亡くなった王妃様の生前の言葉を思い出し、パヴァン王は立ち直った。
イシュマウリの魔法が解けたのか、階下で眠りこけていた城の人たちが、テラスへと上がってくる。
そして、その人たちに向かって、パヴァン王はハッキリと宣言した。
この国の喪は明けたのだと。
早速、城下町にも御布れが出され、国全体が活気づいていくのが伝わってきた。


だけど。
私たちには、その歓喜の空気や、夢のような光景の余韻に浸る余裕は無かった。
願いの丘から入ったはずの月の世界は、出る時にはイシュマウリの不思議な力で、直接このアスカンタ城に繋がっていた。
そして、丘の麓で待っていたトロデ王と馬姫様が、一緒に運ばれてきた気配は無い。
ということは、もしかしなくても……置き去りにしちゃったって事なのよね。


「やっぱり、迎えに行くしかないわよねぇ」
あの丘にはルーラでは行けないから、また川沿いの教会から、二日もかけて歩いていかなきゃならないと思うと、ちょっと気が重いわ。
「そうだ……迎えに行かないと!」
それまで呆然としてたエイトが、いきなり階段に向かって駆け出した。
「えっ、ちょっと、エイト……」
素早さが命の魔法使いの私は、咄嗟にエイトの腕を掴むけど、所詮は魔法使いの腕力で、一瞬も止められずに振り切られてしまった。
「ちょっと待ってよ、エイトってば!」
エイトはそのまま、階段を駆けおりていってしまう。
もしかして『迎えに行く』って言葉に反応しちゃった?
あーもう、余計な事、言わなきゃ良かった。
「ったく、あのバカ!」
ククールがエイトを追いかけて階段を降りていく。
……んーと……。
任せて大丈夫かな。
ククールは逃げ足を含めて、走るの速いから。

「ヤンガスー!! 早く来て、手伝え!」
珍しく余裕のない感じのククールの声が聞こえてきて、私とヤンガスも階下へおりる。
そこではエイトが、羽交い締めにして止めているククールを、必死に振りほどこうとしていた。
「離せっ! 早く王様たちを迎えに行かないと!!」
「こら、暴れんな、このバカ力!」
一番の力自慢のヤンガスが、前に回ってエイトを押し止める。
それでようやくエイトも観念したのか、暴れるのをやめた。
「早く……迎えに行かないと……」
エイトのその声は、止めた事に罪悪感を覚えるほど、か細いものだった。
「ねえ、エイト。だからって、一人で飛び出そうとすることないじゃないの。私たちがそんなに薄情だと思うの?」
「そうでがすよ。アッシらを置いていこうとするなんて、あんまりでがす。もちろん一緒におっさんたちを迎えに行くでがすよ」
私とヤンガスは、一生懸命エイトを宥めようとしてるのに、ククールは無言でどこかに行っちゃおうとする。
「ちょっと、ククール! どこ行くの?」
まさか、『疲れるからオレはイヤだ』とか、言うつもりじゃあ、ないでしょうね?
「馬、借りてくる」
予想していたのと、全然違う言葉が返ってきた。
「あんなとこまで、また歩いていくなんて疲れること、オレはイヤだからな。馬で行った方が早く迎えに行けるし、その方がいいだろ?」
今度は、予想してた通りの言葉が含まれてたけど、内容は違いすぎて、やっぱり何も言葉を返せなかった。
そうしている間に、ククールはパヴァン王を連れて戻ってきた。
パヴァン王は、喪服から明るい色の服に着替え、表情もすっかり晴れやかになっている。
「皆さん、お急ぎの用で、馬が必要だとか。城の者たちは皆、忙しいので、私が厩舎までご案内しましょう」
皆は忙しいって……王様は、ヒマなの?

パヴァン王に案内してもらった厩舎には、さすがに王家の所有だけあって、立派な馬がたくさんいた。
そこでどれでも、好きな馬を選んでいいって言われたけど、私は重要な事をまだ言っていなかった事に気づく。
「あの……。私、馬に乗ったこと無いんだけど、初めてでも乗れるものなの?」
「あ、アッシもでげす」
ちょっとの間があって、ククールは私たちには返事をせず、エイトに確認を取る。
「エイトは、乗れるんだよな?」
「うん。あんまり上手くはないけど、走らせるくらいなら何とか」
「じゃあ、そんなに速くなくていいから、二人乗せても長距離を走れるのを二頭、頼みたいんだけど」
厩務員の人にそう注文を出すってことは、やっぱり無理なのね。


ルーラで、川沿いの教会まで行き、そこから歩いて橋を渡る。
慣れないルーラに興奮していた馬が落ち着いた頃、ククールが馬の鞍に手をかけて、私の方にもう片方の手を差し出してくる。
「はい、どうぞ」
「……何?」
「何って、エスコート」
それは、すごく自然な態度なんだけど……。
私たちの中で、一番馬に慣れてるのがこの人だっていうのも、わかるんだけど……。
どうにも、この人の手を借りる気にはなれない。
「エイトに手伝ってもらうから、いいわ」
そこで、ククールに背を向けたのが、悪かった。
「まあ、そう言わずに」
後ろから腰に腕が回されたかと思うと、次の瞬間には足が地面から離れてて、気が付いたら馬の上に乗せられていた。
「一名様、ご案内〜」
とぼけた事を言いいながら、ククールも素早く馬に跨がる。
「やだ…ちょっと、誰があんたと乗るって言ったのよ!?」
「だって、オレとヤンガスが一緒に乗ったら、馬が可哀想だろ?」
私の抗議に、ククールはアッサリと正論で返してくる。
……確かに、縦にと横にの違いはあるけど、標準以上の体格の二人に乗られたら、馬は可哀想かも。
「じゃあ、問題無しってことで」
私がちょっと考えてるスキに、ククールは馬を進め始めてしまった。
「ちょっと! 私はまだ納得してないわよ! 降ろしてよ、この人さらいー!!」


私がどんなに暴れても、ククールにとっては痛くも痒くもないらしく、いい加減に抵抗するのにも疲れてきた。
「ねえ……せめて、跨がらせてくれない?」
横座りって、どうにも不安定なんだもの。
「スカートで?」
「う……ダメなの?」
「レディが、そういうはしたないマネしちゃ、いけません」
何よ! ククールったら、時々、お母さんみたいなこと言うんだから。
「だって、落ちそうで怖いのよ」
「オレがついてて、レディを落馬させるわけないだろ」
それはそうかもしれないけど、何だか……とにかく、落ち着かないのよ。

「いてえっ!!」
ドスンという音と一緒に、ヤンガスの悲鳴が聞こえ、ククールが馬を止める。
「エイトのヤツ、想像してたよりも下手だな」
後ろを振り返ると、さっきのはヤンガスが落馬した音だったことがわかった。
もし、あっちに乗っていたのが私だったら……今落ちてたのも、私だったってこと?
エイトが馬から降りて、ヤンガスにホイミをかけてるみたい。
「しょうがねえな。この辺で、少し休憩するか」
馬から降りて、エイトたちの方に戻るけど、ヤンガスはまだ立ち上がれない様子だった。
「いてぇでがす〜」
「ちょっと、ヤンガス。大丈夫なの?」
大してスピードは出てなかったんだし、頑丈なヤンガスが落馬くらいで大ケガするとは思えないんだけど。
「いや、落ちたケガは平気なんでがすが、どうにも股ぐらが痛くて、堪らねぇでげす」
「おいコラ、レディの前で下品な発言すんなよ」
いつもはククールに、『レディ』って言われる度にムカつくんだけど、今回ばかりは、その通りだと思うわ。
「でも、揺れる度にその部分に全体重が掛かるから、慣れるまでは辛いんだよね。僕も最初はやっぱり痛かったよ」
エイトの言葉で、私は自分が今、特にどこか痛い部分が無いのに気が付く。
もしかしたら……横座りを強要されたのも含めて、ククールが私に負担が掛からないように、気を遣ってくれてたのかも。
ククールはいつの間にか川岸で、馬に水を飲ませている。
……何よ。いつもは、うるさいくらいにアピールしてくるくせに、こういう時はサッサと話から外れるなんて。
そういえば、馬を借りればいいって提案してくれた時も、変にぶっきらぼうだった。
まさか……実は照れ屋さんだったりする?

一度慣れてしまえば、馬での旅は歩くよりもずっと快適だった。
馬の背は高いから、初めは少し怖かったけど、周りを見る余裕が出来れば、いつもより高い目線で、早く流れていく風景は、とても新鮮だった。
「馬に乗るのって、気持ちいいね。練習すれば、私にも乗れるようになる?」
「そうだな。普通に歩かせるくらいなら、すぐ出来るようになるよ。だけど、どこか行きたいとこがあるなら、オレが送ってくのに」
「ううん、そうじゃなくて。ただこれから先、こんな風に馬でどこか行くことになった時、自分で乗れた方がいいんじゃないかと思って」
「う〜〜ん。でも、ゼシカが一人で乗れたら、ヤンガスが可哀想だからな」
「どうして、ヤンガスが可哀想なの?」
ククールは後ろを気にしながら、私の耳に顔を近づける。
そして、ものすごく真剣そうな声で、こう呟いた。
「あいつ多分、鐙に足が届かない」
………………。
「や、やだ、一体どんな深刻なこと言うかと思ったら……」
そのヤンガスの姿を想像してしまったのと、ククールの声音と言葉の内容のギャップで、思いっきりツボに嵌まってしまった。
「いや、深刻なんだって。鐙無しで馬に乗るのって、結構、高度な技術がいるんだから」
「だ、だけど…あんな真剣な声で言う話じゃないと思うわ。ヤンガスが聞いたら、傷つくわよ」
あーもう。笑い過ぎて、涙まで出てきちゃった。
「それで笑ってるゼシカの方が、よっぽどひどいだろ」
だって、冗談みたいな内容を、真面目な顔して言うククールが、おかしいんだもの。
「またあの丘まで行くハメになって、イシュマウリに文句の一つも言いたかったけど、たまにはいいな。おかげで珍しく、ゼシカの笑った顔が見られた」
「ちょっと、何よ、その言い方。私が普段、怒ってばっかりいるみたいじゃない」
「あ、自覚あったんだ」
本当に、この男は! どうして私にばっかり、こんなに意地悪なのよ。
「あ、でも勝手にアスカンタに飛ばされたのには、文句は言いたいわ。私、あの丘に咲いてる花を摘んで帰りたかったのよ。青い花なんて珍しいから、兄さんのお墓に供えてあげたかったのに」
「青い花? そんなの咲いてたっけ?」
「何? ムードがどうとか言ってたのに、そんな事も気づかなかったの?」
「目の前に、花より美しいレディがいたから、他の物なんて、目に入らなかった」
ごまかすようにそう言って、ククールは空を仰ぐ。
「今日はいい天気だな。陽射しがあったかい」
その言葉に、私も視線を空に向ける。
本当に、雲一つ無い晴天で、目の前を流れる川に、陽の光が反射して、キラキラ輝いている。
「そうね。風も気持ちいいわ」
目を閉じると、川のせせらぎも耳に心地いい。
自分の足で歩いてる時は、体力にも余裕がなくて、こんな風にお喋りしたり、景色を眺めることなんて出来なかった。
トロデ王や姫様とはぐれたのは、ちょっと迷惑だったけど、たまにはこういうのも、ちょっと得した気分かもしれない。


「いてえっ!!」
「えっ、何!?」
聞き覚えのある声に驚き、私は跳び起きた。
でもそこは、跳び起きたり出来るような場所じゃなくて、思いっきりバランスを崩してしまう。
「っと、あぶねっ」
抱きとめてくれる腕にしがみつき、何とか体勢を立て直す。
「おい、ヤンガス。落ちるなら静かに落ちろよ。起きちまっただろうが」
「イテテテ、め、面目ねえでがす」
ヤンガスが、また落馬しちゃったのか、腰をさすってる。
「私……もしかしなくても、寝ちゃってた? ごめんなさい。疲れてるのは、みんな同じなのに……」
「謝ることないよ。昨夜は徹夜だったし、少しでも休めたんなら良かった。じゃあ、この辺で、お昼ご飯にしようか」
それまで痛そうにしてたヤンガスが、『ご飯』というフレーズで元気に立ち上がる。
私は、エイトに『謝ることない』って言ってもらっても、恥ずかしくて顔が上げられない。
「ククールも……ごめん。私、ずっと、よっかかっちゃってたんだよね?」
「美女に寄りかかられるのは、光栄の極み。柔らかくって、大変結構な感触でした」
いつもなら、女として扱われることに反発してるけど、私にそんな権利無い。
いくら男の人と対等にやっていくつもりでも、どうしてもこういう所で、体力の差が出てしまう。
「でも…ごめんなさい」
「何? そんなに気にするってことは、もしかして、ヨダレでも垂らした?」
「なっ…失礼ね! 垂らしてないわよ!」
よりによって、何てこと言うのよ、この男は!
でも可能性はゼロではないので、一応確かめてみる。
「何だよ。ゼシカのヨダレだったら、オレ全然気にしないからいいのに」
「だから、垂らしてないってば!」
何とか垂らしてないみたいだわ。良かった。
それにしても、うっかり忘れるところだったわ。
この人は私のこと、女扱いじゃなくて、子供扱いしてたってことをね!


その後は、大きな問題も無く、何とか陽のある内に、丘の麓付近まで来ることが出来た。
なのに、この突き出てる断崖を曲がれば、トロデ王たちの姿も見えるだろうって所で、ククールは突然、馬を止めた。
「どうしたの?」
「ん〜? そうだな。男心の事情ってとこかな」
意味のわからない事を言って、馬から降りてしまう。
そして、私も降ろされてしまった。
何か、今回……最初から最後まで、乗り降りの時、仕切られてしまったわ。
エイトたちが追いついてきて、同じように馬を降りる。
「ここからなら、歩いても大丈夫だろ? オレは先に戻って、馬を返してくるから」
えっ? どうしてここまで来て?
「ククール……。今日は本当にありがとう。ククールが冷静でいてくれたおかげで、王様と姫様を、無駄にお待たせしなくて済んだ。感謝してる」
「男の感謝は、いらねえよ」
そう言ってククールは、エイトの乗ってた馬の手綱を受け取る。
「何? どういう話になってるの?」
ヤンガスが、訳がわからずにいる私の腕を掴み、背伸びして耳打ちしてくれる。
「エイトの兄貴は、他の馬に乗ってる姿を、馬姫様に見られたくないんでがすよ」
「あっ……」
言われて初めて気が付いた。
確かに、呪いで馬にされてしまった姫様に馬車を牽かせてるのに、自分が馬に乗ってる姿なんて見せたくないって、エイトが思うのは当然だわ。
さっきククールが言った『男心の事情』って、そういうことだったんだ。
「言うなれば、浮気してた現場を見られるようなもんでがすからなぁ」
「いや、それはちょっと、例えが違うと思うわ」

「じゃあな。すぐそこだけど、気を付けていけよ」
「待って!!」
ルーラを唱えようとするククールを、思わず止めていた。
「あの……私も、一緒に戻るわ」
三人共、変な顔をして私を見る。
何か、この表情は、ちょっと心外だわ。
「だって……ククール一人だけいないなんて、不自然じゃない。私と一緒にアスカンタに残ったことにすれば、トロデ王や姫様だって不思議には思わないでしょう?」
「そんなゼシカちゃん、オレと一緒にいたいなら、素直にそう言ってくれればいいのに」
「違うわよ!」
やっぱりこんなヤツ、一人でサッサと帰しておけば良かったかしら。

でも、私の提案が、一番自然だろうってことになって、結局私はククールと一緒にアスカンタに戻ってきた。
「それにしても、まさかゼシカが自分から、オレと二人きりになりたいって言い出すとは思わなかった」
ルーラで興奮した馬を宥めながら、ククールが言う。
「だって、ククールだけいなかったら、あんた一人だけが薄情者みたいじゃない。それはいくら何でも、可哀想だと思ったのよ」
「へえ、オレの顔を立ててくれたんだ」
「今日は優しかったからね。特別よ」
「何だよ、その、普段は優しくないみたいな言い方」
「いつもは意地悪よ。ちなみに今日も、私には優しくなかったからね。あんたって、馬が相手だと、普通に優しいのね」
体に水をかけてあげたり、角砂糖をあげたり、小まめに世話してたもの。
「オレが一番優しさを発揮するのは、レディ相手の時なんだけど? 今夜にでも、ベッドで確かめてみるかい?」
「何よ。添い寝して、子守歌でも歌ってくれるの?」
本当にこの男は、どこまで人を子供扱いすれば気が済むのよ。
「子守歌って……まあ、歌ってほしいなら、お望み通りにするけど……」
何だかククールは、可哀想な子供を見るような顔で私を見て、ボソリと呟いた。
「こんな口説き甲斐の無い女は、初めてだ……」
口説いてほしいとは、これっぽっちも思わないけど、こういう言われ方も、ちょっと悔しいかも。


アスカンタの城下町に入ると、初めてここを訪れた時とは、まるで様子が違っていた。
子供たちは元気に駆け回り、井戸の周りでは女の人たちが水を汲みながら、おしゃべりに興じている。
喪服姿で沈んだ顔をしていた人達が、思い思いの色の衣服に身を包んで、夕焼けの中で、生き生きした表情をして働いている。
つい昨日まで、暗く死んでしまったような町だった場所と、同じ所だとはとても思えない。

なのに……
良かった。
そう素直に思う事が、私には出来なかった。

「あ、しまった。せっかくあそこまで行ったなら、花を摘んでくりゃ良かったな」
ククールの言葉に、心臓が飛び出そうになった。
「えっ……?」
「ほら、兄さんの墓に供えたいとか言ってたろ?」
「あ…あれ? やだ、あれは……冗談よ。私、敵討ちが終わるまでは帰らないって決めてるんだから……」
「そうなのか? それならいいけど、オレに付き合ってくれたせいで、忘れたなら悪いと思ってさ」
ククールはただ、親切で言ってくれてるとわかってるけど、私はまるで責められているように気持ちになった。

アスカンタの人達の様子を見て、思い出してしまった事がある。
私、リーザス村の人たちが、兄さんの死から立ち直って、普通に暮らしてるのを許せなかったって事。
それなのに、国の人達に喪に服すことを強要したパヴァン王を、非難する権利がどこにあったの?
そんなことをコロッと忘れて、人の恋路に興味津々だったり、大声で笑ったりして。
その上、呑気にお花を摘みたいなんて、そんな自分勝手、信じられない。
でも、何より一番、自分を怖いと思うのは……。
私がまだ、リーザス村の人達が、普通に暮らしてる姿を見たくないと思っていること。


早く…兄さんの仇を討たなくちゃ……。
そうしたら、兄さんのお墓に、ちゃんと報告しに行ける。
そうすればきっと……。
……きっと、私も、笑って暮らせるようになる。
仇さえ討てれば…きっと……。

第二十四話へ

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