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夜、ジルの寝室のベッドで横になってた俺は気配を感じて、寝がえりをうった。

「おかえり、ジル」

額にキスをしてきたジルは俺を引き寄せてベッドに寝る。
さり気なく今日どんな仕事をしてきたか聞いた。
けど、何も答えてくれない。
その代わり、腕の力が強くなり、抱きこまれた。
まるで離さないように、何も俺に近づかせないようにしているみたいだ。
思った以上にジルの心の傷は深いのかもしれない。
その傷が少しでも癒えるまで警備隊の事も、閉じ込められている事に関しても何も言わないでおこうと決めた。

「ジル……ん、はっ」

唇が重なり、触れ合っていただけものが徐々に深くなっていく。
ジルの舌が絡んできて、俺なりに絡み返す。
俺の動きを大人しく受けていたジルだったが、突然食らいつくようなキスに変わった。
ジルと口が一つにくっついてしまうんじゃないかと思うくらい、激しいキスをされ続けた。
しばらくして、ジルの唇が離れていく。

「はぁ、はぁ……っ」

息切れしている俺を熱の籠った深紅の瞳が見つめて来る。
思わずこのまま、身体を委ねてしまいそうになったが、それを堪えた。
渦巻く熱を抱いてしまっている事を悟らせないように、そっと手を伸ばしてジルの頬に触れる。

「ジル、ちゃんと睡眠を取ってるか?」

俺を探している時、一睡もしていないって聞いた。
ジルの城、バルバティアス城での仕事だって、この領地に関わる仕事だってある。
それにグレンから教えてもらった情報だけど、反総統の一味が表立って動いていてレヴァの一族が殺されている問題もある。
その他にも、俺が知らないものを、まだたくさん抱えているんだろう。

「あ、だめだってっ。睡眠を取らないと。明日だって仕事なんだろ?」

俺の身体を触り始めて来たジルの手を押さえる。
うっ……。
目が……とても訴えて来ている。
やりたいって。
すごく、やりたいって。
ダメだ、ここで負けてはならない。
ジルの身体の為だ。

「あっ、コラ!」

ペロリと首筋を舐められた。
そして何度も甘噛みされる。
したい、したいと強請られている。

「ジル、そんなに噛むなって」

お、俺だって、ジルと……。
いや!ダメだ、ダメ!!
ジルを押し返すと、それは不満そうな目をしたよ。
それに気付かない振りをして、俺はお休みと言ってジルに背を向け、シーツを被り直す。

「聖司」
「――ひぁっ」

耳に唇を当て俺の名前を呼ぶ。
それ、ダメだって!
ぞくぞくと震えていると、シーツの中に潜り込んできたジルに後ろから抱きこまれた。
この後も、甘噛みは続く。
……っ、これって俺がいいよって言わない限り止めない気がする。

「ジル……」
「……」
「……血。血を吸っていいから、あれはなしな」
「……」
「あっ、――んぅっ」

振り向かず提案をすると、すぐに吸血される。
血を吸ったらきっと寝てくれるだろうと思っていた。
しかし、俺の身体に問題が起きた。
熱を帯びていた身体がますます熱くなってしまったのだ。
吸血されているところから全身に広がって行く熱は下半身に集まって来て、俺の息子が起き出した。
コラッ!もう夜なんだから寝てろ!
いい子だから静かに寝てるんだ、息子よ!
身体を丸めてジルの吸血が終わるのを待つ。
ジルは俺の血をゆっくり味わうように吸っている。

「ジル、ま、まだ?」
「……」
「も、もう、いいよな?な?」
「……」

唇が離れ、吸っていた首筋を舐められた。
ぞくぞくぞくっとそこからまた熱が押し寄せて来て、耐えるようにもっと身体を丸めた。

「――わわっ、ちょっと、ジル!」

背中からジルの手が侵入してきて、思わず振り返った。
すると手は腹の方に回って来て、そのまま上がって来る。

「吸血したから、なしって言った!――あっ」

胸の突起を弄られながら、きゅうっと摘まれる。
ビクッと身体が跳ねて、丸まっていた脚が伸びた。
俺の身体の側面の下に片腕が入ってきて、ジルとくっついたまま掬い上げられる。

「えっ?」

あっという間に、ジルの上に重なるように仰向けになってしまった。
ジルの鎖骨部分に俺の頭が乗っている。
二つの手が首元まで寝間着を捲り上げて、胸を這いまわりながら俺の動きを押さえているから、起き上がる事ができない。
頭を動かし、ジルを見上げて、離すように訴えた。
積み重なっている枕に寄り掛かっているジルは、少し低い位置にいる俺を見下ろして、無言で手を動かし――。

「っああ!」

両方の突起を同時に摘まんで来た。
その反動で起き上がろうとした身体はジルの腕に阻止される。
しかもその時、俺は気付いてしまったのだ。
寝間着のズボンの上から見て分かるくらいに俺の息子が起っている事に……っ。
広げていた脚を慌てて閉じる。
だけど、ジルの片手が胸から下がって、寝間着のズボンの中に侵入――させるかっ!
不埒な手をガシリと両手で押さえ付ける。

「ジル!吸血しただろ!あれはしないんだからな!」

俺の頭に頬を擦り寄せたジルは、きっぱりと、していないと言った。
何だって?
おいおい、じゃあ、この手は何だ?
阻止しようとがんばっている俺の両手をほとんど突破して、ズボンの中に侵入を始めてるこの手は何だってんだ!

「おいっ!マジでこれ以上はっ!」
「聖司」
「ひっ!卑怯者ぉ〜」

耳元付近で名前を呼ばれて、油断していた俺はうっかり手の力を緩めてしまった。
ジルの手に起ち上がっている息子がしっかりと握られてしまう。
暴れてたらズボンが太ももまでずり下がって、ジルに扱かれている光景が丸見えになった。

「やだ、ジル!やだ!しないって言ったのに!……んんぅっ」

すでに濡れてしまっている先端をジルの指が絶妙な加減で撫でて来て、達きそうになり、グッと堪える。
くそっ、この体勢、完全に俺に不利じゃないかぁっ!
ジルの手から息子を奪還するべく、がんばった、がんばったんだよ。
でも、腰から上がって来るどうしようもない感覚に抗う事が出来なくて……結局ジルの手に吐精してしまった。

「馬鹿っ、馬鹿ジル!」

ジルに寄り掛かり、乱れた息を整えながら罵っていたら、耳元でピチャピチャと何かを舐めているような音が聞こえてきた。

「!?」

ジルを見て目を丸くした。
何と俺が出したモノを舐めていたのだ。

「舐めるな!拭けよ!えっと、拭くものっ」

拭けるものを探したけど、シーツしか見当たらない。
この際、シーツでもいいやとそれを引っ張って、ジルの手を拭こうとしたら避けられた。
しかも俺に見せるように赤い舌を出して全て舐め取っていく。
ジルの腕が離れた事もあって、自由に身体を動かせるようになった俺は急いでジルに向き合った。




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