そのものはしっかりしていて、よそ様に笑われる程には
 乱れていない。家にはテンノウヘイカがいて、その命令は絶対なのである。
 そんな訳で、正月を前に庭の掃除をする事になったが、世事に疎い私は何かのケジメをつけると
 いった事に鈍感である。子供の時から何となくぼんやりと育ってきたから、他人あるいは世間と
 いう存在をあまり意識せずに生きてきた。関心が薄いといった方が適切かもしれない。
 芸能人がどおの、隣のカアチャンがどおのと言う話は苦手である。自分にしか関心がないかと
 言うと、そうでもない。人間そのものに興味が湧かないかと言うとそうでもない。
 そうでもないが、植木と向き合っている時が一番気が休まるのである。
 去年だったか「人生を半分おりる」だったか、そんな本を読んだが少し面白かった。タイトルに
 惹かれて読んだが、その通りの内容だった。趣味のようなものを仕事にしてしまった私だが
 これは良いようであって、実は一番厄介な人種なのだそうだ。
 そー言われればそんな気がする。どんどんのめりこんでしまうから、大切な周囲が見え難くなって
 しまうのだろうか。
 そーでもない。私は「半分」シラけていますから周りは良く見えると思っている。長い事植木屋を
 やっていると飽き飽きすることもあるのです。あーウエキのない国に行きたいと。
 何をやっても中途半端で終わる人間はついに何も見ずに終わるのだろう。浮気性で欲の深い
 私は、もっと何かあるはず、もっと良いものがあるはずと、ひとつの事に集中できない質である。
 いつまでも自分探しをしているようでは駄目なのだと、ラジオでミウラジュン氏が言っていた。

 

12/25(土)曇り後晴れ

 マツの仕立て
 以前は大きな植木もずいぶん造った。たった一本の枝を曲げるのに二日も三日もかかったことも
 よくあった。太い枝は曲げる下準備も大変。枝折れを防ぐために、最も折れ易い部分に稲藁を
 薄く包むように着せ掛ける。その上から荒縄をタイトに巻き付けてゆく。時間のかかる作業である。
 枝の太さのみにあらず、古さや粘りそして角度も計算に入れて、時には竹を細かく裂いて薄くした
 ものを着せ掛けて縄巻きすることもある。
 このように防備した枝を荷締め器やチェーンブロックを使用して少しずつ下げてゆく。
 目的の位置まで一期に下げてしまうと折れる確率も高くなるから時間をかけて少しづつ少しづつ
 下げるのである。中には一週間というのもある。盆栽のように一年二年もありの世界なのである。
 マキの太い枝はノミ(大工さんのノミのようなもの)を使って割り込む。縦に幾筋もの割り込みを
 入れる。比較的細い枝なら十文字に割る。そのまた中間を割ってゆく八つ割り。更にそのまた
 間を割ってゆくなど、枝の太さに応じて様々である。
 直径で20cm位の枝だと曲げ始めるまでの下準備だけでも半日は有に掛かるのだ。
 ノミを入れた枝は真直ぐに下げると折れてしまうので捻りながら(枝を回転させながら)下げなければ
 ならない。これがまた大変な作業なのだ。細い枝なら人間の手でくるっと回せるが、太い枝では
 上記の機械を使ったり、ロープを何本も張ったりする。テコの原理を応用することもある。
 曲げる枝から更に子枝が出ているが、それらを利用してテコ棒をうまく絡ませて捻ってゆく。その
 子枝がテコ棒の力によって折れる事もあるから、その用心も前もってしておかなければならない。
 三人がかり四人がかりでの仕事となる。ノミの入った枝は一期に曲げる。枝は「手術」されているので
 短時間で仕上げる必要がある。一旦曲げ始めたら元に返す訳にはいかない。樹皮の繊維質が
 雑巾を絞った時のようにラセン状になるので、回したり戻したりしていると形成層を切断してしまう
 のである。
 ノミの入れ方にも技術がいる。枝に縄巻きするにも右巻きが良いか左巻きが良いかがあるが
 これは枝を右回しにするか左回しにするかによって決まってくる。ノミを入れた時にどのような
 方向に割れが走るかによって回転させる方向が決まってくるから連動する作業なのである。
 そうやって苦労して曲げた枝を、今度はどのように固定させるかも技術がいる。単に下げた枝で
 あれば簡単だが、枝を回し込んであるので一工夫が必要なのだ。
 こうやって、一枝一枝を作り込みながら全体を完成させてゆく。気の遠くなるような作業である。
 手間隙をふんだんに掛ける。これは人件費が高い現在では余程特別な木であるか、道楽でも
 なければ実行できないのが現実であり、今となっては古い時代の夢のような物語である。

 

12/24(金)晴れたり曇ったり

 マツの仕立て
 今日は一日を通して気温が上がらなかった。朝の外気温は2℃であった。
 風がほとんど無かったので厳しいほどの寒さではなかったが地下足袋を通して足指が冷たい。
 枯葉を取るだけの単純な作業だった松の手入れも終わって、今は仕立ての仕事をしているが
 これとてそれほど緊張感のある作業ではない。第一、木が小さい事。高さは2mほどのものが
 多く、梯子を2〜3段上れば済んでしまう。危険性もない訳だ。第二に、金額が張る上物ではない
 ので神経も使わない事。木が若いので枝を曲げても滅多に折れる事がないので気楽なのである。
 苗木の時から形を整えてきているので原型が既に出来ているので難しい事もない。付いている
 枝をそのまま下げて玉造りすれば良いのである。これらの理由により緊張感の無いだらりとした
 仕事振りとなってしまうのだ。おまけに将来高値で売れるという期待感も現状では持てないので
 張合いもない。気が抜けた状態と言うのは逆に疲れるものである。人間はやはりある程度の
 緊張感をもたないと心身ともに堕落するのであろう。凡人が楽をしてはいけないのだ。


 

12/23(木)晴れ後曇り

 コニファー掘り マツの仕立て
 朝は大分寒くなったが、それでもまだ例年より暖かい気がする。寒暖計が5℃だったから
 冬本番とはまだ言えそうもない。
 頼まれていたコニファーを朝から掘る。今日も少量なので10時前には終了した。
 このところまとまった雨が無く、畑は少し乾き気味であった。天気は完全な冬型に入ったようで
 この先も晴れの天気が続くようだ。

 

12/22(水)曇り後晴れ

 除草剤の散布
 師走も今頃になっての除草である。これは珍しい事であり、この時期にしては気温が高いもの
 だから例年になく雑草が青々としている。夏場と違い短期間で繁茂してしまうことはないのだが
 放置すれば種をこぼしてしまう心配もあるし 幾分気になるので除草剤を掛けることにした。
 草の生え方も比較的まばらで背も低いので簡単に処理できる。午後4時頃に終了できた。
 今日は風も穏やかで除草剤の散布には適した日和であった。ミスト機から伸びる40mのホースを
 引いて歩くので少々面倒なのだが、力仕事でもなく腰を屈める仕事でもないので体の疲れは
 それほどでもない。それでも終日畑の隅々まで歩き廻るので気疲れして、終わると流石に
 ほっと一息つくのである。
 この除草剤の効果が現われるのは一週間から十日ほどかかる。夏場であれば翌日にはもう
 雑草の葉が変色するのだが、今の季節は長い期間変わらないので薬剤が効いたのかどうか
 心配になるほど青々としている。

 

12/21(火)晴れ後曇り

 マツの仕立て一子ワビスケ椿
 赤松黒松の手入れもほぼ終わり今日からマツの仕立てを始めた。
 「仕立て」とは長い年月を造形樹(枝物)を造るために枝抜き等を
 繰り返して幹に模様(曲がり)をもたせたり枝振りを調整したりし
 て養生を重ねた木を竹やシュロ縄を使用して最終的に形造るも
 のである。マツやマキが代表的なものだが、キャラ ツゲ ヒイラギ
 モチノキ チャボヒバといった樹種でも造られている。
 植木職人の伝統的な技術だが、その職人によって様々な技法と
 特徴がある。長年の経験と勘と技術があいまってさまざまな
 造形美を生み出している。職人の腕の良し悪しにより仕上がりは
 まったく違ってくるので、誰にでも出来る仕事ではない。
 ではあるが、「それらしきもの」を造るのなら誰にでも出来るので
 ある。そんな訳で、この私もやっているのである。私の師匠は
 この造形職人の天才と言われている方で千葉県の伝統樹芸士
 して名を馳せている不世出の名人である。この方の私は何番目かの弟子であるのだが
 生まれつきの不器用で親方の足元にも及ばずに落第の印を押されて今日に至っている。
 この親方、とてもユニークな人柄でエピソードも多い。いつか時間があれば雑記帳の方に
 書いてみたいと思っている。思っているが中々書けないでいる。
 仕立ての様子もいつか写真をUPしようと思っている。思っているが・・・。
 で、今日は今が盛りのツバキで一子ワビスケをご覧いただきます。去年も載せたかもしれません。
 藪ツバキとは全く違います。非常に繊細な花びらです。純白の芯がこれを際立たせます。
 世の中には美しいものが沢山あるものですが、これもそのひとつと思えます。白ワビスケとは
 また違った味わいです。春咲きの紅ワビスケとは比較にならないほど高貴な感じがします。

 

12/20(月)曇り

 AM 雑用 PM マツの手入れ
 朝方は霧雨状態で、昨夜の小雨も葉を濡らしている。ここぞとばかりに雑用を捌くことにした。
 お客さんのところにお歳暮を届けたり売買の清算に伺った。
 お茶などをごちになっているとついつい時間が経ってしまう。伺うお宅によって植木屋さんもさまざま
 であることが透けて見える。景気の悪いのは共通しているのだが、それぞれのお宅によって若干の
 ニュアンスの差が出ていて面白い。販売は落込んでいてもそれなりの利益は獲得している人もいれば
 売上げはまずまずだが経費倒れだと言う人もいる。日銭の入る方向に転換しようとしている人もいる。
 中には開き直って、安売りはもう止めると豪語する者もいる。みんなそれなりに努力している事が
 よく分かる。もう泣き言を言っていても始まらない事を実感していて、否が応でも前向きにならざるを
 得ないといった心境のようだ。
 これは良い事である。何も努力をしなくてもお金が入ってくるような景気の良い時より、人間として
 謙虚で向上心が湧いて、逆境の時こそ人間性を培うチャンスでもある。
 生きて行く事は戦う事である。戦うには前を見なければならない。前を見れば望も湧くだろう。
 泣き言ばかり言っている自分が恥ずかしい。恥ずかしいから今日はこの辺で・・・。

 

12/19(日)晴れ後曇り

  マツの手入れ コニファー ツバキ掘り
 午前中はコニファー(エメラルド コルムナリス アルミゴールド)を掘り上げる仕事をする。
 クリスマス需要だろうか、何れも小さなサイズのものである。花屋さん関係の注文だろうと思うが
 最近このような1m未満の注文が時々来る。ツバキは茶花用のもので、こちらはその筋の方の
 所望であるらしい。
 このところの暖かい気候を反映して春咲きの椿が花を咲かせている。例年だと狂い咲きだと
 笑っていられるのだが、どうもそうしてはいられない気配が漂い始めた。咲き始めた花の数が
 結構多いのである。このまま冬を通して咲き続けて春を待たずに咲き切ってしまうのではとの
 不安もよぎる。白花マンサクも花が目立つ。生ものは兎角扱い難いものである。

 

12/18(土)晴れ

 マツの手入れ
 日中は相変わらずの暖かさで、私のこれまでの記憶にない師走の気候である。
 それでも朝晩は冷え込んで、昨夜初めてストーブを焚いたのだった。例年より半月以上遅れての
 使用開始である。そんな陽気だから冬物衣料はすでにバーゲンセールなのだそうだ。早くも春物の
 売出しが始まって、おいおい一体どうなっているのだと。それでも何でも売れれば良いのだから
 季節がどおのとの固定観念は無用である。春物がだめだったら来年の夏用を売り出せばよい。
 更に秋物はどうか。ええい、こうなったら来年の冬物を売り出してしまえ、今が買い時だ〜っと(^^)。
 衣料業界の方々には申し訳ないが、私はめったに衣類は買わない。お洒落して出かけるなんざ
 まずないこと。ここ何年も背広も着たことがない。フォーマルは結婚式と葬式と法事。
 一年340日位は作業着である。田舎だからちょっとした買物や用足しもそれで済ます事が出来る。
 他所行きだって20年前30年前の物を着ている。有難い事に体形はほとんど変わっていないから
 生まれつき経済的に出来ているのだろう。貧乏は貧乏なりの天の配剤があるのかもしれないが
 こう見えても実は私はお金持ちなんである。子供の頃からお金の苦労は一度もしたことがない。
 裕福な家庭に生まれ育ったから、いわゆるお坊ちゃま育ちなのである。品の良さは折り紙つきだ。
 欲しいものは何でも買い与えられた。食べ物も高級なものばかり食べてきたから今では食べ飽きて
 逆にシンプルな食材を常食としている。納豆、豆腐、卵、梅干が大好物である。それは衣類とても
 同じ事。作業着が体のためにも一番良いのである。
 「衣は人なりだ。着物には金を掛けろ」とはロミ&ジュリだったか。だが、敢て私はお洒落をしない。
 何せ顔が顔だから、これでお洒落でもしたらヨン様に間違えられてもいけない。辛いところだ。
 だから本当は「植木農家」も世を忍ぶ仮の姿なのである。金も地位も名誉も私はいらない。
 「♪ワタシャも少し背がほしい〜・・・」 オヤジには懐かしいが、若い人には?なギャグです。

 

12/17(金)晴れ

 マツの手入れ
 寝不足のためか、仕事中も体がだるい。気温も暖かいし緊張感のない作業なので肉体も神経も
 怠惰を貪って緩みきっている。マツの枯葉を取るだけの単純な作業なのでバ○でも出来る。
 だからこうして○カがやっている。平和とは貴重なものだが退屈なものでもある。
 平穏の中に身を置いていると体の中が腐食してくるような居たたまれない気持ちになるのだ。
 何かに急かされるように生きてきた。いつも何かしら苦労を背負込まないと生命観の充実が
 得られない性分である。こんなのもMなんて言うんでしょうかねえ。
 梯子の上でぼんやりとすることもある。飛行機が隊列を組むかのように次々と着陸してゆく。
 田畑の風景も輝いて素晴らしい。長閑な昼下がりである。
 俺は今こんな所で何をしているのだろうと今だ青い心が問いかける。
 欲求不満が蓄積して溜息と独り言が交差する。張りつめた気持ちでいれば余計な事も考えずに
 すむ。何事も追詰められなければ本領を発揮できない普段は他力本願型である。

 

12/16(木)晴れ

 マツの手入れ
 気温がどんどん上がって春本番のような陽気である。一枚二枚と脱いでスポーツシャツ一枚で
 夕方まで作業が出来た。
 マツの手入れも終盤で、現在では第3圃場のものを手入れしている。昨日の雨で枯葉が湿気って
 しまって手入れもやりづらい。乾燥していて枯葉がパリパリしている方が落ち易くて作業は楽である。
 この畑の南側で工事していた高齢者特別養護施設も先日完成して開所式も終わった。一方北側の
 畑に建設していた養鶏場も時を同じくして完工し操業が始まった。この第3圃場を挟んで4m幅の
 農道にそれぞれが接している。4m幅と言っても、実質の舗装面は3mなので車のすれ違いは
 不可能である。これまではほとんど車の通行がなかった道だが、この二つの施設の開業で俄かに
 車の往来が多くなった。これではこれまでのように農道にトラックを止めて植木をクレーンで積込む
 作業も出来なくなる。何でこんな辺ぴな場所にこんな物が出来るのかと恨めしくもある。
 近代的な養鶏施設だが早くも鶏の独特な臭気が漂っている。地域住民に反対されながらも強行に
 建設された曰くつきのものだ。
 この町には養鶏場が多い。養豚施設も肉牛施設も結構あって付近の住民は困り果てている。
 それでも田舎の人は行儀良く耐えている。都会地であったらこうはいかないだろう。
 田舎は本当に環境が悪い。都会の方が余程環境が良く思えるが、違うだろうか。

 

12/15(水)曇り後雨

 マツの手入れ 雑用
 朝から雲が低く棚引いて雨の気配が濃厚だ。予報では朝から雨と言っていたが、その時に降って
 いなければ畑に出るのが習性のようなもの。すぐに降出してもおかしくない状態だったが、それでも
 11時近くまではもった。ポツポツ雨が本降りとなり急いで帰宅したのだった。
 午後に昨日入院した義兄を見舞った。CCU内で点滴に繋がれて一人でベッドで所在無げにしていた。
 私が入ってゆくと急に元気になりぺらぺらと喋り出した。10日ほどは入院だそうで、覚悟は決めたらしく
 酒もタバコもこれを機にやめるなどと威勢がいい。どうせ今だけの言葉なのでこちらも聞き流していた。
 医者には大分脅かしを言われたのだろうが元気そうだったので、こちらも少し安心した。
 病院を出て銀行に行ったり買い物をしたりして帰宅した。その後支払いに数軒廻ったりしているうちに
 夕方となってしまった。雨でも降らなければ雑用もなかなかこなせない。今日のような日はここぞと
 ばかりにいろいろと仕事以外の事をかたづけなければならない。晴れた日にふらふらと出歩いては
 いられない身分である。本当は雨の日くらいゆっくり家で静養したいのだがそれも許されないのが
 現実。なんでこうも時間に追われるのかと嫌にもなるが、これも持って生まれた運命なのだろうとの
 諦観がどこかにあり、生あるとはこういうことだとの認識も長い間には学習させられたのだった。
 自由とは義務の甘受の中にこそあると、誰の言葉であったか、サンテグジュペリが「夜間飛行」の
 冒頭で書いていた。その言葉に自由と言うものに渇望していた若い日の私は感じ入ったのであった。

 

12/14(火)曇り

 AM マツの手入れ PM 親戚の手伝い
 曇り空が夕方まで続いてしまった。北風が幾分冷たいが、これで平年並みの気温だそうである。
 午後からは急遽、親戚の手伝いに行く事になった。私の姉の嫁ぎ先で同じ町内の植木農家である。
 畑で松の手入れをしていると、姉から連絡が入り、旦那が心筋梗塞で緊急入院となってしまったと言う。
 病院のCCUに入り絶対安静状態との事。本人は痛みも取れてあっけらかんとしているのだそうだが
 心臓病は恐い。急にドカンとこないとも限らない。治療は医者任せだから周囲はどうしようもないが
 困ったのは仕事の方で、千両の鉢物の注文が千数百本もあり、その出荷準備の最中だった事である。
 そんな訳で午後から手伝いに行ったのであった。他の親戚が一人と近所から一人応援に来ていた。
 既に鉢上げしてある千両をトレーに詰め込む作業だが、5寸鉢の物を1トレーに8鉢、6寸鉢の物を
 1トレーに5鉢それぞれ入れ込む。単純な作業だが数量が多いので大変だ。病院から姉も帰ってきて
 4人で頑張った結果、夕方には何とか終了できた。明日の出荷だからどうしても今日の内に準備を
 終わらせなければならなかったので焦った。ハウス内の作業だったので今日のような曇り空の肌寒い
 日には環境的には良かった。
 さて、姉の旦那だが、ちと酒が過ぎるのである。おまけに糖尿病の宣告をうけている。
 仕事も忙しいし、時節柄忘年会もあって疲労が蓄積していたのだろう。昨夜胸の痛みを訴えて
 今朝近くの診療所に行ったら、ここではどうしようもないから総合病院へ行けと言われたそうだ。
 痛みの治まった本人は無自覚のうちに車を運転して病院へ行ったのだが、即入院を言い渡されて
 びっくりした。家に電話も掛けさせない。病院の方で連絡するからいいと言われ、車椅子に乗せられ
 歩行も許されない。当の本人が一番驚いたのだった。それほど危なかったのだろう。

 

12/13(月)晴れ

 マツの手入れ コニファー掘り

      冬晴れの田舎町 冬の第4圃場

 上の写真左は第4圃場から見たわが野栄町(のさかまち)です。遠くに見える建物は
 町役場や小学校です。写真左は現在の第4圃場です。

 

12/12(日)曇り一時雨

 AM マツの手入れ PM 雑用
 朝から曇り空で北風も冷たい。予報は下り坂で、それでも午前中いっぱいは何とかもった。
 午後になってすぐに小雨が降出してしまって、梯子を撤収して帰宅した。
 2時間ほどで雨は止んだが木が濡れてしまって仕事にならないので、お客さんのところに
 お歳暮を届けたり清算に行ったりした。

 

12/11(土)晴れ

 マツの手入れ
 今日も暖かい。空気がぼやけて薄い靄がかかったように感じられる。冬とは思えない大気の様で
 春の空の様相さえ呈する。
 畑の雑草も青い。まるで春の瑞々しい野草を思わせる。
 気温が下がらないものだから、本来は春に咲く花木も一部では咲き始めてしまった。いわゆる
 狂い咲きで、これも傍目には情緒のひとつだが、これを生活の糧にしているものにとっては
 大げさに言えば死活問題である。ツバキ 白花万作 沈丁花など春にお金になるはずの植木が
 今の時期に咲いてしまっては困るのだ。春になって蕾のない花木など誰も買ってくれない。
 それでも、そんなに心配は要らない。すべての花が咲き切ってしまったという事例は今までに
 ないので、幾分蕾の数は減っても大丈夫なものなのだろう。風情を楽しむと致しましょう。

 

12/10(金)晴れ

 ドラセナの配達
 昨深夜降出した小雨は明け方には止んだ。昨夜の予報では今日一日中ぐずつき模様の
 天候であったから雨合羽での作業を覚悟してきたが穏やかに晴れて暖かくなってしまった。
 一昨日に続いて茨城のお客さんのところにドラセナを運んできたのであった。
 雨だと言うから布地の地下足袋は持参せず 替わりにゴム製の地下足袋を持ってきてしまった。
 これは密閉性が高いから晴れた日には蒸れてしまう。冬場の短時間の仕事だから何と言うことも
 ないが、これが暑い時であったなら悲惨極まりない。しかし予報が良い方に外れたので
 億劫な思いをせずに済んだので幸運であった。
 私の家から、ここ茨城県結城郡石下町までの道筋を少し紹介。
 自宅から成田空港までは30分程。国道296で空港の近くまで行く。その空港のど真ん中を
 突っ切って走ると国道295となる。成田市街からは国道408で茨城県つくば市の研究学園都市
 まで走る。ここまで1時間45分。そこから左折して国道354に入り水海道市に至る。そこを
 右折して国道294に入る。この道を15分ほど走ると石下町に至る。という道順である。
 所要時間は2時間15分位で、これは早朝にトラックに植木を積んだ状態で走った時間である。
 距離にして110km程だろうか。5本の国道を走り、その間126、51、6等の国道がクロスする。
 行程のほとんどが国道なのでとても分かり易い。道路整備も年々進み、一昔前には想像できない
 位に走りやすくなっている。バイパス路の新設、右折専用線の拡幅、立体交差建設など、地方に
 住む人間にとって道路が良くなる事は本当に有難い。それは単に移動時間の短縮にとどまらず
 地域の土地の有用性を高め、人と物の往来による経済波及効果の増大、そして何より道は
 明るい未来に通じているように感じられて、人の心に夢や希望を沸き立たせる不思議な魔力を
 有しているようだ。道路建設には社会の厳しい眼が注がれるようになった。田舎の人間には
 道路環境の整備が切実な願いとしてある。道路一本で確実に地域が明るくなる。明るくなるとは
 地方に住む人間の気持ちが豊かになり幸せな気持ちになれるということでもある。

 

12/9(木)曇り

 マツの手入れ
 どんよりと曇って北東風がやや強く吹いて肌寒い。昨日が季節外れとも言えるほど
 暖かかったので、その落差に途惑う。それでも例年の今頃の気温に比べれば、
 まだ温かいほうではないかと思う。12月中旬に入ろうとしている今、ストーブも焚かない部屋で
 パソコンを打っていられるのだから、これまでにはなかった暖かさであろう。
 夕方に仕事仲間が来てだべっていった。忘年会の話だが、中々期日が決まらない。みんなの
 意向を訊いていると、まとまるものもまとまらない。一方的に決めてしまえと言う事になった。
 今年は植木組合の忘年会がない。これまで毎年の恒例行事だったが、どうしたことか今年に
 限ってとりやめとなった。多分予算的な事由に因るのだろう。行政側からの補助金も年々カット
 されている。組合で請け負える緑化工事もほとんどなくなってしまった。そんな訳で収入を得る
 手立てがない現状では組合活動も自ずから停滞気味となってしまうのも頷ける話である。
 ある程度の人数が集まる忘年会は例年だと4〜5会あるのだが、今年はまだ一つしかない。
 これから幾つかの予定はあるのだがはっきりとは決まっていない。この景気では忘年会も
 低調な様相だ。でも不景気の割にみんな忙しそうだ。どうなっているんだ。

 

12/8(水)晴れ

 クロマツの配達
 久しぶりに早起きして茨城のお客さんのところまで昨日掘り上げたクロマツを届けに行った。
 庭造りの現場に直接運んだのだが、立派なお屋敷であった。と言うより、新築でまだ工事が
 完成前の状態でいろいろな業者さんが仕事をしている。敷地面積1000坪で家屋が140坪の
 いわば豪邸である。今月25日の完成引渡しを前に最終的な工事をしている。職人さんが
 30人も動いているそうで、そんな中で庭造りも同時進行なのである。20トンのラフターが来て
 石組みの最中であった。大きな植木ももう沢山植えられている。建物は和洋折衷的な外観で
 庭は南側が洋風の庭に北側が和風の庭になるようだ。屋敷の北側と西側がぐるりと建仁寺垣で
 囲まれていた。孟宗竹とアカマツ、モミジ等が既に入っていた。私の運んだクロマツもこの北側の
 庭の何処かに入るようだ。大掛かりな工事で、造園屋さん曰く、これだけの仕事は中々出るもの
 ではないと。お金と言うものは、あるところにはあるものだとの言葉が頷ける景色であった。

 

12/7(火)晴れ

 AM ドラセナ掘り他 PM クロマツ掘り他
 昨日やり残した株立ちのドラセナをもう一本掘った。このドラセナは我家の植木ではなく
 同業者から買ったものである。お客さんのところに届けるのだが、早い話、手間請負の
 ようなものだ。自分の仕事が忙しいので、このような仕事はしたくないのだが私が斡旋した
 植木なので行き掛かり上やらざるを得なかった。手間賃としては魅力あるものなのだ。
 畑で植木生産して得られる手間代よりずっと高い。ではあるが生産屋は生産仕事に
 専念していたいものなのだ。生き物を育てるには本当に気が抜けないのである。
 生き物を扱う人間の運命なのだろうと思う。そんな訳で、右から左に品物を流す商売的な
 事はなるべくしないようにしている。これも片手間で出来るほど甘いものではないから
 両立は困難だと思う。
 午後から黒松を掘る。午前と午後一本ずつ掘っただけだったが、その他に今日は急な
 注文でイチゴノキの出荷もあり夕方に再びコニファーの堀上げもありで何かと気忙しい
 終日であった。こんな日は梯子の上が懐かしい。

 

12/6(月)晴れ

 AM ドラセナ掘り PM お客さんの案内
 西よりの強風が収まらない。午前中いっぱい続いたから合計すると36時間以上も
 台風並みの大風が吹き続けた計算になる。一昨夜の雨は多くなかったので強い風でも
 植木が倒されたりする事はほとんどなかった。小物植木が少しだけ斜めに押された程度で
 見た目にはほとんど影響はなかった。これが雨でも多量に降っていたら倒された植木は
 多かったのではないかと思う。地面が多量の水分で緩んでいたなら、これだけの風には
 ひとたまりもなかったろう。このように強風だけなら植木はめったに倒される事はないのだ。
 午前中はドラセナの株立ちを掘った。5mの高さがあり大物の部類に入る。ドラセナは
 直根性で野菜で言えば大根のような根を想像して頂ければ分かりやすい。大根に細かい
 横根が沢山生えていると言った状態がそれである。だから掘り取りは案外楽に出来る。
 バックホーで多少荒っぽく掘っても根鉢が崩れる事はない。唯重いのが欠点だ。この
 株立ち物で1,5トンもある。重さの割には安いのも欠点なのだ。
 午後にもう1株のドラセナを掘り上げる予定だったが、お客さんが不意にやって来て
 周辺の植木を案内して歩いた。マキとクロガネモチを仕入れていった。比較的小振りの
 植木だったので金額的には大した事はなかった。と言う事は私が頂けるリベートも
 スズメの涙ほどである。この忙しい中を時間を割いて植木探しに付き合うのも容易でない。
 それでもお客さんはお客さん、神様なのであります。三波春夫でございます(^_^)。
 チャンチキオケサは名曲中の名曲だ。良いですねあのフィーリング。たまりません。
 今の若い人にはまったく通じないのでしょうが、知りたいのは、この方たちが年配者になった
 時に共通の理解者たり得るかと言うこと。この歌は明るく歌ってこそのものであることも。
 オケサと言えば佐渡おけさ。拉致被害者の曽我さんご一家がいよいよ佐渡にもどるようだ。
 ご家族の幸せを祈りたいですね。私みたいな者でも心からそう思いますよ。

 

12/5(日)晴れ

 ほぼ休み白花万作の紅葉
 昨夜から吹き出した強風が終日吹き荒れた。雨は少しだけで
 朝から晴れて気温もぐんぐん上がった。年の瀬とは到底思え
 ない陽気となった。台風並みの暴風では畑の仕事も困難なので
 根巻きの資材を買いに行った。小物植木の根鉢を包む麻布を
 三角形に切断したものと、これとやはり麻で編んである紐とを
 買うために資材屋さんに行ったのである。今日は日曜日で
 本来は休業日だったが無理を言って開けてもらったのであった。
 昨日土曜日も休みだったから、よくこれで営業になるものだと
 感心してしまった。一般向け販売ではないとしてもこんな田舎で
 週休二日で商売になるのかと不思議に思ってしまう。
 以前は土曜には店を開けていたので最近になって休業としたの
 だろう。これはおそらく従業員の給与対策で、店を開けていても
 お客さんが少ないのでパートやアルバイトを張り付けておくのは
 勿体無いと考えた末ではなかろうか。このお店は株式会社で、植木資材の他にいろいろと
 やっているのだが、あまり調子はよくないようだ。個人営業の造園屋さんや植木生産者相手では
 特殊な商品だけに自ずと販売量は決まってしまう。一般的な商品のように急激に人気が出て
 一挙に売上げが伸びるような事はないと思える。植木の需要が落ちれば当然ながら植木関連の
 資材も売行きが下がる事になるから厳しいには違いない。
 資材屋さんから帰って、ハウスの中でかたづけなどしていると仕事仲間がこれまたこの風で
 仕事にならないらしく遊びに来てお茶になってしまった。昼近くまでだべって帰っていった。
 午後からは遠くに住む姉夫婦が来て宴会状態。結局仕事は休んでしまった。お客さんに頼まれた
 コニファーを10本ほど掘る予定でいたが明日に持ち越しとなった。細々とした仕事の段取りも
 やろうとしていたが叶わなかった。こんな日はチャンスなのだが。ああ体が二つ欲しい。
 週休二日など考えられない。すごく効率の良い仕事をしているのだろうなと思ってしまう。
 大企業や公務員、みんな頭の良い方々だから生産性の高い働きぶりなのだろう。自分が情けない。
 年間労働1800時間で食べてゆける環境になりたいと切に思う次第であります。
 今日の写真はフォザギラモンテコーラ(白花万作)の紅葉。この写真は今年のものではない。
 今年は暖かいので薄茶色に変色しただけで終わってしまった。

 

12/4(土)曇り夕方より雨

 AM イチゴノキの出荷準備 PM マツの手入れ
 朝から曇ってはいたが風も無く暖かい一日であった。嵐の前の静けさか、今夜から天気は
 荒れ模様との予報が出ている。東京には暴風警報が出た。雨の少しは良いが風はいらない。
 午前中は市場からの注文が入ってイチゴの木の出荷準備をする。少量なので半日とはかからず
 後は雑用をかたづけた。
 午後からはこの季節のメインの作業であるマツの手入れに戻った。マツの手入れも凡そ半分が
 終わった。アカマツとクロマツが混在しているのだが 手入れ方法には違いがない。枯葉取りが
 主な作業だから素人にも出来る仕事なのだ。だから気が軽い。こう暖かいと時々睡魔が襲う。
 高い梯子の上では危険極まりないが無意識のうちにも作業は続いている。ベテランの我なれば
 こその離れ業である。小1時間も眠ると気分はすっきりして再びやる気まんまん・・って
 嘘ばかり書きやがってと、怒らないで下さい。元々この日誌の信憑性は著しく低いとの評判である。
 元来書いている人間の信用性が乏しいので日誌の内容も押して知るべしなんである。
 言葉も古い。まわりくどい表現。厭味たっぷり。アホ丸出し。何処の誰だか分からないのを良い事に
 でたらめ書いてネットに垂れ流し。薬にも害にもならないと言えども、中には本気で見ている人も
 いるかもしれない。文章は書く者の人柄を表そうから 私など直にお里が知れよう。反省頻りだが
 この日誌もやがて終わるだろう。それまで、もっと地道に本来の作業日誌に徹して書くべきなりや。
 作業記録としての日誌。個人的な資料としての日誌。そんな地味だが有用な日誌を書けたら
 良いだろうなと思うが、半端な情緒人間の私にはまず無理な相談である。

 

12/3(金)晴れ

 AM マツの手入れ PM お客さんの案内
 暖かい。朝夕を除けば春のぽかぽか陽気を思わせる。12月半ばまではこのままでいって欲しいと
 いうのが野外で働く人間の希望である。早く寒くなった方が経済需要には都合が良いのだろうから
 そうであればそれでも結構だが、とにかく景気を少しでも前進させて欲しいのが本音なのだ。
 植木の生産者は現在は本当に苦しい状況下にいるのである。
 おっとっと、また景気の悪い話となってしまった。反省、反省。
 今日の午後に茨城のお客さんが来て植木の品定めをしていった。庭造りの最中で、それに入れ込む
 植木を探しに来たのであった。町内の植木を案内して周り半日を費やしてしまった。物色したのは
 槇の木、クロマツ、ヤマモモ、カナリーヤシなどである。樹形や価格を勘案しそれを施主との折衝で
 決めるのだが、安い買物ではないだけに右から左へと簡単には決まらない。お客さんと生産者の
 思惑に開きがあるのが当然だからその間隔をどう近づけるかがこちらの仕事となる。実際の商談は
 これからとなる。

 

12/2(木)晴れ

 マツの手入れ
 大分乾燥してきた。晴れベースになっているので仕事は順調で良いのだが、この辺で一雨あっても
 良い頃と思う。日曜日に崩れるようだが休日では影響が大きいので月曜日にして欲しいが、そうは
 行かない自然が恨めしい
 12月はいろいろと多事である。4日の土曜日にこの字地区の組織の総会があるのだが、私はその
 役員となっていて部落住民にそれを知らせる連絡をすることになった。田舎では今でも部落内の
 連絡手段として「言い継ぎ」と言う慣わしがある。ある一軒の家が隣の家や前の家に事柄を通知す
 ると、それを受けた家が次のお宅に連絡して行くというものである。順番が決まっていて部落内を
 一巡し最後に通知を出した家に戻ってくることになる。回覧板を回すのと同じで、それの電話版の
 ようなものである。で、先日の夕方に私の前のお宅に「言い継ぎをお願いします」と依頼したのだった。
 「4日土曜日の午後6時に○○集会所で総会がありますので出席してください」と。毎年この時期の
 恒例の行事なので間違いようがない内容であるが、問題は時間であった。「言い継ぎ」を出してから
 1時間半ほどで部落内を一巡し返って来たのだが、午後時と言ったはずのものが返ってきた時には
 午後時になってしまっていた。何処かで間違えたようだ。時間が1時間違っていては大変なので
 もう一度「言い継ぎ」を掛けた。時間が違ってしまった事、時である事を告げた。
 午後9時頃になり再び我家に戻って来た時は、またまた時になってしまっていたのである。
 人伝てなので時には間違うこともあるが、こんな簡単な内容でも間違ってしまうものなのだろう。
 何人もの人を経過して行く伝聞と言うものは本当に当てにならないと言う見本である。
 もう一度と思ったが、夜も遅くなるので今日は止めておいた。
 次の日の夕方、今度は逆方向から「言い継ぎ」を掛けてみた。我家の裏側にあたるお宅から最初に
 事情を話し連絡をお願いした。そしたら今度は何時間経っても我家に返ってこない。また遅くなったの
 で次の日に持ち越した。そして、あまりくどいので今度は「言い継ぎ」を掛けずに、何処のお宅で
 違ってしまったかの犯人探しをやってみた。まず自分の家から見て中間辺りのお宅に電話して
 知らされた時間を尋ねてみたが、そこは通知どおりの6時だった。次にそのお宅から自分の家まで
 のまた中間のお宅に電話をした。そこもやはり大丈夫だったが、そこのお宅の人曰く、次のお宅に
 言い継いだ際、電話に出たのが80歳代半ばのお婆ちゃんだったと言うのだ。
 むむ、これは怪しいと、早速そのお宅に確かめてみたら案の定そこから違ってしまっていたのだ。
 こちらが3度目に逆方向から「言い継ぎ」を掛けたのだが、その際間違いに気づいて、そこで
 「言い継ぎ」を止めてしまった事が判明したのであった。

 

12/1(水)晴れ

 マツの手入れ
 いよいよ師走だ。晴れて風も弱かったが気温は低くなった。初冬を思わせるが、これでも例年より
 温度は高めだと言う。12月は何かと気忙しい季節だが気持ちだけは余裕を持って過ごしたいが
 気持ちの余裕と言うのは懐の余裕がないとどうもしっくりこないらしい。ボーナスでもガバと入らない
 かと願っても自営業では逆立ちしても出るのは埃くらいのもの。ボーナスを貰える方々が羨ましいが
 この不景気でボーナスが出ない会社も多いと聞く。私にはよく分かる話だ。
 こんな私の景気の悪い話は嫌だろうから、うんと景気の良い話をひとつ。
 この地方では今、中国や台湾のバイヤーが槇の木を買い付けに来ている。中国辺りは好景気で
 日本の槇の木が人気がありよく売れるのだそうだ。千葉県でも槇の木の産地は九十九里海岸に
 面した一帯だけで意外と狭い範囲に集中しているのである。だからそんな情報は直に耳に入る事に
 なる。どこどこのお宅では何本売ったとか、今時にしてはかなり高値で売れたとか景気の良い話が
 飛び交っているのである。ヨーロッパ方面でも日本のマツやキャラあるいはツゲといった造形樹が
 ブームになっているのだそうだ。国内では売れ行きが振るわない造形樹も外国では今逆に評価が
 高まっているのだそうだ。日本では今ガーデニングブームであり、皮肉な話となっている。

 

11/30(火)曇り後晴れ                             このぺーじのトップにもどる

 マツの枯葉取り作業
 午前中は曇り空で西よりの風が強く吹き、梯子に乗っていると寒さがきつく感じた。寒さと言っても
 まだ晩秋のそれで、本格的な冬のものではないのだが、この11月が暖かい日和が多かったので
 より寒く感じてしまうのだろう。作業着衣も真冬のものに近い厚手のものを着始めた。これを基本
 として寒さの度合いによって1枚2枚と重ね着する恰好となる。
 昼前から太陽が顔を覗かせるようになると幾分気温は持ち直したが、それでもこれまでと比較せば
 体感はかなり寒く受け取れる。
 この11月は記録的な暖かさだったそうだ。吹き曝しの野にうごめく者どもには有難い気候であった。
 その11月も今日で終わる。在って無きが如しの師走十二月が明日から始まる。

 

11/29(月)曇り一時晴れ

 ゴルフで休み
 仕事仲間とゴルフに行き作業は休みとなった。
 青空を期待したが予報に反して曇り空で少し寒く感じる一日だった。風が弱かったのでその点では
 ゴルフ日和と言える。今年の暖かさを証明するかのように芝にはまだ青みが残っていた。
 今日は本来はゴルフ場の休業日でそれを利用しての安料金設定のプレーである。このゴルフ場は
 3回来ると食事代が無料になる。一回毎にスタンプを貰うのだが、それが3つになると昼食代を
 サービスしてくれる。今日はそれがあったものだから6,000円ポッキリの支払いで済んでしまった。
 昼食時レストランで何気なく座ったテーブルの隣のテーブルに偶然にも町内の植木屋さんがいた。
 あっ、誰々さん・・と思った瞬間、その隣に女性の方が座っているのを発見した。二人きりでゴルフに
 来ている様だ。この方はもう60代半ばで我々の大先輩に当る。日頃親しく接して頂いているのだが
 実は一昨年に奥様を亡くされているのだ。若い時から商才を発揮し 時流にも乗って植木の商売で
 かなりの財を成した人である。今は仕事は息子さん夫婦が中心で本人は手助け程度の関わりだ。
 真面目な方でお酒もほとんど飲まないしタバコも吸わない。公共的な役職もこなしている言わば
 立派な人なのである。そんな方が女性と二人連れである。 はは〜ん・・・この女性なのかと思った。
 一部で囁かれていたのであった。Hさんには親密にしている女性がいるらしいと。
 挨拶を躊躇った。向こうもこちらを見ない振りしている。直ぐ隣だから気がつかないはずはない。
 こちらは4人でがやがややっているのだから分からないはずはないのだが手を伸ばせば届く所に
 いて振り向こうともしない。であれば、こちらから挨拶するのもどうかと思い気が引けた。
 困った。いやこちらが困ることもないのだがH氏がバツの悪い思いをしているであろうと察すれば
 この異様な空気がちと重い。向こうから気軽に声を掛けてくれたらどんなに助かるかと。
 我々は知らぬ存ぜぬを決め込んでゴルフ談義に大いに花を咲かせた。
 何もやましい事でも恥ずかしいことでもあるまいと思う。彼女も独り身だと思えるから浮気ではなし
 もちろん犯罪でもない。むしろ微笑ましく羨ましく(^^)さえ思えるのであるが、H氏が公にしたくないと
 思っているのであればそれはそれで理解も出来るのである。
 先に食事を済ませた二人は、飯をガブついている我々の横をチラとも見ずに通り過ぎていった。
 不自然で気まずい空気が流れていった。
 午後のラウンドも終えて9番グリーンを後にしてクラブハウスへ向おうとした時、18番グリーンを
 終えてこれもクラブハウスへ向おうとしているH氏を発見した我々は、クラブハウス前での鉢合わせ
 を避けるため歩みを止めて4人で丸くなって会議?を始めた。スコアカードを確認し合う素振りをして
 二人を遣り過ごしたのであった。 会議と言うから始めなんだろうと思った。クラブハウスに向かって
 歩き始めたのに一番後ろの奴が、オイ、ちょっと待て、会議だ会議だ、会議があるからこっちに来い
 と皆を呼び戻すではないか。怪訝な表情でいると、今Hさんが向こうから来ている。まずい。少し待て
 と・・・そう言う訳で4人で丸くなって会議?を開いたのである。
 Hさんは我々の予想通り、風呂にも入らずに帰って行ったようだ。風呂場でまたしても我々に会って
 しまって、まともに眼でも合ってしまったらそれこそ万事窮すである。Hさんの心情を思うとこちらも
 切ない気持ちになる。
 難しいものだなあと。我々からすれば何もいいじゃあないかと 結構な事ではないかと思うが、H氏に
 してみればこの事を大っぴらに喧伝されても困るとの思いがあるのだろう。我々は今日のことは
 見なかった事にしようと話した。二人のことはもう大分バレてはいるのだがそれはそれこれはこれ。
 面白半分に他に吹聴するのは下衆のすること。第一、二人が真摯な交際ではないと誰が言えると
 言うのだろう。これだけ年配の方だからどっちだって良いのだが、願わくはお二人が幸福であらん
 ことを、そして周囲が静かで無関心でありますようにと。
 それにしても風呂にも入らずそそくさと帰って行くなど、H氏も余程気不味かったのだろうが、
 どうせ途中で風呂に入ってゆくのだろう・・って、オイオイ、最後になって何を言うかと仰せか。
 でもこのくらいは冗談として許される範囲かとも思うが、やはり私も下衆の一人かとも。

 

11/28(日)晴れ

 マツの手入れ
 朝畑に出る前に鉢物に水を掛けていたらお客さんが来て朝からお茶事になってしまった。
 これで1時間ほどロスしたが仕事上の情報も若干得たのでこれはこれで良とする。
 日が短いので午後4時半を過ぎると黄昏時となる。その分夜が長いのだが怠惰な時間を
 過ごしてしまうことが多い。近頃は本を読む事も少なくなった。50冊は積ん読状態になって
 いるのだが、これが減らないどころか益々増える傾向にある。本屋に行けば必ず何冊かは
 買ってくるのでそうなる。いつかは読もうと思うのだがまず無理だろう。体力気力好奇心が
 旺盛な時でなければ長編など読了できない。好奇心だけは強いのだが体力と気力の減退が
 活字を拒みがち。 そこへゆくと映像はすんなりと脳膜を通過する。
 300円とか400円を支払ってネット配信の映画を時々見ている。もちろん最新の映画は
 ないので一昔とも思える時代の代物である。テレビはあまり見ないので、手持ち無沙汰な
 時や頭が働かないときに見る。映像は何も考えなくて良いのでリラクゼーションには最高の
 メディアだと思う。一時、レンタルビデオも見ていたが田舎のこととてショップまでいちいち
 足を運ぶのもかったるい。その点ネット配信は手軽である。音楽もネットでDLして買うのが
 多くなった。便利な世の中だが、これらは現在のところDLしたパソコンでしか再生できない
 ようになっているので、それが少し残念である。不正コピー防止のための処置なのだろうが
 このシステムではこの販売形態がメジャーになり得ないのではないかと思ってしまう。

 

11/27(土)晴れ

 マツの手入れ晩秋の第2圃場
 西風が強い終日だった。風の強いのは久しぶりだった。
 概ね好天が続いたが、どうやら気候の変り目らしく
 これからは寒気が入ってくるようだ。
 午前中はコニファーとクリスマスホーリーの堀上げの
 作業をした。10時前には終わり、その後マツの手入れを
 する。空気もだいぶ乾いてきて マツの枯葉もカサコソと
 小気味良く取れるようになった。季節は晩秋から初冬への
 変り目にある。低木のマンサクやニワザクラも紅葉の
 時季だが概して色がよくない。気温の下がり方が少ない
 から、この地方では綺麗な紅葉はめったに見られない。
 今日の写真は第2圃場の今の様子。サザンカも満開に
 近づいた。植木の色も冬の色にと変わりつつある。

 

11/26(金)曇り一時晴れ

 マツの手入れ
 今日は曇ったが一日中暖かかった。梯子の上で作業する季節には穏やかな日々であって欲しい。
 ラジオのボリュームをいっぱいに上げて四方の地平に響かす。時には静寂も良いものだが
 単調な作業の慰めとして、あるいは田舎の畑の寂しさの補いとしてこのラジオの存在は欠かせない。
 ウエチャン クニマル テルミ と繋いでゆく(関東地方以外の方には?だろうか)。
 この地方はTBSの入りが悪いので主に文化放送とニッポン放送を聴いている。
 番組の変遷も多い。テルミオマタは16〜7年になるが、最初から聴いている。ナチチャコも
 面白かった。特に印象に残っているのは「桂達也の夕焼けワイド」で、午後4時からの放送だったが
 しみじみとした素晴らしい番組だった。パーソナリティーの声が夕方の雰囲気にとてもマッチしていた。
 テレビでは映像に誤魔化されてしまうが、ラジオは話す人間の人柄が包み隠さず出てしまう。
 TBSでは朝の9時からの近石真介さんの番組も良かった。その他にも沢山の素晴らしい放送が
 あって想い起こすに懐かしい。
 ラジオとは子供の頃からの付き合いで、もうン十年になる。過去の番組を思い返せば、その時々の
 自分の歩んでいた日々が懐かしく甦って来る。

 

11/25(木)晴れ

 アカマツの手入れ他
 右手の指に違和感があり少し痛む。腱鞘炎だろうか、職業病の一種なのだろうと思うが
 年中鋏を使ったり、今頃のようにマツの枯葉を遮二無二むしり取ったりと指を酷使しているので
 因果応報、そのつけが廻ってきているのだろう。人間休息が必要との意味が分かる気がする。
 一時期、日曜日を休業していた頃があったが続かなかった。季節と言うものに大きく依存して
 いる第一次産業では七曜による休日配分では無理がある。農繁期や荒天時による作業の
 遣り繰りを換算すると、どうしても定期の休日を取ることは実情に合うとは思えない。
 晴耕雨読が理想だが現実はそれも儘ならない。よく思うのだ、一週間に一度雨が降ってくれ
 ないかと。雨が続く時もあれば晴天がこれでもかと言うほど続く時もある。適度に休みが欲しいが
 そうはいかない事情もあり辛いところだ。月収なり年収なりが決まっているものならば何も
 あくせく働くこともないが、欲と二人連れでは自制も効かないことになるから大変だ。

 

11/24(水)曇り後晴れ

 第4圃場 アカマツの手入れ
 11月も下旬だと言うに、この暑さ(?)は何だろう。それでも朝晩は幾分冷えるのだが
 日中はポカポカ陽気を通り越して暑さを感じるほどなのだ。今年は暖冬になるとの予測が
 出ているがその奔りだろうか。これでは暖房器具の売れ行きも思わしくないのではないか。
 年末に向けての花や植木の売れ行きはどおだろうか。定番のシクラメン ポインセチア
 ラン類 クリスマスローズ モミノキ ヒイラギ類などの消費は順調だろうか。
 センリョウ等は例年より売れ行きは良いと聞いているが、それは生産量の減少が主な
 原因なのだそうだ。花も植木も供給過剰が現況だが 中にはこのように需要の方が
 上回っている種目もある。

 

11/23(火)晴れ

 第4圃場 アカマツの手入れ
 白露の季節と言うには遅すぎるだろうか、朝露が植木の葉にびっしりと付いている。
 この露が消えるまでが大変で、10時近くまでは作業がし難い。綿の軍手が濡れて
 不快な作業を強いられる。
 時間と共に気温はぐんぐん上がって、それにつれて朝露も消えてゆく。
 今日は特別に暖かいようで10時のお茶も日陰に入るほどだった。異常気象なのか
 振幅の範囲なのか分からないが、今年は気候の変遷がめまぐるしい。
 お茶をしているところに近所の植木屋さんが来て一席ぶっていった。もう60代半ばの
 この方はすこぶる元気で、今でも4tトラックを飛ばして長野方面やあるいは名古屋と
 いった地域まで植木を運んでいる。頑強な肉体を有しているのだろう、若い頃から
 よく働いたようだ。この方はいわゆる一匹狼で植木組合にも所属せず仲間ももたない。
 自分のペースで動いている。遠くまで植木を運ぶには夜間の走行が一般的である。
 夜に家を出て次の日の朝に目的地に着き、そして帰りは又夜間走行である。つまり
 二日も寝ないでの仕事となる。植木の最盛期は一週間に一度の割合で出かけるから
 植木の掘り取り作業も含めると大変な労働環境なはずである。これを奥さんと二人で
 こなしている。息子さんは昨今の例にもれず会社員になっている。
 もともとこの方は造形植木の職人さんで、この地域の農家に婿入りしてから植木の
 商売を始めたようだ。若い頃はなんでもやった。井戸掘り、ペンキ塗り、大工仕事も
 お手の物で作業場や車庫くらいなら一人で作ってしまう。酒もあまり飲まずタバコも
 やらない。病気もしたことがないようだ。遊んでいるところを誰もみたことがない。
 この馬力は何処からくるのだろうか。一般に昔の人(失礼)ほど体力も気力も旺盛で
 あるようだ。私も忙しく働いていると思っているのだが、この方には負ける。言葉にも
 勢いがあるのだ。若さピチピチのワタクシだが、それを上回るのがこのお方だ。

 

11/22(月)晴れ

 第2圃場 防風樹の枝打ち
 今日は畑を移しての枝摘め作業となった。

 

11/21(日)晴れ一時曇り

 第1圃場 防風樹の枝打ち
 昨夜も思わぬ雨があって、今朝も樹木は露をまとっている。マツの手入れは出来ないので
 畑の周囲の防風樹の枝払いの作業をする。
 クロマツ モチノキ タブノキなどが畑の南側に一列に植わっている。それらを三脚梯子を
 使用して、伸びすぎた枝を払ってゆく。太い枝などはチェーンソーを使う。少しばかり危険なのだが
 梯子の上で、あるいは樹に登った状態でチェーンソーを使う。「良い子は真似しないでね」と
 冗談を言っている場合ではない。これで落ちて全身麻痺で寝たきりになっている植木屋さんが
 この近くにもいる。梯子から落ちて頭を打って亡くなった仲間もいる。
 植木屋は危険仕事なのだ。ずっと前、3Kなどと言って嫌われた職業があったが、植木屋はその
 典型的な仕事のひとつであろう。危険、汚い、キツイのいわゆる3Kである。まあ、鳶職に比べれば
 何と言う事はないのだけれど、大鋏を持って不安定な高所で作業などをするのだから危険と
 隣り合わせの職業には違いない。修行時代によく親方が冗談を言っていた。梯子から落ちても
 天井には落ちないから大丈夫(?)だと。 重力は有難い^^。

 

11/20(土)晴れ

 第4圃場 アカマツの手入れ
 昨夜の雨も止んで、朝から良く晴れて気温も暖かくなった。畑の作業通路には、かなりの量が
 降ったのだろう昨夜の雨で所々に水溜りが出来ている。
 アカマツの枯葉が湿気っているのだろう 取り難い。乾燥している時ならばパラパラとよく落ちて
 くれるのだが、今日のような水分を含んで枯葉が柔らかくなっている状態の時には枝から離れ
 難いので、その分時間が余計に掛かってしまうことになる。
 少し北風はあるもののポロシャツ一枚で十分な日和となった。空気は十分に澄み切って青空が
 輝いている。田舎の晩秋ではあるが、この地には風情と言うものがあまりない。
 この辺は暖地であり海岸地方なので落葉樹があまりない。雑木林もほとんどない。田圃と畑が
 一面に広がる純生産農地帯である。落葉樹がないと言う事は紅葉が見られないと言う事であり
 極端に言えば一年中風景が変わらないと言う事になる。もちろん田畑の作物の変化があるので
 人的な要因での季節感は視認できるのだが、秋の劇的な風物詩である木々の紅葉を堪能でき
 ないのが残念である。集落には柿の木や桜や欅といった落葉樹も少しはあるのだが、前述の
 とおり当地は海岸沿いで暖地なので観賞に耐えうる美しい紅葉にはならない。つまりはあまり
 面白味のない土地柄なのだ。この事はこの地に住む人々の精神形成にも大きく影響を与えて
 いるものと思う。暑さ寒さはあるものの北国や山国ほどの四季の変化が著しくはない。
 北国の落葉樹の春の芽吹きは感動的なものがあるだろう。夏の繁茂、秋の紅葉、そして冬の
 裸木とその着雪もそれぞれの趣と情緒を醸し出すに相異ない。
 自然環境の違いにより、そこに生きる人間もまた土地柄が人柄として表出されるのだろう。

 

11/19(金)曇り後雨ブループリンセス

 ハウス内作業
 今日も朝から思わしくない天候だ。昨夜の雨の滴が乾かず
 畑の仕事は出来ないので今日もハウス内の作業となった。
 この秋は本当に雨が多い。このような年はあまり記憶にない。
 時折霧雨も降る。北風も冷たい。そして午後の4時前には
 本降りの雨となってしまった。昨日と同じパターンである。
 右写真は西洋ヒイラギのブループリンセスという品種で
 暗緑色の葉に真赤な実のコントラストが素晴らしい。

 

11/18(木)曇り後雨

 ハウス内作業
 朝からどんよりとして今にも降出しそうな雲行きだ。圃場に出るのはやめてハウスに潜った。
 小さな規模のハウスだがそれでも施設栽培というのは何かと仕事があるものである。栽培する樹種
 にもよるのだろうが、私のところで育てている苺の木は中々手のかかる植木で季節のそれぞれに
 適切な管理を要する。冬場には流石にそれも少なくなるので今しばらくの辛抱と思っている。
 雨はそれでも午後の3時頃までは降らなかった。ビニールハウスの中にいると雨の音が大きい。
 少しの降りでも音響は大雨と錯覚するほどだ。外に出て見ると何の事はない小雨程度でキツネに
 つままれたと言った様相の時がままある。
 3時のお茶をすすっていると、仕事仲間がふらりと来た。彼も畑で雨に降られて仕事にならないので
 遊びに来たのだろう。こうなると話が長いからこちらも覚悟を決めて付き合わなければならない。
 お茶を飲み柿を食う。庭の柿は今年はたわわに生っている。少し小振りだがけっこういける。
 遠くで法隆寺の鐘が鳴っている。どんどん日が短くなっている。カラスと一緒に仕事仲間が帰った頃
 にはもう夕暮れがせまろうとしていた。 

 業務連絡/sonsonさんへ メールを返信したのですが返って来てしまいました。

 

11/17(水)晴れ

 アカマツの手入れ
 今日も暖かい。朝は幾分寒かったが時間の経過と共に次第に気温は上がって着衣を一枚また一枚と
 脱いでいった。
 アカマツは小さい木から手入れを進めている。高さが2mほどのものが中心である。これらはいわゆる
 若木と呼ばれるもので実生から10〜15年位の年数を経たもので幹径も小さい。
 それでも数年前までは結構需要が多かったのだが、今年辺りはぐっと少なくなってしまった。
 年数が年数だけに造形樹としては安物の部類に入る。それ故、枝付けにも手入れにもあまり手間を
 かけられないという事情がある。景気が悪くなってきてからはこの程度の大きさ、金額のものが売れ筋
 になっていたのだが、現在では大きさは良いとして、もう一段上級品を求めている傾向が見られる。
 市場では金額が高めでも質の良い品物が売れているようだ。イメージ的に言えば盆栽を大きくした
 ような造りのものである。だがそれを造るには年数と手間隙をうんと掛けなければ出来ない。それだけ
 のコストをかけて採算が合うかどうか、今の価格では到底おいつかないと思う。
 バブル期まではインスタント、つまり如何に年数と手間を省いて造りそして早く出荷するかに力点が
 置かれていたので状況は180度変わってしまった。
 もっとも、造形樹本来はそうして造られてきたものなので、それが当然なのだが今更昔に返って
 長い年数を掛けて生産しようとは誰も思わないのが普通である。

 

11/16(火)晴れ

 アカマツの手入れ
 ここ何日かすっきり晴れた日はなかったが今日はよく晴れた。暖かく風も弱かったので植木の
 手入れには適した陽気であった。

 

11/15(月)雨後曇り

 AM 雨で休み PM 雑作業
 雨が続いてしまった。午前中はほぼ降り続いて午後になってやっと止んだ。
 いろいろとやらなければならない細々とした作業があるのだが思うに任せず焦るばかりだ。
 一方、連日の夜更かしで疲れて眠いので雨休みはありがたい。唯、仕事のほかにも用事はあるもので
 こんな時がそれをかたづける機会となる。私は世事に疎いほうで、仕事以外のことはあまり関心がない。
 だから世の事は適当にお茶を濁して何事も付き合い程度の関わりだ。それでも何とかやってこられたので
 これはこれで幸せな事と思っている。人間関係における些事もまたそれなりの意味を持つことをこの年齢に
 なると感じてくるのだ。仕事に100%集中できる立場であれば、それはそれでまた幸せである。
 地域や親戚関係の交際が多いのも農家、地方の特徴であるが、中には無意味としか思えない付き合いも
 ある事も確か。しかしそれさえも含めて許容する精神が求められるのも現実としてある。
 地域の因習や仕切たりに違和感や抵抗感を抱いた若い日もあったが、如何ともし難かった。悪習や理不尽
 とも思える慣習に少しばかりの反旗を翻しては見たもののそれは主流たり得ずに終わった。
 内部からの変革は難しい。変わったのはいつも外的要因からであった。物事は意外と内部からの崩壊が
 多いものだが、田舎あるいは古来からの組織と言うものは内側からは壊れ難いものであろう。
 今はずいぶんと風通しは良くなった。あっという間の変化にさえ思える。当然なるべく姿になって来たのだが
 これまでの代償は決して小さくはなかった。しかしこれも時代を進める上においてのコストのようなものなの
 だろう。あるべき方向に向けての積極的な関与を、ある時期から避けてきた自分が情けなく悲しくもあるが
 それが己の実力であったのだろうとの諦観が支配する心が実は不遜なことであると気づくのである。

 

11/14(日)雨後曇り

 昨夜からの雨が朝方も続き気温も低い。家の中でも寒くて冬用のブルゾンを着た。
 雨は8時過ぎには止んでしまったが 露っぽくて外の仕事は出来ない。言い訳が出来てこれ幸いと
 パソコンの前に座ったのであった。安いルーターを手に入れて懸案の無線ランの構築に挑戦した。
 ルーターの設定が複雑で分からない。マニュアルの用語も分からない。何度も失敗してその度に
 初期化を繰り返した。とどのつまり、基本的な設定だけで後は初期値のままで最低限の使用が出来ること
 が分かってあっさりとインターネットに接続できた。ここまで正味何時間費やしているだろうか。テレビを
 見たりお茶を飲んだりだから分からないが夕方近くにはなっていた。
 インターネットのHP閲覧は出来るようになったがメールの送受信が出来ない。これには困った。
 メールサーバーに接続しようとしてもダイヤルアップ接続画面がポップアップして接続をクリックしても
 繋がらない。マニュアルにはインターネットメールについては何も記述していない。ラン接続だから
 ダイヤルアップ接続は使用しないのだろう事は分かるが、ではどうすれば良いのか分からない。
 メールの接続設定を変えて見たり再びルーターの設定を試みたり、IPアド数値を入れたり消したり・・・
 ダイヤルアップを使わないということは・・・もしかして・・・と、新しいアカウントを作って見たら、これが
 正解であった。「LAN接続」のチェック欄があるではないか。3つのアカウントを編集し直して
 これで無事にメールの送受信が可能となった。疲れてへとへとであったがその分嬉しさは大きい。
 次はノートPCとの無線ランの接続だが、ランカードの設定は簡単なものであっさりと開通してしまった。
 無線ランは少し難しいと言われていたので拍子抜けしてしまった。無線は不安定と思いきや
 小さな我家の中ならどこでも安定して作動している。枕元で炬燵の中でインターネットとは快適だ。
 少し散財になったが、これでケーブルに拘束されて寒くて辛い思いをしないで済む事になると思うと
 やはり技術の進歩と言うものはつくづく有難いものと感じる。
 今日は日曜日で久々に世間並みの休日を得た思いがした。これは実に嬉しいことなのだ。
 土日も祭日もなく働いている身には 社会との一体感を得たようで今日のような日は心が休まるのだ。

 

11/13(土)曇り時々晴れ

 アカマツの手入れ

 

11/12(金)雨後晴れ

 AM 雨で休み PM ハウス内作業
 昨夜からの雨、朝は更に強さを増した。暫く雨がなかったから畑にも人間にも好都合だった。
 こんな日は、普段できない諸々の雑用をかたづける。農協に行ったり銀行に行ったり買い物もした。
 ついでに友人の家にも寄ってお茶を一杯。そんなこんなで半日はあっという間に過ぎた。
 普通は農家の仕事というものは忙しいときは滅茶苦茶忙しいのだが暇も結構あるもので、それは
 忙しい一日の中にもふっと時間が出来ることもあるのと同じである。いわゆる「忙中閑あり」が
 一般的なのだが、私にはその隙間の時間が全くない。何かしらすべき事が必ずあるので
 ボケていられない訳だ。だから雨でも降ろうものなら完全にボケてしまって、何もする気力も
 湧かなくなるのが普段の生活パターンとなっている。しかし今日はその重い腰を上げたのであった。

 

11/11(木)曇り

 第4圃場 アカマツの手入れ
 気温は比較的高いがどんよりと曇った。10時過ぎに霧雨があり
 その後も時々さらさらとしていた。晴れの日が続いたのでアゲハチョウ (サザンカ)
 この辺で一雨あっても良い頃である。予報では今夜は雨になる
 と言うが、降らなくなると降らないものだからどうだろうか。
 次週の市場出荷は休みなので一息ついた格好となって、今日は
 アカマツの手入れをした。手入れと言っても本格的なものではなく
 枯れ葉の除去が主な目的の簡易的なものである。造形樹を維持
 する最低限の手入れである。もっと丁寧にやりたいが本数が
 多いのと価格の下落で思うようには手を掛けられないのが現実
 となっている。こうなると持てるものの悩みで、在庫=財産 の前提が
 崩れて、在庫=負債 の図式が成立の憂目となる。
 今年は何本のマツを売却出来ただろうか。売りたくても売れない
 状況がずっと続いたから目に見えては減らない。計画としては
 ここ数年でかなりの数量を減らす予定だったが少し先送りに
 なりそうである。今年もこれからの時季、マツの手入れに勤しむ
 ことになるが、出来の悪い子供ほど可愛いと言う。売れない松が
 不憫とも思えるこの頃なのだ。親としての責任は果たさなければ
 ならない。頑張るしかなさそうだ。
 右写真はサザンカのアゲハチョウという品種。

 

11/10(水)晴れ後曇り

 除草剤散布
 本当に穏やかな日和が続く。こんなのはあまり記憶にない。
 先月が台風、長雨、大地震と続いたので、その反動としてのこのような好天なのだろうか。
 自然とは本当に付合い難いものと思う。自然の中に人間が勝手に住み着いたのだから
 仕様がないが、人間も自然の中の構成要因のひとつならば人間の勝手も許されるというか
 それさえも自然なことである。人間の勝手が許されないのは単に人間側の問題でもある。
 自然が荒廃すれば人間の生存自体が危うくなるからだろうが、これも人間の都合である。
 自然とは何か。人間に相対するものと定義すれば納得もゆくが、それも所詮は人間の
 思い上がりに過ぎないのだろう。
 いくら時代が進んでも自然と人間の、あるいは人間同士の戦いは止まない。全ての生命体が
 生存を至上命題(本能)としている限り争いは止むことがないのが道理である。争い事を否定する
 のであれば、人間は風邪ひとつ治癒できない事になる。人間同士の戦いも人間社会の進歩を
 前提とするならば極めて自然なことなのだ。もちろん暴力は未開なことであるから、それを
 回避するのがルールや法律あるいは倫理といったものである。これは人為的なもののようで
 実は自然なものと言うことが出来よう。弱肉強食は本来自然なことなのである。強いものが
 ますます強くならなければ人間社会の維持発展は阻害されてしまう。弱者への配慮と社会秩序を
 構築する基礎として人権や平等思想が普遍の価値として提起されているのは人間社会の整合性を
 保つ意味において自然なことなのである。(と、ここまで書いて、こんな抽象論で俺は何を言いたい
 のかとふと思う。当たり前のことを意味あり気に書いても所詮空論だ。今日の作業は除草剤の
 散布で、これも人間としての自然な行為であるかと自分に社会に心の中で問うた思索なのである)
 現実は夕方のFAX。具体的な方がやはり興味深く切実で素直に心に響くものである。
 コニファーは下がってしまった。先週は上がったのに、市場は一定しないのが常ではあるが
 それにしても目まぐるし過ぎる。全体としてはまずまずの感あり。生産者から見れば安値には
 相違ないのだが、現況下ではよくもっているほうではないのかと考える。人気のある樹種は
 それなりの相場がついているし、そうでないものはそれなりの値段だ。市場は不安定ながらも
 長い目で見れば如実に時代を反映しているのがよく分かる。

 

11/9(火)晴れ

 AM コニファー掘り PM ポット苗の草取り
 終日晴れて暖かかった。これまで雨が多かったので、これほどまで続く好天は嘘のような気がする。
 屋外で働く者にとって天気の良いほどあり難いものはない。
 午前中は問屋さんに頼まれたコニファーの堀上げ作業をした。午後からは第1圃場のポット苗の
 草取り作業をした。

 

11/8(月)晴れたり曇ったり

 埼玉の植木市場へ出荷
 今日は幾分気温も下がって平年並みの気候になった。これまでは積荷を降ろす作業をしていると
 スポーツシャツ1枚で十分だったが、今日は作業ジャンパーを着ていても暑くならないくらいの
 気温となっていた。
 市場の出荷量は例年より多くなっているようだ。価格低迷にもかかわらず一向に減らないのは
 それなりの理由があるのだろうが、それを詮索するのは野暮というものだろう。
 コニファー類は流石に減っている。先月は出荷量が多く、価格も極端に悪かったのでその反動が
 出ているものと考えられる。サザンカも少ない。花時期から見て峠を越したのだろう。これは季節的な
 要因であり価格や需給とは関係がない。代わって目立って多くなったのが落葉樹である。
 モミジ シャラ ヤマボウシ等の紅葉した姿が鮮やかだ。この時期から来年の四月上旬までが
 落葉樹の移植シーズンなので、それまでは植木流通の中心的な存在となる。季節の変化を実感する
 動きである。実物ではミカンが目立つ。柿は既に終盤でほとんど見られない。
 関東南部も紅葉が始まりつつある。銀杏並木は薄い黄色をまとった木が増えつつある。もっとも
 まだ緑一色の木も少なくなくて、紅葉シーズン到来とは一概には言えないが、これでもう少し
 冷え込んだら一挙に色づいてくるだろう。

 

11/7(日)晴れ

 AM 市場出荷の植木掘り PM 積込み他
 風も弱く 晴れて穏やかな日が続く。こんな快適な小春日和の毎日は珍しいほどである。
 午前中は寒椿の造形物を3本堀上げた。大きいもので2,5m位の高さがある。
 苗木から20年も経っているもので4,5年前に枝付けしたものである。寒椿は成長が遅く
 ここまで営業的に大きくする例はあまりない。効率が極めて悪いからなのだが これは
 販売適期に売れ残ってしまったものが偶然と言うか たまたまと言うか 縁がなかったと
 言うか、ここまで畑の隅で歳を重ねてしまったと言う塩梅なのだ。人間の20歳なら花も恥らう
 乙女盛りだが 商売用の寒椿では甚だいただけない。事実、市場価値はそれほど高くない。
 庭の主木になり得ない樹種では、ある適度の大きさを越えてしまうと使い難くなってしまうので
 価格も年数の割には安いのである。かと言っていつまでも畑の隅で独身を通しているわけにも
 参らぬ。親としてもいつまでも面倒をみてはやれぬと強制的に嫁に出すことにしたのである。
 どなたか貰って下され。結納金もそれほど多くなくて結構じゃ。親のワシが言うのも何じゃが
 器量がええぞぉ、形もええぞぉ、蕾もいっぱいじゃ、おなごは若い・・いや、植木は古いほどええのじゃきに。

 

11/6(土)晴れ後曇り紫式部の実

 市場出荷の小物植木掘り イチゴノキの出荷準備
 気持ちの良い晴れ。暖かいからその分畑では蚊の動きも活発だ。
 一月前の気温に近いのではないか。天気は晴れベースに入った
 ようで暫くは雨はなさそうだ。
 畑は長雨から開放されて現在は水分割合が最良の状態にある。
 植木の掘取りもこの適度な水分状態の時が作業効率も良い。
 気温的にも春先と秋のこの時期が何の作業をするにしても
 快適な季節でもある。野の人であることの幸せを思うのもこの
 ような好天の季節なればこそである。
 今日の写真はムラサキシキブの実です。薄紫の美しい小さな
 実が枝いっぱいに付いて見事です。

 

11/5(金)晴れ後曇り

 市場出荷の小物植木掘り
 クリスマスホーリー 秋咲きツバキ(ハツアラシ カクレイソ イチコワビスケ タロオカジャ)
 クリスマスホーリーは実が赤く色づき始めてその存在感を示しつつある。
 初嵐は白の一重で気品のある透明感が素晴らしい花で既に3分咲きとなっている。
 吹雪白玉も咲き始めた。ワビスケ類ももう少しで開き始める。秋の椿は春のそれと異なって
 落ち着いてしみじみとした清涼感と寂寥感を偲ばせる。茶花としても多用される理由が
 そこにあるが、日本情緒の精神性の重要な柱である侘寂の世界を彷彿とさせる。

 

11/4(木)晴れ

 市場出荷の小物植木掘り
 晴れて穏やかな日が続く。掘り取りの作業をしていると久しぶりに汗が流れた。
 こんな日は第4圃場には蚊も飛び回り鬱陶しい。11月だというに本当にしつこいものである。
 この蚊の発生は5月からだから半年間も悩まされ続けることになる。蚊の数は少ないので
 蚊避けの網の付いた帽子を被るほどではないのだが顔の辺りを飛び回られるのは気分の
 良いものではない。払い除けてもまた直にやって来るから厄介だ。
 市場に出荷する植木を今日から掘り始めた。エメラルド エレガンテシマ サザンカ類
 昨日の市況はコニファーが回復している。ロウヤ柿も高値。他の実物もまずまずの状況だ。
 サザンカ ツバキ類は健闘しているものもあるが全体として安値傾向となっている。

 

11/3(水)晴れ

 親戚の結婚式に出席仕事は休み
 西神田の東京大神宮での挙式だったので、朝7:30に車で出発した。
 田舎の親戚たち総勢11人が2台のワゴン車に分乗して高速道路を乗り継いで式場に向った。
 多少の渋滞も覚悟したが今日は文化の日の休日のためか車も少なめで9:00には着いてしまった。
 今日は祝日でしかも大安日に当るため7組の結婚式があるという。その他に七五三のお祝いも
 多いようで可愛い着物を着飾ったちびっ子達で賑わっている。
 ここは格式高い神社のようで、とても厳かな古式に則って挙行された。中でも4人の巫女が神前で
 踊る奉納舞は優雅で清々しい美しさだった。神官も生演奏の雅楽奏者も皆若々しい人たちだったのが
 予想外の新鮮な驚きだった。それは違和感ではなく、若い二人の門出を祝うには誠に相応しい
 キャスティングである。アルバイトかもしれないが、それにしては良く出来ているので、余程訓練を
 積んでいる若者たちと思う。
 善男善女は当然として、美男美女はどうだろうかと少し気にかかった。今日の新郎新婦は良いとして
 中には神官や巫女さんに移り気して、互いに相手を見比べて軽いショックを受けたりして・・・^^;

 

11/2(火)晴れ時々曇り

 ポット苗の草取り
 第1圃場のポット苗の草取りをする。出荷が忙しかったので草は伸び放題となり、雑草の種も
 大分こぼれてしまった。直にまた生えてしまうだろう。人手は足らないが人を雇っても今の植木の
 価格では到底採算はとれない。金額の張る植木は売れないし注文は小物がぽろぽろだけで
 まとまったものがない。頼みの綱の植木市場も一部の樹種を除いて安値傾向が続いている。
 市場販売が収入の六割を占める我家の経済には影響が大きい。景気が良かった頃は逆に
 お客さん渡しが六割で市場が四割ほどだった。注文が沢山来た頃は市場の価格も良かったから
 下手な注文をこなしているより市場に出荷したほうが割が良かったという事もあった。人を雇っても
 十分採算が合ったから活気も張合いもあった。何よりも夢や希望が持てたのが嬉しかった。
 それが今は・・・と泣き言を言っていても始まらない。何とかしようと懸命に努力している。
 努力していると言っても、何をどお努力すれば良いのか分からないから結局目の前の仕事を
 一生懸命こなしてゆくしかないのが悲しい現実である。やるべき仕事だけは沢山ある。それが
 直接収入に結びつくかどうか分からないのがこの仕事。結果が出るのは何年も先である。
 今日一日働いていくらになったと直に結果が出たほうがどれだけ良いか分からない。

 

11/1(月)雨後晴れ

 イチゴの木の出荷準備他
 11月も雨の朝から始まった。10月の雨の多さは記録的であった。相次ぐ台風の襲来もその要因の
 ひとつだが、新潟中越地震もありこの秋は自然に翻弄された季節であった。
 9時過ぎには曇り空に変わったが、畑はぬかるんで作業は出来ない状態なので自宅でイチゴノキの
 出荷準備をする。昼には近所のお宅の葬儀があり八日市場市の斎場に行く。
 葬儀業者の式場での通夜及び葬儀の挙行がこれで事実上定例となったように思う。この後はもう
 自宅葬として近隣の手助けを求める家はなくなるだろうと予想される。
 こんな時でもなければ部落内の人間が一堂に会する事は滅多にない。一月に新年会と八月に
 納涼会の二回の行事があるのだが、そのほか何年かに一度法事や七五三そして結婚披露宴などが
 ある程度で、隣の人の顔を何ヶ月も見ないことも珍しくない。農業をしている人は当然ながら毎日の
 ように会うのだが 外に勤めに出ている人とはまず会うことはない。部落としての付き合いも本当に
 形骸化したことがよく分かる。専業農家は我家も含めてたった3軒となってしまった。

 

10/31(日)小雨後曇り                             このページのトップにもどる

 埼玉の植木市場に行く
 昨日からの雨が続いてしまった。特に車で走っている最中は酷かった。スピードも控えめで
 いつもより余計に時間がかかった。日曜だから道は空いていたのでその点は良かったのだが。
 それにしても雨が多い。十月の月を象徴するかのようにこの月最後の日も雨とはなった。
 土日が悪天候では消費にも影響する。特に園芸関係はお天気相手の傾向が強いからこの天候は
 辛いものがある。
 雨合羽を着込んで作業開始だ。早朝の市場に一番乗りで他に誰もいない。方々に水溜りが出来て
 いて思うように植木を並べ難いが、それでも貸切状態だから好きなように置く事にする。
 9時位になり作業にほぼ目途が付いた頃になって雨は止んだ。
 市場の植木部の社員は日曜でも出社している。このところ忙しいとの事で部長以下全員が休みを
 返上して働いているのだそうだ。今日も九州からトレーラーが入っていて、その積荷降ろし作業に
 懸命だった。
 若い社員に 休みなしで働くのだから給料以外の手当てが沢山貰えるのだろうと問いかけたら
 憮然とした表情だった。給料は変わらずで、年間で何がしかのプラスαがあるだけだと言っていた。
 この会社、昔から労働環境が厳しいようで、こう言った不満の声はよく耳にする。給料を一律に
 引き下げられたといった話も何年か前に聞かされた。皆やる気をなくしたと言っていたものだ。
 それでも会社が存立しているだけでも良い方だ。花植木市場は何処も惨憺たる状況らしく経営は
 逼迫の度合いが激しい。市場同士の合併も進んでいる。合併しなければやっていけない。しかし
 合併しても期待していた効果はあがらないと四苦八苦の状態である。

 

10/30(土)曇り後雨

 AM 市場出荷の積込み他 PM 雨で休み
 近所のお宅で不幸があり、葬儀日程の関係から市場への出荷を一日早める事となり
 今日積込み作業をすることになった。午後からは雨となって休みとした。

 

10/29(金)晴れ

 AM 市場出荷の植木掘り PM イチゴノキ出荷準備
 晴れて風も穏やかな典型的な秋日和となった。こんな日は作業も苦にならない。
 今年もいちごの木の果実が色づく季節となりました。出荷も最盛期です。
 春から緑色だった実が薄く黄ばんでそれが橙色に変わりやがて真赤に染まってゆきます。
 この変化してゆく色を愛でるのがこの樹木の売り物です。さらにこの時期に白い可憐な花を
 無数に咲かせます。例えようもなく美しい花木です。(詳細はここ

 イチゴノキ1  イチゴノキ2

 

10/28(木)晴れ一時曇り

 市場出荷の小物植木掘り
 サザンカ(優美、オオミゴロモ、ユーレタイド等)の堀上げ作業をおこなった。
 出荷も大詰めを迎えた。サザンカも大分咲き始めた。こうなってくると満開になるのが早い。
 販売に一番良い時期は花が2、3輪開きかけた頃だから急がねばならない。
 これらを植木問屋さんや造園屋さんが仕入れて行き、最終的なお客さんが買って観賞するのは
 一週間先十日先になるので、その頃には花はかなり開いていることになる。
 サザンカも種類によって早咲き遅咲きがある。9月に咲く種類もあれば12月の声を聞かなければ
 咲かない種類もある。それらを順序立てて出荷するのだが、蕾だけでまだ花がひとつも咲いていない
 種類は花の写真を見本的に添付している。ヒオトメとかフジノミネと言った一般的なものは誰でも
 知っているので写真は必要ないのだが、新しい種類やあまり馴染みのないものは商売人でも
 分からないことが多い。市販の写真名札を一本一本付ける事もあるが、種類は極めて限られたもの
 だけしか売られていないので特別なものだけは自分でPCで印刷したものを作っている。
 L判写真をそれにぴったり合うビニール袋に入れてインパルスシーラー(電熱圧着器)で密着する。
 こうしないと雨が掛かると写真が溶け出してしまう。密着した先の部分にパンチ穴を開けそこに
 ビニールタイを通して出来上がり。このビニールタイで植木の枝に止めるのである。
 まあ、こんな販売努力もしているのだが実際どれほどの効果があるのかは判然としない。
 労多くして益少ないのかも知れないし気休めかも知れないが生産者の意欲が少しでもお客さんに
 伝わればと思っている。

 

10/27(水)曇り一時晴れ

 市場出荷の小物掘り
 冷たい北東の風がやや強く吹いて一挙に冬の寒さになってしまった。
 エレガンテシマ 秋咲きツバキなどを掘った。

 

10/26(火)雨

 朝から小雨が落ちて気温も低めで寒々しい空模様だ。
 電話があって、今日は中止しようかと言うから、そんな軟弱な精神でどうすると私。
 本来は全天候のものである。脳味噌が沸騰しそうな灼熱下でも寒風吹き荒び手足が凍傷を負う程の
 劣悪なコンディションの中でも命の続く限り白球を追い続けるのがゴルファーの定。
 雨合羽の襟元から進入した雨水は肩から肘を伝わって手首に至る。カートの濡れた椅子に座せば
 合羽をもズボンをも通して俄かに浸み込む不快感。秋冷の雨を受けながら次第に手指の感覚は
 麻痺してゆく。気力体力総動員。妬けのヤンパチあの娘は目パチ父ちゃんパチプロ金パチ鉄矢・・
 耳かき棒の親玉をイチニのサンで振り回す「サンで死んだが三島のおせん、おせん泣かすな馬肥やせ
 京都は極楽寺坂の門前で、かの有名な小野小町が三日三晩飲まず食わずに野たれ死んだが三十三
 とかく三という数字は文が悪い。四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭い、四谷赤坂麹町
 チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姉ちゃん立ち小便・・・」
 唯事ならぬ殺気さへ漂わせて親の仇とも打ち捨てる。哀れゴルフボールは繁みへと姿を隠す。
 三四五なら御の字で「七つ長野の善光寺、八つ谷中の奥寺で」あがってみれば二桁数字。フーテンの
 寅さんの口上が懐かしいが今はそれどころではない。破れかぶれのフルスウィング あらよっと・・
 とっとっと〜〜・・・ ドッ、ドッ、ドライバーが〜 あああぁ〜・・・
 濡れた手袋と感覚の鈍った手の指を置いて、一本のクラブが空中高く舞い上がった。
 口をあんぐりと開けて、八つの眼が同じ方向に動いた。鉛色の空から間断なく落ち続く雨の中を
 デカヘッドのドライバーは優雅な弧を描いてスローモーションのように左後方の樹林めがけて飛んで
 葉っぱが薄茶色に変色しかけた榎の枝に引っかかって止まった。「昔、榎の僧正と言う者ありけり」と
 こんな時は「引っ掛けの僧正」とでも言われるのだろうか。
 枝と枝の間に上手くはまってしまった。4mの高さだ。下枝もなく登るのは困難。アイアンクラブを
 投げ上げて落とそうと試みたがダメ。長棒を探す者もあり。幸いクラブヘッドがやや下を向いている。
 一人が幹を揺する。二人で揺する。おっおっ、いくらか動いたぞ。直径25cmの幹を揺する。三人に
 なった。おっおっおっ・・落ちたあ〜〜(^^)(^^;^^(^_^)

 

10/25(月)曇り後晴れ

 イチゴノキの出荷準備 除草剤散布
 田舎は静かだ。平和の証かもしれないが、活気がないとも言える。県道の交通量も心なしか
 少ないように思える。田畑にも人はほとんど見当たらない。農閑期でもあるが専業農家が極端に
 少なくなった昨今では当然の光景ではある。みんなどこにいるのだろう。
 肝心の植木屋の姿もあまり見ない。この辺りの畑は植木畑が多いにも関わらずそこで作業する人を
 見かけることが少なくなった。バブルの頃までは賑やかであった。皆植木生産に一生懸命だったし
 造園屋さんや植木問屋さんが仕入れに歩き回っていた。植木職人さんも方々の畑で手入れしていたし
 我々植木生産者も互いの畑を訪ねあって情報交換したり注文を受けた木を融通し合ったりと人の
 往来は活発であった。今、職人さんはまずいない。職人さんの手を掛けていたらとんでもない赤字に
 なってしまうから植木栽培農家は職人さんを頼まないで自分の家の人足で済ませてしまう。
 植木畑は多いが手を掛けきれず荒れてしまっている畑も多い。植木農家の高齢化も一因である。
 現役世代は年配者が多く、後継者のいないところは時節柄生産の継続が困難な情勢となっている。
 植木栽培も農業の端くれであるならば日本農業全般の抱える諸問題にそのまま当てはまる図式が
 情けなく悲しい現実と成り果てた。
 ネガティブな話題ばかりで申し訳なく思っているが明るい材料はほとんど見当たらない。
 もっとも、景気が良くてお金が沢山儲かったと言う話はあまり面白味はないと思います。
 恋愛話も然り。何もかも上手くいって明るく幸せな男と女の物語なんて退屈で小説にはならない。
 今東光氏は自分が死んだら地獄に行きたいと何かに書いていた。天国なんて平和で幸せな毎日
 だろうからそんなところは退屈するに決まっている。それに比べたら地獄は針地獄あり血の池地獄あり
 活け煮え地獄あり・・・と多趣多彩で面白い。退屈する暇はないと。氏独特の諧謔であろうかそれとも
 悟りを得る難行苦行の体験に裏打ちされた比喩的な本意であろうか。

 

10/24(日)晴れ後曇り

 市場出荷の小物植木掘り
 台風23号の雨で次の市場の出荷が間に合わなくなったので休みとし、翌週の出荷に向けて
 小物の掘り取り作業をした。エメラルドグリーン チャイニーズホリー等を堀上げた。
 午前中はかなり暖かかったので薮蚊が出て鬱陶しかった。しかし流石にこの時期ともなると蚊の方も
 夏のそれほどは元気がないようで余程油断をしない限り刺される確率は低い。人間の体に止まっても
 いきなり針を突き刺す様子はない。逡巡しているかにさえ見える。どうしても血を吸いたいと言うより
 生まれながらにインプットされた本能に忠実に従おうとする所作としての行動と見えなくもない。
 これが人間との違いだろう。人間には本能をコントロールしようとする理性というものが働く。
 その理性が勤勉に働く度合いによって人間性が決まってくる。理性が如何に働くかは、頭脳の良否
 にはあまり関係がないようだ。ここが面白いところ。人間は様々だ。自分の物差しで他人を計ろうと
 するところに間違いがあるのだが、悲しきかな人は物差しを1本しか持ち得ない運命である。
 他人の物差しを多少は覗き見ることは可能である。多くの人とのコミュニケーションを通じて自らの
 物差しの誤差を調整する事も出来る。本を読むのも良いかもしれない。
 あまり勉強し過ぎると本能が何処かに行ってしまう危険性もある。人が生きるには本能も大切な要素だ。
 新潟で大きな地震が発生した。自然のとてつもないエネルギーを見せつけた。先日の台風といい
 今回の地震といい、予見不可能な自然災害に人は無力である。平素から災害に備えるべきとの
 箴言もうなずけるが、人間の慢心を諌めても尚小さな人間の叡智を超越した何かを感じざるを得ない。
 被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

10/23(土)晴れ

 ストロベリーツリー(いちごのき)出荷準備
 今日も晴れて暖かい秋日和となった。

 

10/22(金)晴れザクロの実

 倒伏樹の立て直し ハウス内作業
 久々に晴れたように感じる。やはり天気の良いのは気分がいい。
 午前中は10時過ぎまで畑で昨日の残り作業の台風で倒された
 小物植木を立て直した。作業通路にあった水溜りは今日はもう
 ほとんど消えていた。雨量は思ったより少なかったようだ。
 畑から帰って、ハウス内の雑用をする。小さなハウスでも仕事は
 いろいろとあるものだ。
 今日は気温も高くなった。畑でもハウスの中でも蚊がまとわりつ
 いて不快な思いをした。
 右写真はザクロの実です。今年も沢山生りました。

 

10/21(木)雨後曇り

 AM 雨で休み PM 倒伏樹の立直し
 台風23号は各地に多くの被害を残した。亡くなられた方も多く衝撃的なものだった。
 被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
 千葉県の北東部であるこの地方は台風の通過地点でもあったが幸い大きな被害は無かった。
 この地に至るまでに台風はかなり衰弱していたようだ。3時間ほど強い風は吹いたが
 家がミシミシするような強烈なものではなかった。雨もこの地方は報道された各地に比べれば
 少なかったと思われる。
 午前中は10時近くまで雨が残り、畑には出られなかったのでハウス内で雑用をこなす。
 そうしているうちに仕事仲間が訪ねて来てお茶になった。こうなると話は長い。お昼まで話は
 続いてしまった。
 午後から畑に出て風で倒された植木に支柱を掛け直しする作業をした。大物は倒れた木は無く
 小物の樹冠部の大きい樹が倒された。根の荒れている小物も倒されている。これらは予想の
 範囲のものなので驚くほどの事ではなかった。数量も大した事はなかった。
 植木はこの程度で済んだが、野菜農家の方はどうだったろうか。路地物は傷んでいると思う。

 

10/20(水)雨

 雨で作業は休み
 昨日からの雨が続いて今日も仕事にならない。雨は農家の公休日、心置きなくのんびりできる。
 本来の私は仕事が嫌いで、出来れば毎日雨が降ってくれれば嬉しい。外出にしても、家の中で
 本を読んだりパソコンにしてもテレビにしても退屈することがない私。ああ老後が待ち遠しい。
 そんな想いで待っていたら友人が来て昼飯を食べに外に出た。車で数分の所に日本蕎麦屋が
 開店したのでそこに行って見た。
 比較的小さな店構えで、言わばこだわりの蕎麦を売り物にしている。もちろん手打ちである。
 日本蕎麦だけのメニューで10種類ほどあった。ご飯物はない。
 私は粗挽きソバを注文した。800円。昼時でもお客さんは他に2組6人ほどだった。帰り際に
 また別のお客さんが入って来たからそこそこの入りと言う事になるのだろう。
 頼んだ蕎麦が来た。粗挽きだけに黒っぽい。歯ごたえも良。つけ汁の味も良。店主の口も上手い。
 蕎麦好きの私はよく日本蕎麦屋に行く。だが残念なことに肝心の蕎麦の味が私には判らない。
 汁の味は判るのだが、蕎麦本来の味というのが判らない。凡人というのは困ったものだが
 では一体どれほどの人が蕎麦の味を理解できるものであらうか。
 こんな田舎にあってこのお店が長く繁盛するかどうか興味があるところである。
 美味しかったが量が少なくてちと物足りない。家に帰って昼飯は普通に食べた。

 

10/19(火)雨

 AM コニファー掘り他 PM 休み
 朝から断続的な小雨模様で回復の兆しがない。先に行くほど天候は悪化するようだ。
 お客さんから注文を受けていたのを忘れていて、今朝電話で催促されてしまった。
 雨合羽を持参して畑に飛んでいったが、幸いポツポツとした雨だったので雨合羽を
 着ることはなかった。午後からは本降り状態で仕事は休みとする。
 また台風である。困ったものだ。今度の23号は超がつく大型だそうで戦々恐々たる思いである。
 前の22号は近くを通過したにも関われず被害はほとんど無かったので一安心し、これでもう
 今年は時期的にも終わりだろうと高を括っていたがこの有様である。おまけに24号もくっついて
 来るとはグリコでもあるまいし有り難くない。
 畑から帰って雨の中 ハウスの戸締りをし鉢植えの樹を倒したりと台風に備える。畑の植木は
 どうすることも出来ないので運を天に任す。風に弱い木は傷められれば売り物にならなくなる。
 その分来春は減収となる。考えればこれは恐ろしいこと。社会が発達し高度情報化ネットワーク
 機械化ハイテクバイテクナノテクと多士済々。郵便局も変わる構造変革社会。
 それなのに・・・と思う。未だに自然の影響を諸に受け、それを如何ともし難い農業は
 本当に情けない存在であるとも感じてしまう。
 自然がいいと軽くおっしゃらないで頂きたい。自然環境から遠退いて生活している人ほど
 そのようなことを言う傾向があるのも皮肉な話である。
 いっその事、畑をまるごとビニールやガラスで囲んでしまって、自然の悪影響を排除した栽培
 方法を採るか。未来農業である。そうするとコストはどれ位か。現状の栽培技術で可能か。
 ・・・・・考えるだけ無駄なような気がする。植木はマイナーな農産品である。先端技術を駆使した
 生産で採算が取れるはずもない。台風の被害が少しでも小さいことを祈るしかないのが現実だ。

 

10/18(月)晴れ

 埼玉の植木市場に行く
 晴れて穏やかな秋日和となった。気持ちの良い環境である。これで世の中に活力があって
 人々が生き生きとして明るいのなら言うことはないのだがと思う。
 先週の市場は雨が多かった影響で出荷量が少なかったが、今週は再び多くなった。
 大物の出荷は相変わらずの相場低迷で少ないが、小物植木の出荷量は季節物のサザンカや
 実物が多く見られて彩を添えている。
 花市場のほうに回ってみた。セリ担当者がいたので話を聞くと、鉢花や観葉物そして花苗等も
 安値が続いていると言う。秋口からずっと週末や祭日のたびに天候が思わしくない影響で
 セリ価格が上がらないそうだ。見れば出荷量も少なめだった。花関係は特に不況の煽りを受けて
 厳しい状態だ。植木屋さんの方がまだいいのではないかとその方は言っていたのが印象的だった。

10/17(日)晴れ

 AM 積込み PM イチゴノキの出荷準備
 北東の風がやや強めに吹いて肌寒い。秋晴れの一日だったが穏やかとは言えなかった。
 暑さに閉口していたのはついこの間までの事だった。もうそんな時期になったのかと季節の
 移ろい易さを思ふ。
 午前中は市場出荷の植木の積込み作業をする。造形樹2本をトラックの荷台の最後尾に
 積む。幹枝が後方にはみ出すかたちになる。こうしないと形造った枝物は輸送が不可能である。
 小物植木は根鉢を揃えて後方に倒して積む。ピラミッド形に積み上げてゆく。
 トラックの両側にコンパネを立て掛けて小物植木がこぼれ落ちるのを防ぐ。
 こうして積み込んで最後にネットを全体に掛ける。これは防風のためで、若葉や傷み易い樹を
 保護する役目を果たす。
 午後からは自宅作業場でいちごの木の出荷準備をする。ポット栽培した植木の出荷は楽しい。
 根を掘り上げる苦労がいらないだけ楽だ。多少のお化粧と身造ろいはあるものの軽作業で
 あるだけに気分も軽い。お天気の心配も要らない。これが同じ植木屋の仕事とも思えない。

 

10/16(土)曇り

 AM 小物植木掘り PM アカマツ掘り
 午前中は秋咲きツバキを掘る。初嵐 隠れ磯 秋の山 白ワビスケ 一子ワビスケ等。
 午後はアカマツの造形樹を堀上げた。造形樹は安値傾向だがいつまでも畑で管理だけ
 している訳にはいかないので出荷することとする。
 枝物は堀上げた後で手入れをしなければならない。枯葉を除去したり枝振りを調整したりと
 何かと手が掛かる。アカマツの場合は特に幹を綺麗に掃除して幹肌の赤みを強調する。
 マツは手を掛ければ掛けた分だけ美しく仕上がる。とは言うものの、費用対効果のバランスを
 認識しての手入れの度合いとなる。
 マツは確かに手が掛かる。美しさを維持しようとすれば、これは致し方のないこと。
 女性がお洒落に時間とお金を注ぎ込む心理と何ら変わらない。和風の庭があるお宅には
 是非一本のマツを植えて欲しい。庭木の王者と言われるだけあって、マツ一本がその庭の
 品格を決定づけるはずだ。
 美しいマツはその家の住人の精神が投影された美意識の発露でもある。

 

10/15(金)晴れ

 小物植木掘り
 典型的な秋晴れとなった。風も弱く力仕事には気温が高すぎて久しぶりに汗が出た。
 第4圃場でクリスマスホーリーを掘ったが、今日は薮蚊が大量発生して難儀した。
 防虫網の付いた帽子を被っての作業となってしまった。この陽気に誘われて出てきたのだろう。
 今日のような暖かい日があると、この薮蚊の発生は11月の上旬まで続く。
 相変わらずの植木堀で少し食傷気味である。単純と言えば単純な作業なので面白い仕事とは
 言えない。仕事と名が付いて、面白くて楽しい事ばかりなものがそうあるとは思えないが
 長い年月同じことを繰り返していると流石に緊張感もときめきも薄れて惰性で毎日をやり過ごして
 いる感は否めない。工場などで傍目ながら単純作業に見える仕事をしている人々は何を
 思いながら毎日働いているのだろうか。
 そんな呑気なものではありませんよとお叱りを受けるだろうか。「kaizen (改善)」 と英語にまで
 なった言葉に象徴されるように、日本の現場労働者は効率重視、省力化の追及を念頭に必死の
 形相なのだろうか。

 

10/14(木)晴れたり曇ったり

 小物植木掘り富有柿
 市場出荷用のサザンカとコニファーのエレガンテシマを堀上げた。
 昨日の雨の影響も心配したほどではなく順調に堀上げ作業は
 進んだ。忙しく動いても汗が出ない陽気となったので快調だ。
 市場相場が下落傾向だが出荷は継続することにした。以前なら
 中止したり出荷量を低減したりした。これは、売り急がずとも
 在庫として保持していても先行きの値上がりが見込めたり
 もう一段成長させて高単価を狙ったり出来たのであるが、今は
 値上がりは期待できず、大きく育てても価格は比例しては
 上がらない。逆に売れ筋から遠退いてしまうと言う結果に
 なり兼ねない。売り惜しんでいても畑での管理費はかさむ。
 やはり、その時々の時価で販売して行かざるを得ないと言う
 結論が待っているのである。
 「取って置き」が利く永年作物である植木の最大のメリットが
 この頃は野菜と同じような感覚で生産と販売を考えねばならなくなった。
 今日の写真は「富有柿」です。今年も柿が色づく季節になりました。

 

10/13(水)雨

 雨で作業は休み
 この季節に天候が長い間ぐずつくのは珍しい。今日も昨夜から降出した雨が続いて、とても
 仕事が出来る状況ではなかった。明日からの作業も畑の条件が悪く、掘り取りが出来るか
 少し心配なところだ。悪条件でも明日は何とかしなければならない。
 雨で体は休めるから良いのだが、一日は風の如くに過ぎてしまう。早いのだ。今日何をしたか
 分からない。今日の事でさえ希薄で危うい。生きている充実感が今ひとつ乏しい。
 これが幸せな事なのかその逆なのかよく分からない。意識の半ば朦朧とする終日にも現実に
 返る時がやってきた。夕方のFAXで今日の市況が届いて我に返ったのであった。
 今日は全体として値崩れしてしまった。コニファーは下がった。サザンカやツバキも悪い。
 ヒイラギ類もやや安値。そんな中、実物は何とか踏みとどまっている。
 悪天候の影響が反映されたのか予想の範囲を下回る相場展開となってしまった。特別な
 樹種や人気のある木はそこそこ売れているので落胆はそれほどない。今の状況下で
 なんでもかでも高値で売れるほうがどうかしているのだ。世の中(市況)の動きにどう対応するか
 手腕が問われるところだが、これは事実として難しい。

 

10/12(火)曇り後雨

 植木市場へ行く
 早朝に小雨がぱらついたが一過性のものだった。市場はこのところの雨続きのため出荷量は
 この時期としては少なめであった。いつも顔を合わす同業出荷者も少なかった。
 そんな中、久しぶりに栃木の植木問屋さんに会った。6〜7年前まではよく植木を買って頂いた
 お客さんである。景気が良かった頃はクロマツやマキやモチノキといった大物造形樹を
 沢山納めさせて貰った。
 聞くところによると、現在はそれら枝物がほとんど売れなくなってしまったそうだ。
 何処も同じ状況とは思っていたが、実際の当事者の言は現実味がありズシリとくる。
 バブル景気の頃までは一般のお客さんが直接来園することも多く、利幅も大きかったが
 今はお客さんを造園屋さんが連れて来るのがほとんどであり、商談の不成立も多くなって
 厳しい状態が続いているとの事だった。
 考えて見れば、この業界の市場規模が多いときの半分の水準に落込んでいるにも関わらず
 それに従事する人間の数はそれに比例するほど減少していないので単純に計算しても
 一人当たりの売り上げは半減していると言う結果である。
 よく分かる話だなあと感心している場合ではないが、世の中とはある意味で公平でもある。


 

10/11(月)小雨後曇り

 AM ハウス内の草取り 苗木の消毒 PM 市場出荷の積込み他
 昨夜遅くからの小雨が今日も10時前まで続いてしまって畑の作業は躊躇われた。
 午前中はポット物の草取りや殺虫剤の散布をした。苗木の幼葉にアオムシが付き始めたので
 カルホス乳剤1,000倍希釈液を掛けた。手動の背負い散布器で20リットルだけの散布である。
 午後から畑で小物植木を20本ほど堀上げ、その後に積込み作業をする。
 今日は流石に畑で仕事をしている人は少ない。雨続きで畑での本格的な作業は困難なためである。
 秋らしい穏やかな気候に早く戻って欲しいが、まだ数日はぐずつき模様のようだ。
 三連休は残念ながら天候に恵まれなかった。各地での植木の売れ行きはどうだったろうか。
 市場の値動きは天候に敏感なので心配である。

 

10/10(日)曇り

 AM いちごのきの出荷準備 PM 市場出荷の植木掘り
 台風一過で、すっきり晴れるのが通り相場だが、きょうは終日深い曇り空だった。
 千葉県のこの地方では台風22号はあっけなく通り過ぎた。大きな被害が出た地方もあるようだが
 強風が吹いたのは局地的なものだったようだ。
 植木の被害もほとんどなかったと言って良い。枝折れもなかったし、大木の倒伏もなかった。
 ただ背の高い小物植木が斜めに倒されたのが目立った。これは雨が多量であったので地面が
 緩んだところに強い風が吹いたのが原因である。
 非常に強い台風との前触れだったので心配したが、範囲が非常に小さい台風でもあったようだ。
 雨は多かった。畑は30cmも掘り下げると水がジメジメとしてくる。午前中は植木掘りを諦めて
 ハウス内でイチゴノキの出荷準備をする。
 午後からコニファーのエレガンテシマとエメラルドグリーンを掘り上げた。根鉢はたっぷりと水分を
 含んで重い。移植したり根回しをして根がとても良いので掘り取りが出来るが、根があまり良くない
 植木は今日のこの状況ではまず無理だろうと思う。地下足袋にも沁み込んで直に濡れてしまった。
 台風はもうこれで終わりにして欲しい。期待していた1万円札も飛んで来なかったし・・・^^;
 どうやらお金は自分で稼ぐしかなさそうだ。

 

10/9(土)雨一時曇り後台風

 昨夜からの大雨も朝の内で止み、午前中は風もなく曇り空となった。
 この雨の止み間を利用して台風に備えてビニールハウスの補強をしたり、鉢物を片付けたりした。
 午後からは再び雨が降出したので午前中はとてもタイムリーな雨止みだったことになる。
 今は夜の9時だが、足早な台風はほぼ通り過ぎたようだ。強い風が吹いたのは数時間ほどで
 当初心配したような強力なものではなかった。
 明日畑を調べて見なければ何とも言えないが、被害は殆どないのではないかと思われる。
 今はほっと一安心しているところ・・ 。 植木屋などは全財産を野ざらしにしているようなものだから
 台風による被害は本当に恐い。枝を折られたり葉をもぎ取られれば、強風で1万円札がばらばらと
 飛んで行ってしまうようなものだから。
 まあ、実際の1万円札だったら何処までも追いかけて行きますけれども・・・^^。
 台風に限らず他の自然災害や火災などで全財産を消失した話は古今東西枚挙に暇がない。
 全ての「物」を無くして憔悴として佇む。苦しみの中にも再起する過程で、人は生きてゆくなかで
 本当に必要なものとは何なのかと考えるはずである。
 「岸辺のアルバム」で家族の絆を取り戻した話あり、阪神淡路大震災で地域近隣の結びつきが
 深まった話しなどを思い出す。
 目の前の1万円札を追いかけるのは何も私一人ではあるまい。人間の心情として当然と思う。
 唯、他から風に吹かれて飛んできた1万円札もついでにポケットに仕舞い込むかどうかだろうが
 どうだろうか。
 やはり一応仕舞っておくことにしますか。名前も書いてないし。誰も見てないし・・・^^。

 

10/8(金)曇り後雨

 AM 市場出荷の小物掘り PM 休み
 午前中にサザンカと斑入りヒイラギを掘る作業をした。
 どんよりと曇り、今にも降出しそうな空模様である。それでも午前中は何とか持ちこたえた。
 午後からは本降りの雨で仕事は無理となって休みとしてしまった。市場に出荷する植木が
 まだ掘り終わらないのだが、この雨ではどうしようもない。
 台風22号が関東地方に向っている。これまでの台風では大きな影響はなかったが今度は
 避けられそうにない。かなり強力な台風のようで、どれ位の被害になるか今から心配だ。
 3年前の台風ではビニールハウス1棟が全壊 1棟が半壊 ほかに3棟がビニールを破られる被害が
 発生した。圃場ではモチノキやマキの大物植木が4〜5本倒された。枝を折られた造形樹も沢山あった。
 小物ではコニファー類が特に被害に遭った。コニファーは潮風に弱い樹種が多いので、南風が
 強いと塩害はより多くなる。時代的な要請もあって、潮害に弱い樹種を無理をして栽培しているので
 台風に直撃されたらひとたまりもない状態と言うのが現実となっている。
 願わくは、台風が急激に進路を変えて南海上を通り過ぎて欲しい。欲しいが、気象予報の精度が
 極めて高い現代では、その願いも虚しく思える。科学というのは味気ないのがイヤだねえ。

 

10/7(木)晴れ

 いちごの木の出荷準備
 真青な秋の空が広がった。気温も高目となって少し暑いくらい。
 今日の作業は、イチゴの木の堀取りで、7月に注文を受けたのがフォックスフェース (ツノナス)
 実際の出荷は今になってしまった。
 高さが3mほどあり、このような大きいサイズの注文は珍しい。
 一般家庭用ではないと考えられる。規格指定でもないから
 何処かに列植するのでもないと思う。増殖用の母樹としての需要
 だろうか。それにしては10本という数は少し多過ぎる気もする。
 問屋さんからの注文なので最終的な注文主は分からない。
 このサイズになると根巻きも本鉢(本掛)仕様だ。イチゴノキは
 根が荒れ易いので何度も移植したり根回しをかけてある。
 バックホーは使えない場所なので全て手掘り作業となってし
 まった。夕方までたっぷりかかって終了する。
 秋の陽はつるべ落としと言う。午後5時半を過ぎると暗くなる。
 右写真はカナリーナスでフォックスフェースの名が付いている。
 キツネの顔に似ているからか。装飾用で生け花などによく使わ
 れている。樹木植木ではないが植木生産者も作っている。
 これは親戚の植木屋から貰った物。

 

10/6(水)曇り後晴れ

 小物植木掘り
 昨日の大雨で畑の作業通路は大きな水溜りがそこここに出来ている。これが地下に浸透を
 終えるには大分時間が掛かりそうだ。水溜りは当然ながら通路の低い部分に集中する。
 車両による踏み固めで土が締まって水の浸透を阻んでしまうのが原因で、何年かに一度は
 バックホーで圧縮された地層を掘り起こす(これを天地返しと言う)のだが、長い間には再び
 轍の部分は固まってしまう。低い箇所は新たに土を敷き込むのだが、そうすると今度は別の
 低い部分に水溜りが出来てしまう。土路を完全な水平に保てる術もなく、あちらを上げれば
 こちらが凹む道理となってしまう。
 畑の中は浸透性は抜群なので大雨でもプールが出来ることはない。この辺は砂質なので
 水捌けは特段に良い。であるからして、逆に水持ちは話にならないほど悪い。であるからして
 水掛には年中苦労しているという訳なのだ。各圃場には今でもホースが放置されている。
 今日はツバキとチャイニーズホーリーを掘った。水捌けが良いにしても流石に今日は土が
 ベタベタしてスコップにこびり付いてしまって作業はやり難い。1本掘っては地下足袋の
 つま先で土を落としたり、剪定ハサミの先で擦り落としたりしなければならない。
 本日の市況は、相変わらずの相場展開だったが、全体としてはまずまずの結果だった。
 セリ市場だから同じものを同じように出荷しても価格の変動は避けられないが、長い目で見れば
 良いものは値段も良いし、悪いものはやはり悪いと言う基本的なものは結果として表れる。
 そんな中、コニファーは堅調を維持した。サザンカは引き続き安値だった。ヒイラギ類は
 樹種によってバラつきがあるものの良。実物も時期的な要因か良。ツバキは少し安値。

 

10/5(火)雨

 雨で仕事は休み
 朝から晩まで本降りの雨。ま〜あよく降ったこと。
 これで今日はいいとしても、明日も畑に入れないのではないかと危惧する。
 週末に向っても天候は良くないようだ。忙しい時期の雨続きは本当に困ったものである。
 今日は朝からパソコンと格闘して過ぎてしまった。パソコンは時間の経過が早い。
 人間の生活はアナログにかぎると。晴耕雨読の暮らしが嬉しいのが農家の特権でもある。
 昼前に仕事仲間が遊びに来て遠慮なく昼飯を食っていった。
 家族で鬼怒川温泉に一泊旅行に行って来たといってお土産を届けてくれた。
 ぜんぜん紅葉は見られなかったと言っていたので、何でこんな中途半端な時期に行ったのだと
 聞いたら、先に行ったら忙しくなるからと言っていたが、なんか変。この人天然?
 そのうちに携帯に連絡が入り急いで帰って行った。注文が入って、今日中に植木を掘り上げ
 なければならなくなったそうだ。
 この土砂降りの雨でかわいそう。いってらっしゃいと笑顔で見送る私はホント意地が悪い。
 パソコンの不調をこの日誌に書いたら、早速アドバイスのメールを頂いた。
 大阪の高木造園さんからで、とても有難かった。あらためて御礼申し上げます。
 いち早いレスポンスというのは嬉しいものです。(と書いて反省を思い出した。イチゴノキに
 ついての掲示板へのレスポンスが遅れてしまったのでそのままにしてしまいました。
 高木造園さんすみません。)


 

10/4(月)雨後曇り

 埼玉の植木市場へ行く
 明け方から雨になってしまった。気温も低い。今日も雨合羽を着込んでの作業を強いられて
 憂鬱な気分だがやるしかない。「気合だぁ!」と声を出さずに自分に言い聞かせる。
 雨の日の仕事は本当に辛いものがある。同業者の人達も皆同じ気持ちだ。早く仕事を終了させて
 家に帰りたいとの思いは誰も同じようだ。新聞配達も始まっていない時間に出かけて3時間も車を
 走らせてくる。睡眠不足が疲労感を増す。テンションを高く維持しなければとてもやっていられない。
 仕事と名が付けば楽なものはないだろうが、こうして稼ぐお金は掛値なく尊いものだと思う。
 10月に入って市場は出荷量が多くなってきた。この月が秋の植木の最需要期であるので
 当然そうなるが、出荷量が多くなる割にはお客さんはそんなに増えない。
 だから需要期にしては価格は上がらないのが例年のパターンなのだ。目ぼしい物や売れ筋の物は
 流石に期待できるが 一般的な樹種は最低限の価格となってしまう。

 

10/3(日)雨

 AM 市場出荷の積込み PM 休み
 朝から小雨模様で雨合羽を着用しての作業となった。雨がなければ造形樹の掘り取りを
 予定したが、この雨では作業がやり難いし気力も湧かない。現在堀上てある小物だけを
 積込むこととした。ポット樹木も含めると総数で400本ほどになる。
 積込み終了後、昨夕注文を受けたコニファーを10本ほど畑に掘りに行った。
 雨でスコップに土がこびり付いて掘りづらい。少量だから何とかなるが、雨の日の掘り取りは
 やはり無理のある作業だ。こんな日は休むに限ると、午後からはパソコンの前に座った。
 調子の悪いパソコンをああでもないこうでもないと動かしているとアッと言うまに時間が過ぎる。
 WinXPを上書きインストールしてみたら修復できたところもあれば狂ってしまった箇所も出来た。
 設定をやり直したり余計な面倒を背負い込んだりで、目的の不良は直らない。
 BIOSを直して一部復旧したが、今度は他がうごかない。ドライバーを再インストールしたりして
 何とかなってきたがまだ完全ではない。対応しないドライバのインストールが問題だったらしい。
 それにしてもコンピューターという不完全な機械を素人が扱うこと自体に無理があるのではないか。
 もっと単純で頭のいい機械を作れないものかと思う。時間と趣味のある人には難しいほうが
 楽しみがあるのだろうが、機械は機械、プロセスなどどうでもよい。機械を使って目的が
 果たせればそれで事済むのである。多機能であるが故の複雑さは理解できるが、何故これほど
 まで微妙なのか。融通が利かないパソコンが馬鹿なのか。利きすぎる人間がいい加減なのか。
 こんな性能の悪い機械を有難がっている人間は本当にいい加減だと思う。
 凄い力を発揮してはいるが、真の意味で誰でもが簡単に出来る機械の開発には、まだ相当長い
 時間が掛かるに相違ない。それはつまり人間の進歩の速度でもあるのだろう。

 

10/2(土)晴れ

 小物植木掘り(ツバキ サザンカ 姫マサキ)
 昨日にも増して夏のような陽射しが照りつける。湿度は低いのだが力仕事をしていると
 汗をかく。これだけ気温が高いと当然作業効率は悪いし体も疲れる。
 今日はツバキ掘りがメインで 種類はハツアラシ アキノヤマ 隠れ磯 など。
 これにサザンカの少量の注文品を加えての作業となった。畑は先日の雨で潤って今が
 掘り取りにはちょうど良い湿り具合である。スコップの切れ味も小気味良い。

 

10/1(金)晴れ

 小物植木掘り コニファー(エメラルドグリーン エレガンテシマ ウエストモント)
 よく晴れ上がった。秋日和と言うより、まだ夏の様相が濃い。
 風も弱く仕事をしていると汗ばんでくる。暑く長かった9月が終わり、今日から10月になった。
 植木の出荷も最盛期を迎える。秋の需要期ではあるが植木の動きも鈍いのが実状である。
 値動きもパッとしない展開だ。供給過剰と言うよりは需要の減少の下げ止まらない傾向が
 続いていると言ったほうが正確であろう。
 この地方の植木生産者も販売減に頭を悩ませている。生産量も減少している。
 何の種類を作れば良いのか、また生産形態をどう変更するかと、日々深く混迷した思案の
 中にいる。
 生産者は何もせず立ち止まっていることは許されない。苗木を植えつけても、それが実際に
 販売できるのは3年も5年も先の事であるから、今何もしないと言う選択肢はあり得ない。
 この地の特産であるマテバシイ クスノキ タブノキ等の樹種も売れ行きが落ちてしまい
 圃場には放置されて伸び放題になってしまった大物が多い。
 逆に、これらの樹種の小径木は供給が不足気味である。C30cm以下のサイズの樹の
 問い合わせは多いようである。
 これは販売の減少が著しくなった4〜5年前から、苗木の植え付けが極端に少なくなっての
 結果としての現象であり、現在これらに該当する在庫を保有する生産者は有利な条件での
 販売が見込めるはずである。
 いずれにしても、暫くは先の見えない状態の継続が予想される。
 いつまでかは分からないが、何れは体力勝負の様相を呈するかもしれない。
 体力勝負に自信のない人は知力を振り絞って進むべき道を探さなければならない。

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