「ジル、あのさ。聞きたい事があるんだけど……」

ジルは視線だけで先を促した。

「えっと、ジルはレヴァの始祖と近い血筋を持つ者が誰だか知っている?」
「……」
「ジル?」
「なぜ」
「それはエレに会うためだよ。だって呼び掛けたって未だに会えずじまいだ…し……」

俺はその先の言葉を紡ぐ事が出来なかった。
なぜならジルの怒りが俺を押し黙らせたからだ。
ゴクッと俺の喉が鳴る。
なんでエレの話しをするとそんなに機嫌が悪くなるんだ。

「行くな」
「え?」

ジルは俺を引き寄せ腕の中に閉じ込めた。
そして耳元で行くなと囁く。
さっきから何を言っているのか。
俺がどこに行くとかいう話しをしていた訳ではないのに。

「行くなってどういう事だよ」
「帰るのだろう」

帰る…。
あ、もしかしてジルは俺がエレに会いたいといっているのは人間界に帰るためだと思っているんだ。
以前、元いた世界に帰りたいと言った俺にジルは今までにない酷い抱き方をした。
その時の苦痛を思い出し身体が委縮する。

「帰りたいか」

ジルの深紅の瞳が怒りに燃え、俺を見据えている。
帰りたい…?
それは…帰りたい。
誰だってそう思うはず。
そこには家族も友人もいる。
……でも。
ジルは?
ジルは魔界で暮らす者だ。
しかも次期総統候補でもある。
俺が元いた世界に帰ったらきっとさようならだ。
二度と会う事はないのだろう。
そう思った途端、俺の身体の中から何かが抜け落ちて行くような感覚に襲われて 身体が震え出した。
この突然の体調の変化に困惑する。
縋るように俺はジルにしがみ付いた。

「ジル、ジル」

訳も分からない不安から逃げるように何度もジルの名を呼んだ。
人間界に帰りたい…けどそれ以上に…。
ジルと離れたくない。
離れたくないと胸が痛くなるくらい強く思った。

「なぜ泣く」
「…っ、…くっ」

自分でも感情を制御できなくてなさけなく泣いているとジルの指が頬を流れる涙を拭いそれを舐めた。

「そんなに帰りたいのか」

ジルは口角を上げ、冷笑する。
その瞳は相変わらず怒りを滾らせていた。
俺は鼻をズズっと啜って今の気持ちをそのまま伝えようとした。

「お、俺……っ、あ、ジルっ!」

しかし俺の言葉を待たずにジルが俺をベッドに押し倒し服を引き裂く。
口を塞がれ咥内を蹂躙される。
溢れる唾液が俺の口から流れ落ちた。
こ、こいつっ!!

「ジ、…ルっ!や…!」

ボカボカとジルを拳で叩いた所でダメージなんて与える事なんか出来ず、 邪魔だと判断された両手は俺の着ていたシャツを使われて頭上で一括りにされた。
必死に閉じていた足も大きく開かされて中心でジルの頭が動いている。

「ふっ…あぁ!…あっ…んんっ!」

ジルの口で限界まで育った俺の息子は舌で先端を抉られるように弄られて 爆発寸前だ。
とっくに達していてもおかしくはない。
だけど根元に細い糸のようなもので戒められていてイク事ができないのだ。
前にもやられた記憶がよみがえって来る。
俺にとってそれは拷問だ。
ヒクヒクと揺れる息子をジルは指で上下にゆっくりとなぞる。

「…やだっ!ジル!!」
「行かないと言え」

なにが行かないと言えだ!!
俺はっ、俺はっ!!

「ふ、ふざけんなよっ!!馬鹿ジル!!」
「……」
「うあああっ!!」

さらにきつく俺のモノを戒めた。
本当にこいつは!!
涙目になっているせいで憤怒の炎を纏わせているジルがぼやけて見える。
そのおかげで視線はそらさずに叫ぶ事が出来た。

「お、俺はジルと一緒にいたいんだ!元いた世界に帰って二度とジルに会えなくなるのなら…俺は、 ジルの傍にいたい!」

それは俺の一大決心。
シンっと部屋が静まるがそれは一瞬の事。
ジルが覆い被さって来て強く抱きしめられる。

「は、早く、これ取れよ〜!!」

すると戒めが解かれた。
ホッとしたが育っている息子をどうするか。
もちろん出したいのだけどジルに「して」ってお願いするには恥ずかしいし俺がここでするわけにも いかない。
ここはひとまずジルから離れて一人になれる所に行くしかないな。

「ジル、ちょっといいか」

ジルの下から抜け出そうとするけど絡まるジルの腕は俺を離そうとしなかった。
しかも動いたせいでジルの腹に俺のモノが擦られ危うく達きそうになった。
危ねーーー!!

「あっ!!」

ホッとするのもつかの間。
もじもじと足を動かしているとジルが掌に息子を包み込む。
頬がカッと熱くなった。

「ジ、ジルが悪いんだからな!!俺の話しを聞かないでさ!!勝手に怒って無理矢理しようとして!!」
「許せ」

優しく手を動かしながら、耳元で腰にクル声で囁いた。
ジルの言葉の衝撃の方が強くて自分の怒りが弾き飛ばされてしまう。
俺は目を丸くした。
今、許せって言った?
ポカンっとした顔でジルを見ていたが動かされている手に下半身が熱くなって来て慌てる。

「あ、あっ!ジル、ジル…っ!!」

俺は呆気なくジルの手の中で達ってしまった。
はあはあと息を吐いていると双丘の間の穴にヌルッとした感触が。
ん!?
見てみるとジルが俺の出したモノをそこに塗り込み指を突き挿れた。

「ちょっ!?」

身を捩り拒否するがジルが猛った自身を取り出す。
俺と比べてとても立派な息子さんに見入ってしまった。
あれがあそこに入るなんて今さらだけどとても信じられない。
解された穴にひたりと押し付けられ…。
わーーーーーーっ!!!

「ジル!!さっき、善処するって言ったじゃんか!!」
「……」
「何だよその目は!!」
「……」
「だからっそんな目で見て来てもダメなものはダメ!!」

したい、やりたいという熱い視線を俺に向けつつジルの腰は押し進んでいく。
だんだんと俺の中に先端が埋められていってしまうが俺も負けずと腰を引く。
だけど最終的には逃げ場がなくなって熱く脈打つモノが俺の中に全て収められてしまった。
そこからはもうジルの一人勝ちだ。
いつものように何回もしつこくしつこくやられていく。
内壁をズッズッと往復するジルに擦られれば喘がずにはいられないし 弱点スイッチを押されれば一段と声が大きく出るし身体は跳ねるし。
下半身はすでに俺とジルの出したモノで濡れてしまっている。

「聖司」

ジルはしている合間に俺に同じセリフを言わせて来る。
もういいだろ…と思うけど、言った後、きまって嬉しそうな顔するので つい恥ずかしいが言ってしまうんだ。

「ジルの傍にいるよ」

ぎゅうぎゅうっと抱きしめてくるジルの腕の中で眠くなっていく俺は、また朝からしてしまった事を 反省し早急に対策を練らないといけないなと思いながら目を閉じた。




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