No118

唐松岳トレッキング奇行

2001.8.30掲載

オットが急に8月25〜26日と長野の唐松岳へ行くことに決めた。そもそも
始まりは会社の山好きの先輩に誘われて知った山だった。今回同行する
メンバーの中に女性がいなかったので、ワタシひとりではあまりにも迷惑な
のでとお断りしたのだけど、オットはその山の情報をインターネットで調べて
しまった。ワタシも見せてもらったけど、すばらしく眺めのよさそうなところだ
った。おまけに、山岳写真家の
菊池哲男さんの講演会もあるらしく、オット
は「ふたりで行くぞ」と決めてしまった。

これまで、毎年秋には県内の低い山をひとつずつ登って、いや歩いてはい
たけれど、聞くところによると唐松岳の標高は2696m。いくら七合目まで
はゴンドラで行くって言ったって、いくら1泊するって言ったってあんまりだ。
それに・・・それにだ。第一オットは「行くぞ、行くぞ。」と言ってはいるけれど
だいたい山小屋に予約だってしてないじゃないかってタカをくくっていたら大
間違いだった。山小屋なんて予約は要らないんだそうだ(^_^;)

そんなわけで、ワタシはとうとう10年以上ぶりの登山らしい登山に連れて
行かれることになってしまった。ワタシのこれまでの唯一の山小屋経験は
立山登山だった。あの頃のワタシはまだ元気だったけど今は。。。前日に
なって「山でバテない方法」なんて本を買ってきてはくれたけど、遅いよー!
もっと早く読みたかったよー!(爆)

朝6時に出発の予定がやっぱりもたもたと6時半の出発。何もそんなに早
く出かけなくても・・・って言ったら、夏山は天気が変わりやすいから、午前
中に登ってしまった方がいいのだと言う。

滑川インターから高速に乗って糸魚川で下りる。八方の町で車を停めてゴ
ンドラリフトを乗り継いで八方池山荘前に着いたのが9時半だった。ここで
すでに標高は1830m。いわゆる天然のエアコンで涼しい。

思ったよりたくさんの人でびっくりした。まだ夏休みなんだもんな。歩き始め
るとすぐに汗が出てきた。でも、オットもワタシに合わせてゆっくりペースだ
し、これくらいなららくしょうらくしょう(^ー^)すぐに八方池に着いた。残念な
がらまわりはガスっていて池に山は写ってはいなかった。どうやら、ここで
引き返す人も大勢いるようで、ここからがほんとの登山道なのだと知った(^_^;)

ワタシは案の定日頃の運動不足がたたってすぐに息が上がってしまった。
登りはほんとに心臓がツライ。少し歩いてはすぐに休む、を繰り返した。
後ろから足音が聞こえてくるとプレッシャーで自分のペースじゃなくなって
しまうので、とにかく「お先にどうぞ」を繰り返した。

そのうち「お先にどうぞ」でお互いに顔を覚えた人も出てきた(笑)。抜きつ
抜かれつでペースが似ているのだろう。

ある時、かなり苦しくなりながらやっとやっとで歩を進めていると下の方か
ら、何を言っているのかは分からないけど、まるでラジオから聞こえてくる
様な明快な音声が聞こえてきた。その声はずんずん近づいてきた。英語?

犯人はほんものの外人さんだった(笑)。ハリウッドスターみたいな男性の
二人連れで、まるで普通の道を歩くように足取りも軽く、息も乱さずずっと
普通にしゃべり続けていた。ワタシ達が先にいってもらおうと待っていたら
「コニチワ。アゲイン♪」とにこやかに去って行かれた。

少し進むとちょっと広いところがあって、また何度目かの休憩することにし
た。そこには、さっきの外人さんがいたが「a〜ha」とか「あっはは」とか、
外人さん特有の笑いや相づちを打ちながら、コパトーンの日焼け止めを塗
りたくって、相変わらずずっとしゃべり続けていた。こうゆう時日本人って、
なぜか自分たちの会話さえ遠慮して黙りこくってしまう(笑)。ワタシ達の
他にも若い3人組の男性のグループがいたけどやけに静かだった。

せっかちのオットにせかされて、その中では一番早く再出発したけど、す
ぐに後から来た3人組に道を譲ったのは言うまでもない。外人さん達は遅
いなぁ〜って思ってたら、また後ろの方からラジオ放送が聞こえてきた(笑)。
「以上、八方尾根から中継でした」って言うんじゃないかって思うくらい(英
語でどう言うかは知らないけど)しゃべり続けて。そしてまた「コニチワ。ア
ゲイン。」と言って追い越して行った。きっとあの人達にとってワタシ達はみ
んな同じ顔に見えるんだろうな〜。半袖に短パンで一体どこまで行かれた
のだろう。

林の中では見事な幹のダケカンバがあった。ガスがかかっていたのがか
えって幻想的で、ワタシはなぜか「もののけ姫」を思い出した。息も絶え
絶えで歩き続けながらふと目に入る高山植物にはホッとさせられた。もう
毛になって風車みたいなチングルマやミヤマリンドウ、ミヤマアキノキリン
ソウ、タムラソウ、マツムシソウ、カライトソウ・・・などがお花畑みたいにな
ってるところもあってきれいだった。

通り過ぎる人達のウワサでは「頂上まであと1時間」だったけど、もうずい
ぶん前からそんなような事を聞いている(-_-;)

途中、ほんとに短いけど鎖場もあって、下手をすると足許の石がずりずり
っとなって怖くて右側を見ないで通過したりした所もあった。

そんなこんなでようやく13時半、山小屋に辿り着いた。「あと1時間」が
信じられなかったせいで「まだか、まだか・・・」って言う思いはなかったの
で、着いてみるとなんだここか〜ってカンジだった(笑)

唐松岳の頂上はそこからもう少し、あと70m程登らないといけないのだけ
ど、とりあえず小屋を見たらホッとしてしまって、受付の後寝床の確認に
行った。

中を入ると、寝台列車のちょっと大きいのみたいな所で、通路を挟んで両
側に2段ベッド風の寝床がある。四畳ごとに壁で仕切ってあって通路とは
カーテンで仕切る。ほんとに”寝床”なので敷き布団は敷き詰められてい
て、まくらも8つ並んでいる。山小屋の支配人さんの話によると、四畳に
最高8人で寝ることもあるってことだったけど、今のところリュックはワタシ
達ので6つ目だった。さっきまでの汗が急に冷えて、実際気温も低いのと
で寒くなってきて早速Tシャツを着替えた。

着替えたけれどもまだ寒くて風邪をひくんじゃないかって心配になった。
おまけに布団は湿っぽいし、今夜は寒くて眠れないんじゃないかなぁ・・・
なんて余計な心配をしながらもほっこりしていると、同じ部屋・・・じゃなく
て同じ寝床だと思われる方が戻ってこられた。

「あ!」顔を見てお互いに声を発していた。途中何度か抜きつ抜かれつで
挨拶を交わしたワタシ達の親の世代くらいの年輩のご夫婦だった。
ほ〜ら♪ワタシのゆっくりのろまなペースのおかげで友達が出来たじゃな
いか(笑)。

疲れているのと、里ごころ(?)がついてしまったのか、着替えてしまった
ら、もう着替えはないし、汗をかきたくはないので頂上に行くのはどうでも
よくなくなってしまった(笑)けど、そうゆう言うわけにもいかないし、まだば
んごはんの5時半(到着時間で振り分けられる)まで時間はたっぷりある
し、ゆっくりと汗をかかないペースで頂上を目差した。ほんとにゆっくりゆっ
くり。。。

頂上は思ったよりすぐ着いた。すると、それまでガスがかかって何も見え
なかった周りの景色が、ガスが晴れてぱぁーーっと姿を現してくれた。
まるでご褒美みたいに。頂上でずっとガスが晴れるのを待ってた人達もい
たみたいだった。なんてラッキーなんだろう。さすがはぱきら、晴れ男だわ♪

向こうに白馬岳が見えるらしく「あの向こうに見える三角の山がそうだよ」
とその辺にいた人に教えてもらった。白馬岳はいいけど、手前の大きい
山はなに?何でも周りの人に訊いてみる(笑)。「帰らずの何とか」って
言ってたけどよく分からなかった(^_^;)

後ろを振り返ると、五竜岳と牛首がどんと迫っていて美しかった。そこから
さらに右に45度首を回すと剣岳も見えた。ほんとに素晴らしい眺めだった。

オットは日の入りまで粘って「夕日に照らされた剣岳」とか何とかの絵の
写真を撮りたいようだったけど、ワタシは頂上に着いてから寒くて、もう既
に自分のユニクロの白のフリースの上に、カレのオレンジ色のフリースを
重ねて、さらに今回揃えたおニューの雨具を上下とも着込んでいた。もう
他に着る物はないのだ。それにまたガスも出てきてるし。夕日は山荘の
前でも充分きれいみたいなので、そろそろと降りた。約束通り汗はかかな
かった。

それでもまだごはんまで時間があるので、オットが外でコーヒーをいれて
くれた。このためだけに少し重いけど持ってきた、ガスとコンロ。普段は、
相当おだててその気にさせないとコーヒーもいれてくれないから、ワタシ
にとってはとってもありがたいひととき。冷えたカラダもあったまった。
お〜ありがたや、ありがたや♪

小屋の前の、木のベンチらしいものに腰掛けて、飽きることもなく山を眺め
ていると、今夜床をご一緒する(笑)さっきのご主人が来られた。話をして
みると、あちこち登ってられてほんとに山がお好きなようだった。ぱきらが、
この山に来ることになったいきさつを話し、行き先も実はここじゃなくて白
馬岳だったことも話して「とてもまるぼーには無理だし」なんて言って笑っ
てたら、一概に無理とは言えない、要するにルートなんだよって言われて
目からウロコが落ちた。そうなんだ〜。ルートを工夫すれば行けないことも
ないんだ。こうやって山を眺めながら、山が好きな人達と山を語る、なんて
ちょっとかっこいい〜(^ー^)

お風呂もないしとにかくヒマなので、その後もウロウロと売店を覗きに行く
と、入り口に置いてある、この辺りの山を写した絵はがきが目を引いた。
絵はがきっていろいろあるけど「いい写真やね〜」ってオットと見ていたら、
そこに突っ立っていた男の人が「どうぞ、買って下さい。私が撮ったんです。」
って仰った。え?「私が撮った」ってこの人まさか今日講演する写真家の
菊池さん?って思いつつノドまで出かかった言葉を呑み込んで、絵はがき
にその名前を探したけど分からなかった。

店の奥へ入って少ない商品の中にその人の写真集があったのですぐ手
にとってめくってみたら、やっぱりだった!やっぱりさっきの人は本人だっ
たんだ!ぱきらに言ったら、鈍感なカレはつゆほども思わなかったらしい。
まったく鈍感すぎるにも程がある(笑)。ワタシもまさかあんなにお若い方
だとは思いもしなかった。「へぇ〜サインしてもらおうかな〜♪」ってオット
はさっきの所に行ったけどもういらっしゃらないみたいだった。

その写真集はとてもきれいだった。値段も2000円と手頃だし、別に下でも
買えるだろうけど、とにかくぱきらはサインをもらいたいみたいだった(爆)
しばらくして菊池さんが戻って来られると、早速写真集を買ってさっきの言い
訳をしてちゃっかりサインをもらっていた。しっかり自分の名前までーぱきら
さんへーって書いてもらって(笑)

ばんごはんの後、夕焼けに染まった剣岳の写真を撮りたくてたまらなかっ
たオットはは三脚を持ってスタンバッてはいたけれど、雲も多くガスもあって
断念せざるを得なかった。もう暗いし寒くなって他の人もいなくなってしまった。
だけど、夕焼けは沈んだ後に燃えることもあるらしく、日が沈んでからも粘
った。もう一組、同じ寝床のご夫婦で、ワタシ達より少しだけ年上かなって
カンジの奥さんが「何を待っていらっしゃるの〜?」と冷やかしに来られた(笑)

まるで生き物みたいなガスはどんどんわき上がって来てるし、オットもワタシ
も夕日は殆ど諦めモードだったけど、刻一刻と表情を変える山々の姿に見と
れていた。寒くさえなかったら、ずーっとそこにそうしていたかった。振り返る
と個室組の住人はあったかい部屋の窓から外を眺めていた。ちぇっ!
あ、いえ、ワタシは決して個室が羨ましいわけじゃなく、『あったかい』ところ
から外の景色が見れるのが羨ましいのだ(^_^;)

そして、ようやくばんごはんにありついた。予想は外れてカレーライスではな
かった。水を使わない調理済みのオカズが少しずつだけどいろいろトレーの
上に乗っていた。でも、何より一番美味しかったのは熱いほうじ茶だっだ。
実は、ワタシはお茶にはちょっとうるさい(笑)。ほうじ茶には葉っぱをケチら
ず熱いお湯をじゅっと注いで蒸らさないといけない。まさか、すでにポットに
用意されている大勢分のお茶を急須で煎れているとは思わないけど、それ
はそれは美味しいお茶だった(^ー^)。

食事の後はさっきの菊池さんの講演会があった。「山と渓谷」とかの仕事も
していらしゃる方で、スライドを見ながらその撮影秘話や写真の撮り方など、
カメラ初心者のワタシにとっても興味深く話しもおもしろかった。食堂はいっ
ぱいだった。前の方の席では、今夜寝床をご一緒する年輩の奥さんの方が
手話で通訳をしていた。そういえば、山を登ってくる途中で休んでいると、
手話をしているご夫婦を見かけて、そっと盗み見したけどちんぷんかんぷん
だった(ーー;)道のりはまだまだ遠い・・・がんばろう。

講演会も終わりいよいよ寝る時が来た。湿っぽい布団だろうと何だろうと、
もうそんなことどうでもいい。山小屋って不思議だ(笑)。それに、何だかわく
わくするではないか。だって、9時に寝れるなんてそうそうないことなんだもの。
明日はせっかくだからご来光を拝みたいし、今夜は疲れているからすぐに寝
付くだろう。ゆっくりねるぞぉ〜っとはりきっていたら、もうイビキが聞こえてき
た・・・は、早い(-_-;)。

Zzzzzzz。。。Zzzzzzz。。。ね、眠れない。イビキがうるさくて眠れないのだ。
そのうちイビキはステレオ放送になって両側から聞こえてくるようになった。
あれ?オットも起きてるの?いつも布団に入ったらものの1分もしないうちに
寝付いてしまうオット。もうとっくに夢の国だと思っていたけどなんだ、仲間が
いたんだ(笑)ふたり顔を見合わせて笑った。

ごそっと起きたかと思うと、オットはリュックから何やら取り出してごそごそし
始めた。外で使う発泡スチロールのいわゆる座布団をナイフでこしこしと切り
出した。「何してるん?暗いとこでアブナイよー」って言ったら「耳栓」と言う。
そっか♪これをちぎって耳栓にしようってことなんだ♪こしこしこし・・・誰も起き
ない。

出来上がった耳栓をしてみた。Zzzzzzz。。。Zzzzzzz。。。状況は何一つ変
わらなかった。隣の奥さんまでイビキをかいて、時々「フフフ」って笑ったりして
いるから、ワタシまでおかしくなってきてしまう。眠れなくて人のイビキを聞いて
笑ってしまうなんて・・・。次回、耳栓は必ず持って来るようにしよう(ーー;)

あっちへ寝返り、こっちへ寝返りしながら、ま、眠れなくてもこうして横たわって
いるだけでもカラダの疲れはとれるって言うから、諦めよう。そのうち何分間は
きっと無意識にたらりと眠っているものだ。それに、あんなに心配していた寒さ
がまったくないばかりか暑いのだ。着ていたシャツを脱いで半袖のTシャツでも
充分だった。

「ちょっと星見てくるわ」オットの言葉で目が醒めた。はっ、ワタシ今寝てたんだ。
確か夢も見てた。かわいい猫を撫でていたのに。ようやく、せっかく眠りにつけ
て気持ちよかったのに、もうちょっと寝てたいよう。一体今何時?まだ3時半だ
った。少しはオットも寝たのだろうか。相変わらず旅先でも元気なヤツ(ーー;)

眠いながらも考えた。ずっとずーっと前に立山登山をしたときのあの手が届き
そうな星空が忘れられない。「もしも星がきれいだったら起こして。。。」

星はそんなにきれいじゃなかった。結局、気になってあの後自分で起きて、
ぬぼーっと見に行った(笑)。普通の星空だった。
そうこうしてるうちに、4時を過ぎるとご来光を拝みに行くためにみながごそご
そと準備を始めた。縦走するために朝ごはんを5時半に食べる人もいるのだ。
ほんとに5時半からごはんて食べれるものなんだろうか(笑)。

ワタシ達の寝床は周りの喧噪をモノともせず静かだったけど、さすがに「今何
時?」と起き出して来られた。昨日の約束じゃ4時半だったのに、早いよ〜っ
て言いたげだった(笑)。アンタ達、いっぱい寝てたでしょ!

ワタシ達の準備が出来て出かけるときに、5時半にごはんを食べる予定の年
輩のご夫婦に別れを告げた。戻ってきたらもういらっしゃらないかもしれないか
ら。

「じゃあ、お気を付けて。」ってオットが言ったら「またどこかでお会いすることも
あるかもしれないし。」ってご主人が仰った。かっこよかった。短い間だったけ
どこうしてご縁があったのに別れてしまうのはさみしかったけど、お互い山が
好きで元気で登っていられたら、またどこかで会えるかもしれないんだ。この
おじさんにはほんとに目からウロコを落とされっぱなしだったなぁ(笑)。

まだ薄暗い中、昨日の菊池さんのお薦めポイントのひとつであるヘリポートを
目差した。あぁ、また登り。。。(T△T)寝起きのカラダに上り坂はキツかった。
今度こそ死ぬかと思った。

オットはやっぱり三脚を立てて大張り切りだった。みんなぞろぞろと上がって
きた。山に来てご来光を見ない人なんていないものなのかな。

足元には雲海が広がっていたけど、雲が邪魔をして、きれいな絵に描いたよう
なご来光は残念ながら拝めなかった。”朝日を浴びた剣岳”とか、昨日スライド
で見せてもらったようなのを撮りたかったんだろうけど、なかなか自然はそう上
手くはいかないものだ。何でもそうだけど、自然や動物をを相手に良い写真を
撮るって根性いるよな(^_^;)

ワタシ達の朝ごはんは6時半だった。梅干しをいっぱい食べて、美味しいお茶
もおかわりをして、さぁこの見晴らしのいい景色ともお別れだ。下りは心臓なん
て全然へっちゃらで汗もあまり出ないしラクなんだけど、足がガクガクになるの
だ。覚悟を決めて出発進行!

いきなり、例の「反対側は谷」だ。登りの数倍コワイ。もうへっぴり腰で両手を
ついてやたら慎重に通り過ぎる。下りはもろに足腰の弱さが出る。少し歩いた
だけなのにもはや足がガクガクしている。おぉ〜情けなや(T△T)

まだ、小股で歩けるところはいいのだ。階段状になってるところがひどい。
普通の階段みたいに「ちょうどいい」感覚じゃなくたいていは段差が大きいの
で、着地する足にかなり負担になる。おまけに着地地点は石がごろごろして
いて、下手するとずりっとなるのだ。

いや別にワタシは何も、その登山道を何とかして欲しいとか、そんなことを言
っているのでは決してない。念のため(笑)。確かに夕べの寝不足もあるとは
いえ、ただ、単にそうゆう状況で自分のカラダを支えきれない自分の足腰の
弱さが情けないのだ。現に熟年のおばちゃん世代の人でも、軽々と通過して
行かれた。もっと、鍛えないと。

往路4時間、帰路3時間半。まぁ、何はともあれ、ケガもなく危なげながらよく
足もげくらずに来れたものだと自分を褒めてあげたい(笑)。山はほんとに素
晴らしかった。降りてきてしまうとあんなに苦しかったこともみ〜んな忘れてし
まった。カラダを鍛えてまた山に来よう。あのおじさんにも会いたいし(^ー^)

帰りの車ではふたりとも睡魔と闘って無口だった。そんじょそこらの尋常な眠さ
じゃなく、ほんとにほんとに眠かったけど、オットもすごく眠そうで助手席に座っ
てるワタシはせめて付き合わなくちゃ・・・と、とろとろになりながら寝ないように
寝ないようにってがんばっていた。そしたら、「もーダメだ。運転変わって。」と来
た。あ?えっ?えぇぇぇぇぇーーーー!いいけど・・・いいけど今まで必死に耐え
て来たのは一体何の為だったんだろう。素直に寝てればよかった(-_-;)やっぱり
昨日の寝不足が相当堪えているみたい。

席を変わったとたん、ぱきらはすーすー寝入ってしまった。くっそ〜。
往きと同じで糸魚川から高速に乗ったけど、この道はやたらトンネルが多い。
トンネルって言うのはただでさえ、照明の具合でなんかこうおかしな錯覚に陥っ
てしまうって言うのに、ひどい眠気のせいでとてもじゃないけど安全な走行が出
来そうになかった。たぶん、数秒間は眠っていたんじゃないだろうか(ーー;)
一刻も早く家に帰り着きたかったけど、次のパーキングでゆっくり休んでから
今度はまたぱきらにハンドルを渡し、ワタシは思う存分眠り呆けた。

ばんごはんは、山小屋で食べれなかったカレーが無性に食べたくなって、作る
元気もないので、レトルトカレーを買って帰った。カレーはほんとに美味しかった。
山小屋でカレーが出なくてほんとによかったと思った。だって、もし、カレーだっ
たら、ワタシは絶対味噌汁が飲みたくなるはずだから(笑)。



ぱきらの唐松岳へのトレッキングへリンク


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