夜になり俺は自分の部屋の窓から二つの月をぼんやりと見ていた。
レイグが頼れなくなってしまった今、一体どうしたらいいんだろう…。
これでは誰も協力してくれる者がいないではないか。
ベットに倒れ込んでゴロゴロと転がる。

「ゲコ助〜どうしたらいいと思う?」

昼間はゲコゲコと鳴いていたが夜になると静かになっていた。
花も夜は眠るのかな。
ジーっと見ているとゲコっと一回鳴いた。
ゲコ助からがんばれと言われたみたいで俺は嬉しくなってへへっと笑った。
指で花を撫でありがとうと言って眠りについた。

しかし、しばらくしてふわっとした浮遊感に目が少し覚める。
…何だ?
目を開けると。

「…っ!ジル!?ちょ、何して」

ジルが暗闇の中、俺をお姫様抱っこしている。
そしてまたいつものようにジルの寝室に連れて行かれ抱き枕の状態にされた。
俺はもちろん暴れ出した。

「離せよっ!バカ!」

ボカボカと叩いたり蹴ったりするが全く離れる気配がない。
コイツ俺が怒っているのが分かってなかったのか!
謝るまで許さないと決めている俺はこの状況に怒りがさらに湧き上がった。
暴れ続けているとジルが俺の両手を掴んでシーツの上に押し付ける。
ベットサイドの明りに照らされた紅い双眸が掴んでいる手を見下ろしているのが分かった。
そして俺の左手を持ち上げ、指の傷をなぞるように舌で舐めた後、口に含んだ。

「うっ!」

ゾワッとした感覚が背筋を通り抜け反射的に手を引っ込めようとしたがそれは叶わず。
変な感覚は咥内で舐められるたびに全身に広がって行く。

「ジル、もうやだぁ…」

ジルの口から指が離されると傷は綺麗になくなっていた。
解放された指にホッとしているとズボンが引き下ろされる。
ギョッとして見下ろせば…起ち上がっている息子がそこにいた。
カーーーーッ!と顔が熱くなり急いで隠そうとしたが ジルが俺のモノに顔を寄せ下から上へと赤い舌で舐めていく。

「止めろ!ひっ、ああ!」

一気にググッと起ち上がるそれに俺はものすごく恥ずかしくなって逃げ出そうとするが 押さえこまれているジルの力に敵うわけがない。
何度も舐められると先端が濡れ始めやがて雫となって落ちていった。

「んんっ…うぁっ!」

だが与えられる刺激は達くには足りないものでもどかしさだけが俺を攻め続けている。
そのせいで自然に腰が揺れ動いた。
どうしようもなく達きたくて我慢できない俺は自分のモノに手を伸ばすが…。

「ひあっ!!」

俺の息子の根元に突然何かが絡み付きギュッと締まる。

「や、ジルっ!これ取って!取って!!」

やだやだと頭を振ってジルに訴えるがただ俺を無表情のままに見ているだけで何もしてくれない。
それが悔しくて自分で外そうとするがうっすらと光る糸のようなものはどうやっても外れそうになかった。
くそ、何でだよっ!
躍起になっているとジルの手が伸びてきて先端を抉られた。

「ーーーーっ!!」

その刺激によってさらに張り詰め、自身を締め付ける結果となる。
解放できないその苦しさに俺は唇を噛みしめた。
そんな俺の姿を見てジルは冷笑した。

「帰りたいか」
「えっ?」
「レヴァの影を見つけ人間界に帰りたいか」
「あ、当たり前だろ…っ、俺は元いた世界に帰りたいんだ」

本当はもっとはっきり強く言いたかったけれど睨むように見てくるジルの深紅の瞳に圧されて そう出来なかった。
なぜそのような事を言ってきたのか…。
まさかレイグから報告を受けたのか?
ジルが俺の首筋に顔を寄せてくる。
そして…。

「うあああああーーーーーー!!!」

ジルの歯がいきなり俺の肉に食い込んだ。
苦痛しかない吸血行為を俺は久しぶりに経験した。
身体は急激に冷えていき視界が真っ白になる。
その中でジルの苛立ちを感じ取った。
何でお前が怒るんだよ!
怒っているのは俺なんだぞっ。
朦朧とする俺はだらりとベットに四肢を投げ出していた。
そんな俺の脚を持ち上げ尻の奥に猛ったモノを押し当てた。
…ま、待て、まさか。

「止めっ!あああーーーーっ!!!」

急に挿れられた激痛に俺の身体が反り返る。

「いたっ!い、痛い!!」

痛いと言っているのにジルは止めるどころか解されていない俺の中を無理矢理突き進み 揺さぶる。
なんで…こんな事っ!
ジワリと目に涙が溜まってくる。
ジルが腰を動かしていくとその振動で涙がこめかみを伝っていく。
息がうまく吸えなくて苦しい。

「ひっ!」

その時俺の弱点スイッチにジルのモノが触れ意志とは関係なく萎えていたモノが起ち上がった。
しかしそれは戒められている為、さらなる苦痛が俺を襲う。
それなのにジルはそこを狙って腰を打ちつける。
俺は気が狂ったように声を上げただ必死に耐え続けるしかなかった。
だが限界はすでに超えこの行為を終わらせるには俺に苦痛を与えているジルに助けを求める しかないのだ。

「ジ、ルっ!やぁっ、お願…助けっ!!」

するとジルの腰の動きが止まり薄暗い部屋の中はハッハッと俺の荒い呼吸の音だけが聞こえている。
ああ…駄目だ。
意識が遠のいていく。
キンッと耳鳴りがして苦しみと共に静かに落ちて行った。




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