9月
1日【リトル比良】
吹田のアパートを、朝6時半過ぎに出発した。どこに登るか二転三転し、やっとJR湖西線北小松駅から“リトル比良”と呼ばれる700mの尾根を巡る縦走に決まったのは、9時を過ぎていた。駅前は、丁度電車が着いたみたいで大勢の登山客で賑わっていた。
準備をしてみんなより一足遅れて出発した。車道の終点までの20分余りの歩きですでにバテ気味、楊梅ノ滝の滝見台でも、滝を見る余裕がない。虫刺されと日焼け防止の為、いつも長袖のシャツを着ているが、そんな事は言っておられないとシャツを脱いだ。風は吹いているのに暑〜い!40分で着いた涼峠は、その名の通り涼しかった。
職場の組合の仲間で、月に一度は登山をしていると言う、5人のおじさま達が休んでいた。オトシという湿地帯を抜けると寒風峠で、先程の人達と又一緒になり、おいしいパイナップルの缶詰をいただいた。峠から北へ滝山を越えて、グーンと降り又登り返して嘉嶺ガ峰で又一緒になり、コーヒーを飲ませて貰った。ここから先行し、鵜川越えからの急坂を登ると30分弱で岩阿沙利山で奥に仏岩があった。やっぱり、おっちゃんは登る。
アップダウンを繰り返し40分でオーム岩に着いた。途中の木には何ヶ所も「オーム真理教登山部」とか・・いたずら書きがしてあった。ここから岳山までは琵琶湖がきれいに見え、振り返るとオーム岩におじさま達が着いたのか声と人影が見えた。山頂の石垣の洞窟に観音様が祭られていて、ここで小休止して後は下るのみ、昔の参拝道をガレ場や岩等をどんどん降り、倒壊している岳観音堂を過ぎ石段を降りると、左手に白い砂利地帯が見える。水晶があるらしい・・ ロープが張ってあって、マツタケが採れるらしい松林を降りると、神社の手前で猿の群れに出会った。子供だけでも十匹はいただろう、写真を撮っていると、ボス猿らしい大きな猿が出て来たので、びびった。(猿と言えば8月14日に皿ケ嶺に行った時も大きな猿に出会った。下の方だったけど)
音羽バス停で便を見るとJR近江高島駅まで歩く方が早いので歩く事にして、ジュースを買って飲んだのが運のつきで、15時45分に駅に着いたとたんに電車が発車・・・40分も待つんじゃ〜と、タクシーに乗ったら2300円もかかった。おまけに湖西道路で渋滞にも巻き込まれた。
教訓: 行き当たりばったりはやめて、汽車の時刻表は確認して行く事。
低山で暑いし、アップダウンが厳しいが、自然が残るいい縦走路だった。
8日【釈迦岳】
この週末はおっちゃんの用事で山は休みの予定だった。来週の土日、職場の人の友人の別荘で泊まって比良の山へ登るという計画も、私達は帰郷する事になったので参加出来なくなった。急遽おっちゃんの用事を土曜で切り上げ、Sさん・Mさんが下見に行くのに誘って貰った。
2度目の釈迦岳だが、今回はリフトの下から、イチョウガレを登った。8月25日に通った神爾の滝方面との分岐を右にとり、シャカ岳駅まではリフトをずっと見ながらの約1時間の登りだ。小休止の後、琵琶湖からの風に揺れるママコナを見ながら、深くえぐられた登山道を木の根をつかみながら登ると、シャクナゲが見え出し岩の間を登るようになる、「大岩が多いわ」とおっちゃんのダジャレが飛び出す・・・
40分で最初に登った時に通ったワンゲル道からの分岐に着いた。バテたのを思い出すが、今回は息が上がるが大丈夫だった。トップのSさんのペースが速く1時間50分で頂上に着いた。記念撮影し、後はカラ岳を越え、比良ロッジのビールを目指して歩くのみ、ところが比良ロッジは臨時休業だったので山上駅でビールをゲット! 営業売り上げbPの彼女が作ってくれた、おにぎり、漬物、卵焼き等、なかでも“明石のたこ”は最高だった。
下りは比良トピア(温泉)に行く予定なので渋滞に巻き込まれないように早く下りようとロープウェイ、リフトで降りた。
今回は送迎つき、お弁当つき、温泉つきのいたれり、つくせりの山行だった。感謝!
15日【堂が森〜二ノ森〜土小屋】
吹田から南港フェリー乗り場まで1時間余り、重いザックを担いで帰り、朝5時起きしたっちゅうのに「石墨山にするか」とおっちゃん・・。それなら、サブザックでよかったのに・・と私。結局、久しぶりに梅が市から堂が森と決まり、出掛けた。
梅が市の駐車場にはロープがかかり、若山建設の社長さんの怒りは(好意で駐車させて貰っていたのに、ふとどきな登山者の為に駐車出来なくなっていた)まだ解けないのかと思っていたら、登山口の前にきれいな駐車場が出来ていた。そして、先着の高知からの二人と、前後して登る事になった。
お二人は二ノ森まで登り、土小屋から来るお仲間と会うとのことで急いでいた。私達は堂が森までと思っていたので、堂が森でやれやれと思っていると、おっちゃんは五代の別れまででも行きたい・・と、休んだら元気も出て来たので行ける所まで行くかという事になり、結局二ノ森までとなった。登山道にはツルニンジン、いろいろなきのこ、稜線に出てからはリンドウ、アサマリンドウ、センブリ、シラヒゲソウ、アキノキリンソウが咲いていたが、私はオートでなくマニュアルで撮っていたので、帰りにゆっくり写真を撮りながらと思っていたのに・・・。
二ノ森までの道で、登山道の草刈りをしている人に会った。リンドウ等花は避けて刈ってくれており、その心遣いがうれしかった。最後の急坂で、大きな声が聞こえた。はっきりとは聞き取れなかったが、無名峰=鞍瀬の頭に5〜6名の姿が遠望できた。そして、直ぐに二ノ森だった。昼食をとっていると、やがて“お仲間の人達”が到着し、「お友達になった・・・」を、「お友達に会った」と、私達を知り合いと勘違いされて、縦走がしたいので土小屋に降りないかと提案された。私達は縦走した事もあるしどちらでもよかったが、みんながそうしたがっているのが分かったので、車のキーを渡しその提案に乗ってみる事にした。
という事で、高知の二人と共に土小屋に足を踏み出したのだが、道すがらの話の中で、昨秋(10月14日)の高瀑から二の森への路で見た紅葉を話題にした。「そういえば、ひょっとしてあの高知のグループは、あなたたちですか?」「それじゃ、あの時のご夫婦?」・・・と、こういう形で遭える事に、驚いた。しかし、彼らとの縁はそれだけでは無かった。これも、同じく昨秋の“面河の行方不明者の発見”のグループが、彼らだった・・・というじゃん〜・・・「昨年の10月7日は、私達は“面河乗越し”でテント泊で、友人と行方不明の人の話題をケータイで話しました、翌日の新聞を見てびっくりした」等、国民宿舎に着くまでには話しは尽きず、終わらなかった。霧で展望はなかったが、縦走路にはナヨナヨコゴメグサがひっそりと咲いていた。
兎に角、1900m峰の縦走は無事に終了した。